「おまっ、も、ほんと」
「あああっっ」
ぐぐっと押し込む圧が増えて、とうとう、ぬぽっと一番大きな部分が通ったのがわかる。しかしホッとする間もなく、そのままローションの滑りを借りてグッグッと奥にまで入り込んでくる。
「ぅあっっ……ぁ、……あ……っく、……ぅ、……」
強い痛みは感じないけれど、圧迫感はどうしようもない。指では届かなかったその先まで押し込まれると、さすがに少し恐怖した。どこまで入ってくるんだ、これ。
「ぁ、あっ、すごっ。ふか、ぃっ」
怖いとは言えなくて、言っちゃいけない気がして、でも声はちょっと震えてた気がするし、半泣きだった気もする。
「だぁから、煽んなっ、てぇ」
「んぁあっっ」
今回のは意図的に煽ったわけじゃないけど、どうやら相手は煽られてしまったらしい。グンッと勢いよく突き込まれて、悲鳴に似た声を上げてしまったし、目尻からは涙が落ちていった。
それが呼び水となってしまったのか、次々涙が溢れてくる。苦しさはあるけど痛みはないし、悲しいわけじゃないはずなんだけど。
「ちょっ、えっ、どっか痛くしたか?」
慌てる相手の声が聞こえて、滲む視界の中、相手の顔が寄せられる。
「い、痛く、ないっ、けど」
「けど?」
「お腹、なか、熱くて、お前が俺ん中、いる」
言ったらお腹の中の相手の存在を、より実感した気がする。
「俺いま、お前と、セックス、してる」
これもだ。はっきり言葉にすると、実感が増す。
「そうだな。お前がいっぱい準備してくれたから、初めて同士なのに、ちゃんと繋がれたな」
お前のおかげ。ありがとう。って言われながら、ちゅっちゅと涙の滲む目元に交互に唇が落ちた。
胸の奥から溢れてくる好きを口に出したら、すぐに、俺も好き、って返ってくるのが嬉しい。
嬉しくて、ホッとして、なのになんだか余計に泣けてくるから困る。
「ご、ごめっ。ホント、痛いとか、悲しいとか、ってわけじゃない、から」
「いいよ。両想いセックスに感極まって泣かれてんのかと思ったら、嬉しい以外ないだろ。それに焦って肝が冷えたから、三こすり半の即イキも回避できたしな」
どこまで本気かわからないけど、バキバキに興奮してたペニスを見ているので、あながち嘘ではないのかも知れない。
「ふはっ、お前に即イキされたら、満足できなかったからまたしたい、ってすぐ言いそうだもんな」
笑ったら、相手が安堵するのがわかったから、やっぱり冗談だったのかもだけど。
「俺としては、気持ちよくて最高に幸せだったからまたしたい、って言わせたいけどな」
「それは、俺も、言わせたい」
「既にもう、好きだ、好きだ、可愛い、愛しい。って気持ちが、胸ん中に溢れて、最高に幸せだし、お前の中、めちゃくちゃ気持ちぃよ。これから先もずっと、お前が嫌がらない限り、何度だってお前を抱きたいって思うよ」
熱烈な告白にまた少し笑ってしまう。
「お前の言う、ずっと、は重みがすごいよな」
「だろ。だから信じていいぞ」
「うん。嬉しい」
「これに嬉しいって返ってくるのが、もうホント、俺的には奇跡っていうか、そういうお前がたまらなく好きだし、お前のことしつこく好きで、諦めなくて、良かったって思うよ」
心の底から、なんて付け加えてくるから、やっぱりまた笑いがこみ上げてくる。大げさって思う気持ちと、そこまで想われているという嬉しさや安堵があるからなんだろう。
「涙、止まったな」
「うん」
「体はどうだ? 動いても平気そう?」
「多分、だいじょぶ。けど」
「けど?」
「えと、指が届かない奥の方は、その、ちょっと怖い、かも」
「わかった」
「あと、いっぱい」
「好きっていうよ。何度だって言う」
更に、可愛いも言うし愛しいも言うと宣言されて、うへへと笑ってしまう。頬が緩んでしまう。
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