二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった36

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「ぁっ、あんっ、い、ぃい、ぁ、すき、ぁあ」
 繋いだ手をさらに上からぎゅっと握られ、気持ちよさそうに好きだ好きだと繰り返されて、興奮が増さないわけがない。
「ぁうっ、おっ、…き」
「お前が可愛すぎるせいだって」
 告げればどこか嬉しそうにはにかんで見せるものの、やはり質量が増したせいで、漏れる声が先程より苦しげだ。
「ぅ、ぁっ、っく」
「痛いか?」
「く、ないっ、から、ぁ、ぁあっ、ね、ねぇ」
「どうした?」
「だいじょぶ、だからっ、ぁ、俺で、気持ちくなって」
 どうやら、辛そうな様子に腰を降る速度が落ちたのを気にしたらしい。
「ばっか、とっくにめちゃくちゃ気持ちぃっての」
「ん、ふっ、それなら、ぁっ、も、おねがぃ」
 ホッとしたように笑ったあと、イッて欲しいとお願いされてしまった。
 それはきっと、質量が増して気持ちいいよりも苦しい方が強くなってしまったから、一緒にイクのは無理という訴えなんだろう。もしくは、苦しいから早く終わって、かも知れない。
「ん、わかった」
 頷き、相手のペニスから手を外して身を寄せた。
「肩、捕まって」
 声を掛けながら繋いだ手を離せば、素直に両手が方に向かって伸びてくる。
 腹の間にある相手のペニスも一緒に刺激できたら良いな、という悪あがきで密着度を上げてから、軽いキスを一つ落とした。
「悪いな。先にイクな」
 その後お前のこともちゃんとイカせてやるから、と思いながらも口には出さず、再度小刻みに腰を揺する。
「そんな、ぁっ、ぁあっっ、ぁ゛、ぁあ゛
 何かを言いかけた口からはすぐに次々と嬌声が溢れて、それが段々と切羽詰まって大きくなっていく。
「っ、んっ、んんっっ、ぅんっ」
 先程告げたとおりにその声をキスで塞いだ。
「んっ、ぅあ゛っ、んぅっ、ぁ゛っ」
 塞ぎきれずに漏れ出る声からも、必死に縋り付いてくる腕からも、気づいてしまった涙からも、相手の苦しさが伝わってくる。けれどだからこそ、さっさと終わってやらないとと思う。
「んんん゛ん゛っっ」
 そんな中、ペニスを包み込むアナルがきゅうきゅうとうねるのに合わせて吐精を果たした。
 余韻を味わう数瞬の間に、もしかして今のは相手もイケたのではと考える。しかし、身を起こして相手のペニスを確かめることは出来なかった。
「ぅうっ……ぁ……すき。すき、です」
 身を起こすのを引き止めるように、再度強い力で抱き付いてきた相手が、泣き声で好きだと繰り返してきたからだ。
 軽く浮いた背に腕を回して抱きしめながら、宥めるように俺も好きだよと返す。好きだと言われるたびに好きだと返しながら、相手が落ち着くのを待ってやる。
「ご、ごめんなさい」
 何度も好きの応酬を繰り返したあと、唐突に謝罪の言葉が告げられた。それより随分と前に抱きついてくる力は弱まっていたが、それでも抱え続けていた体をようやく放す。
 ようやくしっかり捉えた相手の目元は泣いたせいで赤くなっている。泣かせるつもりはもちろんなかったのだけれど、そもそも泣いた理由もよくわからない。好きだ好きだと繰り返す泣き声に悲痛さがなく、責められるような気持ちにもならなかったから、ごめんと言うのも的外れな気がしていた。

続きました→

 
 
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