一回り以上年下の従兄弟を恋人にしてみた6

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 笑ってしまったからか、本気なんですけど、と告げる声は不満げだった。
「本気で言ってんのはわかってるよ。たいして金かかってるわけでもないし、お前にだって充分出せる額だってのもわかってる」
「じゃあ」
「でもまぁそこは、今後も甘えてくれてていいかもな」
「なんで?」
「お前が俺を好きすぎるから。つか恋人とデートしてて、抱いて貰うんだから自分も半額出す、なんて言われるの初めてだったんだよな」
 嬉しかったし可愛すぎたから、今後もデート代は出してやろって気になった。と続ければ、そんなことでと驚かれた後、やっぱりどこがケチなのか全然わからないとボヤかれてしまった。
 そんなことでと言うけれど、今まで同じことを言った恋人は居なかったし、この子は抱かれるためにお金を出してもいいくらいに自分のことを好いてくれている、という事実は、財布の紐が思わず緩むくらいの衝撃だったというだけだ。
「お前が相手なら、セックスするため以外のデートだって全額俺持ちで全然いいわ」
 年齢差的に当然そうなるだろという認識ではあったのだけど、3週間放置になった原因のひとつに、ヤれないデートに金をかけたくない=積極的に会いたいわけではない、という気持ちがなかったとは言い切れない。
「てわけで、今後はもっと積極的に、セックスなしの日帰りデートもセックス無しのお家デートもするからな」
「えっ!?」
「抱いて貰えないならデートしたくないとかは言わせないぞ」
「言いませんよ。言いませんけど、でも」
 本気で? と確かめられて、本気でと即答してやる。
「そういやお前、俺がセックス抜きのデートする気がないって思ってた、よな?」
「そりゃ、だって、いくら俺が実感できてなくても、あんなに何回もケチでクズって自己申告されてたら、ヤれる時だけ会うほうがいいんだろうなって、思っちゃうというか。その、少しでも長くあなたの恋人で居たいって考えたら、かろうじて耐えられそう、みたいに言ってたようなことは避けておきたいと言うか」
「待て待てなんだそりゃ。かろうじて耐えられそう? 何を? つかそんなこと言った?」
「言いましたよ。俺と付き合うメリットで、好きだからただ側にいたいっていうのも、恋人なら許せそうだ、って」
「あー……」
 そう言われてしまうと、確かに言ったような気がする。
「恋人ならギリ許容できそう、って……?」
「それですね。ギリ許容って、かろうじて耐えられそう、とは違いました?」
「すまん。確かに俺が言ってたわ」
「なのにセックス抜きのデート、あなたから誘ってくれるんですか?」
「そうだな。セックス抜きでもお前とは会いたいって思うよ」
 本気で? と確かめにくる声は、さっきよりもさらに疑わしげだった。
「本気で言ってるけど、でも、好きだから会いたくてしょうがない、みたいなのとは確かに違うかな」
「もし俺を甘やかそうとか、喜ばそうとか、そういうのなら、あまり無理して欲しくないです」
「違う違う。いや違くもないけど、ヤれないデートに金出すのもお前相手なら全然有りって思ったら、もうお前を放置しておきたくないなってなっただけ」
 お前面倒だから放置しとくと余計なこと色々考えて、下手したらやっぱり自分なんかが恋人なのはとか言い出しそうだし。と続ければ、ちょっと言葉に詰まっているので、多分似たようなことを既に考えていたんだろう。
「お前がもう無理別れたいって言ったら別れてやる気はあるんだけど、こんなに俺のこと大好きで居てくれる恋人初めてだし、手放したくないなって思ってアレコレする価値が充分にあるとも思ってる。あと、お前が俺を好き好き思いながら俺のそばをウロつくの、ギリ許容どころか思ってたよりずっと楽しそう。つか嬉しい。のと、多分、愛しい」
 最後の部分を拾って、愛しい? と呟く相手に、そうだよと肯定を返す。ついでに、本気で、と相手に問われる前にさっさと自分から申告しておいた。

続きました→

 
 
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