ツイッターに書いてきた短いネタまとめ2019年分です。
有坂レイのバレンタインへのお題は「夢はいずれ醒めるもの」、ゆるいBL作品を1ツイート以内で創作しましょう。 https://shindanmaker.com/666427
街にチョコが溢れる季節になったら、そっとあれこれ吟味して、これだという一つを選んで購入する。最近はじっくりあれこれ眺められるから、ネット通販することも増えた。
どんな風に渡すか、渡したらどんな顔をするか、どんな反応が返ってくるか。バレンタインまで何度も繰り返し考える。告白して、受け入れて貰って、晴れて恋人になるような、そんな甘い夢を見る。
そして14日になったら箱を開けて、たくさん重ねた甘い夢ごと、自分でバリバリむしゃむしゃ食べる。だって、僕から君へのチョコなんて、渡せるはずがないんだもの。
1ツイート短縮版 → 街にチョコが溢れる季節になったら、これだという一つを選んで購入する。渡したらどんな反応が返ってくるか、何度も繰り返し考える。晴れて恋人になるような、そんな甘い夢を見る。 そして14日になったら、重ねた夢ごとバリバリ食べる。だって、僕から君へのチョコなんて、渡せるはずがないんだもの
エイプリルフール
今日は入社式だなんだで、まともに仕事なんて出来ないのはわかりきっている。しかし後々の事を考えたら、少しでも進めておきたくて、ほぼ始発に近い電車に乗って出社した。
最寄り駅の改札をくぐる辺りで、声を掛けられ振り向けば、同じ部署の同僚が苦笑顔で片手を上げている。
少しだけ立ち止まって、他愛ない話をしながら並んで会社へ向かう。随分早いですね、だとか、お前もだろ、だとか、入社式面倒、だとか、仕事させろよなぁ、だとか。
「ところでさ、凄くいい機会だと思うから、ちょっと告白したいんだけど」
会社のビルに入ってからは周りに誰も居なかったけれど、それを口に出したのはエレベーターの中だった。二人きりの密室ってやつだ。
「え、懺悔的な何かですか?」
当たり前だが仕事絡みと思われたようだ。
「いや、恋愛的な方」
「ああ、そっち」
面倒事を想像してか嫌そうな顔をした相手に、にやっと笑ってそう伝えてみれば、相手はなんだと言いたげにあっさり流してしまう。
「なんだつまらん」
もっと驚けよと言えば、だってエイプリルフールですもんと、不満げに口先を尖らせる。なんだか拗ねているみたいでドキリとする。
「なんつー顔だよ」
ドキリとしてしまった事に内心少々慌てながら、それをごまかすように、告白されたかったのかと聞いてやる。わかりやすく、からかい混じりの口調と顔で、相手の顔を覗き込んだ。
「そうですよ」
不満げに口先を尖らせたままの拗ねた顔が近づいて、一瞬の接触の後で離れていく。
言葉なんて出ない。ただただ目を瞠って相手を見つめてしまう中、目的階への到着を告げる音が鳴り、エレベーターが停まった。
「エイプリルフール、って事にしておきます?」
クスッと小さな笑いとそんな言葉を残して、開いた扉から相手が出ていくのを、やっぱりただただ見送ってしまった。
ゆっくりと扉が閉じて行く中、振り返った相手が、やっと驚く顔を見せていたけど、もちろん欠片だって楽しくない。降り損ねたエレベーターが動き出して、一人きり、小さく呻いて頭を抱えた。
有坂レイへのお題は「ホント、君って奴は」、赤裸々なBL作品を1ツイート以内で創作しましょう。 https://shindanmaker.com/666427
口の中に吐き出されたものをごくんと飲み込めば、焦った様子で名前を呼ばれた。顔を上げて、ニヤッと笑って、口を開けて、何も残ってませんよと教えるように舌を出す。「ホント、君って奴は」呆れた顔が寄せられて、けれど差し出す舌を食まれる瞬間には嬉しそうに笑うから。ホント、君って奴は
有坂レイへのお題は「君がいない今」、ゆるやかなBL作品を1ツイート以内で創作しましょう。 https://shindanmaker.com/666427
君がいない今、日々考えてしまうのは、君がどれほど僕を想っていてくれたかと、僕がどれほど君を愛していたかだ。なぜ君が去ったかはわかっているし、君の決意を踏みにじりたくなくて、それらを受け入れ追うことはしなかったけれど、でもやっぱり後悔している。君に、会いたい。会って好きだと言いたい
一次創作BL版深夜の真剣一本勝負 第287回のお題は、
・おやつ ・疲れた彼に ・「好き」ってなに?
なんで、と聞かれて正直に好きだからと言ったら、相手は一気に雰囲気を固くした。
「好き、ってなに?」
「なにって言われても、好きは好きだけど。だいたい、そっちこそ、好きだから受け取ってるんじゃないの。というか、また持ってこいって言ったのそっちじゃない?」
たまたま放課後下駄箱でかち合った相手があまりに疲れた顔をしていたから、その日の部活で作ったお菓子を一部分けてやったのが始まりで、また持ってこいよの言葉に応じて部活どころか家で作ったものまでアレコレ渡しているのは、彼があまりに美味しそうに食べてくれるから、というその一点につきるのだけど。
「俺が好きなのはお前じゃなくてお前が持ってくる菓子だけ、なんだけど」
おもいっきり「菓子だけ」の部分を強調して言われて、彼が何を誤解しているかがわかった。
「僕が好きなのもお菓子作りだけだからご心配なく」
「は? つかこれ、お前の手作り?」
「え、今更そこ!? てか市販のお菓子じゃないのはわかって食べてたよね? 誰の手作りだと思ってたんだよ」
「お前の彼女、とか?」
「うっわ最低」
「なにがだよっ」
「僕の彼女の手作りと思いながら、それを僕に渡せってねだるその神経が信じられないんだけど」
「よその男にホイホイ渡せる程度の付き合いなんだろ」
「って思ってたって話ね。勝手な想像で決めつけてましたって話ね」
「あーくっそ、そうだよ。悪かったよ。つか、やめんなよ」
「やめるって何を?」
「菓子、持ってくるのを」
「えー……」
渋れば焦った様子で、いやほんとゴメン、だとか、また食わせてくれよだとか言い募る。それを黙って見ていれば、今度は情けない顔になって、どうすれば許してくれるんだよと途方に暮れた様子で告げるから、少しばかり驚く。
「そんなに好き?」
「すげー好き」
言い切ってから、お前が作る菓子の話なと慌てて付け足すから笑ってしまった。
「いいよ。そこまで好きって言って貰ったら、ヤダって言えないよ」
あからさまにホッとする様子を見ながら、あれこれちょっとマズイかなと思う。好きなのはお菓子作りだけだからご心配なく、という言葉を撤回することになる日が、いつか来そうな予感がした。
これで今年の更新は最後になります。
一年間お付き合い下さりどうもありがとうございました。
今年もまた連載中作品(理解できない)が年またぎになってしまいましたが、年明け後、通常通り更新できるようになるのは6日以降になりそうです。が、連載途中の作品をそこまで放置するのは躊躇われるので、なるべく途中にも更新できるよう頑張りたいと思っています。
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