RPG風 シーフ×プリースト

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 持ち前のすばやさを発揮したビリーは、ガイが呪文を唱え終わるよりも先に、伸ばした手でその口を塞いでしまう。
「ん~~!」
 その手を振り解こうともがくガイを、そのまま羽交い絞めたビリーは耳元で。
「そう嫌がるなよ。別に悪いようにはしないぜ?」
 ちょっと一緒に気持ち良くなろうってだけじゃないか。
 その囁きにゾワリと肌が粟立ってしまうのは、内容のおぞましさに対する嫌悪か、耳朶をくすぐる暖かな風に呼ばれた快楽の兆しか。
 どちらにしろ、素直に頷き身体をあずけるような態度を取れるはずがなかった。
 けれど口を塞がれている以上、呪文の詠唱は不可能なのが現実で。素の状態では素早さも体力も、ガイはビリーに敵わない。
 そんな焦りの中で、状況はどんどんガイを追い詰めていくようだ。
 なんとか逃れようと身じろぐガイをものともせずに、ビリーは確実にガイの着衣を乱していく。
 やがて、シャツの下に潜り込んだビリーの、皮手袋に包まれた指先が胸の先をかすめ、ガイの身体はビクリと大きく跳ねた。
(あぁっ……) 
 ビリーの片手は相変わらずガイの口を押さえていたので、その嬌声が音となって漏れる事はなかったが、ガイの身体が示した快楽の証に、ビリーの口角がわずかにあがる。
「思った通り、感じやすいんだな」
 否定するようにガイは首を振って見せたが、普段見せる理詰めの戦略家とは思えぬほど、説得力がない。
 さて、どうやって落としてやろうか。
 まっさらに違いない身体を腕の中に抱いて、ビリーは楽しげに笑んで見せた。

 
 
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