生きる喜びおすそ分け39(終)

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 もう一度イカせてあげようかと言われながら、軽くペニスを扱かれつつアナルに挿し込まれたままの指で弱いところを柔く押されれば、腰に甘い痺れが走って膝が震えた。
「お、俺、だけ? 一緒に、イッてくれないなら、や、ですっ」
「さすがにここでもう一回一緒に、は難しいなぁ」
 半泣きで訴えれば、そんなセリフとともにギュッとペニスが握られて、ビクッと体を跳ねてしまう。
「や、やだっ」
「うん。ゴム外して綺麗にするだけだから」
 慌ててあげた声には宥めるみたいな声が掛かって、その言葉通り、タオル越しにズルっとゴムが引っ張られていく。お尻の指はそのままだから、ゴムを外した後のペニスを拭き取るのまで全部片手で済ませる辺り、本当に器用だと思う。
「お尻の方も、もう垂れてくるのはなさそうだね」
 抜くから声気をつけてと言われて、ゆっくりと指が引き抜かれていく。
「ふぅううっっ」
 その指が何かを掻き出すみたいに腸壁をこすっていくから、声に気をつけてと言われていなければ、甘い声を響かせていたかも知れない。
「はい、終わり」
 指が抜け出た後のアナルをタオルで軽く拭われて、どうやら後始末は終了したらしい。お湯に浸かって温まってと促されるまま、その場で膝を折り湯の中に腰を落とした。
 きっと中に出されたあの瞬間が、多幸感と達成感のピークだった。なんてことを思いながら、目の前の岩に縋るような気分で頭を乗せる。中出しの後始末を彼の手で直接されるなんて想定は欠片もなくて、脱力感といたたまれなさが酷い。
「疲れちゃった?」
 労り混じりではあるものの、どこか笑いを含んだ声だった。
「そーゆーあなたは、なんだか楽しそうですね」
「うん。楽しかったし、今もまだ、その余韻を楽しんでる」
 自分から望んでおいて、あんなにたっぷり楽しんでおいて、疲れた様子で脱力しているこちらをからかう笑いかと思っていた。まさかこんなにあっさり肯定されるとは思わなくて驚く。
「えっ」
 慌てて身を起こして、隣に腰を下ろしてくる相手をまじまじと見つめてしまう。風呂の縁に向いているこちらと違って、風呂の縁に背を向ける形の彼とは、ほぼ正面に向き合っている形になる。
「勃ってる……」
 だからこそ見えてしまった股間に気を取られて、相手の顔ではなく、そのまま釣られて湯面に視線が落ちていく。
「興奮してるよ、って言ったろ」
 苦笑されてようやく真っ直ぐに見た彼は、苦笑顔なのにどこか満足げで楽しげだった。
「でも……」
「君に誘われるまま、もう一度ここで中出しはあまりに無謀でしょ。朝食は七時半でチェックアウトは十一時だよ」
「つまり」
「うん。君にその気があるなら、朝ごはんの後、ベッドでしよう。お腹いっぱいになった君が、寝落ちなければ、だけど」
「寝ませんよっ。ってか、さっきの」
「さっきの?」
「余韻を楽しんでるって、ほんと、ですか?」
 自分と過ごす時間を、はっきり楽しんでいると肯定されたことはほぼない。昨日だって散々、楽しい気持ちはあるけどこちらが満足いくほどの熱量での楽しさではない、みたいな言い方をしていた。もちろん、言葉通りに楽しそうな様子を見せてくれたことだってない。
 こちらの、人生楽しいって気持ちを受け取ってはくれても、それが彼自身を楽しませているわけじゃなかった。こちらに釣られて、彼の人生もそう捨てたもんじゃない、って思えるのが良いって理由が大きかったはずだ。
「ホント」
 言いながら伸びてきた手が、頬をするっと撫でていく。
「さすがに認めないとね。君が傍にいてくれる人生は、楽しいよ」
 真っ直ぐに伝えられた言葉に、胸の奥が喜びで満ちた。じわじわと頬が緩んで、にやけてしまうのがわかる。
 嬉しいという言葉は相手の唇に塞がれて音にならなかったけれど、でも間違いなく、相手にも伝わっているだろう。

<終>

某電車広告から派生した 月収50万だけど人生つまらない男×月収30万だけど人生楽しい男 からのインスパイアでしたが、こんなに長引くと思いませんでした。長々とお付き合いありがとうございました。

 
 
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生きる喜びおすそ分け38

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 どうしたのと聞かれて恥ずかしいと返せば、今更何をと驚かれてしまったし、そう言われてしまうのも仕方がないとは思う。でもやっぱり、彼を受け入れるための前戯やら挿入の際にその場所を弄られたり見られるのと、ただの後始末とわかっていても、中に出されたものが流れ出るのを見られるのは違う。綺麗に洗えてるはずだから、出てくるのは彼が注いだ彼の精子だけだとは思うけれど、それでも排泄を見られるような抵抗感がある。
 後始末は自分でするからタオルだけ渡して欲しい。そして始末してる間は、せっかくの露天風呂なわけだし、遠くの海でも近くの庭木でもいいから眺めてて欲しい。
 そう訴えたのに、そんなことを言われたら逆に見たくなったなどと言われて、アナルを押さえる手の甲にチュッと相手の唇が落ちた。
「ね、後始末、って思わなければいいんじゃない?」
「どーゆー、意味、です?」
「そういうプレイ、的な?」
「なんすか、そーゆープレイ、って」
「君の中に直接射精した、って事実を俺に突きつけて、俺を煽ってよ。みたいな話」
 ちょっと逆の立場を想像してみてよ、と言われて、恋人に中出しを決めた場合を想像してみる。
「君自身、後始末は自分でしてねって、相手のこと放置するタイプじゃないんじゃないかと思うんだけど。それに、いっぱい出たねとか言われながら、中に出したものが流れ出てくるの見せつけられたら、そのまま第二ラウンド突入しそうなイメージ」
 そういうシチュエーションに興奮しないかと言われて、そりゃするけどもと思った時点で負けだ。別に勝ち負けではないんだけど、でもこれで、相手のことをこれ以上拒めなくなった。
「そういうあなたも、興奮、するんですか? して、くれんですか?」
 それでも最後の抵抗って感じに問いかける。そんなの、興奮してくれるなら見せても良い、という意味での問いかけなわけで、それをわかってて否定が返ってくるはずがないんだけど。
 まんまと、興奮するよときっぱり肯定されて、降参とばかりにそろりとお尻の穴を押さえる手を外していく。すぐにもトロっと流れ出ていく感触があって、ぞわわと肌が粟立った。
 はっきりと質量のあるものが、お腹の中から流れ落ちていくのがわかる。いっぱい出たね、とはさすがに言わなかったけれど、いっぱい出されたなと思ったし、その事実にはやはり興奮してしまう。
「いっぱい出たね」
 なぜか彼の方からそんな言葉をかけられて、凄くエッチだったよと続いた言葉に、お腹の中から彼の精子をいっぱい出せた、という意味かと思ってカッと体が熱を持った。しかも、羞恥と興奮が混ざって混乱しながら身悶える中、触るよの宣言とともに相手の指がぬるっとアナルに入り込んでくるから焦る。
 ちょっと前まで彼のペニスを受け入れていたのだから、あっさり挿入されてしまったのも全く不思議ではないんだろうけれど、圧迫感的に一本ってことはないだろう。多分、二本の指が挿れられている。
「ひゃっ、な、何を……」
「けっこう奥に出しちゃったからね。残ってないかの確認」
 お腹の中で指を開かれ、くぱぁと開いたアナルからまたタラリと残滓がこぼれ落ちた。なんてことをするんだ。わざとやってんのかと思うくらいエッチで、ますます羞恥が募って頭の中が沸騰しそうだった。
「ほ、ほんとに、興奮、して、ます?」
 なんだか自分ばかり煽られてるような気になって、思わず確認した声は泣きそうだ。
「うん。してるよ」
 と言っても君ほどではないけど、と続けながら足の間から伸ばされた彼の手に、ペニスを握られビクリと腰を揺らした。正しくは彼が持つタオルにペニスを包まれているのだけれど、二度吐き出した後にも関わらず、興奮していると指摘される程度にはしっかり勃起している。

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生きる喜びおすそ分け37

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 口を覆っていた手もペニスを握っていた手も外され、深い呼吸を繰り返す。そうやって呼吸を整える間、背中やら首の後やらに相手の唇が何度も落とされた。
 こそばゆくて、でも相手の興奮の余韻のようなものを分け与えられてるみたいで、嬉しい。振り返ったらやっぱり真顔と対面するのかも知れないけれど、と思ってしまって、ついついクフフと小さな笑いが漏れる。
 後ろからされる方が相手の気配が濃くて、相手の表情に惑わされにくくて良いかも知れない。もちろん腕を伸ばして相手の体を抱きしめて、好きの言葉をねだるのだって良いんだけど。なんてことをつらつらと考える間に背に降るキスの雨はやんで、けれど今度は手の平であちこちさわさわと撫でられている。
 愛しげに、という単語が頭の隅をチラつくくらいに優しい手付きで、ふわふわとした気持ちよさに包まれる。うっとりと吐き出す息は、満足感に満ちている。それはきっと、相手にも伝わった。
「満足、できた?」
「はい」
「体はどう? 体というか、主に足なんだけど」
「足?」
「結構足に来てそうだったから。おちんちん抜いても、もうちょっとこの体勢、一人で維持できそう?」
 お腹の中に出したものをそのままにしておけないでしょと言われて、確かにそうだとは思ったものの、体勢を維持しろの意味がわからなかった。
「足は、大丈夫、だと思います、けど」
 なんでと思いながらも取りあえず、ペニスを抜かれたからってそのままお湯の中にくずおれる心配はないと伝えれば、じゃあ抜くねと言われてゆっくり腰が引かれていく。射精して幾分萎えたとはいえ、それでもお腹の中をぬるりと擦られる感覚はあって、小さな快感の波が肌の上を走った。
「ふ、ぅぅ……っっ」
 柔らかな刺激に、漏れそうになる甘やかな吐息を噛み殺す中、ペニスの抜け出たアナルにすぐさま相手の指先が押し当てられて息を呑む。ただそれは押さえるように触れているだけで、その指が中に入ってくる様子はない。
「え、あの、何を」
 何をされているのかわからなくて戸惑いの声を上げれば、ほんっとうに申し訳ないんだけどと、申し訳無さのこもりまくった声が掛けられた。
「あのね、ちょっとだけここ、自分で押さえてて貰える?」
「えっ?」
「手、離したら、すぐにたれてきちゃうと思うんだよね」
「あ、ああ、はい」
 中に出されたものが垂れ落ちてしまわないように押さえている、というのはわかった。わかったけれど、じゃあこれどうすんの? という疑問符で頭の中がいっぱいになる。それでも促されるまま、お尻に手を伸ばした。
「じゃあすぐ戻るから、ちょっとだけ待ってて」
「え、ええっ、あの、どこに?」
「脱衣所からタオル持ってくるだけ」
 慌てて声を上げれば、既に足早に脱衣所に向かっているらしい相手から、そんな言葉が飛んできた。そしてその言葉通り、あっという間にフェイスタオル片手に戻ってくる。
「ごめんね。いきなり日の出見ながら抱かれたいとか言われて、さすがに焦って余裕なくしてたみたいで。タオルくらい最初から用意しておくべきだったよね。はい、もう手どけていいよ」
 足の間に柔らかなタオルが差し込まれて、でも言われるまま手を退けることが出来なかった。だって、お尻の中に出されたものを、そのタオルの上に吐き出せって意味だとわかってしまった。

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生きる喜びおすそ分け36

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 それなら良かったと言われて、またゆっくりとペニスが前後しだす。といっても長いストロークではなく、弱い場所を狙って擦りあげたり突き上げたりする動きでもなく、深いところをゆるやかにグッグッとこねられている。お腹の深い所から、じんわりと熱が生まれてくるのがわかる。
「奥、痛くない?」
「だいじょぶ、です」
 はぁはぁと熱い息は溢れ続けているけれど、どうしようもなくアンアン喘ぐような強い刺激ではないので、口は覆っていない。
「じゃあもう少し、ここ、させて」
 もちろん嫌だなんて言うはずがない。前立腺みたいにはっきり気持ちがいいと感じるわけではないけれど、じんわりと滲み出す熱がジクジクと疼く感じは、この後の快感を期待させる。前立腺だって、初めて弄られた時はキモチイイより違和感の方が強かった。
「おく、きもちぃ、です、か? それとも、おれの、ため?」
「君のためって?」
「おく、開発して、そこでもキモチ良くなれるように、みたいな」
「なれそうな感じ、ある?」
「たぶん。おなかのなか、熱い、し、なんか、じくじくして、もどかしい、から」
「そうか。それは楽しみだな。ここで感じるようになったら、どんな風におちんちん締め付けてくれるんだろうね。今も充分気持ちいいから、凄いことになりそう」
「今も、きもちいい」
「うん。きもちぃよ。ゴムがないせいだろうけど、おちんちんの先に吸い付かれるみたいな感覚が、昨日よりずっとリアル」
 相手の言葉を拾って、良かったとホッとすれば、すぐにもう一度肯定をくれる。しかもそれだけじゃなく、どんな風に気持ちがいいのかまで解説されて、少しばかり恥ずかしい。
「おちんちんに、吸い付く……」
「動きが小さいからわかりにくいかな」
 ちょっとごめんねと言われて、背後から回された相手の手に口元を覆われる。えっ、と思う間に、素早く腰を引かれて仰け反った。
「ふんんんっっ」」
 押し込む動きは緩やかに、けれどズルっとペニスを引き抜く動きは素早く、というのを数度繰り返されて、ビクビクと体を震わせる。引き抜かれるたび、出ていかないでと追いかけるみたいにキュウウとお腹の中が絞られるような感じがしたし、押し込まれて戻ってきたペニスを、喜ぶみたいにグニグニと締め付けてしまうのもわかった。
「先っぽどころか、全部に吸い付かれてるみたいになっちゃったけど、ちょっとは君にも感じられた?」
 何度もうんうんと頷けば、またグッグッと緩やかに奥だけをこねてくれる。でも一度強く反応してしまったせいか、彼のペニスに纏わりついて締め付ける自身のお腹の動きが止まらない。
「んっんっ、んっ、んっ」
 口を開放されたら甘やかに声を上げてしまうのが、きっと相手もわかっているんだろう。口を押さえられているせいか、お腹の奥から湧き上がる熱のせいか、もしくは足だけとは言えお湯に浸かり続けてのぼせてきたのか、次第に頭がぼんやりと霞みだす。
 腕が震えて体を支えていられず、目の前の岩に身を伏せれば、こちらの限界を感じ取ったらしい相手が、口を押さえているのと反対の手を腰から前に回してくる。また完全に勃起しきっているこちらのペニスを、がっちり掴んで扱き出す。
「んんっっ」
 相手も射精するための腰使いになっているが、昨日みたいに弱い場所を狙って激しく擦りあげるのではなく、そのまま奥をガツガツ突かれて目の前に火花が散った。さすがに少し痛くて、でも、ジクジクとしたもどかしさが快感に結びつき始める。気持ちがいいのは握って扱かれているペニスで、錯覚混じりかもしれないけれど、それでも間違いなく、お腹の奥がキモチイイ。
「んっ、ん゛っ、ん゛ぅっ」
「きつそうだけど、もうちょっとだけ付き合って。一緒に、イッて?」
 必死に頷きながら、相手の手に高められるままビュクビュクと白濁を吐き出せば、痙攣するお腹の中で、相手のペニスもドクドクと脈打っている。お腹の中にじゅわっと熱が広がっていくような気がした。きっとそれが、中に直接吐き出された、彼の精液なんだろう。

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生きる喜びおすそ分け35

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 さっきみたいに口を自分で塞げるかという問いかけに頷いて、片手を上げて口元を覆えば、動くねという宣言の後でペニスの出し入れが再開される。しかも今度はあからさまに弱いところを狙ってきている。
「ふぅ、んっんんっっ」
 必死で口を押さえつけなければ、大きな嬌声を上げていただろう。前立腺ばかりをゴリゴリと刺激されて、腰が痺れて膝がガクガクと震えてしまう。
 こんな刺激が続いたら、きっとまたお尻だけでイッてしまうけれど、でももうその強烈な快感を知ってしまった後だから、怖さよりも期待の方が強かった。
「んっ、んっ、んっ」
 口を押さえていても、鼻から甘やかな音が漏れるのまでは防ぎようがない。
「気持ちよさそうだけど、このままお尻だけで、イケる?」
 イカせていいかと続いた声に何度も首を縦に振れば、ペニスが出入りする速度が上がった。しかも激しく擦られるだけでなく、押し込まれるような突かれ方をしている。
 高まる射精感に身を委ねれば、彼のペニスに中から押し出されるようにして、自身のペニスの先から白濁がこぼれ出ていくようだった。
「んんんんっっ」
 閉じた目の奥でチカチカと光が爆ぜる。お腹の中がビクビクと痙攣して、相手のペニスをぎゅうぎゅう締め付けている。
 こちらがイッたのをわかってか、相手は腰の動きを止めてくれているけれど、だからこそわかってしまう。昨日みたいに、お腹の中で彼のペニスが脈打ってはいない。つまり一緒にイッてくれたわけじゃないらしい。
 ちょっとどころじゃなくガッカリしながら、大きく息を吐きだした。
「そんな溜め息吐かないで。これで終わりなんて思ってないし、落ち着いたなら、続きするから」
「えっ?」
「朝食だって楽しみだろうから、抱き潰してってのはさすがに無理だけど。でももう一回か二回、イカせてあげるつもりでいるよ」
 そういや抱き潰してって言ってたんだった。寝落ちた時点で、そんなお願いは反故になっていると思っていた。
「あの、それ、俺だけ?」
「君だけって?」
「あなたも一緒に、イッて欲しい」
「ああ、うん。それはもちろん」
「じゃ、あの、中出し、も……?」
 このまま当然のように中に出して貰えるものだと思っていたから、わざわざその意志の確認なんてしていない。中に出して貰えなかった、というガッカリをもう一度味わうのは嫌だし、はっきりと中出し希望と伝えておくのは重要だ。だって本気でねだれば、きっと叶えてくれる。
「まぁ、続きは部屋戻ってベッドの上でって言うなら、ゴム使う方向で君を説得するけどね。でもこれ言った時点で、君の中から部屋に戻るって選択肢なくなりそう」
「ないですね。というか、それ言わずに部屋に誘導しない時点で、あなたも充分その気、ってことなんじゃ?」
 お願いどおり露天風呂で抱いてあげたろと言い切られて、部屋に戻ってからなら続きをしてあげる、なんてことを言われたら、逆にさっさと部屋に戻って続きをして欲しいと思っていた可能性が高い。こちらをそう誘導することも、彼なら容易いはずだった。
「鋭いね。君に抵抗がないなら、君の中に出してみたいって思う気持ちは、ある」
 お腹痛くなるらしいけどいいのと聞かれたけれど、そんなの全く気にしない。ゴムなしセックスは相手も初めてだと、さっきチラリと言っていたから、単純な興味や好奇心だっていい。自分相手だからこそ、と思って貰えるなら尚良いけれど。
 生き甲斐なんてなくて、つまらない人生だといい切る相手が、自分相手に何かをしたいと思ってくれることが、それを伝えて実行していいか聞いてくれることが、たまらなく嬉しいと思った。
 もちろん、中出しして貰える、という期待と喜びもある。つまり。
「嬉しさしか、ない、です」
 背後を振り返り、にっこり笑って言い切ってやった。

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生きる喜びおすそ分け34

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 つまり、がっつかれている。
 え、マジで? という驚きは当然あった。何かの勘違いかと、その考えを否定しようと思考を巡らすのを、彼の舌が阻止してくる。結局、熱烈という感想は変えようがなくて、嬉しいのと可笑しいのとで、相手の口の中に笑いを零した。
「んっふふっ」
「嬉しそうな顔」
 やっとキスを中断してくれた相手に真顔で指摘されたけれど、その真剣な顔からは間違いなく興奮がにじみ出ていたし、逆に相手の余裕の無さがひしひしと伝わってくるみたいで、やっぱり嬉しくて可笑しい。
「そりゃあ」
 こんなの、嬉しくないわけがないだろう。ふへへと笑いながら、煽るつもりで、相手と繋がる腰を軽く揺らす程度に前後させてみる。
 こちらを見つめる彼の目つきが少し鋭くなって、なんだか怒ってるようにも見えるけれど、でもそれを怒らせたなんて思わない。こちらの思惑通り、煽られてくれているだけだろう。
「ね、早く、」
 続きをと急かす前に、相手の腰が動き出す。早急に繋がってしまったせいか、慣らすみたいに何度も、浅い場所から奥深くまでを彼のペニスが出入りする。
 それなりに切羽詰まった感じに見えたけれど、それでもいきなりガツガツ腰を振ってこない辺り、ちょっと残念ではある。でもそれはそれで安心もしていた。だってそれは間違いなくこちらの体を気遣ってくれる動きだし、じわじわと快感を引き出されていくのを今まさに感じてもいる。
「は……ぁ……ぁあ……」
 ゆっくりとした動きに、吐息に混ぜて喘ぎを漏らした。彼に腕を掴まれて体を起こしたままだから、そうしている間にも、太陽はぐんぐんと上昇を続けている。
 厳密にはもう日の出は終わっているのだろうけれど、朝日を浴びながら屋外でセックスしている、という事実に興奮と言うよりは感動していた。なんかもう、本当に、色々と凄い。
「ああ、俺、このために、生きてた」
 いつもの口癖が口からこぼれ出る。でもそれは、この瞬間を手に出来た事への幸福を噛みしめるような、この瞬間をくれた相手への感謝を述べるような、どこかしみじみとした呟きだった。確かにいつもの口癖だけど、いつもみたいに楽しくはしゃいで口に上らせるような軽々しさはなくて、それは多分相手も感じたんだろう。
 腕を掴んでいた手が外されて、そのまま胸の前に回って来たかと思うと、ぎゅっと抱きしめられた。
「君を知れば知るほどに、君を手放せなくなる気がしてくるよ」
「えっ?」
「抱いてる相手に、しみじみと、このために生きてた、なんて言われる男の気持ち、わかる?」
「それは、言われたことがないので……」
「うん。俺も初めて言われた」
 はぁ、と熱い吐息が耳に掛かる。それだけでも相手の興奮が伝わってくるようでゾクゾクするのに、釣られたように熱い息を吐き出すのに合わせて、はむっと耳を食まれて甘く声を上げてしまった。
「ひゃぁあんっ」
 結構大きく響いてしまったことに、声を上げてからびっくりして、体が跳ねる。
「うん。可愛い声だけど、もうちょっと抑えようか」
「だれの、せいだと」
「まぁ、それは俺のせいだけど。というか部屋戻ろうか?」
 ベッドの上でゆっくり続きをした方が良くないかという誘いに、嫌だと首を振った。
「このまま、ここで、したい」
「声気にしながらするの、辛くない?」
 結構気持ちよくなってきてるでしょという指摘に頷きながらも、だって、と思う。
「辛くても、絶対、楽しい思い出に、なるから」
 だからこのままここでしてって言えば、抱きしめる腕が外されて、さっき指で慣らされていた時のような体勢に戻される。つまりは、風呂の縁の岩に手を置いて、お尻だけ相手に突き出す形だ。

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