5章 自分から誘うしかない
担当は川瀬のまま以前と変わらぬジム通いを続けている。
川瀬:残り2回
山瀬:はぁ、くぅっ
川瀬:1回
山瀬:く、ぁっ
:(ああ、笑ってない)
:(むしろ最近はずっと辛そう)
川瀬:お疲れさまでした
山瀬:はい……
:(どうしよう)
:(川瀬くんのはただの性癖で)
:(でも俺は川瀬くん好きって気づいちゃってて)
:(つまりは俺の片想いなのに)
:(未練がましく担当して貰って)
:(お互いが傷ついてるのバカみたいだよ)
【ジム退店後】
携帯を見つめながらため息を吐く。
山瀬:はぁ……
:(川瀬くんがまた誘ってくれる可能性はないし)
:(自分から誘うしかないよな)
:(だってこのままは嫌だし)
:(自覚した好きは大きくなるばっかりだし)
:(泣くほど辛くて恥ずかしかったのに)
:(またされたいって考えてる)
山瀬LINE:川瀬くんにお願いがあるんだけど
川瀬LINE:なんですか?
山瀬LINE:また川瀬くんの手料理が食べたくて
川瀬LINE:え……
:本気、ですか?
山瀬LINE:うん、本気で言ってる
川瀬LINE:俺の家で2人きりになる意味わかってます?
:本当に良いんですか?
山瀬:(これ、また手を出すよってことだよね?)
:(むしろそれを期待してるって言ったら)
:(喜んでくれんのかな?)
山瀬LINE:わかってる、いいよ
川瀬LINE:ではシフト確認後にまた連絡します
【川瀬の自宅寝室】
前回同様、間接照明だけを灯した中で抜きあっている。
山瀬:ぁっ、ぁあっ
川瀬:はぁ……
:まさかまたこうして
:山瀬さんに触れるなんて
山瀬:ぁう、ぁ、それ
川瀬:良いんですよね
:もうイキますか?
山瀬:え、いいの?
川瀬:はい
:今日はお互いのを握って扱いて
:それでイケれば充分です
山瀬:え、嘘、なんで?
川瀬:また追い詰めて泣かせて
:俺ばっかり性癖満たして満足するんじゃ
:今度こそ山瀬さんに愛想尽かされそうで
:怖いんですよ
:せっかく山瀬さんから歩み寄ってくれたから
:山瀬さんが嬉しいことだけしたいです
山瀬:川瀬くんはバカだなぁ
川瀬:脳筋と言われることはあります
山瀬:そうなんだ
:じゃなくてさ
:俺、川瀬くんの性癖知ってて
:自分から来てるんだよ?
川瀬:えっ、でも
:俺の手料理が食べたくて
:でも俺がお金受け取らないから
:代わりに触らせてくれてるんですよね?
:だったらあまり無理はさせたくないです
:これからも気軽に手料理ねだって欲しいんで
山瀬:いや違う違う
:というかそういう受け取り方されてたのか
川瀬:違うんですか?
山瀬:俺ね、どうやら川瀬くんのこと
:かなり好きになってるみたいで
川瀬:えっ……
山瀬:手料理目当てな部分も間違いなくあるけど
:それ以上に
:川瀬くんが俺で性癖満たしたいってのを
:受け入れたいと言うか
川瀬:えっ!?
山瀬:これ自分で言うの恥ずかしすぎるんだけど
:この前みたいに焦らされまくって泣いても
:川瀬くんがそれを見たかったって喜んでくれるなら
:またされたいなって思ったっていうか
川瀬:いいんですか!?
山瀬:うん
:川瀬くんがしたいように、して
結果、焦らされまくって半泣きで喘いだ。
山瀬:ぁう、ぁっ、ああっ
川瀬:んふふ
山瀬:(あ、笑ってる)
:(ここまではっきり笑うの)
:(初めて見た)
川瀬:山瀬さん可愛いです
山瀬:ほ、ホント?
川瀬:はい
:前髪おりてるのも大きいんですけど
:それよりやっぱり
:気持ちよすぎてイキたくて
:でも俺のために我慢してくれてるっていうのが
:たまらないって言うか
山瀬:う、うん
:(前回もちょっと感じたけど)
:(興奮すると饒舌になるっぽいな)
川瀬:こんなに目ぇウルウルさせて
:まるごと全部食べちゃいたいくらいに
:可愛いです
山瀬:はは、うれし
:てか全部食べてもいいのに
川瀬:意味わかって言ってます?
山瀬:意味?
川瀬:男が、こういう場面で
:全部欲しいって言うのは
山瀬:あ、ああ、そういう……
:というか抱きたいって思ってくれるんだ
川瀬:そりゃ許されるならしたいですよ
山瀬:そっか
:じゃあしていいよ
:したいこと、全部してよ
川瀬:そんな簡単に言わないで下さいよ
:こんなはずじゃなかったって泣かれても
:途中で止められないですよ?
山瀬:そこまで何もわからないまま
:いいよって言ってるわけじゃないよ
:お尻の穴に入れるのは知ってる
川瀬:本当に、いいんですね?
山瀬:うん
川瀬:じゃあちょっと準備します
山瀬:準備?
川瀬:ローションとかゴムとか
:あとタオル類も
山瀬:そ、そっか
:それは確かに必要だ
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