3章 悟史からの告白
【放課後】
祐希と悟史が一緒に学校を出ていく。
悟史:今日、帰りどこ寄ってく?
祐希:んー、なんか食べて帰りたい、かなぁ
悟史:じゃあ、ファミレスかファストフード?
祐希:だな
:……あっ
少し離れた前方に並んで歩く、隆史とその彼女の楽しげな姿に悟史も気がつき、納得した様子で頷く。
悟史:ああ……
:あいつらのことなんて気にすんなよ、って言っても無理だよな
:愚痴だって何だって聞いてやるから、
:とりあえず俺らも移動しようぜ?
祐希:うん、でも……
:あー、その、やっぱ今日は帰るわ
悟史:え?なんで??
祐希:最近お前に頼りすぎてるっていうか、
:泣き言ばっか聞かせたくないよ
悟史:別にいいのに
祐希:俺がやなんだって
:また今度、ちゃんと笑える時に付き合うから
:今日はゴメンな
【夜】
悟史LINE:今、家にいる?
祐希LINE:いるけど、なんで?
悟史LINE:行っていい?
:というかもう家の前にいるんだけど
祐希LINE:はぁ??
:なんで?
悟史LINE:どうしても会って話がしたいから
祐希LINE:わかった、待ってて
玄関へと悟史を迎えに行った祐希は、ドアを開けた瞬間に見えた顔に大きく目をみはる。
祐希:え、隆史……じゃ、なくて悟史?
悟史:そう、悟史の方
祐希:髪、なんで切っちゃったの?
悟史:だってこうすると、まるで隆史みたいだろ?
祐希:だからなんで、隆史そっくりに……
:って、話は部屋で聞くわ
初めて悟史を自室に入れたが、隆史そっくりの悟史に違和感を隠しきれない。
祐希:隆史が部屋にいるみたいで、すごく変な感じなんだけど
悟史:隆史はよく来てた?
祐希:まぁ、前はそれなりの頻度で
悟史:今は?
祐希:聞かなくたって知ってるくせに
悟史:うん、知ってる
:だからだよ
祐希:だからって?
悟史:俺が髪切った理由
祐希:いや、全然わかんないけど
悟史:隆史の代わりになりたいって思って
祐希:代わり?
悟史:俺ら見た目そっくりだし、俺を隆史だと思っていいよ
祐希:は?
悟史:俺なら祐希に寂しい思いさせないし、好きだって言ってやれる
祐希:いやちょっと、何言ってんの
悟史:本気
:俺さ、祐希のこと、好きになったっぽい
祐希:いやいやいや
:待って待って待って
悟史:好きだよ、祐希
祐希:待てって言ってんだろ!
:つか、見た目そっくりだって、お前は悟史で隆史じゃないだろ
悟史:隆史が部屋にいるみたいだ、ってくらいに錯覚できてんじゃん
祐希:確かにそうは言ったけどさぁ……
代わりになんてしていいはずがないと思いながらも、どう断ればいいのかわからず黙り込む。
悟史:今日さ、祐希、俺に頼りすぎてるって言って帰っただろ
祐希:うん
悟史:俺さ、もっと頼られたいよ、祐希に
:隆史の代わりだっていいから
祐希:気持ちは、ありがたいって思うよ
:でも……隆史の代わりになんて……
悟史:出来ない、じゃなくて、したくないだけだろ?
:俺がそうしてくれって言ってる
:頼むよ、お前のことが好きなんだ
祐希:ごめん、考えさせて
続きは明日9時投稿予定です。
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