今更なのに拒めない7

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 もし今の彼に惚れる事があれば、相手はそれを嬉しいと思ってくれる。というのは確認したものの、彼に向かって惚れただの好きになっただのと伝えてはいなかった。
 好意は間違いなくあるし、彼との行為は気持ちがいいし、今の状況が続いたらいいなと思う気持ちもある。ただそれを恋愛感情と呼ぶのかはよくわからなくて、というよりも多分呼ばない気がして、曖昧に濁したままだった。
 相手も、特に確かめるようなことは言ってこない。ただ、纏う気配がますます甘くなったな、とは思う。とはいえ、彼に惚れる可能性があることでの変化、というよりは、こちらの体が順調に開発されている故の変化、という気もしている。
「ぁ、ぁ、っ、んっ、ぁ」
 決して強く突かれているわけじゃない。小さな動きで優しく奥を、結腸の入り口を、何度も押し上げられているだけだ。
 それでも、お腹の奥を持ち上げられるたびに、あっあっと音の乗った息が、まるでお腹の中から押し出されてくるみたいにこぼれてしまう。
 揺らされるお腹の奥がじわっと熱くて、じんわりと痺れるような感じがして、なんだか凄くもどかしい。多分きっと、もう少しで、それらがキモチイイに転化する気がするのに。
「気持ちよくなれそ?」
「ん、んー……も、ちょっと、」
 何かが足りない。というこちらの訴えに、相手も少しばかり何かを考えた後。
「なぁ、キスでもしてみる?」
「え……?」
「やだ?」
「いや、じゃ、ない。けど、」
 なんで、今更キスなんて。と続けたいはずの言葉を吐き出すより先に、顔が寄せられ唇が塞がれてしまった。
 ちゅっちゅと啄むように軽く吸われる唇の上で小さな快感が弾けて、それがサワワと広がっていく。はぁ、と吐き出す息に熱がこもって、相手が満足げに笑う気配がした。
「口開けて、舌、出せるか?」
 言われるがまま、軽く口を開いて舌を差し出す。
「いいの?」
「ん?」
 何が、と問う前に、差し出した舌をパクリと食まれ、相手の口内で相手の舌と触れ合った。舌先を舐められ吸われ甘噛みされて、ゾクリと背筋を這い登ってくる何かを吐き出そうともっと大きく口を開ければ、差し出す舌の上をなぞるようにして、相手の舌が口内へ侵入してくる。
「んっ、んっ、ふ……ぅ、」
 思えば、される側のキス、というのは初めてだった。過去にいた彼女たちとのキスを思い返しても、相手の口内を探る真似はしたことがあるが、逆の経験はしたことがない。
 いいのかと聞かれたのは、もしかしてその事実に、気づかれていたのかも知れない。もしくは、彼に口内を探らせることを許すのか、という意味だったかも知れないけれど。
 なんせ高校時代、セックスまでするような仲だったくせに、彼とキスをしたことはなかった。求められなかったし、求めなかった。持て余す性欲の発散に、そんなものは必要がなかった。
 気持ちがいい所に相手の舌が触れて、快感に身を震わせれば、見逃すことなく重点的にその場所を責められる。口の中で感じる、という慣れない経験に必死で息を継ぐものの、だんだんと酸欠気味になって頭がぼんやり霞みだす。
 そんな中、動きを止めていたアナルビーズにまたお腹の奥を押し上げられて、何かが一気に溢れ出した。
「んぅ、んんっ、ぁは、」
 慌てるこちらに気づいたようで、顔を離した相手が心配げに見下ろしてくる。同時に、アナルビーズの動きも止めてくれたが、お腹の中が蠢いて勝手にそれを動かしてしまう。
「やぁ、あっ、待って、ぁ」
 何もされていないのに、何を待てと言うんだろう。頭の中ではわかっているのに、口からは泣き言みたいに待って待ってとこぼれ出る。
「もしかして、気持ちよく、なれてる?」
「わか、な。あ、ぁ、でも、くる、きそう、やぁ、あ、」
 大きな波に飲み込まれていきそうな恐怖に、腕を伸ばして眼の前の男の肩を掴んだ。縋るように引き寄せればそのまま体を寄せてくれて、嬉しそうな顔でちゅっと軽いキスを一つ落とした後、もぞっと背中とベッドマットの間に片腕を差し込んでくる。少しだけ背が浮いて、ギュウと抱きしめられたから、こちらもギュウと抱き返せば、なんだか酷く安心した。

続きました→

 
 
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今更なのに拒めない6

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 自己開発用に購入したはずのアナルビーズを使って、まさか他人の手で開発される羽目になるなんて思わなかったけれど、絶対に無茶はしないからやらせてくれと頼まれたら拒否しきれなかった。自分でも色々調べたと言っていたし、参考になりそうな指南書やサイトを教えれば熱心に読み込んでもくれたし、腸の奥を開発する際の危険も十分に理解した上での、絶対に無茶はしないの言葉を、信じられると思ってしまった。
 そんなわけで、週末の遊びは玩具を使ったこちらの体の開発という新たな展開を見せているけれど、相手はそんな新しい遊びを相当楽しんでいる。しかも、男の恋人が居た過去がなく、この体を弄った事がある男はお前だけだ、と伝えたあれをどう捉えたのか、最中に彼が纏う雰囲気が随分と甘くなっても居た。
「ど? 痛くない?」
 結腸の入り口のとこ届いてるだろ、と迷いなく告げてくるくらいには、もう、見えもしないこの体の内側を把握されている。
「ん、へいき、っぽい」
「じゃ、ちょっとこのままにするから、違和感強くなったら言って?」
 わかったと返せば、瞳が柔らかに細められて、いい子だと褒めるみたいに優しい手付きで数度頭を撫でられた。髪を梳いていく指先が気持ちよくて、ほぅと息を吐いて目を閉じる。
 頭を撫でた手は優しい手付きのまま、体のあちこちを撫で擦っていくから、彼の手を追いかけるように、敏感になった肌の上でサワワと小さな快感が弾けていく。
「ふっ……ぁ……」
 腰の括れたところや、お尻の丸みを愛しげに何度も撫でられて、吐き出す息が甘く蕩けてしまう。当然、週末ごとにこちらの体を弄って遊んでいる相手にも、こちらの変化は丸わかりだろう。
「きもちぃ?」
「ぅん」
「中は? 痛くなってない?」
 深い場所に異物が触れ続けているという違和感はもちろんあって、それは決してまだ、気持ちがいいと感じられるようなものではないのだけれど、不快感や痛みや強い違和感に引きずられて湧き出す恐怖や不安はない。
「へ、き」
 言えば、それなら少し中も弄るよと告げられて、埋められたアナルビーズが中で小さく前後する。さすがに違和感が膨らんでいくが、優しく撫で擦ってくれる手がそのまま尻や腰を撫で続けてくれたので、待ったは掛けなかった。なのに。
 奥の壁をゆるゆると突き上げていたはずのアナルビーズが、ぬるると半分近く引き抜かれていく。
「はぁああん」
 手前のイイトコロが擦られる快感に声をあげたけれど、再度そこを擦られながら押し込まれることはなく、中途半端なところでアナルビーズは動きを止めた。
「違和感おっきくなったら、我慢してないで言えよ」
 不満げな声を出されてしまったけれど、だって気づくじゃん、と思った時点でふふっと笑いが溢れてしまう。気づかれることも、気づかれたらそれ以上の無茶はされないことも、当たり前に受け入れている。信じている。
 こんなこと、高校時代にはありえなかった。
「昔、痛いって言ったら、ペニス強く扱かれたり乳首引っ張られたりで意識散らしてはくれたけど、でも途中で止まれるかって言って、痛くてもやめてはくれなかった男と同一人物だなんて思えない」
 変わったねと言えば、だって勃たねぇしと返ってきたし、もちろんそれも原因の一端ではあるのだろうけれど。
「もし勃って俺に突っ込めてたら、痛いって言っても止めてくれないの?」
「それは……あー……まぁ、どうしたらお前が気持ちぃって喘ぐかわかってる今は、痛いなんて言わさない、つもり、だけど」
 悪かったよ、と謝られて何かと思えば、高校時代に自分本意なセックスに付き合わていたことへの謝罪らしかった。
「別に昔のお前を非難したわけじゃないって。高校の頃にこんな風に気遣われるセックスされたら、やばかったし」
「やばいって、何が?」
「アナニーに嵌まるんじゃなくて、ゲイセックスに目覚めて男漁りしてたかも?」
「おっま、そこ、俺に惚れてたかも、とかって話じゃないのかよ」
 期待させんなと続いた言葉に、あれ? と思う。
「もしかして、俺に惚れて欲しかった?」
 都合のいい穴に惚れられたら困ったんじゃないのと聞けば、多分嬉しかったよと返されてさすがに少し驚いた。その通りだと肯定されて、また悪かったよって謝罪の言葉が返ると思っていたからだ。
「あっさり抱かせてくれたけど、でも逆に、お前に俺と恋人になりたいだとかって気がないのもはっきりわかったから、都合よく性欲発散させる相手以上にはなれなかったんだろ」
「まさか、お前が俺に惚れてた?」
「いや、惚れてはなかったけど」
「そこは否定するんだ」
 そんな気配を感じたことはなかったはずなんだけどと思ったら、すぐに否定されてまた笑ってしまう。
「でもお前が俺に惚れてたら、どうなってたかわんねぇよ。まぁ、今のお前見てたら、俺じゃダメだった理由もわかるけどよ」
 あんなセックスする男相手に惚れないよなと自嘲してみせるから、そうだねと肯定を返した後。
「ねぇ、今は?」
「今って?」
「俺がお前に惚れたら、今でも、嬉しいとか思うの?」
 聞けばすぐに、思うよと柔らかな声が返された。

続きました→

 
 
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カラダの相性

 既に何度も果てた後の、甘く掠れた嬌声が、部屋の中を満たしている。お願いだから今日はもっと奥まで触れて欲しいと請われて、初めて、彼の中に全てを受け入れて貰った。
 大丈夫だからの言葉どおり、確かに全て入ったし、腕の中の男は甘い嬌声を零しているのだけれど、無茶しやがってという気持ちと嘘だろうという驚きが心の中の大半を占めていた。
 充分に慣らして、感じさせて、蕩けきった後だとしても、苦痛を感じて当然だってくらい自分の性器がデカい自覚がある。男のステイタスとして羨まれることもあるけれど、同性相手の見栄以外でいい思いをした経験なんてそう多くはない。というよりも、苦労した経験のほうが圧倒的に多いと思う。
 プロなら、と思って風俗を利用してみたこともあるけれど、ほぼ躊躇はされるし、挿入は無理だと断られたこともある。わざわざ金を払って傷つけられに行く趣味はないので、プロからも断られるレベルとわかってからは行かなくなったし、いろいろな意味で諦めも付いた。
 なんて話を、酔ったついでに愚痴った相手は、少し前に趣味の世界で知り合って、なんだかんだ意気投合して飲みに行くようになった男だった。
 ここ数年恋人はいないという話をしたら、凄くモテそうだし彼女だってすぐに作れそうなのにと言われて、彼女は出来てもどうせセックス出来ないしすぐに振られてしまうと言ったのだ。お互い酔ってたから、ずばっと、インポなの? 薬試した? なんて言われて、でかすぎて入らないだけと理由まで話してしまった。
 その時は、なんて贅沢な悩みだとやっかまれなかっただけ、やっぱり良い奴だなって思っただけだったのに。
 それからしばらくして、そんなシモな話をしたことすら忘れかけた頃に、相手から、実はゲイなんだとカミングアウトされた。しかも、女性が好きなのはわかっているが、彼とのセックスを試してもらえないかと頼まれた。懇願された、と言ってもいい。
 曰く、デカチンじゃなきゃ満足できない体だから、だそうだ。プロに嫌がられるレベルのちんこをぜひ見てみたい、とも言われた。
 以前酔った際に聞いた話がどうしても忘れられなくて、無事にセックス出来る可能性のが高いし、そうすればお前にとってもそこまで損はないんじゃないかと説かれた。男がどうしても生理的に受け入れられないなら諦めるけれど、ちょっとでも迷ったなら試すだけでもいいからと必死に口説かれて、結果、彼と一緒にホテルに入った。
 色々と諦めすぎていて、本当にデカチンが好きで規格外ちんこで気持ちよくなれるってなら、この際男だっていいかと思ってしまった。さすがにここまであけっぴろげにカミングアウトされた後じゃ、無理って断っても、上手く出来ずに終わっても、多分もう、彼との関係はここで終わりだ。だったら試すだけ試して、無理そうならそのときに無理だと言えばいいかとも思った。
 万が一、本当にお互いに気持ち良くなれたら儲けもの、くらいの気持ちだった。
 結論から言えば、彼のデカチン好きは本当だったし、自分も男の体相手に勃たせることが出来たし、つまり、セックスは成立した。
 セックス中、すげぇ、最高、気持ちいい、なんて言ってもらったのは初めてで、その後あっさり彼とのセックスに嵌ったのは言うまでもない。
 ただ、奥の壁を強引に開かせて、相手の尻タブに自分の腰が密着するほど押し込む真似は、どうしても出来なかった。入るよ、とも入っていいよ、とも言われたけれど、閉じた場所をこじ開ける、というのが無理だ。
 もし本気で奥にまで欲しいというなら、自分で迎え入れて欲しい。せめて、最初の一回は。
 彼とのセックスだって、初回は、彼が自分から自分の意志で、体を開いて飲み込んでくれた。あの時みたいに、本当に大丈夫だってことを、彼の方から示して欲しい。
 そもそも、根本まで全部を受け入れて貰わなくたって充分に気持ちが良かったし、こちらの快楽重視で腰を振っても気持ちがいいと言って貰えるだけで満足だった。
 それを言ってからもっと入ってもいいよとは言われなくなったけれど、だからと言って、彼の方から強引に迎え入れに来ることもなかった。きっと、入らないことはないけれど、無理に入れたいものでもないんだろう。それなら、入っていいよの言葉に乗せられて、強引に進んでしまわなくて本当に良かった。だって無理をさせたいなんて、これっぽっちも思っていないのだ。
 そう、思っていたのだけれど。
 ただただ体の相性がいいだけのセフレみたいな関係を、先程とうとう恋人へと進化させたら、お願いだから奥まで入れて欲しいと頼まれた。入っていいよ、ではなく、入れてくれ、というのが珍しくて、なんでそんなことを言うんだと聞けば、さすがに自分からそんな奥へ迎え入れた経験がないからだと返された。
 そこまで挿れられた経験そのものは皆無ではないけれど、自分からするのは無理、だそうだ。でも恋人になったんだから全部頂戴、なんて言われてしまったら、こちらが頑張るしかないだろう。
 とはいえ、やっぱり強引に押し込むのは躊躇われて、どうすれば少しでも閉じた先が緩むのかと、探り探り奥の壁をつついたせいで、いつになく感じさせて何度も果てさせてしまったけれど、でもきっと、それで正解だったんだろうと思う。
 腕の中で掠れた甘い声をこぼし続ける恋人にホッとしながら、全てを包みこんでぎゅうと締め付けて貰う感動を堪能する。なんて、あたたかで幸せなんだろう。
 とうとう奥まで入った、という衝撃が落ち着けば、次に胸の中へ押し寄せてくるのは相手への愛しさだった。

 
 
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兄は疲れ切っている34

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 中の反応が治まって、甘えるみたいにくたりと寄りかかってくる体を、抱きしめ続けていた腕を解いてそっと撫でてみる。
「んっ……」
「やじゃない?」
 甘やかに鼻を鳴らされ、大丈夫そうかなと思いながらも問いかけた。相当敏感になっているだろう肌へ触れている自覚はある。
「ん、きもちぃ、よ」
「そう」
 もっと、と言われるまでもなく、さわさわとあちこちを撫で擦れば、また蕩ける声が溢れだす。もぞりと微かに揺すられた腰にねだられた気持ちになって、再度小さな動きで奥を突いてみたが、嫌がる素振りはなかった。
「ぁ……ぁあ……」
「気持ちよさそな声、ほんと、可愛い。ここ、そんないいの? さっきドライでイッたの、わかってる?」
 射精してなかったよと言えば、うん、と頷かれたから、本人の自覚もあるらしい。
「射精無しでイクの覚えたら、連続でイケるようにもなるらしいよ」
 コツコツ続けたらもっかいドライでイッちゃうねと続けても、うん、と頷かれてしまったから、これはもう、そうしてくれって言われているのと同義だろう。多分。
「じゃあずーっとコツコツ続けてあげる。俺以外誰にも触れさせない、兄貴の奥のとこ、愛し続けてあげる。だから兄貴の体力続くまで、何度だってイッて見せて」
 抱き潰すよという宣言にまで、うん、とうっとり頷かれて多少心配になったけれど、好きだよと告げた言葉に俺もと返ってきたから、きっと意識はちゃんとある。だから宣言通り、ゆっくり優しく奥の壁を突き続けた。
 ぎゅっとしてと頼まれたのは二回目の絶頂前くらいで、ぎゅうと抱きしめたまま、イッてる最中もずっとコツコツ続けてやれば、そこから先はもう、意味のある単語は殆ど兄の口からこぼれなくなる。いい、とも、イク、とも、来る、とも言わず、ただただ甘やかな吐息を零し続ける。
 声の調子と体の反応から、何度か大きな絶頂の波が訪れたのはわかったが、実際のところ、何度イッたのかはわからない。
 ゆっくりとした腰の動きでも、兄の痴態と絶頂時の蠢動に、すでに二度射精した後であっても、だんだんと我慢が効かなくなる。すでにこちらの言葉などどこまで届いているか怪しいものの、それでも、イキそうだと兄に告げた。
「ね、俺も、いきそ。ちょっとだけ、強くするね。でもまたすぐ、ゆっくりコツコツ、してあげるから」
 三発目を終えてもなお、すぐに奥を突けるほどの復活を果たすかは微妙だったが、でもまぁきっと、この兄を前に反応しないということはないだろう。
「ぁあああ、ひぃっ、あっあっあっ」
 大きめのストロークで、引いた腰をズンと勢いよく突きこむ動作を繰り返せば、甘やかに蕩けるばかりだった声が高く響く。
「ごめん、ちょっとだけ、だからっ」
「ぁ、ぁっ、あっ、いいっ、あ、いいっ、すごっ」
 聞こえていないかもと思いながらも、宥めるように発した謝罪だった。しかし、強い刺激に触発でもされたのか、兄がはっきりイイと応じてくる。
「はっ、まじで」
 それならばと、更にグッと奥まで強く突きこんだら、今までは押し上げるだけだった奥の壁が開き、ぐぽりと亀頭が飲み込まれるのがわかって焦った。
「ぁあああああ」
「ご、ごめっ」
 暴れかける体をとっさに押さえつけて、慌てて腰を引いたのは多分失敗だった。
「んひぁああやあああ」
 嵌ったものが抜かれる感覚に、兄が悲鳴をあげる。しかし、その頃には最初の焦りが引いて、何が起きたのかは理解できていた。偶然なのか、さんざん優しく捏ね回した結果なのか、あの一瞬ですら、開かれた先に先端を咥えこまれた快感を忘れられない。
「ごめん、ほんと、ごめん」
 謝りながらも、今度は狙って奥の壁を開かせる。やっぱり悲鳴みたいな声を上げてがくがく震える体を抱きしめながら、亀頭に吸い付かれるような快感の中で射精した。

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