※ 軽めの排泄描写あり
嫌そうな呻き声と共に、中からとろりとした半透明の液が少量こぼれ出てくる。そしてその声を聞いたせいで、さっきから時折呻いていたのは、中からこぼれ出る感触が気持ち悪くてということらしいと気づいた。
なるほど、これは口に出して説明しにくいのも頷ける。体のどこかが痛くて呻いているわけではないというのも、納得だし安心もする。
「中から溢れてくるのって、ちゃんとわかるんだな。シーツも部屋着も汚したって言ってたから、全部出ちゃったのかと思ってた」
残ってるなら先に指で掻き出そうかと言ってみたら、もう殆ど残ってないはずだから必要ないと、割とガチトーンで返された。確かにこぼれ出てきたのは少量だったし、指を突っ込み掻き出してみたいのは単にこちらの好奇心と下種な欲望だという自覚もあった。それにこれから幾らでもチャンスはありそうだし、とも思う。
それならばと予定通り、ちょろちょろとぬるま湯を吐き出し続けるホースの尖端を押し付けた。
「んっっ」
「いつもどれくらい入れてるの」
頭の中で数を数えながら、ストップ掛けてねと言っておく。
後始末としての洗腸というだけで、無理をさせる気も苦しませる気も欠片だってないけれど、当然初めてなのだから、加減なんてわからない。だったら兄本人に教えて貰えばいい。
脳内のカウントと、兄の様子と、お湯で膨らむ腹具合はきっちり覚えて、次回に活かそうという心づもりでもあった。
「っ、もっ、それくらい」
兄の訴えに、素直にホースの先を離せば、ホッとした様子で壁から手を離しこちらに向き直る。排泄するところなんて見せないぞって意味かと思ったら、そのままヨロヨロと歩き出す。
「え、どこ行く気?」
前準備でトイレと風呂場とを何度も行き来しているなんてことはないはずだけれど、自分がいるせいでトイレまで行く気なのかと思って聞いた。けれどさすがに風呂場を出る気まではなかったらしい。
「どこって、そこ」
兄の視線の先を追えば、そこにあるのは排水口だった。
なるほど、と思う。兄が普段しているのは前準備なのだから、汚物も一緒に排泄されてしまう可能性を考えたら、なるべく排水口の近くでというのも納得だった。
蓋を開けてそこに向かってしゃがみこんだ兄の顔は赤い。追いかけるように近づいて、兄の正面に自分も腰を落とす。
「えっ……」
ギョッとする兄の頬を軽く撫でながら、約束、と口にした。
「やく、そく?」
「可愛いねってキスしてあげるよ、って言ったろ」
言いながら顔を近づける。可愛いって囁きながら、ちゅっと唇を吸ってやる。
「どう洗ってるか知らなかったから、お湯が吹き出てくるとこじっくり見てあげようかと思ってたけど、代わりに恥ずかしそうな顔、ずっと見ててあげる」
少し意地悪かなと思いながらも、この距離ならお湯が吐き出されてくる音も聞こえそうだし、とにっこり笑ってみた。
「は、ちょっ」
兄はますます顔を赤くしていく。
「我慢してる間も、お湯吐き出してる間も、いっぱいキスしてあげるよ」
今度は極力優しく笑いかければ、真っ赤な顔がふにゃっと歪む。唇がわなわなと震えているから、可愛いって言いながらちゅっちゅと唇を吸った。
可愛いねと口づけるのを繰り返せば、やがて兄の体がふるふると小さく震えだす。既に真っ赤でふにゃふにゃな顔が、今にも泣きそうになっている。
「いいよ」
大丈夫、と囁やけば、兄の口から小さな吐息が漏れて、ほぼ同時に、ぷしゃっとお湯の跳ねる音が聞こえてくる。
「ぁ……ぁぁ……」
絶望混じりにこぼれ出てくる息を、大丈夫、可愛い、と繰り返しながら吸って、合間にぽろっと流れ落ちた涙へも唇を寄せた。
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レイさん
今年1年お疲れ様でした、大変お世話になりました!笑
いつもいつも素敵な作品をありがとうございます〜
兄は疲れ切っている最高に好きです!
来年もよろしくお願い致します
こちらこそ、今年1年、通って読んでくださってありがとうございました〜
兄は疲れ切っている、ついダラダラと書き綴ってて年またぎになってしまいましたが、最高に好きと言ってもらえて凄く嬉しいです♪
多分もう少しでエンド付くと思いますが、最後まで楽しんでもらえるよう頑張りますね。
来年も変わらずちまちまと書いて行くつもりなので、またよろしくお願いします😃