別れた男の弟が気になって仕方がない18

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 まさか、あやまって引き止めるまでしたのも、どうにかして再開して欲しいと思っていたからなのだろうか。なぜこんなにも諦め悪く続きを望まれているのか、さっぱり理由がわからない。
「気持ちよくなれない、感じさせられたくない、そんなセックスをまだ続けたいって本気で言うの? 奥まで激しく突かれてみたいって興味なら、少しだけど一応はそれだって叶えてあげたよね?」
 あまりに苦しそうだったから、そこまでガツガツと激しく突き上げたわけではないし、その状態を長く続けることもしなかったけれど、それでも確かに、奥を突く真似事はしていた。
「まぁ、お前があれをどこまで認識できてたかはわかんないけど。奥の方ゴリゴリされて、かなり苦しそうに悲鳴あげてた自覚、少しくらいはない?」
「あり、ます……けど」
「どこまで聞こえてたか知らないけど、俺が何言っても必死に首振って嫌がってた自覚は?」
「あ、……れは……」
「ああ、まったく覚えがないって感じでもないな。つまり俺は、お前がめちゃくちゃ嫌がってたの散々見せつけられてるんだけど、そんな俺がもう一度、お前の奥深くをむりやり突き上げて泣かせてやろうと思う程の理由があるなら言ってみて」
 たとえどんな理由を言われても、さすがにもう一度彼を抱くのはむりだろうなと思いながら、彼の言葉を待つ。
「あなたに、そう見えなくても、」
 やがてゴクリと相手の喉が鳴り、それからつっかえつっかえ言いにくそうに、緊張を滲ませながら言葉を紡いでいく。
「酷くされて喜ぶ、性癖が、……ある、から……」
 大きくため息を吐き出した。
「そんな理由じゃ絶対無理。というかそれを信じろってのが無理」
 だって嘘だろの言葉には肯定も否定も返らなかったけれど、それこそが肯定でしかないだろう。
「じゃあ、本当に俺を、かっ、可愛いとか、好きだ、とか思って、くれてる、なら、俺の体でイッて欲しい……から」
 これはもしかして、精一杯のデレだったりするのだろうか。依然アイマスクは着けたままだが、まるで羞恥を隠すように肩口に顔を埋めてくる。おずおずと上がった腕は、縋るように抱きついてくる。
「じゃあ、ってなんだ。じゃあって」
 ふっ、と笑うような息を吐けば、気持ちが幾分軽くなった。本当にそんな可愛い理由なら、もう一度抱いてやれそうだ。ただし、彼の望む抱き方は、やはりしてやれそうにないけれど。
「ただまぁ、その理由は最初のよりは随分マシだな」
「なら、」
「でもその理由なら、奥使う必要ないよな。お前が感じられる浅い場所をグチュグチュ擦りながら前扱いて、お前も一緒にイかせていいってなら、もっかい突っ込むのも有り」
「そ、っれ……は」
「うん。わかってる。そういうのは嫌なんだよな」
「いや……っていう、か」
 背に回った腕にギュッと力がこもった。それからしばし逡巡し、はぁああと大きく息を吐き出していく。
「言いたく、ない……」
「理由聞いたってこれ以上お前に酷いことしてやれると思えないし、まぁ、言いたくないなら言わなくてもいいよ」
「でも……」
「ほんっと諦めないな」
「さっき、強情なとこも、ス、……きって、言った」
「言ったけど。好きだけど」
 でも好かれてたって困るだけだろうに。
「それが嘘、じゃない、なら、このままぐずってたら、してくれるかも知れない、し」
 凄いことを言い出したなと思って、苦笑しかけていたものを吹き出してしてしまう。ふはっと息が漏れて、そのまま笑いだしてしまいたいのをどうにか堪える。
「しません。ぐずってもお前が諦めるまで、こうやってずっと抱っこしてあやされるだけだよ」
 言いながら、言葉通りあやすように背をさすってやった。半分嫌がらせ目的だったのに、甘えるように身をすり寄せてくるから、おや? と思う。
「嫌じゃないの」
「嫌ですよ。子供扱い最悪」
 でも迷ってるんですと続いた言葉に、何をと問いかける。迷ってると言うからこれもまた、言えないとか言いたくないという話かと思ったが、相手は割合すぐに口を開いた。
「理由言って、酷くして貰えるように頼むのと、気持ちよくされるのを受け入れて、もっかいして貰うの、どっちがマシか」
 本当に、とことん諦めが悪い。ここまでくると、なんだか絆されてしまいたくなる。
 そんな気持ちを振り払うように、先程見た、苦しげに悲鳴を上げて、頭を振って嫌がる姿を思い出す。あれをもう一度なんて、やはり勘弁して欲しい。
「理由聞いても、酷くしてあげられないってば。どうしても諦めないなら、後者にして」
「優しくされて、気持ち良くなって、あなたと一緒にイク。って方が、よっぽど酷い真似、ってわかってないから、そういうことが言えるんですよ」
「えっ?」
 ほらわかってないと言いたげに、相手の吐き出すため息が聞こえてきた。

続きました→

 
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