雷が怖いので プレイ34

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 彼の家ほどではないにしろ、ベッドルームが別になっているようなホテルのバスルームはやはりそこそこ広くて、二人で使っても窮屈感なんてものはない。
 湯船と洗い場はしっかり別々になっているので、洗い場に立ち、剃られた部分をシャワーで丁寧に流されながら、随分と念入りに剃り残しがないかをチェックされる。彼の前に体の隅々まで晒すのなんて今更でも、壁に額を押し当てて腰を突き出し、自ら尻肉を割って拡げて、そこにシャワーの湯を浴びる経験はもちろん初めてだし、剃り残しがないかを確かめるように触れる指も注がれる視線も初めてだ。
 そんなの、どうしたって恥ずかしい。彼の前に晒す、彼によって引き出される羞恥は、自分の中ではもう完全に快感と結びついてしまっているから、体が期待で震えてしまう。
「物欲しそうにハクハクしてる」
 可愛いなと言って、指先が息づくアナルに押し当てられた。その指先をもっと奥まで咥え込みたいと、アナルが吸い付くように蠢いてしまうのがわかる。けれどその期待に応じてくれることはなく、指先はあっさり離れていった。
「ぁ、ぁあ……」
 安堵と落胆を混ぜた息を零せば、ククッと喉の奥で笑われる気配がする。
「大丈夫。やっとツルツルにさせてくれた分、いつもとは違うやり方で、うんと可愛がってやるから」
 言いながらシャワーを置くと、尻タブを掴む手を覆うように彼の手が重ねられて、開き方が足りないと言わんばかりにグッと左右それぞれ外側へ向かって力が込められる。近づく気配が彼の頭だと認識するのと同時に、アナルにピタリと押し当てられたのは、間違いなく彼の舌だった。
「んぁああああ」
 ビクビクと体中を痙攣させながら悲鳴をあげてしまう。それに構うこと無く、グニグニと蠢く舌が楽しそうにアナルを舐め弄る。指とは全然違った動きと感触に肌がゾワゾワしっぱなしだし、更にそんな場所を舐められているという驚きと背徳感で、頭の中がグラグラと揺れた。
「ゃぁあ、ああ、ああんん」
 多分間違いなく気持ちが良いけれど、その気持ち良さに身を委ねてしまってもいいのか、わからない。だってこんなの、知らない。彼の口にイカされたこともあるけれど、でもその時はこんな場所まで舐められなかった。彼の舌が這ったのは、口に含まれ吸われたのは、ペニスとせいぜい陰嚢までだ。
 そんなことが頭を掠った直後、アナルに舌を差し込まれ、その周りごと押し当てられた唇で吸い上げられる。
「ひぃぁああ゛あ゛あ゛や、だぁああ」 
 再度絞り出すように悲鳴を上げれば、ちゅぽんという音が聞こえそうな勢いで、唇が離され舌が抜け出いく。
「ん、すっげ、いー声出てた」
 零される笑いは満足気だ。
 尻から手を離して立ち上がった彼に倣って、自分も尻から手を離して突き出した腰を引っ込めようとしたら、それを阻止するようにあっさり腰を掴まれてしまう。
「だーめ。まだ終わりじゃないから」
 壁に手をつくように言われて従えば、壁から離れた顔を覗き込まれる。
「ああ、やっぱりおでこ、赤くなってるな」
 中断したのは、額を壁に押し当てているにも関わらず、アナルを舐められる衝撃に耐えられなくて、イヤイヤと頭を振ってしまっていたかららしい。
「頭フラフラしてる感じは?」
 そういや部屋に戻ってきた時は、結構酔っていたんだった。でも酔いがぶり返したり、のぼせている感じはなかった。
「それは、平気、です」
「じゃ、とりあえず、舐められながら一度イッてみようか」
「えっ、ここ、で?」
「どうしてもベッドの上でがいい?」
 多分頼めばそうしてくれる。特に今日は四週目だから、口に出したこちらの希望を優先して叶えてくれる。でもこっちだって、彼がしたいように、されたい。特に、建前上は買われていない、まるで恋人同士のデートを楽しむみたいな四週目は。
「ここで、して」
 だからこちらが返す言葉なんて、それ以外になかった。

続きました→

 
 
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