「きも、ちぃ、か?」
「ん、最高」
さっきの「気持ちぃね」は、気持ちがいいかと問う発言ではなく、多分、気持ちがいいよという報告だった。わかってはいたが、確かめるようにこちらからも聞いてみれば、相手はあっさりそれを認めて頷いた。
「そ、っか」
今度は意識して、お腹とお尻に力を入れてみる。相手のペニスを締め付けてやる。
「ぁあっ」
「んっ」
締め付けたことで一層前立腺を擦られる結果になって、強い刺激に思わず声を上げてしまう自業自得を晒したが、どうやら相手を再度呻かせることには成功した。しかも、先程よりも苦しそうな様子が減って、ちゃんと気持ちが良さそうな、甘い吐息に近かったと思う。
自分の行動で相手を気持ちよくさせた、という事実に少なからず満足感を得る。やってやったぜ、という気持ちで笑ってしまえば、相手もニコリと笑い返してきた。
きっと、こちらが意識して相手を締め付けたことに、相手も気づいているんだろう。
オスの顔のまま、色気を振りまく満面の笑みが近づいてくるから、なんだか緊張してきて息を呑む。キスなんて何度もしてきて慣れているはずなのに、思わずキュッと口を閉じてしまえば、唇同士が触れたと思った次の瞬間には柔く下唇を噛まれていた。
驚いて肩を跳ねてしまえば、今度は宥めるみたいに唇を舐められたけれど、相手の意図は一貫していて、間違いなくこちらの口を開けさせようとしている。しかも、随分と性急に。
今まではこんな風に無言で口を開けろと訴えられたことなんてない。柔らかな触れ合いを繰り返して、こちらが自ら口を開くのを待ってくれることのが圧倒的に多かった。あとは、こちらに応じる気がなければ諦めるか、言葉にしてお願いしてくるかだ。
余裕がない、は当たりっぽいなと思いながら、唇を解いて相手の舌を受け入れた。
「んんっ、……んっ、ふっ……」
迷うことなく弱いところを舌先が撫でつついてくるから、既によく知るゾクゾクとした気持ちよさにうっとりと身を委ねようとしたその時。
「んぅっっ!?」
胸の先に走った刺激に再度驚いて、肩どころか全身跳ねた気がする。間違いなく、相手が顔を寄せてくる時に降ろされていた足の先が跳ねたし、腰が揺れたせいで、入ったまま動きを止めていたペニスの先に、またしても自分から前立腺を押し当てるみたいな真似をしてしまった。
「ぁぁあっっ」
想定外すぎる甘い痺れにたまらず仰け反ってしまえば、さすがに相手もキスを続けられなくなったらしい。
あっさり相手の頭が顔の前から消えたけれど、でも、身を起こしたわけじゃない。相手の頭が弄られていないもう片方の胸の先に寄っていくから、両胸を弄られながら相手のペニスに自身のペニスをグチュグチュに擦られて、たまらずにイッてしまったあの夜を思い出さずにいられなかった。
「ま、って……」
かろうじて上げた声はもちろん無視されたし、相手に覆いかぶさられているようなこの状態では、逃げるどころか体を捩ることすらままならない。
「ひうっっ」
相手の唇がそこへ近づくだけで、ゾワゾワと肌が粟立つようだ。
「左右連動してるのかな。触る前からピンって勃ってる」
かわいい、などと言いながらますます近づく相手の口がとうとう押し当てられて、勃っていると指摘された乳首をちゅっと吸われながら口の中で舐られる。そんなことをされて、じっとしていられるわけがなかった。
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■
HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁