今更なのに拒めない10

1話戻る→   目次へ→

 ずっと自分だけが脱がされていたから、相手が服を脱いでいくというその動作だけでも、目が釘付けになる。しかもあっさりと下着まで剥ぎ取ってしまったその股間は、確かにしっかりと反応を示していた。
「なっ、勃ってんだろ」
「うん……」
 思わず凝視してしまったソレは、やや角度が違うだけで、昔と変わらない大きさを誇っている。彼のペニスは、そこまで太くはないのだけれど結構長い。
 高校の頃は、これが自分の腹の中に収まる、という事実に興奮していたように思う。長いストロークで腸内をズルっと擦られるのも、それによって快感が得られていたと言うよりは、彼のペニスが自分のアナルを出入りしているという事に興奮を覚えていた。体がと言うよりは頭で拾う快感に酔っていた。
 だから、だんだんと相手の興奮が増して、射精するためにとガツガツ奥を突かれだすと、途端に体が悲鳴をあげた。せっかくの興奮に体の痛みが水を差す。痛いと訴えれば、ごまかすみたいに胸の先を摘まれたり、ペニスを握られ扱かれたりで、なんだかんだ一緒に射精出来てしまうことも多かったけれど、無理やり引き出されるような射精に気持ちが満たされることはなかった。
 でも、それは飽く迄も高校時代の話だ。指で弄る程度のアナニーは既にしていたけれど、前立腺で感じることすら出来なかった頃だ。
 しかし今は違う。前立腺どころか、S字結腸の入り口部分をグイグイ突かれたって、そこはもう、快感を拾うことが出来てしまう。その上、相手もそれを十分にわかっていて、こちらが痛がってもガツガツと腰を振るようなセックスをしていたことを悔いても居る。
 このペニスに、ゆっくりと奥を捏ねられたら、どれだけ気持ちが良いだろう。そんな想像に、ゴクリと喉が鳴ってしまって、慌てて凝視していたペニスから視線を逸らす。
「えっろい顔」
 きっと一部始終を見ていたのだろう相手が、ふふっと小さな笑いをこぼした。からかい混じりの声は、けれど相手の興奮が滲んでもいる。
「な、も、挿れていい?」
 黙って頷き、四つ這いになって相手に向かって尻を差し出した。背後で相手がゴムの封を切り、装着している気配がする。振り返って眺めたいのを我慢して、興奮に加速する自身の鼓動に耳を傾けた。
 既に準備も前戯も済んでいる。彼が服を脱いだのは、たっぷりのローションを馴染ませるように、指でぐちゅぐちゅにかき回した後だ。しかもイッてしまう前に手を引かれてしまったが、結構みっちりと前立腺を弄られたりもした。
 つまり、こちらだって早く挿れてもらいたいのだ。なのに、準備を終えたはずの相手の手は、差し出した尻を優しい手付きで撫でてくる。両手で両尻たぶを包むようにくるくると撫でさすり、尻タブを掴んだかと思うと、左右に広げたり戻したりと、多分、晒されたアナルが空気に触れて収縮するのを見て楽しんでいる。
「おいっ」
「ん、ごめん。久々すぎて、ちょっと緊張してる」
 本当に緊張しているらしい声音に、そういやずっとインポだったんだったと思い出す。いったいどれくらいぶりのセックスなんだろう。元嫁と最後にしたのっていつ? なんてこと、聞けるわけがないけれど。
 これはもう、黙って待つしか無い。と思ったけれど、緊張していると吐き出したことで踏ん切りが付いたのか、とうとうアナルに相手のペニスの先が押し当てられた。
「挿れるよ」
 そんな宣言とともに、ぬぷっとペニスが入り込んでくる。無機質な玩具とはやはり違う。酷く懐かしい感覚に、ぞわりと肌の上を快感が走った。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

今更なのに拒めない9

1話戻る→   目次へ→

「お前ちゃんと俺に気を遣って生活してくれてるし、多少の不便には、もう、慣れたし。別に、このままでも、構わないとは思ってたよ。ああ、でも、俺に気ぃ遣って生活するのなんか、お前が嫌か」
 自分の発する言葉に、傷つけられていくのがわかる。そんなこちらの状態に、どうやら相手も気付いているらしい。
「嫌じゃないよ。このままここに居座って、お前と暮らし続けたい気持ちだってある」
 ますます苦笑を深くしながらも、優しい気配を纏って、彼が言葉を重ねていく。
「ただ、やっぱさ、どう考えても、ここってお一人様物件だからさ。同じ時間帯で生活するにはどうしても狭いだろ」
 実はとっくに夜間アルバイトは辞めていて、再就職先も決まっているどころか、既に働きだして二ヶ月は経過している。なんて事を言い出すから、驚いたなんてもんじゃない。
「え、じゃあ、お前、いつ寝てんの? えっ? なんで? どういうこと?」
 わけがわからず頭の中に疑問符が満ちていくまま口に出せば、ここに住んでる振りをしていただけだという答えが返された。
「新しい仕事決まったから出てくよ。じゃあな、ありがとな。ってので、終わりにしたくなかったんだよ。お前が、俺の手を嫌がらないから」
 仕事が決まった頃は、お前を利用したい気持ちと単純にお前と過ごす時間が楽しかった気持ちが半々だったと告げられ、正直だなぁと今度はこちらが苦笑する。
「都合よく利用されてるのはわかってるけど、わざわざお前から言ってくるなよ。もう出てくにしたって、利用し終えたからもういい、みたいな言われ方されたらさすがに傷つく」
「ばっ、違っ!」
 慌てた様子で誤解だと言ったくせに、いや全部が誤解ってわけでもないんだけどと、もごもごと申し訳なさそうに言い募る。
「お前なら、理由話せばある程度は受け入れてくれるんじゃ、って期待してここ来たのは事実だし、お前が出てけって言い出さないライン考えながら気を遣うのは自分のためだったし、お前の懐のデカさに甘えて、可能な限り利用してやろうと思ってたのも事実だよ。お前に手を出したのだって、お前の勃起ちんぽ握ったり射精するの見たらインポ治んないかなぁみたいな期待からだったし、だから、仕事決まってももーちょいお前のそばに居続けたかった理由の中に、お前に触って、お前が気持ちよくなるの見てたら、また、昔みたいに抱きたくなって勃つようになんじゃないかって期待があったのも事実なんだけど、でもっ」
 だんだんと興奮気味に喋っていた相手の腕が伸びてきて、がしっと両肩を掴まれた。
「お前を利用してやろうなんて気持ちは、とっくに全部、このままお前と一緒にいたいって気持ちに取って代わられてる。利用し終えたから出てくんじゃなくて、これから先、お前と対等に付き合っていきたいって思うから、出てくんだよ。さっき言った、俺に惚れてってやつ、かなり本気だから。だから、医者にも行ったんだ」
 真っ直ぐな視線に射抜かれて、ドキドキが加速する。
「対等に付き合いたいって、友人として、ではなく?」
「お前が俺を、どうしてもそういう対象には見れないってなら、セックスもする友人、ってので妥協してもいいけど。でも出来れば、俺に惚れて欲しいって思うよ」
「そういうお前はどうなんだよ。まさか俺に、惚れてんの?」
 まさかってなんだよと笑った顔が近づいて、軽く唇が触れ合った後。
「お前に惚れてる」
 本気を疑う余地がない真剣な声音で囁かれて、ダメ押しとばかりに、好きだよと告げられ再度唇が塞がれた。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

今更なのに拒めない8

1話戻る→   目次へ→

 次の木曜が、彼をこの家に住まわせてちょうど半年になる。なのに未だどちらからとも、半年が過ぎた後、どうするのかという話を出していなかった。
 敢えてその件には触れず、このままダラダラと同居生活が続くのかも知れない。別にそれでもいいかなと思っていた。だから、真剣な顔でお願いがあるんだけど、と言われた最初も、このまま一緒に住まわせてくれという話なのかと思った。
「今日はさ、勃ったら、というか多分勃つから、抱かせて欲しい」
「は? えっ? なんで?」
 なんで今日に限って勃つんだという意味での、なんで、だったのだけれど、相手はなぜ抱きたいなんて言い出したのか、という意味で受け取ったらしい。
「玩具じゃなくて、俺で、気持ちよくなってるお前が見たいから。あと、俺の勘違いじゃなきゃ、お前が俺に抱かれたがってるから?」
「え、いや、ちょっと」
 カッと顔が熱くなるのを自覚する。今の彼に抱かれてみたいなと思ったのは事実で、勘違いではないのだけれど、まさか気づかれていた上に、指摘までされるとは思っていなかった。
「やっぱ、抱かれたいって思ってくれてた?」
「あー……あー、まぁ、うん」
 赤面しているだろうところに重ねて聞かれて、誤魔化し方なんて思いつかずに、結局認めて頷いてしまう。
「それは俺に、ってことでいいんだよな?」
「それ、どういう意味?」
「ちんぽ大きな男なら、誰でもいいから本物で奥突かれてみたい、みたいな衝動でも湧いたかと思って」
「ち、違っ」
 確かに、抱かれたい気持ちが湧いたのは奥で感じるようになったせいだけれど、誰でもいいわけがない。
「抱かれたいのは、お前に、だよ。でも、お前、勃たないって……」
 相手は勃たないことをあっけらかんと口に出すから、その状態をどう捉えているのかイマイチわからないのだけれど、勃たないと言い切る相手に、冗談でも抱かれたいなんて口に出せなかった。原因は元嫁関連なのだろうなと思うから、こちらからはなるべくその事には触れないようにもしていた。
「うん。だからさ、医者、通ったわ」
「え、医者?」
「わざわざ治療するほどの事でもないかと思ってたけど、お前抱きたくなって、気が変わった」
 オナニー試して射精も出来たし、絶対本番もイケる。なんてことを、自信満々に言われて、マジマジと相手の顔を見つめてしまう。その視線を受けた相手がニヤリと笑って、だからさ、と続けた。
「上手に抱けたら、俺に、惚れてよ」
「は?」
「お前から惚れてくれるの、待とうって思ってたんだけど、でもほら、木曜には出てかないとだからさ」
「待って。出てくの?」
「ああ、うん。だって、最長でも半年って言ったの、俺だし」
 部屋ももう決まってると言い切られて、途端に泣きたいような気持ちになる。ちゃんと出ていく気があったなら、言っておいて欲しかった。
「このまま、居座る気かと、思ってた」
「このまましれっと居座っても、お前はそれも受け入れちまうんだろなぁ」
 苦笑混じりのそれは、なんだか批判的だった。気分が落ちている自覚はあるし、被害妄想という可能性もあるけれど。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

今更なのに拒めない7

1話戻る→   目次へ→

 もし今の彼に惚れる事があれば、相手はそれを嬉しいと思ってくれる。というのは確認したものの、彼に向かって惚れただの好きになっただのと伝えてはいなかった。
 好意は間違いなくあるし、彼との行為は気持ちがいいし、今の状況が続いたらいいなと思う気持ちもある。ただそれを恋愛感情と呼ぶのかはよくわからなくて、というよりも多分呼ばない気がして、曖昧に濁したままだった。
 相手も、特に確かめるようなことは言ってこない。ただ、纏う気配がますます甘くなったな、とは思う。とはいえ、彼に惚れる可能性があることでの変化、というよりは、こちらの体が順調に開発されている故の変化、という気もしている。
「ぁ、ぁ、っ、んっ、ぁ」
 決して強く突かれているわけじゃない。小さな動きで優しく奥を、結腸の入り口を、何度も押し上げられているだけだ。
 それでも、お腹の奥を持ち上げられるたびに、あっあっと音の乗った息が、まるでお腹の中から押し出されてくるみたいにこぼれてしまう。
 揺らされるお腹の奥がじわっと熱くて、じんわりと痺れるような感じがして、なんだか凄くもどかしい。多分きっと、もう少しで、それらがキモチイイに転化する気がするのに。
「気持ちよくなれそ?」
「ん、んー……も、ちょっと、」
 何かが足りない。というこちらの訴えに、相手も少しばかり何かを考えた後。
「なぁ、キスでもしてみる?」
「え……?」
「やだ?」
「いや、じゃ、ない。けど、」
 なんで、今更キスなんて。と続けたいはずの言葉を吐き出すより先に、顔が寄せられ唇が塞がれてしまった。
 ちゅっちゅと啄むように軽く吸われる唇の上で小さな快感が弾けて、それがサワワと広がっていく。はぁ、と吐き出す息に熱がこもって、相手が満足げに笑う気配がした。
「口開けて、舌、出せるか?」
 言われるがまま、軽く口を開いて舌を差し出す。
「いいの?」
「ん?」
 何が、と問う前に、差し出した舌をパクリと食まれ、相手の口内で相手の舌と触れ合った。舌先を舐められ吸われ甘噛みされて、ゾクリと背筋を這い登ってくる何かを吐き出そうともっと大きく口を開ければ、差し出す舌の上をなぞるようにして、相手の舌が口内へ侵入してくる。
「んっ、んっ、ふ……ぅ、」
 思えば、される側のキス、というのは初めてだった。過去にいた彼女たちとのキスを思い返しても、相手の口内を探る真似はしたことがあるが、逆の経験はしたことがない。
 いいのかと聞かれたのは、もしかしてその事実に、気づかれていたのかも知れない。もしくは、彼に口内を探らせることを許すのか、という意味だったかも知れないけれど。
 なんせ高校時代、セックスまでするような仲だったくせに、彼とキスをしたことはなかった。求められなかったし、求めなかった。持て余す性欲の発散に、そんなものは必要がなかった。
 気持ちがいい所に相手の舌が触れて、快感に身を震わせれば、見逃すことなく重点的にその場所を責められる。口の中で感じる、という慣れない経験に必死で息を継ぐものの、だんだんと酸欠気味になって頭がぼんやり霞みだす。
 そんな中、動きを止めていたアナルビーズにまたお腹の奥を押し上げられて、何かが一気に溢れ出した。
「んぅ、んんっ、ぁは、」
 慌てるこちらに気づいたようで、顔を離した相手が心配げに見下ろしてくる。同時に、アナルビーズの動きも止めてくれたが、お腹の中が蠢いて勝手にそれを動かしてしまう。
「やぁ、あっ、待って、ぁ」
 何もされていないのに、何を待てと言うんだろう。頭の中ではわかっているのに、口からは泣き言みたいに待って待ってとこぼれ出る。
「もしかして、気持ちよく、なれてる?」
「わか、な。あ、ぁ、でも、くる、きそう、やぁ、あ、」
 大きな波に飲み込まれていきそうな恐怖に、腕を伸ばして眼の前の男の肩を掴んだ。縋るように引き寄せればそのまま体を寄せてくれて、嬉しそうな顔でちゅっと軽いキスを一つ落とした後、もぞっと背中とベッドマットの間に片腕を差し込んでくる。少しだけ背が浮いて、ギュウと抱きしめられたから、こちらもギュウと抱き返せば、なんだか酷く安心した。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

今更なのに拒めない6

1話戻る→   目次へ→

 自己開発用に購入したはずのアナルビーズを使って、まさか他人の手で開発される羽目になるなんて思わなかったけれど、絶対に無茶はしないからやらせてくれと頼まれたら拒否しきれなかった。自分でも色々調べたと言っていたし、参考になりそうな指南書やサイトを教えれば熱心に読み込んでもくれたし、腸の奥を開発する際の危険も十分に理解した上での、絶対に無茶はしないの言葉を、信じられると思ってしまった。
 そんなわけで、週末の遊びは玩具を使ったこちらの体の開発という新たな展開を見せているけれど、相手はそんな新しい遊びを相当楽しんでいる。しかも、男の恋人が居た過去がなく、この体を弄った事がある男はお前だけだ、と伝えたあれをどう捉えたのか、最中に彼が纏う雰囲気が随分と甘くなっても居た。
「ど? 痛くない?」
 結腸の入り口のとこ届いてるだろ、と迷いなく告げてくるくらいには、もう、見えもしないこの体の内側を把握されている。
「ん、へいき、っぽい」
「じゃ、ちょっとこのままにするから、違和感強くなったら言って?」
 わかったと返せば、瞳が柔らかに細められて、いい子だと褒めるみたいに優しい手付きで数度頭を撫でられた。髪を梳いていく指先が気持ちよくて、ほぅと息を吐いて目を閉じる。
 頭を撫でた手は優しい手付きのまま、体のあちこちを撫で擦っていくから、彼の手を追いかけるように、敏感になった肌の上でサワワと小さな快感が弾けていく。
「ふっ……ぁ……」
 腰の括れたところや、お尻の丸みを愛しげに何度も撫でられて、吐き出す息が甘く蕩けてしまう。当然、週末ごとにこちらの体を弄って遊んでいる相手にも、こちらの変化は丸わかりだろう。
「きもちぃ?」
「ぅん」
「中は? 痛くなってない?」
 深い場所に異物が触れ続けているという違和感はもちろんあって、それは決してまだ、気持ちがいいと感じられるようなものではないのだけれど、不快感や痛みや強い違和感に引きずられて湧き出す恐怖や不安はない。
「へ、き」
 言えば、それなら少し中も弄るよと告げられて、埋められたアナルビーズが中で小さく前後する。さすがに違和感が膨らんでいくが、優しく撫で擦ってくれる手がそのまま尻や腰を撫で続けてくれたので、待ったは掛けなかった。なのに。
 奥の壁をゆるゆると突き上げていたはずのアナルビーズが、ぬるると半分近く引き抜かれていく。
「はぁああん」
 手前のイイトコロが擦られる快感に声をあげたけれど、再度そこを擦られながら押し込まれることはなく、中途半端なところでアナルビーズは動きを止めた。
「違和感おっきくなったら、我慢してないで言えよ」
 不満げな声を出されてしまったけれど、だって気づくじゃん、と思った時点でふふっと笑いが溢れてしまう。気づかれることも、気づかれたらそれ以上の無茶はされないことも、当たり前に受け入れている。信じている。
 こんなこと、高校時代にはありえなかった。
「昔、痛いって言ったら、ペニス強く扱かれたり乳首引っ張られたりで意識散らしてはくれたけど、でも途中で止まれるかって言って、痛くてもやめてはくれなかった男と同一人物だなんて思えない」
 変わったねと言えば、だって勃たねぇしと返ってきたし、もちろんそれも原因の一端ではあるのだろうけれど。
「もし勃って俺に突っ込めてたら、痛いって言っても止めてくれないの?」
「それは……あー……まぁ、どうしたらお前が気持ちぃって喘ぐかわかってる今は、痛いなんて言わさない、つもり、だけど」
 悪かったよ、と謝られて何かと思えば、高校時代に自分本意なセックスに付き合わていたことへの謝罪らしかった。
「別に昔のお前を非難したわけじゃないって。高校の頃にこんな風に気遣われるセックスされたら、やばかったし」
「やばいって、何が?」
「アナニーに嵌まるんじゃなくて、ゲイセックスに目覚めて男漁りしてたかも?」
「おっま、そこ、俺に惚れてたかも、とかって話じゃないのかよ」
 期待させんなと続いた言葉に、あれ? と思う。
「もしかして、俺に惚れて欲しかった?」
 都合のいい穴に惚れられたら困ったんじゃないのと聞けば、多分嬉しかったよと返されてさすがに少し驚いた。その通りだと肯定されて、また悪かったよって謝罪の言葉が返ると思っていたからだ。
「あっさり抱かせてくれたけど、でも逆に、お前に俺と恋人になりたいだとかって気がないのもはっきりわかったから、都合よく性欲発散させる相手以上にはなれなかったんだろ」
「まさか、お前が俺に惚れてた?」
「いや、惚れてはなかったけど」
「そこは否定するんだ」
 そんな気配を感じたことはなかったはずなんだけどと思ったら、すぐに否定されてまた笑ってしまう。
「でもお前が俺に惚れてたら、どうなってたかわんねぇよ。まぁ、今のお前見てたら、俺じゃダメだった理由もわかるけどよ」
 あんなセックスする男相手に惚れないよなと自嘲してみせるから、そうだねと肯定を返した後。
「ねぇ、今は?」
「今って?」
「俺がお前に惚れたら、今でも、嬉しいとか思うの?」
 聞けばすぐに、思うよと柔らかな声が返された。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

今更なのに拒めない5

1話戻る→   目次へ→

 アナニーグッズを見られてしまった、という開き直りもあって、躊躇うことなくアナルで感じる姿を晒せば、彼との遊びはあっさり玩具を使った疑似セックスへと変わっていった。
 前立腺マッサージを受ける際に玩具類を使用して貰ったこともあるが、金銭を支払ってサービスを受けている、という意識があるせいか、それを擬似セックスだなどと思ったことはないのに。過去に自分を抱いたことがある相手だからなのか、勃たない代わりと明言されているせいなのか、もしくは金銭が絡んでいないからか、相手が男だからなのか。
 彼と風俗嬢以外に経験がないので、なぜそう感じるかはわからないし、彼の中でこれがどういう扱いかもはっきりしていないけれど、擬似的なものにしろ、昔はさして感じなかった彼とのセックスがたまらなくキモチイイのが、なんとも不思議な気持ちにさせる。
 勃たない彼は自分の快楽を優先した自分本意な動きをしないし、ちゃんとこちらを気遣うだけの余裕があった。まぁそれは勃つ勃たないではなく、重ねた年齢によるものかもしれないけれど。
 彼とのこんな遊びに慣れてしまったら、彼がここを出ていった後、自分はどうなってしまうんだろう。同居生活は五ヶ月目に突入して、彼自身が言い切った半年という期限まで、あと二ヶ月もない。
 いつ出ていくとも、もう少し居させて欲しいとも、言われていないし、聞いてもいなかった。だとしても、とりあえずで始めたバイトだって半年もきっちり週五で働けば、どこかに部屋を借りて新生活を始められる程度の貯蓄は出来るはずだ。家賃として毎月四万ほど貰っているし、それなりに食費も雑費も掛かっているだろうけれど、細々増えた私物の中に高額そうな品はないし、どこかへ遊びに行ったなんて話も聞いたことがない。
 このまま一緒に暮らさないか、なんて誘える広さのある部屋ではないし、そもそも、思いのほか彼との疑似セックスが良くてこの時間を手放したくない、なんて理由があまりに酷すぎる。
 彼との遊びを流されるままに受け入れた自業自得とわかっていつつも、今後をあれこれ考え不安定に気持ちが揺れる。そんな中、これ使ってみたいんだけど、と彼がアナニー用品を入れた箱から持ち出してきたのは、S字結腸の開発に手を出してみようかと思って購入した、全長40センチ超えの細長いアナルビーズだった。
「こんな長いの、ほんとに入るのか試してみたい」
「いや待って。無理」
「開封済みだし、使ってんじゃないの?」
「使ったことはあるけど無理」
「箱の中身、お気に入りの逸品揃いって話は?」
「いや確かに言ったけど。それは別」
「なんで?」
「それはこれから、お気に入りになるかも知れないし、ならないかもしれないヤツ。というか、奥はまだ未開発だから、それ使われても気持ちよくはなれないんだって。どこまで入るか試したいってだけなら、ダメとは言わないけど、でもきっとつまんないよ」
 痛いって言ったら絶対そこで終わりにしてくれるのが条件だけどと言えば、相手は随分と妙な顔をしてみせる。
「奥、気持ちよくないのに、こんなの買ってんの?」
「奥も気持ちよくなれるような体になれないかな、って理由で買ってんの。順番が逆」
「お前今、恋人居ないんだよな?」
「え、なんで今? というか今更それ確認?」
 驚けば、居ないんだよなと再度確認されてしまう。
「居ないよ。で、それが?」
「恋人のが奥にあたって痛いから、自分で慣らそう開発しよう、ってならわからなくないけど、恋人が居ない今、開発する理由って何? 次の恋人が奥に届くような立派なの持ってなかったら、むしろ、そんなとこ開発すんのまずくないの?」
 ちんぽのデカさで恋人選んでんの、と聞かれて、酷い誤解を受けていることに気づいた。
「男の恋人なんて、過去に一人だって居たこと無いんだけど」
「は? え? あー……じゃあ、ハッテン場とか出会い系とかそういう?」
 それとも風俗かと聞かれて、風俗は大きなくくりでは間違いではないけれど、でも彼が想像している風俗とは絶対に違うだろうなと思う。
「違うって。ただの趣味。オナニーの延長で、アナニーしてるの。基本は自分でアナル弄ってるだけ。まぁ、風俗は利用することもあるけど、でも弄ってくれるのは女の子。男で俺の体弄り回したことあるのなんて、お前だけだよ」
 相当驚いたらしく、相手は目を瞠ったまましばし呆然として、それから、嘘だろうと言った。もちろん、わざわざ嘘つく理由がないと返した。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁