イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった17

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「それより、どーすんだよ」
「続き?」
「そう」
「もちろんするよ」
 そりゃそうだろう。寸止めされた理由が「一緒に気持ちよく終わりたい」だって言うんだから、ここで終わる気がないのはわかっている。聞きたいのはそれじゃない。
「つーか、」
 くだらない言い合いで寸止めされた体の昂りが落ち着いていくのは自覚していたが、まさかこんなのを何度も繰り返す気じゃないよなと疑う気持ちがある。なんせ最後だし。この時間を長引かせたい気持ちが相当強いみたいだし。
「つーか、何?」
「次はちゃんとイカせてくれんの?」
「ん? どういう意味?」
「だってお前、今、完全に俺の熱が冷めるの待ちしてるよな?」
「まぁ、そう、だね」
「なんか、企んでそうだな、って」
「ん? あー……」
 たぶん図星をついたようで、肯定も否定もないまま曖昧に笑われてしまったから、疑惑が確信に変わってしまう。
「この期に及んで焦らしプレイとかマジやめろ」
「えぇ〜」
 不満げな声が上がって、やっぱりそういうつもりだったのかと思う。
「えー、じゃねぇ」
「でも、焦らされるほど気持ちよくなれるらしいよ?」
「そういうの求めてねぇんだけど」
「そうだけど、何度もイカせるのがダメなら、イカせず焦らすしかなくない?」
「つっても、いくら終わりを引き伸ばしたいにしたって限度があるっつうか」
「限度、ってほどしつこく焦らしてないよね? まだ一回目だよね?」
 食い気味に言い募られたから、どうやらかなり不服らしい。
「じゃあ、お前としては、あと何回くらい寸止め繰り返したいわけ?」
「そ、れは……」
「それは?」
「いい加減イカせてって泣かれるくらい、まで?」
「おいっ!」
「てのが俺の願望でしか無いのはわかってるよ。多分実際は、これ以上やったら切れられそう、って思うまで、かな」
 はぁあと大きなため息を吐いて、横になっていた体を起こす。
「え、えっ、ごめん。怒った?」
 慌てた様子で後を追うように体を起こした相手が、帰るとか言わないでと情けない声を出すのを聞きながら、もう一度小さなため息を吐いて転がるローションに手を伸ばした。
「え、ちょ、何してんの?」
 蓋を開けて勢いよく中身を手のひらに出せば、相手が更に驚き慌てている。それを無視して数度両手をすり合わせたあと、ドロっと濡れた手を相手の股間に伸ばした。
「ちょっ、なになになに!?」
「うるせっ。ちょっと黙れ」
「黙ってられるわけ無いでしょ。ちょ、何してんの、ホント」
 焦った相手がガシッと両手首を掴んで来たかと思うと、強引に股間から手を遠ざけてしまう。なんだこの反応。珍しくこちらから触れてやろうというのだから、大人しくしてればいいものを。
「おっまっ、手ぇ放せよ」
「何する気か聞いたら放すよ。てか怒ってる?」
「怒ってたらお前気持ちよくしてやろうとかするわけないだろ」
「それは、俺を気持ちよくしてくれようとしてる、ってこと?」
「それ以外あんのかよ」
「いやだって、あんまり唐突すぎて。てか本気で?」
「嫌ならしない」
「やじゃないよ。嫌なわけ無いでしょ」
 大きく息を吐き出した相手は、脱力した様子で掴んでいた両手を放した。ただ、放された手をそのまま再度股間に向かわせるのは躊躇ってしまう。どうにも気まずい。

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イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった16

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「ぁ、ぁっ、ゃっ」
 のけぞって逃げようとしても相手の頭が追いかけてきて全く逃げられない。それどころか、胸を突き出すみたいになって無駄に恥ずかしい。
 チュッチュと柔く何度も吸われて、きっと一層腫れたように固くなった乳首を、今度はねっとり舌先で舐られて、腰や弄られていないもう片方の胸の先がジンジンと痺れるようで怖い。握られたペニスの先からもトロトロと先走りをこぼし続けているし、相手の指先がそれを掬って先端に塗り拡げるから、胸を吸われて感じまくっているのはバレバレだった。なのに。
「一緒に弄ると、乳首もちゃんと気持ちいい?」
 嬉しげな息が濡れた胸の先に掛かって、スゥとした冷たさにさえもゾワゾワする。
「ぁ、やっ、ばかっ」
 聞かなくてもわかるだろ、とか。そんな近くで喋るなよ、とか。頭の中にはちゃんと言葉が回っているのに、それが口からうまく出てこない。
「んふふ」
 なのに相手は満足げに含み笑うだけで、今度は放置されていたもう片方の胸の先へと頭を寄せてくるから、今度はのけぞるのではなく身を捩って逃げてしまった。けれどやっぱりそんなことで逃げ切れるわけがない。
「ぁんっ」
 触られてもいないのにジンジンと痺れていたそこに、待ち望んでいた刺激を貰って甘く鳴いてしまった。乳首を吸われて、紛れもない快感を拾ってしまったことに泣きそうになる。けれど相手は、更に確かな手応えを得たと思っただろう。
 先程のことがあるから、あまり強い刺激になりすぎないようにと気を遣われてはいるんだろうけれど、口の中で濡れた乳首を転がされながらペニスを扱かれるのはどうしようもなく気持ちがいい。
 しかも先程身を捩って逃げたせいで仰向けになっていたので、どんどんと射精欲が高まってくる。このまま続けられたら間違いなくイッてしまう。
「ぁあっ、ぁっ、ゃ、やっ、も、もっ、イ、イッちゃ……えっ……」
 あと一歩で気持ちよくイケるというところで、すっと相手の頭も手も離れていって、一瞬何が起きたかわからなかった。
「え、おまっ、なんで」
 寸止めされたのだと気づいて、恨めしげに相手を睨んでしまうのは仕方がないと思う。いくら最後だからこの時間を引き伸ばしたいのだとしても、ちょっとこれは酷いだろう。だって絶対気持ちよくイッて良いんだと思っていた。今までだって、こんなギリギリのところで放り出されたことはないのに。
「だってイッた後、さらに弄られるのは嫌でしょ」
「それは、そーだけど。でも今のはイッていいとこじゃねぇのかよ」
「なら、今夜は俺が満足するまで、何度イカせてもいい? 最後だし」
「や、それは無理」
「ほらぁ」
「ほらぁ、言われても……」
「最後なんだから、流石に俺も一緒に気持ちよく終わらせてよ」
「うっ、まぁ、それは、……わか、った」
 過去に何度かはこちらだけが先に果ててしまって、相手に一人で処理させたこともある。
 もちろん目の前でということはなく、こちらが帰宅した後や寝落ちた後に抜いたんだろうな、というだけだけれど。ついでに言えば、イッた後は感じすぎてそれ以上相手をしたくない、というのは相手も充分にわかっていたし、自分だけが先にイッてしまって相手が不満そうにしていた記憶というもないのだけれど。
「ごめんね。乳首感じてくれてるって思ったら、ちょっとやりすぎちゃったよね」
 寸止めになるほど弄る前にやめるつもりだった、的な言い訳だろうか。でも乳首で感じていたという指摘は出来れば止めてほしかった。
「いや、そういうのいいから」
 感じてしまった自覚はあるけど、言葉にされると落ち込みそうだ。自分が乳首で感じてしまう体を持っているなんて、知りたくなかった。

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イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった15

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「なんで?」
「だって横向きに寝た状態で射精するのが難しいってだけでしょ」
「そ、だけど」
 今日は時間かけてしたいから、と言われて、また少し胸の奥が痛い。イチャイチャしたいなんて言い出したのは、なるべく終わりを引き伸ばしたいからだったっけ。少しでも終わりを引き伸ばすために、わざと苦手な体勢で触れようとしているらしい。
 バカみたいだと思ったけれど、バカジャネーノとは言わなかった。言葉の代わりに小さく息を吐いて、相手の手が伸びてくるのを黙って待った。
 次はどうのと言い募っていたから、また胸を弄られるのかと思っていたが、相手の手が触れてきたのは、身を丸めて相手の手から逃れているうちに若干萎えて、半端な反応を示している股間のペニスだ。
「っふ……ぁ……」
 慣れた刺激に安堵とともに甘い息がこぼれ落ちる。両手を使って、柔く陰嚢を揉まれながら竿部分を緩やかに扱かれれば、あっという間にしっかりとした硬さを取り戻した。
 ふっ、と微かな息が相手の口からも漏れて、どうやら相手の方も、いつもと変わらぬ反応に多少なりとも安堵しているようだ。
 相手の手はそのまま緩やかに股間を揉み扱き続けている。
「ん、なぁ……」
 しっかりと反応した後も焦れったいくらいに柔い刺激ばかりが続いて、とうとう黙っていられなくなった。どう考えたってこの時間を引き伸ばすためなんだろうけれど、ペニスを弄られることには慣れていても、こんな風に焦らされるのは初めてでどうにも戸惑っていた。
「いや? 気持ちはイイ、よね?」
「そりゃ悪くはない、けど」
「焦れったい?」
「ん、まぁ」
「じゃあ、我慢できなくなったら言って」
「は?」
「イキたくてたまらなくなったら、いつもみたいに、さっさとイカせろって言ってよ」
「や、それは……」
 こんな触られ方でイキたくてたまらなくなるまで焦らされるってことだろうか。というかこの触られ方で、そんな状態にまでなれるのかがそもそも疑わしいんだけど。てか無理そうなんだけど。
「つーかローションは? ローション使ってやるんじゃなかったのかよ」
「それもしたいけど、でも使ったらすぐイキたくなっちゃうでしょ」
「そ、だけど。でも、……あー……や、わか、った」
 こんな触り方でイキたくてたまらないほど焦れるかは、この際どうでも良いのかも知れない。相手がこの触り方に飽きたり満足できるまで、こちらは与えられるままぬるい快楽に浸っていればいいだけなんだから。
「何がわかったの?」
「好きにしろよ、ってだけ。最後だから、時間かけてしたいんだろ」
「ありがと」
 さらりと告げられた言葉も、相手の目的が触れ合う時間を長引かせるためだと肯定している。
「でもさすがに、これだけじゃ刺激足りないよね」
 俺は飽きないけど飽きられそう、なんて小さく笑った相手の顔がすすっと胸元に寄っていく。
「えっ、ぁ、」
 相手の熱い息が乳首の先に掛かっただけでゾワッと肌が粟立つのがわかる。
「ぁひっ」
 慌てて身を引こうとしたが、それよりも早く相手の唇がチュと乳首に吸い付いてきて、たまらず小さな悲鳴を上げた。

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イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった14

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「あれ?」
 呆気にとられたような、不思議そうな声が聞こえてきたから、相手は本気で気持ちいいと思っていたのかも知れない。
「ごめっ、てっきり気持ちいいんだと思って」
 ほらな。と思いながら、口からはバカジャネーノとこぼしておく。
「本当にごめん。えっと、強く弄りすぎた? かな?」
 そうだとも違うとも返さなかったが、沈黙は肯定と捉えられたらしく、次は気をつけるから許してと優しく背中を撫でられた。
 次ってことはまだ弄る気でいるのか。あれだけ反応してたらそりゃそうか。自分が責める側だったって、じゃあもう触らないとはならないし、触り方が悪かったんだと思うだろう。
 でもそれを、される側として、わかったとは言い難い。次はちゃんと気持ちよくなるように触って、なんて言えるわけがない。というか乳首を弄られて気持ちよくなりたいわけじゃない。むしろ、そんなところで感じる体になんてなりたくない。
 けれど、胸弄るのもなしで、を相手が了承するとは思えないのが難しい。だって、すでに尻穴に触れないことは了承させている。それに触られてゾワゾワするところは他にもあって、触られ方によってはそっちだって強く反応する可能性はある。そうなるたびにそれ以上そこ触るの禁止、なんて言えるはずがなかった。
 それに今日のこれで最後なんだから、あれこれ嫌だダメだと険悪な態度を取りたくない。相手のしょぼくれる顔を見たくない。
 それを考えただけで胸の奥が嫌な感じに少し痛くなるくらいには、相手に満足げな顔をさせて終わりたい気持ちがある。なんせずっと、相手に任せるまま気持ちのいい思いをしてきたのは自分なんだから。嫌われるのを恐れる相手の気持ちにはなんとなく気づいていて、本気で嫌がるようなことはしてこないだろうと、甘えると言うか、相手の気持にあぐらをかいていた部分は間違いなくある。すでに尻穴は守られているのだから、最後くらい、相手がしたいことをなるべくさせてやりたい。
 だとしたら、感じたくないなんて言ってる場合ではないんだろうけど。でもやっぱり、触られたら感じて当然のペニス以外で、こいつの手や唇に触れられ、気持ちがいいと感じるのは怖かった。
「う、っわ、えっ、なに?」
 急に両肩を掴まれて、ぐっと後ろに引き起こされた。と思ったら、そのままの勢いで後方に倒れされる。
「俺の声、聞こえてた?」
 頭の先からにゅっと顔を出してきた相手は、不満げと言うよりは不安げだ。
「いちおう」
 ごめんと何度も繰り返して、怒ってるのかとか、もっと優しくするから機嫌を治してとか、あれこれ言い募っていたのは、一応耳に届いていた。宥めるように背をさする手の外、途中からは何度も唇が落ちていたことも、一応認識は出来ていた。
「もしかして、もう止めたい、みたいなこと、考えてたりする?」
「そこまでは、思ってない」
「じゃあどこまで思ったの?」
「あー……」
 お前に感じさせられるのが怖いと、正直に言うのを躊躇った。なんでと追求されるのが面倒くさいというか、うまく説明できそうにない。それに、俺が感じるようなことするのはなしで、なんて言い出したら、最後にイチャイチャしたいを許可した意味が、根底から崩れてしまうのがわかっている。
「お前に触られるのが嫌なわけじゃなくて」
「うん」
「でも、慣れてないから、自分の反応に戸惑うっていうか、どうしていいかわからなくなる」
「そっか」
 ホッとしたような笑顔が近づいて、ちゅっと唇が音を立てたのは額だった。まぁ顔の向き的に、唇は狙いにくかったのだろうことはわかる。
「つづき、いい?」
「うん」
「あ、待って。そのままで」
「え?」
「寝転がってしよう」
 起き上がろうとするのを止められ、すぐさま相手の体が横に転がってくる。

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イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった13

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 軽く触れ合うものから口内を舐められたり舌を吸われるようなものまで、繰り返し何度も唇を塞がれながら、今まで触れられたことのない場所をあちこちと手が這っていく。やがてキスが止んだかと思えば、手が這ったその後を追うように唇が落とされ始めて色々とむず痒い。
 散々勃起ペニスを晒して、握られ扱かれ時には舐められるまでしてきたのだから、それに比べたら全然大したことはされていない。そう思うのにどうにも恥ずかしいのは、相手がこれを「イチャイチャ」なんて表現したせいなんじゃないかと思う。
 抱かせて貰えないなら最後にイチャイチャしておきたい、という相手の言い分を受け入れはしたが、もちろん歓迎はしていないし戸惑いだってある。なんでそんな思い出作りじみた事をしたがるのかという疑問は、結局相手が自分をどう思っているのかを問い質すことに繋がるとわかっていて聞けはしないけれど。
「どっか、気持ちいいとこ、ある?」
 声は背後から聞こえてきた。なぜなら相手に背中を向けているからだ。キスをしながら首や背中や腰を中心に触られた後、向きを変えられて項やら背中やらに唇を落とされながら、今度は胸やら腹やらを触られている。
「っ、ふ、……おしえ、ないっ」
 逃げ出すほどじゃないくすぐったさがあちこちで発生しているが、それらを気持ちいいと呼ぶには快感が足りない。だいたい教えたらそこを集中的に触られるんだろうし、正直それは避けたい気持ちもある。
「ここは?」
 背中から回されている手がゆるっと両胸を覆った。胸の膨らみなど欠片も無いのに、まるでそこに膨らみがあるかのように置かれた手を見てしまったら、まるでそこに膨らみがあるような気がしてくるから恐ろしい。
「どんな感じ?」
「どんな、って……」
 手のひらを撫で付けるように動かされたが動きは緩い。それでも圧を変えながら何度も繰り返されると、だんだんとゾワゾワした感覚が広がっていく。
 手のひらを押し付けられているので、胸の膨らみの錯覚はなくなってしまったが、平らな胸を懸命に撫で擦って快感を与えようとしているその手の動きが視覚的にあまりよろしくない。肌感覚だけでなく、視覚的にもなんだかむず痒くなってしまう。
「乳首、立ってきた」
「いうな、よ」
「だって反応あったら嬉しいじゃん。ちょっとは気持ちぃ?」
 ただの生理反応だと強がるのも、素直に気持ちがいいと答えるのも躊躇って、結果口を噤んでやり過ごす。ついでにのように、相手の手の動きを追ってしまうのは良くないと、ギュッと目を瞑ったのは失敗だった。
「ぁっ……」
 目を閉じたことで感覚が鋭敏になったのがわかる。特に今は胸しか触れられていないから、そこにだけ意識が集中してしまうのも大きい。
「ぁあっっ」
 慌てて目を開けたのと、プチっと膨らんだ両胸の先を相手の指先が押しつぶすのは同時だった。突然の強い刺激と、視覚的なイヤラシさで、まったく抑えられなかった声は大きく響き、ビクリと盛大に肩が跳ねた。
「ぁ、っぁ、っばか、やっ、やめっ」
 確かに派手に反応はしたが、気持ちが良かったとは言い難いのに、相手の指先がしつこく乳首を弄り始めてあっさり息が上がり始める。
「なんで?」
 気持ちいいんじゃないの、と言われながら、とうとう乳首を摘まれた。
「ぁあああ、あっ、あっ、やだぁ」
 軽く引っ張られて指先でクニクニと揉まれると、体の奥をビリビリとした何かが走っていく。さすがに大人しく相手に体を預けてなんか居られなくて、相手の腕ごと払いのける勢いで、逃げるように体を丸めてしまった。

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イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった12

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「うーん、イチャイチャってより、最後だからもっとゆっくり気持ちよくなりたいっていうか、未練なのかな。なるべく終わりを引き伸ばしたいだけ、かも?」
 終わりを引き伸ばしたい、という言葉に、今更ながら最後を強く意識した。卒業後も続ける気はないし、ちゃんと終わる気はあったのに。
 でも、それが今日だなんて欠片も思っていなかった。卒研発表を控えてバタバタしていたのもあるし、卒業まではまだそれなりの日数があるせいだ。
「卒業式、まだ先だろ」
「そうだけど。でももう引っ越しちゃうし」
 連れ込めなくなっちゃうからと言われて頭の中にたくさんの疑問符が浮かんだ。自宅へ戻るのは知っているし、当然引っ越すのだってわかっているが。
「後もう卒業式くらいだから、ここは早めに出て、卒業式は実家から来るつもりなんだよ」
 こちらが理解していないことに気づいて説明を加えてくれたが、なんで、という気持ちばかりが湧いてくる。
「んなの、聞いてない」
「卒研忙しかったし、そういうの話す機会なくて。まさかそこ気にされるとも思ってなかったし。というか、最後はもっと先だと思ってた、ってことかな。驚かしてごめんね?」
 呆然と呟けば、申し訳無さそうに謝られてしまった。
 曖昧な関係を続けていたのはお互い様なのに。自分だって、卒業したら終わるつもりだと、明確に伝えたりはしていなかった。最後をいつにするか、自分から話を振ることだって出来たのに。
「ほんとに、今日が最後、なんだ……」
「うん。そのつもり」
「おれ、の……」
 何を言いかけているんだと、慌てて口を閉じた。ここを引き払っても俺の部屋があるだなんて、口に出せるわけがない。
 自室に呼んだことはあるが、自室でこういった行為をしたことはなかった。というよりも、そういう雰囲気になりかけた時に派手に拒んだせいか、それ以降は部屋に呼んでもそういう雰囲気にはならなかったからだ。多分、気を遣ってそうならないように避けてくれていたんだろう。
 だって自室でそんなことをしてしまったら、部屋に一人でいる時にもあれこれ思い出してしまいそうで嫌だった。自室にこいつとのエロい記憶が結びつくのが怖かった。
 だいたい、俺の部屋があるからって言ったところで、わざわざ時間と交通費とをかけて出向いてくるとも思えない。
 互いにそれなりの好意があるから成立している関係ではあるだろうけれど、明確に友情以上の感情を向けられたことがないのに。恋人になってとも恋愛感情があるとも言われたことがなく、かといってセフレと呼べるような関係でも無い気がするし、結局、なんで自分相手にこんなことを続けているのかもよくわからないままだった。
 まぁ、どうしてするのか、何が楽しくてしてるのか、一度も聞いたことがないせいなんだけど。聞いたら答えてくれたのかすら、確かめずに終わるんだけど。
「どうしたの?」
 何かを言いかけたまま黙り込んだせいで、待ちきれなくなった相手から先を促されてしまったけれど、もちろん言いかけた言葉の続きを言うつもりはないので、軽く首を振ってなんでもないと示す。
「ぃや、もぅいい。わかった、から」
「わかったって何が?」
「今日で最後なんだ、って」
「ごめん、ね?」
「謝る必要ないだろ。最後はもーちょい先だと思ってたから、驚いただけ」
 伸ばした手でくしゃくしゃっと乱雑に頭を撫でてやった。イケメンがションボリすると絆されて、つい余計なことをしてしまうし言ってしまう。
「いーよ。でも、尻穴弄るのはナシな」
 イチャイチャしたいの許可を聞き逃すことなく、相手はありがとうと嬉しそうに笑った。

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