イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった24

1話戻る→   目次へ→

 年末に酔い潰れたに近い醜態を晒した後も、相手の反応は特に変わりがなかった。一度は、都合がつくなら会えないかという、日時も場所も指定された誘いも貰った。残念ながら都合がつかないと言って断ったけど。
 相手の誘いはいつもこんな感じで、日時と場所が指定されているが、これは間違いなく、断りやすいようにと気を遣ってくれていると思う。事実、本当に別の予定が入っていて都合がつかなかったことなんてない。
 誘いに乗らなくても、付き合いが悪いと責められもしないし、じゃあまたの機会にとあっさり引き下がり、しかも数カ月後には本当に「またの機会」がやってくる。でもさすがに、誘われる頻度は少しずつ減っていた。
 都合がつかないと断っているのは自分なのに、誘われる頻度を気にして、少しずつ相手との距離が離れていくような錯覚に胸が痛いなんてバカらしい。相手とはもうとっくに、物理的にも心理的にも結構距離が取れているのに。
 今更、どう接していいかがわからなかった。そもそも自分と相手とは友人だったのかすら、今はもう自信がない。せっかく友だちになれたんだから、とか、卒業しても友だち止めないでしょ、とか、そんなようなことは言われたから、相手の中では今も昔も自分は友人なのだろうけれど。でも自分にとっての彼は、やっぱり友人の括りからは大きく外れた存在だと思う。
 友人として、気軽に会って酒を飲みながら近況報告や思い出話で盛り上がって、楽しい数時間を過ごして終われる相手じゃない。彼女の存在を忘れてホテルに誘うなんて、彼以外が相手ではありえない行動だった。
 卒業したあとも友人関係が続く、というのが想定外だったのだから、いっそ関わりを全て断った方がいいのかと考えたこともある。けれどその決心は未だにつかないままだった。
 多分、友人として付き合い続けたい気持ちは自分の中にもある。今はまだ、大学時代のあれこれが身に染み付いたままで、エロいことをしない友人関係に馴染んでいないだけだ。彼としか経験がないのも、もしかしたら原因の一つかもしれない。
 エロいことなしの友人関係にあっさり移行できた相手は、もともと童貞ではなかったし、卒業後も特定の相手は作っていないものの、やることはやってるって話だった。なのにこちらは、やっと彼女が出来はしたものの、童貞を捨てるには至っていない。
 彼意外と気持ちがいいことを経験すれば、それが当たり前になれば、彼とのあれこれを過去のものにして、ただの友人関係が築けるだろうか。そうなればいいなと思った。
 なのに。
 会いたいと自分からメッセージを送るのは初めてだった。相手のように、時間や場所を指定して、都合が付けばなんていう逃げ道を作らず、都合のつく日に合わせて相手の住まい近くまで行くからそっちの予定を知らせろと送った。
 何かあった? という心配するメッセージがすぐに届いたが、相手の予定は記されていない。あった、とだけ短いメッセージを送って、続けて、だから都合のつく日を遅れと再度催促してやれば、少しして、いくつかの数字が戻ってきた。当たり前だがその殆どが土日で、一番近い土曜の夕方を指定して会う約束を取り付ける。
 何があったかの詳細をメッセージでやり取りする気がないことは伝わっているようで、それ以上の追求はなく、可愛らしい了解のスタンプだけが送られて行きた。

続きました→

 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。