親友の兄貴がヤバイ15

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 中を洗ってくるくらいだから、自分でそこを弄って拡げる訓練をしていたとしても、なんら不思議はない。ローションを絡めた指をあっさり二本受け入れたそこは、洗って緩んだだけではなく、異物の侵入にやはり多少は慣れているんだろう。
 ハフハフと喘ぐような浅くて荒い呼吸が続いているが、指を埋めていく時に、息を詰めて体を強張らせるようなことはなかった。
 明かりを絞ったせいももちろんあるが、顔の前に置かれた彼の腕のせいで、顔の半分以上が隠れてしまって表情などはわからない。それでも、痛みを感じる様子や、辛くて仕方がないという様子はなさそうだ。
「ふぁっ、んんっ」
 多分前立腺と思われる場所を指の腹が掠めれば、少し高めの声が漏れた。
 口は押さえないで。苦しいのも、気持ちいいのも、隠さないで。声を聞かせて。
 そう頼み込んだ結果、彼の腕は口ではなく目元部分を隠している。まぁこれは、再開した直後、向かい合って横になったまま相手の股間にローションをまぶした手を突っ込み、相手の顔を見つめながらアナルを解そうとしたせいでもある。
 恥ずかしいから止めろ、ライト点けたんだから顔は見るなと結構強めに抵抗されて、結局自分だけ起き上がって先ほどと同じように開かせた足の間に座っていた。ちなみにその前段階で、こちらに背を向けて貰い、背後から慣らすというのも試すには試した。
 指を一本埋め込んで、ほんのりと赤く染まるうなじから背中にかけてチュッチュとキスを繰り返し、空いた片手を抱き込むように前に回して胸の先やペニスやら感じやすいだろう場所を同時に弄っていたら、やっぱり後ろからは嫌だと割合すぐに止められてしまった。しかも、何度も可愛いと繰り返し告げていたら、これ以上可愛いと言うなとも言われた。さっきは、可愛いって言われて嬉しい事にビックリするねと、ふにゃりと笑ってみせたくせに。
 どうしてですかという問いかけには、どうしてもとしか返らなかったが、ずっとこちらを気遣いアレコレ言い難いような事まで全部教えてくれていた相手が、だって嫌だとむずかる様子が新鮮で、可愛すぎて、理由を聞くことは諦めた。
 恥ずかしさが限界を超えたと言ってからの彼は、どんどんと幼さが増していく気がする。元々持ち込めないと言いつつも、なんだかんだで見せ続けていた年上の余裕が、とうとう維持できなくなった状態がこれなのかも知れない。
 この人は一体どこまで可愛くなるんだろうと思いながら、指が掠めて声の上がった場所に、意識して柔らかに触れてみる。
「ふあぁっ」
「ここ、どうですか? 前立腺、自分で弄ってみましたか?」
「ぁ、あっ、やぁっ」
「慣れないと違和感しか無いって聞きますけど、キモチイイ、わかります?」
「ゃ、っあ、やだっ、そこっ」
「痛いですか?」
「いた、くないっ、けどっ」
「痛くないけど善くもない、ですかね」
「わ、っかんな、ぃ」
 この様子だと、自分で弄っては居なかったのかもしれない。ついそれを口から零したら、なんで自分で弄ってる前提なんだと、途切れ途切れに怒りの滲むような声が届いた。声が途切れ途切れなのは前立腺への刺激を続けているからで、怒っているように聞こえる声は多分本当には怒ってなくて、きっと恥ずかしいんだろう。恥ずかしさから口調がキツく荒れて居るのだと、教えて貰わずともさすがにもうわかっていた。
「そんなの貴方が、俺に抱かれるための準備を色々してくれてるからですよ。どこまで自己開発しちゃったのか、気になるじゃないですか」
「いたい、の、やって、だけ。きもちぃとか、そこまで、ない」
 痛いのが嫌で抱かれる準備を自分でしていたのか。乱暴にされたら萎えちゃう系とも言っていたし、実際縛った状態でペニスを弄っても反応しなかった人だから、痛いのが嫌だという言い分はわからなくもない。
 脅されたにしろ一度は犯されることを了承してもいるのだけれど、あの時、無理矢理に抱いてしまわなくて、本当に良かった。
「初めて、で、きもちぃとか、夢みすぎ。お前が、無事に突っ込めて、繋がれたら、今日はそれでいい」
 指の刺激を止めれば、幾分はっきりとした言葉が聞こえてくる。顔の前の腕もどかされて、まっすぐな瞳がこちらを見つめているのが、小さなライトの明かりでもはっきりわかった。
 せっかくグズグズになった年上の余裕が、また少し頭を擡げてしまったようだ。
「まぁ、初めてのセックスに気負いすぎてるのも、期待しすぎてるのも、自覚はありますが、思った以上に成功ハードル低いですね?」
「初エッチ失敗すると、けっこー引きずる。抱く方も、抱かれる方も」
「それは経験則ですか?」
「一般常識」
 さすがに嘘だと思ったけれど、恋人の過去の経験をあれこれ聞かないのは一般的なマナーかなと言う気はしたので、互いに小さく笑って終わりにした。
「でも、知識はありますよね?」
 また緩く前立腺を刺激しつつ問いかける。
「んぁっ、…ぁ、なに、の?」
「ここで、というか、前立腺で気持ちよくなれるって事の」
 だからもう少し弄らせてくださいねと言いながら、少しずつ触れる角度や強さを変えていく。
 一度グズグズになった余裕はやはり簡単には戻らないようで、すぐにまた可愛らしい声を上げながら、前立腺ばかり責めることを嫌がられ非難された。けれどそれを宥めてあやしながら、少しでも快楽の声を引き出せないかと探る行為は、楽しくて仕方がなかった。

続きました→

 
 
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親友の兄貴がヤバイ14

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 言われた通り歯を磨いてバスルームを出たら、部屋の中は随分と暗くなっていた。小さく灯る明かりは、二つのベッドの間に置かれたサイドテーブルのフットライトだけだ。
 バスルームのドアを閉じてしまえばかなり暗い。少しだけ目が慣れるのを待って、それから彼の待つベッドへ近寄っていく。
 先程自分が彼を待っていた時と、今度は立場が逆だった。彼は身を起こしてベッドに腰を掛けていたから、その隣に腰を下ろす。
「謝ったほうが、いいですか?」
 怒らせたとは思っていない。ただ彼の覚悟になかったことをしたのだろう自覚はあった。待って嫌だ止めての言葉を、強い抵抗がないからと無視したのも事実だ。
「怒っては、いない。かなり色々、ビックリした、だけで」
「驚かせて、すみません」
「自分からフェラしたがったりもだけど、お前、口ですることの抵抗感、あんまないのな。一応聞くけど、舐めて慣らすのが当たり前とか変な知識でやってないよな? ローションとか使う気ある?」
 持ってきてないならこれ使ってと差し出されたボトルに、初めて彼がそれをずっと握りしめていたことに気づいた。暗さに全く気づいていなかった。
「大丈夫です。ゴムも、ローションも使います。ちゃんと持ってきてます」
 慌てて先程枕の下に仕込んだゴムとローションとを、枕の下から引っ張り出して彼に見せる。そんな仕込みを明らかに笑われた気がするが、相手の緊張が緩んでこちらもホッと息を吐く。
「なんか見たこと無いローションだな」
 彼の握っていたローションはごくごく普通のというか薬局にも並んでいるような有名な品だったが、自分が用意してきたのは確かにそこらで買えるようなものじゃない。クリスマスお泊りデートが決定したときにこっそり通販した。年齢はギリギリセーフだが、多分高校生という身分で手を出すのはアウトな品だ。
「まぁ、アナル用なんで」
 暗いので見えにくいのかと、アナル用とわかるラベルを彼の目の前に近づけてやった。
「うぇっ!?」
「買いました。通販で」
「そ、そう、なんだ」
「貴方を抱きたいって言うばっかりで、どう抱くつもりか、そのために何が必要か、貴方にどうして欲しいのか、そういうの全然話し合わなくて、すみません」
「いやそれは、俺も、聞かなかったし」
 お互い様だろと言ってくれるが、まったくそうは思えない。どこまで行っても、彼の負担が大きい現実とぶち当たる。
「アナル舐められるなんて、思ってもませんでしたよね?」
「汚いと思わないのかって衝撃はあるけど、そこ使って愛し合う以上、そういうのもありなんだって、頭では理解、してる。お前は最初っから男が性愛対象なわけだし、多分、俺が女の子を舐めれるのと、気持ち的にはそう大差ないんだろうとは思う。でも自分に重ねると、そんなとこ舐めんの絶対無理だって思うから、メチャクチャびっくりするし、どうしても汚いって思う。本当、ゴメン」
「謝らないでいいです。それと、俺だって相手と場合によります。男のなら誰のでも舐められるわけじゃないですし、というか正直あなた以外無理ですし、さっきのだって、貴方があんまり可愛いことしてるから、思わずって感じでしたし」
「可愛い?」
 思い当たることがない様子で聞き返されたので、中まで綺麗に洗ってくれてますよねと確認するように返した。
「えっ、嘘、なんで?」
「それ、なんでわかるのかって聞いてます?」
 理由を教えたら、恥ずかしすぎるんだけどと呟きながらがっくりと項垂れてしまう。
「俺が抱きたいとしか言わなかったせいで、自分でいろいろ調べて、一人で頑張ってくれたんだって思ったら、なんかもう堪らなくなって、可愛くて、愛しくて、汚いなんて欠片も思わず舐めてましたよ。しかも、ビックリして声を抑えるの忘れた貴方が、嫌だとかダメだとか言いながらも可愛い声を聞かせてくれたから、嬉しかったのもあって止めれませんでした。というか正直、まだ舐め足りないくらいの気持ちで」
「うん待って、無理」
 つい正直に言い募ってしまったら、項垂れた姿勢のまま強い声に遮られてしまった。
「ああ、はい。歯も磨いて来ましたし、さすがにこれ以上アナル舐めする気はないです。でもセックスそのものを諦める気もないです」
 もう一度キスから初めていいですかと問えば、項垂れたままの顔をこちらに向ける。
「俺イッたしもう終わり、とか言う気はないんだけどさ、明かりこのままでも、いい?」
「暗すぎません?」
「だって恥ずかしさが限界超えた」
「その理由可愛いんで頷いてあげたいところですけど、見えない中でちゃんと出来る自信がありません。もしこの暗さでするなら、気持ちいいか痛くないかを見逃さないように、ずっと貴方の顔を近くで見つめちゃいますけど。それは恥ずかしくないんですか?」
「恥ずかしいに決まってるだろっ!」
 結局、サイドテーブルの上に乗ったライトを点ける許可をもらって、再度ベッドに並んで横になった。

続きました→

 
 
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親友の兄貴がヤバイ13

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 ふっくらしたアナルに舌先で触れた瞬間、相手の腰が大きく跳ねる。
「え、ちょ、っ嘘っっ」
 この後何をされるか理解したらしい相手から、動揺しきった声が上がる中、両足を押し上げていた手を少しずらして腰を押さえ、更に舌を押し付けた。
「や、待っ、ダメ、ゃっ、ぁあっ、きた、ないっ、からぁ」
「汚くないですよ。ここも、石鹸の香り」
「言う、なぁっ、あぁ」
 ダメだ嫌だ汚いと否定の言葉に混じる、若干高く響く声は明らかに善がっているように聞こえたし、暴れて逃げようともしないから、一度だけ汚くないですと返した後はそのままアナルへのキスを続ける。
 柔らかなタッチで舌を這わせた後、少し圧を上げてシワを伸ばすように舐め回し、この後の行為を予感させるように舌先を窪んだ中に差し入れた。
「んぅ、ぁあっ、あああ」
 感じていることを知らせてくれるというよりは、どう考えても声を抑える事も漏らさないよう口を押さえることも忘れている。かなり動揺し続けている様子に、申し訳ないと感じるよりはやはり嬉しいと思ってしまう。
 ツプツプと何度も舌を出し入れし、差し込んだ時に押し当てた唇で周りごとぢゅうと吸い上げたら、ビクビクと腰を揺らしてひときわ高い声があがった。
「ひゃぁっ、ぅっ、も、やぁあっ」
 半泣きな声に、随分追い詰めてしまったらしいと思う。
 でも気持ちいいって感じてくれているでしょう? 
 そう口で問う代わりに、腰を押さえていた手を片方外して、確かめるようにペニスを握った。
「はぁあぁ、っん」
 嬌声とともに腰が浮く。ペニスは萎えることなく反り立ったままで、ダラダラと先走りを零し続けている。手の中で熱く脈打つそれは、今にもはちきれそうだった。
 こんな状態になるほど、やはり相手はちゃんと感じてくれている。それを相手にも自覚させるように、わざとグチュグジュと濡れた音が立つように扱きあげる。もちろん、舌先はアナルに埋めたままだ。
「ん、ゃぁあ、ああああっっ」
 ビュクッと尖端から精液が吐き出されていくのを手のひらで、キュッと窄まるアナルの締め付けを舌先で感じながら、飲み損ねたなと少しだけ残念に思った。
 ゆっくりと頭を上げて見下ろす先、相手は荒い息をつきながら呆然としている。
「気持ちよく、イケました? よね?」
 掛けた声に反応した相手と目線があった瞬間、相手の顔がくしゃっと泣きそうに歪む。随分と辛そうな顔だった。
 ああ、マズイ。どうやらやりすぎたと瞬時に悟る。
「ビックリ、しすぎてる。悪いんだけどさ」
「はい」
 これ以上は無理だという言葉が続くのだろうと思って、神妙な気持ちで返事をしたのに、相手は全く予想外の言葉を続けた。
「歯、磨いてきて」
「えっ?」
「その口で、この後キスとかされんのちょっと無理そう」
「あ、はい。わかり、ました」
 間の抜けた声になったが、それは仕方がないと思う。若干潔癖気味な相手の言い分はわかるが、腑に落ちない。というか歯さえ磨いてくればまだ続ける気があるのだと、そう期待していいんだろうか。
 でも泣きそうなままの顔を見てしまうと、続けられる可能性は低そうだと思ってしまう。それでもわかりましたと告げた通り、バスルームへ向かうためにベッドを降りた。
「その間に、俺も、気持ち落ち着けとくから。ゴメンな」
 背中に掛かった声に首を振り、振り返らないまま口を開く。
「いえ、謝らないで下さい」
 無理はしないで。という言葉は結局飲み込んでしまった。望み薄でも、歯を磨いて戻る間に、彼が気持ちを持ち直してくれたらと願わずにいられない。
 だって彼の可愛さを知ってしまった。愛しい気持ちは膨らんでいくばかりだ。
 今日じゃなくてもいいと、もう一度口に出来そうにはない。彼を、抱きたい。

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親友の兄貴がヤバイ12

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 口の中で硬さを失わない相手のペニスに嬉しくなって、胸の時以上に必死になって舐めしゃぶる。感じてくれているのが良くわかるという点でも、胸の時以上に夢中になった。
 可愛い喘ぎ声などは聞こえて来ないけれど、押さえきれない荒い呼気が手の隙間から漏れていたし、時折飲み込みきれない喘ぎが鼻に抜けて「んっ」と小さな音を立ててもいる。咥えるペニスの尖端からはとろりとろりと先走りが溢れ続け、つるりとした尖端の割れ目へ舌を這わせて窪みをくじるように舐め取れば、口の中でビクビクとペニスが震える。
 与えるままに返ってくる反応が嬉しくて、その素直さが可愛くも有り、楽しくもあった。
 あまり深くまで飲み込むことはせず、尖端を口に含んで舐め回しながら、竿部分をゆるゆるとこすったり、陰嚢をやわやわと揉んでやる。精液を飲ませてくれとは言ったものの、そう早急に達せるほどの刺激を与えるつもりはなかった。嬉しくて愛しくて楽しいこの時間を、もっと引き伸ばしたい。
 前回のようにイかせてとお願いされればもちろんそれ以上に焦らす気もないが、そんなお願いを口に出す余裕が、今回も相手にあるかどうかは微妙そうな気もする。
 陰嚢を柔らかに揉みながら、指先を伸ばして会陰部を押してみる。一瞬ピクリと腿が震えたが、それ以上の反応はない。乳首以上に開発が難しいと聞くし、最初はやはりこんなものかと思いながらも、会陰部をあちこち撫でつつきながら指先をじわじわと更に奥へ進めていく。それに合わせて、尖端を含んでいた口も竿部分を喰むようにしながら降りて、指先がアナルへ触れる頃には根元部分へ到達していた。
 アナルのシワを指先で擦りながら、陰嚢をパクリと咥えてちぅと軽く吸ってみる。
「ひゃぁ……んぅっっ」
 ビックリして口元の手が外れたのか、随分と可愛い声がチラリと耳に届いた。もっと聞かせてくれたらいいのにと思いながら、口の中で玉を転がし、ふっくらと膨らんでいるアナル入り口を指先で撫で続ける。
 随分とシャワーに時間を掛けているとは思っていたが、まさか中まで洗っていたとは思わなかった。キュッと窄まっているのではなく、ふっくらと盛り上がってしまっているアナルは、きっと何度もお湯を注がれそれを排泄したのだろう。
 自分だって色々とゲイセックスの知識は漁っていたし、ちょっとネットで調べればすぐにそういった情報は入手できるから、最初から抱きたいと宣言されていた彼だって、きっと色々自分で調べたのだということはわかる。それにしたって、抱かれる覚悟はしたと言ってもここまでとは……
 女性としか付き合ったことがないはずの相手が、そこまでの準備をするという覚悟のでかさに、脳みそが揺さぶられてクラクラした。
 みっともない姿を晒す前にカッコつけておきたかったなんて言って、クリスマスデートを華麗にエスコートしてこちらを散々打ちのめしたくせに、抱かれるためにここまでの準備を一人でこなしただなんて、ああもう本当に、なんて可愛い人なんだろう。きっとこの後どんな姿を見ることになったって、それをみっともないだなんて、きっと絶対に思わない。
 本当は怖いし不安だと言っていた。それでも抱かれたくてここに居るのだと、ちゃんと恋が出来ているのだと、言ってくれた。もっと、好きを受け取りたいのだとも。
 年下の、行為に慣れていない童貞男に抱かれるのだから、怖いのも不安なのも当たり前だ。しかも出来る限り優しく抱きたいと思っている事を、事前に一度だって相手に伝えていなかった。こちらの恋心を知って、それを受け止めると決めた後の彼は本当に優しくて、端々に大人の余裕を見せていたから、怖いだとか不安だとか健気な覚悟だとか、そんなものは全く見えていなかった。
 どうすれば、何をすれば、何を言えば、彼の覚悟に見合うだけのものが返せるのだろうか。今この胸に湧き上がる愛しさを余すことなく渡したい。伝えたい。
 愛しい。好き。大好き。可愛い。
 もっと愛したい。たくさん可愛がりたい。うんと、気持ちよくしてあげたい。
「あなたのことが、今、とてつもなく愛しいです。本当に、可愛い」
 告げながら開かせた両足の付け根あたりを軽く押し上げ、返事を待たずに奥まった場所へ舌をのばした。

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親友の兄貴がヤバイ11

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 胸を舐め弄る前にもどって、また触れるだけのキスから始める。キスを繰り返しながら、手のひらと指先とで相手を撫で摩る。
 キスは触れるだけだが、簡易寝間着ははだけさせた後なので、手に触れるのは相手の肌だ。胸の先に触れればやはりピクリと体が跳ねて、目の前の顔はクッと息を呑んでいる。
 また胸ばかりを弄られると思っているのか、戸惑いと諦めと悲壮な覚悟とが入り混じるような表情を見せるから、こちらも一度緩く首を振って見せてから、触れるばかりのキスを深いものへ変えつつ、手は別の場所へ滑らせた。
 触れ合う唇と舌とで相手の安堵を感じ取ったのは一瞬で、するすると肌を滑り下ろした指先を腹の窪みへ潜り込ませれば、ビクリと盛大に身を跳ねる。
「ふひっ……ひぅ、っ」
 擽るように指先を揺らせば、合わせた口の隙間から笑いをこらえ切れない様子で呼気が漏れた。腹もひくひくと波打たせるくらい擽ったいらしいのに、それでも止めろと突き放される事はないのかと内心驚いていた。
 擽ったい場所は性感帯の卵だなんて話もあるし、それを知っていていて快感に変わるのを待ってくれているのだとしても、現状気持ちいいよりも圧倒的に擽ったくてのその反応なのだろうから、結局は擽ったいのを無理に耐えさせているのと変わりない。申し訳無さにすぐにその場所から指先を抜いて、またするりと手の平を滑らせる。
 前回同様下着は履いていないため、腹に沿って手を降ろしていけば、すぐに手の甲に濡れた感触が触れた。固く反り上がったものが、先走りを零しているのだ。
 下生えまで降りてその場所を軽く撫で、手のひらに触れる陰毛の感触を少しばかり楽しんだあと、手を返して屹立を軽く握り、根本からゆっくりと尖端へ向かって移動させる。溢れた先走りで幹も既に濡れていたが、動きがゆっくりなためか卑猥な水音がたつことはない。
 触れ合う唇と舌の先、相手は震えるように息を詰めている。
「ふぁっぁ、あぁっ、ぅっ」
 たどり着いたびしょ濡れの尖端を手のひらで包んで柔らかに揉めば、合わせていた口が思わずと言った感じで開き、歓喜の声が上がって腰が揺れた。
 前回気持ちよさそうにしてくれた触り方をなぞるように触れれば、相手はすぐに追いつめられた様子で荒い息を吐き始める。
「ぁ、イイっ…きも、ちぃ……そんな、されたら、い、っちゃう、よっ」
「口でして、いいですか?」
 キスの合間の訴えに、握る手を止めて問いかけた。
「次は口の中でイッてくれるって、言いましたよね。飲ませて下さい、あなたの」
「ぇ……っぁ、ああ、……そう、だな。うん、じゃあ、……その、口で、して?」
 随分と躊躇いながらも許可されて身を起こす。
 前回彼が言い出したことなので戸惑いはなさそうなものの、やっぱり諦めと悲壮な覚悟とが入り混じるような表情を見せている。けれどさすがにこれは譲れない。
 口の中に含んで舐め啜っても柔らかなままだった、あの夜の絶望を払拭したかった。ちゃんと反応してくれている彼を、十分に勃起した彼のペニスを、口の中に迎え入れてみたい。吐き出される先走りも精液も、味わってみたい。
 彼の足を開かせてその間に身を置き、勃起ペニスへ向かって身を屈め頭を寄せていく。
「んんっっ」
 尖端をぺろりと舐めれば、ニガしょっぱいような不思議な味が口に広がり、耳には息を詰めるのを失敗したような、少しくぐもった音が聞こえてきた。ちらりと目線を上げれば、どうやらまた口元を手で押さえてしまっているらしい。
 さすがに胸とは違ってちゃんと快感を、それも手で弄るよりは数段強い刺激を受け取ってもらえるだろう。そう考えれば盛大に喘いでしまうのが恥ずかしいのだとわかるから、その手を外して声を聞かせてくれと頼むような真似はしなかった。

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親友の兄貴がヤバイ10

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 片側を口で、もう片側はやはり手で、同時に胸の尖端を弄り倒す。吸ったり引っ張ったりしたせいか、その場所は小さいながらも明らかにふっくらと固く勃ち上がっていて、気持ちよく感じてくれているのかはわからないものの、時折相手の体がヒクリと波打つのがわかる。
 舌で転がし柔らかに歯を立て、ちうちうと吸い上げるのに夢中だった。左右を交代し、濡れた乳首を指先で擦るのも、酷くイヤラシくて興奮する。
 息継ぎで吐き出す自分の息が熱い。
 興奮で自分自身の体温も上がっているし、相手の胸に顔を埋めている状態なのと、そもそも頭がほとんど掛布の中だというのもあるだろう。まだまだ胸を吸って弄ってしていたくても、ベッドの中は息苦しいほどに暑くなっていて、しかたなく一旦顔を離した。
 起き上がって深い呼吸を何度か繰り返した。篭っていない新鮮な空気が美味しい。
 その後でバサリと掛布を捲って剥がす。前回は手で弄っただけだったから終始掛布の中だったけれど、さすがにこのまま先へ進むのは無理だと早々に諦めた。恥ずかしいだとか嫌だとか言われるかもしれないが、そう言われたら口の中で射精してくれるって言われたことを持ち出そうと思う。ベッドに潜ったままでフェラなんて、絶対に暑すぎて出来ない。
 内心そんな意思を固めるこちらに、掛かる声が何もない。それに気づいて窺い見た相手は、口元に手を当てた状態で、困ったようにこちらを見上げていた。
 もしかして、こちらが胸を弄るのに夢中だった間、ずっとそうして声を堪えていたのだろうか?
 そんな疑惑を抱きながら、部屋の明かりの下に曝け出された相手の胸の先の片方を、指先でキュッと摘んでみた。ピクンと小さく身を跳ねながら、辛そうに眉を寄せる。口元に当てていただけのように見えた手は、今はグッと口を押さえつけていた。
 恥ずかしくて喘ぐのを耐えているのか、それとも嫌だとこぼしてしまうのを堪えてくれているのか、その様子からではわからない。
「声、聞かせてくださいよ。少しは気持ち良かったですか? それとも嫌なのを耐えてます?」
 言いながら摘んだ乳首をクリクリと指の腹で擦ってやれば、口を押さえつけていた手が外され、止めろと言わんばかりに手首を強く掴んできた。すぐに指を止めれば、噛み締めていた口から大きく息を吐く音が聞こえてくる。
「すみません。嫌だったんですね」
 性感帯とは言っても、未開発で感じまくれるような場所でないことはわかっている。多分きっと、現段階では自分ばっかり楽しい場所なのだ。
「じゃない。やじゃ、ない」
「やじゃないって顔じゃないですよ?」
「胸だけ弄られてアンアン言うのなんて無理だって」
「男性だって胸で感じるようには、なれるみたいですけど。でも確かに初めてで感じろなんて無理な話ですよね。俺も自分本位に弄り回した自覚ありますし、上手に出来なくてすみません」
「ちっがぅ」
 一度怒ったように声を荒げた後、その勢いはどこへやらという弱々しさで、恥ずかしいだけで感じてなかったわけじゃないと教えてくれたが、先程、弟相手に本気で嫉妬すると教えてくれた時以上に真っ赤な顔をしている。
 感じていると言わせて羞恥心を煽るプレイをしているわけでもないのに、結果的にそうなってしまっているのが居た堪れない。そういうプレイで言わせているなら、もっと素直に興奮できそうなのに。それくらい、恥ずかしそうに感じていたと話す相手は可愛いのに。
 恥ずかしいのを堪えてあれこれ教えてくれる姿は、可愛くて可哀想でなのに随分と頼もしくもある。けれどこんなことをさせ続けてはいけない。相手の優しさに甘え続けてはいけない。
 だって恋人となってくれた相手を、目一杯甘やかしてやりたいのはこちらの方なのだから。
 自分だって、本来ヘテロで女性としか付き合ったことがない、五つも年上の男を抱くのだという覚悟を決めてきたはずなのに、そのための知識だって色々詰め込んできたはずなのに、でもやっぱり相手を目の前にすると難しい。
 結局また、気を遣わせてしまった。
 困った顔や戸惑う顔や泣きそうな顔や真っ赤な顔を見る限り、確かに相手にだって余裕はないんだろう。なのに、年上の余裕なんてベッドの中に持ち込めないと言いながらも、頼りないこちらを引っ張ってくれる。大丈夫だからと次へ進む勇気をくれる。
 抱かれる覚悟が決まっているという相手を、もっと信じようと思った。その覚悟があるからこその態度なのだと、わからないほど鈍くはない。
 ごめんなさいとありがとうを心のなかでだけ呟いて、もっとしっかりしなければと思いながら、起こしたままだった体を倒して再度彼の隣に寝転んだ。

続きました→

 
 
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