イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった43

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 どっちがいいか、なんて聞かれてどちらかを選べるような質問じゃない。顔を熱くしたまま固まってしまったが、相手にとってはこれもやはり予測済みの反応だったのかも知れない。
 小さな苦笑とともに相手の顔が寄ってきて、宥めるみたいにただただ触れるだけの軽いキスを貰う。
「どっちも選べないのはわかってるからそんな困んないでよ。酔いが足りなくて恥ずかしいのもちゃんと考慮するし、だから、ね」
 顔を寄せたままことさら甘ったるく囁かれて、頭の隅では、お前それはズルいだろと思いながらも、相手の顔に釘付けだった。だって多分、口説かれているのだ。自分の顔の良さをわかっていて、使えるものは全部使ってやるくらいの気持ちで、つまりは、全力で。
 抱くつもりで触るよ、なんて口で言われるよりも、よっぽど相手の本気が伝わってくる気がした。先ほど感じた焦燥とは違うドキドキでなんだか息苦しい。
「嫌われたくないし、二度と抱かせないとか言われたくないし、つまり多分悪いようにはしないから、こっから先はさ、も、俺に全部丸投げで任せてくれる?」
「も、わかった、から、」
 さっさとやれと最後まで言い切れぬまま、相手に口を塞がれた。今度はもちろん触れるだけの軽いものではなく、唇を食まれて口内を舐め回される。
 正直、ペニスに触れられないままキスをするのにあまり慣れていない。大概、気持ちも体も昂りきった最後に、快感を追加して追い上げるみたいなキスだったからだ。
 多分体がそれを覚えている。だからなんだろう。さっきもそうだったけれど、口の中の弱いところを相手の舌先でくすぐられれば、体はすぐに反応してしまう。
 それに気づいた相手はベッドへと移動し、こちらの服を脱がしに掛かる。丸投げで任せてと言われたからには、何もしないほうが良いんだろうかと思いながらも、自分だけが裸に剥かれるのは若干の抵抗があって、相手の服を引っ張った。
「ああ、うん。俺も脱ごっか」
 決断は早く、その後の行動も早い。あっという間に下着姿になった相手は、そこでようやく、全部脱いだほうが良いかとこちらの意見を求めてくる。
「どっちでも」
「そっか、」
 じゃあ、と言って伸びてきた両手が背中に回って、なぜかギュッと抱きしめられた。なにが「じゃあ」なのかさっぱりわからないが、乾いた素肌が触れ合うのは心地が良くてなんだか少し安心する。
 ホッと小さく息を吐けば、相手がくふふと小さく笑った。
「こういうこと出来るの、恋人になった、って感じがする」
「そ、だな」
「抱きしめてるだけで、かなり気持ちいい」
 わかる、と言い掛けて口をつぐむ。だって、言い終えた直後から、抱きしめてるだけではなくなっている。
 ただ、背中だのを撫でられるのは確かに気持ちがいい。あまり性的な匂いがしない触れ合いだけど、と思った矢先に、降りてきた手が尻タブを揉んだ。
「ぁ……」
 ぞわっと肌が粟立って、尻穴を弄られて感じた記憶が朧げに蘇る。結構しっかり酔っている時でなければ弄らせなかったから、そこまでしっかり手順やらを覚えているわけではないけれど、体は覚えているのかも知れない。
 いやでもこんな風に抱き合った状態で、尻を弄られたことはなかったはずだ。でも尻タブを揉まれたり撫でられたりはしてただろうか。いまいち思い出せない。
「お尻、気持ちぃ」
 語尾は上がっておらず、問いかけではない。でも気持ちいいよねと断定されている言い方でもなさそうな、なんともうっとりとした声音だった。
「この揉み心地、たまんない」
 どうやら、尻を揉むのが気持ちがいい、という報告だったらしい。いやいやいや、なんだそれ。
「……変態臭い」
「へへ、ごめん。嬉しさのあまりちょっと調子乗っちゃって」
 でもお尻撫でられるのもちょっとは気持ちいいでしょと続けながら、手のひらで優しく撫でられて、くすぐったさに似た気持ちよさがじわっと広がっていく。揉まれるより撫でられる方が好きだよね、と続いた言葉に、やっぱり過去にも経験していて、だから僅かにでも気持ちよさを感じてしまうんだろうと思った。

続きました→

 
 
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