金に困ってAV出演してみた8

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 それでも結局、更にオモチャでイカされる、という事にはならなかった。いいよと口走りそうになった所で、困らせてごめんね。もう抱くね。と相手に言われてしまったからだ。
 まぁこれ以上オモチャプレイは必要ないって判断された可能性が高いんだけど。だってさっき相手が監督をチラ見してたのを知っている。
 そして、さすがに緊張すると言いながら挿入を開始した相手は、演技も多々含まれているんだろうけれど、なかなかに煩かった。凄いとかヤバいとか気持ちぃとかどうしようとか言いながら、初っ端から結構ガツガツと腰を振られて、こちらもそれなりに派手に喘いでしまったと思う。
 オモチャで散々慣らされた後の体だから、激しい動きをされても苦しいより気持ちいいが勝って、あっさり昂ぶってしまう。けれど、彼に抱かれて気持ちよくイクことは出来なかった。
 ごめん。我慢できない。と言われて、ひときわ強く穿たれた後で彼の動きが止まる。お腹の中で彼のペニスが脈打っている。
 やがて射精を終えたのか、ぬるっと彼のペニスが引き抜かれていく。外したゴムをわざわざカメラの前に掲げて、脱童貞記念精液などとわけがわからない単語を口走っている彼をぼんやり見ながら、終わりかぁと思う。最後だけちょっと不完全燃焼だったけれど、でも部屋の鍵は開いたはずだ。これ以上続ける理由がない。
 そう、思ったのに。
「ね、もう一回、したい」
 使用済みゴムの撮影を終えた相手が振り返って言った。
「えっ?」
「ダメ?」
「だめ、っていうか……でももう、部屋、出れるんじゃ?」
「それはそうかもだけど、それはそれとして、もう一回したいというか、あんなんじゃ納得いかないというか、オモチャに負けたくないっていうか、出来れば、俺に抱かれながらイッて欲しいっていうか。いやまぁ、全然保たなかったくせに何言ってんのって話かもだけど、次はもっと頑張れると思うし。だから、ダメ?」
「だめ、じゃ、ない」
 だってこれは、どちらかと言えば渡りに船の提案だ。
「やった」
 そうして開始した二回目は、さっきのはまるっと全部、あっさり射精した部分まで含めて演技だったんじゃと疑いたくなるくらいに善かった。ここだよねと確認されて頷けば、中のイイトコロを的確に擦ってくれる。
 ほんのちょっと前まで童貞だったくせにと思ったけれど、時折与えられるキスがめちゃくちゃ気持ちいいから、多分、相当器用なんだろう。それプラス、知識に技術を追いつかせることに貪欲なんだろうとも思う。
「ぁっ、ぁっ、あっ」
「かーわいい。ね、きもちぃ?」
「ん、きも、ちぃ。きもちぃから、もっと」
「はは。すごっ。嬉しい。どうしよう、俺のちんこ、きもちぃって」
 可愛い可愛いと繰り返す相手こそが、なんだか可愛い。随分と一生懸命に、気持ちよくさせてくれようとしているのが、嬉しかった。
 演技でも。さっきあれだけオモチャで善がったのだから、彼に抱かれて気持ちよく果てる事も出来るはずだと思われてるだけだとしても。そんな映像を残したいだけだとしても。
「ぁっ、ぁっ、い、きそ、かも」
「ほんと? 良かった。頑張るから、俺のちんこで、イッて」
「ぁっ、それっ、いいっ」
 張り切ったらしい相手が少しばかり強く突き上げてきたのが、たまらなく気持ちいい。
「ん。りょーかい」
 同じ刺激を繰り返し送れるようにと頑張ってくれているのがわかるから、そこ、と思った時にはこちらも繰り返し「いい」と口にした。そうすると、本当に、すごく気持ちがいいばかりになっていくから、本当に器用だと思う。
「ぁぁあ、それ、いいっ、それ、イッちゃう、いきそ」
「うん。これね。も、わかった。いいよ。ここ、ずっとズコズコ擦っててあげる。だから、ね」
「ん、うん、いく。きもち、ぁっ、ぁあっ、いく、ああっ、いっちゃう、でちゃ、ぁ、いくいくぁああ」
 ぎゅううとお腹の中のペニスを締め付けながら昇りつめれば、相手も眉を寄せて呻きながら何度か腰を揺らした。どうやら一緒にイッてくれたらしい。

続きました→

 
 
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