親友に彼女が出来たらクラスメイトに抱かれる事になった3

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 めいっぱい優しくしてやるの言葉通り、抱きしめられて、頭や背中を撫でられて、目とか鼻とか頬とか耳とか首筋に軽いキスの雨が降る。やがてそれが唇の端に落ちて、次は唇へ。相手が様子をうかがうように酷くゆっくりと唇を寄せてくるのを黙って待った。
 親友にふざけて頬にキスされたことはあっても、さすがに唇を触れ合わせたことはないから、実質ファーストキスである。まさか相手がコイツになるとは、つい先日まで欠片ほども思っていなかった。
 しかもこの後このまま抱かれる予定だなんて、本当に思い切ったことをしている。
 好きで好きでたまらなくて、けれどそれを伝えられなかった親友は、今は可愛らしい彼女が居て、親友という立場は以前と変わらないのに、やっぱり寂しくて、なおさら言えなくなった想いを抱え続けるのは苦しかった。そこにふらりと現れて、辛いなら泣けばいい泣かせてやるからと言った目の前の男に、興味を持ってしまった。
 抱かれることが条件だなんて言われて一度は断ったのに、結局、自分から近づいてしまったほどに。
「口を開けられるか?」
 優しく繰り返されるキスを受けながらも、つらつらとなぜこんな状況に自分がいるのかを再確認していたら、そんな問いかけが耳に届いた。
 黙って頷き顎の力を抜いて緩く唇を解く。再び覆われた唇の隙間に、相手の舌が入り込んでくるのを受け入れる。
 他人に口の中を舐められるというのに、気持ちが悪いとは感じなかった。それどころか、舌先が口内のあちこちをかするたびに、ぞわりと鳥肌が立つような感じがして、下腹部に熱が集まる気がする。
 恋人同士がチュッチュチュッチュやらかすのも納得の気持ちよさだった。好きな相手とならもっと気持ちがいいのかな、だなんて、一瞬過った考えを振り払う。本当に好きな相手にはしてもらえないから、だなんて考えは自分を惨めにするだけだ。
 それよりも、目の前の相手のことを考えようと思った。深いキスをされても平気なくらい、自分はすでに相手を認めているし受け入れているのだ。キスだけでこんなに気持ちがいいのだから、体の相性が良いとかいうやつかもしれない。
 たんに相手が上手いだけかもしれないけれど、なんにしたって、声をかけてくれたのがコイツで良かったとは思う。だって酷く軽いノリで抱かれろと言ったわりに、本気で優しい。こちらを気遣い甘やかそうとする気配が強く伝わってくる。本気で嫌だって言ったら、きっと途中でやめてくれるんだろうという安心感がある。
 なんでこんなに優しくしてくれようとするんだろう?
 しかしそれを口に出して問うことは出来そうにない。ヤレる相手にはとことん優しくするというタイプの男もいるようだけれど、もし万が一好きだからだなんて返されてしまったらきっと困るのは自分だ。
 突き詰めたらいけない。
 抱かれることを受け入れたのだから、気持ち良くさせてもらう権利がある。優しくしてもらう権利がある。そう思ってもいいんだろうか?
 頭のなかはグルグルと色々なことが巡るが、もちろんそれらと真剣に向き合い考えるような余裕はなかった。むしろだんだんと思考が細切れになって、混ざり合って、逆に何も考えられなくなる。
 口の中がじんわりとしびれるように気持ちがいい。
「ふ……っ、ぁ……んんっ」
 合間に吐き出す自分の息の、いやらしい響きに益々煽られるようだった。
「気持ちが良さそうだな」
「うん」
 素直に頷いたら柔らかに笑われた。表情の読みにくい相手ではあるが、からかう要素がないのは気配でわかる。むしろ嬉しそうですらある。
「もっと、して?」
 気のせいでなければいいなと思いながら、自ら誘いをかければ、すぐにまた唇を塞がれた。けれど深いものへはならず、軽く唇を吸い上げられただけで離れてしまう。
「服を脱がすがいいか?」
「いいよ。だから、」
 告げるきる前に、今度はしっかり深く口付けられた。

続きました→

 
 
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