親父のものだと思ってた12

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「じゃあ、触る」
「うん。でも、その前にもっかいキスしよう」
 さっきまでの興奮はすっかり覚めてしまったから、もう一度キスからやり直したかった。というか、キスで気持ちよくなった体を触ってもらえたら嬉しい。
 相手はわかったと言って顔を寄せてきたから、さっきと同じ様にキスは相手に任せて、相手の服の下に手を突っ込んだ。当然、さっきと同じ様に、軽く肌を震わせる程度で受け入れて貰えると思ったし、今度はくすぐったいと逃げられないように、あんまりしつこく弱い場所を弄るつもりもなかった。なのに。
「ちょっ……」
 慌てて体を離されてびっくりする。
「えっ?」
「え、じゃなくて。なんで触るの」
「なんで、って、さっきも触ったし。てかさっきはキスしながら触ってもオッケーだったじゃん」
「そうだけど。でも今は俺がお前を気持ちよくするって言ってるのに」
 どうやら触られてたら気が散るってことらしい。
「多分、俺の反応がちょっとおかしいのはわかってる。わかってるけど、試させてくれるなら大人しくして俺に余計なことしないで欲しい」
 真剣な顔で頼み込まれて、正直、なんか思ってたのと違う、とは思った。触られるのはまだ無理だけど、触るのは出来そうだから気持ちよくしてやるよ。ってだけの話ではなさそうだ。
「あー、うん、わかった。じゃあ俺は何もしないで身を任せてればいい?」
「うん。そう。そうしてて」
 やっぱり真剣な声音で返されて、ソファの上に両手を落とす。相手はホッと小さなため息を吐いた後、再度唇を寄せてくる。
 一方的にただただ相手からの深いキスを受けるというのも、珍しいと言うか初めてだ。キスをしながら、服の上から何度か胸や腹を撫でられ、やがてその手が服の裾から入り込み直接肌を撫でる。
 自分の肌よりも幾分温度の低い相手の手が、さわさわと肌の上を探っていくのが気持ちいい。
「ぅうっ……」
 キスの合間、与えられる快感にたまらず呻いた。
 探り当てた乳首を指の先で掻かれると、ゾワゾワとした何かが背中を抜けて走り、腹がうずくと言うか腰が重くなると言うか、ペニスに血が集まっていくのがわかる。
 自分だけくすぐったいのを我慢するのが嫌だとか言うくせに、こっちはあっさり開発されて乳首で快感の芽らしきものを拾っているのだから、ズルいなぁと思うし、焦るのも抱きたいと主張したくなるのも仕方ないだろと思う。
 抱きたい相手の手で、乳首をイジられ感じている。という事実を極力頭の隅に追いやりながら、ソファに落としていた手を相手の肩に置いて軽く押した。
「も、むり。触ってくれんなら、はやく、してよ」
 ちんこ痛いと訴えれば、ハッとした様子で体を離した相手が、またしても真剣な顔になってわかったと頷く。直前まではこちらに与えるキスと愛撫に相手も興奮していたようで、とろけるような上気した顔を見せていたのに。
 しかも直接触ってくれるんだと思っていたのに、相手の手は服越しに形を変えた勃起ペニスを確かめるように揉んで、それからゆっくりと撫で擦る。
「はぁ、も、焦らしすぎ」
 直接触ってくんないのと訴えれば、一瞬怯まれた気がするけれど、でもさすがに無理ならいいよとは言いたくなかった。
 きっと服の上からでもこのまま握られて擦られれば射精まで至ってしまうけれど。はっきり無理って言われたら、今日のところは服越しに擦られれての射精で妥協するけど。
 でも、相手の言う通りに大人しくされるがままお試しを受け入れているのだから、もうちょっとご褒美をねだっても許されるんじゃないかと思う。

続きました→

 
 
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