雷が怖いので31

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 優しいキスなのに、ゆるりと口内を探られてすぐに息が上がっていく。お湯の中にいるからというのも、多少は関係しているのかも知れない。
 息を継ぐときに取り込む空気も湿気が多くて息苦しい。くらりと思考と目の前が揺れるのは、感じすぎてと言うよりはきっとのぼせ始めている。
 このままキスを受け続けるのはマズイかな? そう思うのと同時くらいに、キスが終わって、ちょっと立ってみてと指示された。
「めまいとか、吐き気や頭痛はあるか?」
 言われるまま立ち上がればそんなことを聞かれたので、のぼせ始めているのは相手もわかっているようだった。
「少しだけ、くらっとしたけど、でも……」
「まだ気持ちいいこと何もして貰ってないって?」
 ククッとおかしそうに笑われて、のぼせとは別の意味で頭に血がのぼる。
「ここも、期待でこんなになってるもんな」
 彼の顔の前にさらけ出す形になっているペニスは今のキスだけで頭をもたげていて、それを大きな手が柔らかに包み込んで軽く上下にしごいてくる。
「んぁっ」
 声を漏らしてしまえばすぐに手は外されてしまい、がっかりする気持ちを見透かすように、やっぱり楽しげに笑われた。
「体、洗ってやるよ」
「えっ?」
「このまま湯船の中でお前弄るのは無理だけど、風呂場ですることも出来ることも、他に色々あるだろって話」
 促されるまま洗い場に立ち、彼の手で隅々まで丁寧に洗い上げられる。それこそ足の指の間から、耳の裏やら耳介まで。もちろん、すっかり芯を持ってしまったペニスのくびれも、アナルの周りのシワも、優しい手つきで洗われた。
 そう。それは優しく丁寧な、あまり性感を煽ってはこない手つきだった。なのに、それでも感じて善がってしまうのが、なんだかとても恥ずかしい。
 体はもっとはっきりとした刺激を欲しがっていて、まるで意地の悪い焦らしプレイを受けているみたいだった。というか、本当にそういうプレイなのかもしれないけれど。
「さて、後は泡流したら洗うの終わりだけど……おい、そんな恨めしそうな顔で見るなって」
「だって、意地悪だ」
「だってお前、さっき何回イッたと思ってんの。お前が思ってるより、お前の体、多分かなり疲れてんぞ。まぁお前若いから、俺が思ってるより案外平気かもとも思うけど。それに、俺にイかされて終わりじゃいつも通りだしな」
 そう言うからには、いつも通りじゃない何かをさせられるらしい。彼にイかされるわけじゃないなら自分でしろて見せろって事かも知れないけれど、オナニー披露は意外と早くに受け入れてしまったから、そこまで珍しいプレイじゃない。
 彼に促されながらも、出来ない無理だと渋って未だ成してない事は何があっただろう。本気で嫌がれば無理矢理やらされる事はないので、泣いてできないと訴えて許されたプレイも色々あった。
「これからして貰うのは、今まで言ったことも無いようなことだよ」
 そう言って続いたプレイ内容は、彼の体を洗うことだった。確かにそれは、欠片も思い浮かばなかった内容だ。
「い、いいの?」
「いいよ。お前、俺に触りたいんだろ? だから、使うのはお前の体だけな」
「え?」
「お前の体に付いた泡を俺に擦り付けるみたいにして、お前の体全部を使って、俺を洗って?」
 なるほど、確かにこれは風呂場ならではっぽい。脳内にソープ嬢もののアダルトビデオを浮かべながら、何をどんな風にして客を洗っていたか思い出す。
「えーと、壺洗い……でしたっけ?」
「ああ、そういやお前、AVとかはかなり広範囲に見るって言ってたか。いや、そういうのはしなくていい。まぁ、指くらいなら入れたきゃ試していいけど。でもやって貰いたいのは、俺の体にそれ擦り付けて、気持ちよくなれたらそのままイッてみてってだけ」
「あの、俺が、気持ちよくなる、の?」
「そうだ。俺の体を使って、お前が気持ちよくなるのを、見せなさいって言ってる。無理ならいつも通り俺が気持ちよくイかせてやるけど、でもその場合は、意識飛ぶ覚悟と、起きた時にはここの毛は剃り落とされてるって覚悟して」
 それならそれでいいけどと、陰毛をそろりと撫でられた。
「無理じゃ、ない、です。やります」
 できれば彼にもちょっとくらいは気持ち良くなって貰えたらいいなと思いながら、泡の残る体を彼の体に押し当てた。

続きました→

 
 
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