いつか、恩返し17

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 いろいろな衝撃が去ってから、改めて、どういうことだと聞けば、言葉通りの意味だよと苦笑される。
「いやだって、お前、彼女いたろ。お前の歴代彼女、ほぼ言えるぞ」
「それ言ったら、大学入ってからは作ってないのも、お前はちゃんと知ってるだろ」
 お前だって大学入ってから童貞捨てたろと言われてしまえば、確かにその通りではあるのだけれど。
「お前と違って、大学での彼女が初彼女だっての」
「仮に、高校時代に彼女がいたとして、お前、自分が童貞捨てれたと思う?」
 あー……と言葉を濁せば、そういうことだよと返される。
「いやでもお前ならさぁ」
「俺の初めて、やっぱ重すぎた?」
 騙してゴメンねと謝られてしまうと、いや別にそういうことじゃなくて、と思ってしまう。ただただ驚いたというだけで、言い出しにくかったと言われれば、まぁわからなくもない話でもある。
「お前のそういうとこも、好き」
「は?」
 黙ってしまえば唐突にそんなことを言われた上に、ゆるっと腰を揺すりだす。
「あとでもっかいちゃんと謝るし、聞きたいこと教えるから、も、こっち集中させて」
 どことなく切羽詰った顔と甘さの滲む声に、確かにこの状況で話し続けるのも辛いだろうと思う。
 小さく頷いてやれば、ホッとした様子で小さく笑い返されて、その後、ゆっくり腰が引かれていった。
「ぁ……」
 ぬるると引き抜かれていく感覚にゾクリとした快感が走って、口から熱い息がこぼれ出ていく。そしてぎりぎりまで引き抜かれた後は、今度こそゆっくりと、またそれが押し入ってくる。
「はぁ……」
 今度はこちらも、熱のこもった息を吐くだけだった。
 初めてのくせに。難しいと言ったくせに。集中させての言葉通り、必死でゆっくりと腰を使う相手を見ていたら、無理すんなよとすら言えそうにない。
 初挿入だってのに、飽く迄も、相手はこちらを気持ちよくさせたいのだ。だったら、先にイッてもいいよ、なんて事を言うよりも、気持ちよくなる事にこちらも集中するべきだと思った。
 充分に時間をかけて慣らし拡げられた体は、ちゃんと快感を拾えるはずなのだから。
「んっ、そこっ」
 気持ちのいい場所を擦られた時に、そこがいいと伝えてやれば、わかったと頷かれてその場所をちゃんと擦ってくれるくらいには、相手は起用だし物覚えだっていい。というか、こういう方面においても、彼は常に優秀だった。なんせ、キスから抜き合いに発展して、彼を抱くようになってさえ、彼が童貞だなんて全く思わないくらい、こういった行為に手慣れた様子を見せていた。
 それらが全て、経験に基づいたものではなく、知識からのみだったなんて、本当に驚く。
「ぁ、ぁっ、ぁあ」
 気持ちのいい場所ばかりを重点的に刺激されて、さすがにこちらも追い詰められていく。たまらなくなって自身のペニスに手を伸ばした。
「イケそう?」
「ん、いい、いく、いける」
 頷いて、握ったペニスを自分で扱き出せば、相手の腰の動きも加速する。立場が代わっても、できれば一緒に果てたい、というこちらの気持ちに沿って、それを目指してくれるのは変わらないらしい。
 こちらに揺さぶられて甘い声をとろかせている時と違って、相手は随分と切羽詰った必死な様子なのだけれど、自分のためにと発揮されるその集中力がたまらなく嬉しくて、必死な様子がとてつもなく可愛いと思った。

続きました→

 
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