別れた男の弟が気になって仕方がない23

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 ぎゅうと抱きしめられる。同じようにぎゅうと抱きしめ返せば、キスが出来ない代わりに、互いの口が互いの耳元へくるほどに近づいた。
 好きだ、可愛い。そう何度も繰り返せば、こちらの耳にもスキという単語が届くようになった。今度は間違いなく、彼の想いが音になったものだ。結局奥を突いてしまっているせいか、思考が乱れているんだろう。
 酷く泣いている様子はないし、先程より苦しさも随分と紛れているようなのは、スキだと吐き出す声音から伝わっている。
 名前を呼んでしまったり、好きだと口に出してしまうかもと言っていた。気持ちよくなってそうなるのではなかったけれど、それはもう仕方がない。彼の望んだ形に落ち着いたとも言える。
 出来れば一緒に気持ちよくなりたかったのだけれど、誰かと重ねて混乱しているうちに、終えてしまったほうが良さそうだと思った。
「好きだよ。お前のナカ、凄く気持ちいい」
 イッていいかと聞けば、顔の横で頷く気配と、イッてと促す甘やかに囁く声が聞こえる。
 抱きしめられたままではあるものの、自分が達するための動きに変えていく。そうしながら、好きだも可愛いも変わらず繰り返した。だんだんと高く上がる悲鳴の中、それでも一途に、スキを混ぜてくるのがいじらしい。
 もう出すよの宣言にも、頷く気配がした。最後とばかりに強く突き上げる中、相手が必死な様子で名前を呼んだ。
 知らない名前じゃなかった。それは紛れもなく、自分の名だ。
 驚きと混乱に声を上げる間もなくクッと息を詰めて射精して、息を吐きながら抱きしめていた腕を解き、まず最初にしたことは相手のアイマスクをむしりとることだった。
 眩しそうに何度か瞬きする瞳を真っ直ぐに覗き込めば、驚きと戸惑いにじわりと羞恥が広がっていく。連動して頬も紅く染まって行ったから、最後、何を口走ったかの自覚はしっかりあるらしい。
「ちゃ、ちゃんと、わ、すれて、下さい、よ?」
「お前、俺の名前なんて知ってたのか?」
 下の名なんて教えて居ない。けれど知らない筈だと言い切れるまでの確信もなかった。そして疑念はもう一つ。彼の想い人が同じ名前である可能性にも、思い当たっていた。
 もし、俺の名前と聞いて不思議そうな顔を見せるなら、後者だ。しかし相手は憮然とした表情で、兄が呼んでいたのでと返してくる。ということは、彼に呼ばれたのは間違いなく自分自身だ。
「どういうことだ?」
 思わずこぼした呟きに、相手が目に見えて狼狽えた。
 恋人という関係にない相手とでも、気持ちを盛り上げるために互いの名前を呼びあって、好きだと言い合って、まるで本当の恋人のようにセックスをする。という場合もあるにはある。
 けれど今日の相手はそうじゃない。今回も最初のうちは、恋人に触れるようなつもりで扱ってみたけれど、結局それは受け入れては貰えなかった。たとえ偽りでも、この時間だけは恋人として甘やかに過ごすという事が、出来るような相手ではなかった。
 必死に何度も繰り返す、スキという声が耳の奥でこだまする。あれには間違いなく、彼の想いが乗っていた。きっと相当混濁していただろう意識の中で、呼ぶとしたら自分なんかではなく、本命の名前じゃないのか。
 抱いてくれるなら誰でも良くて、自分は相手にとって好きでも何でもないどころか、きっと今はもう嫌いな部類に入っているだろう男のはずだ。
 散々泣かされて、感じるよりも苦しかったり辛かったりの酷い目に合わされる方が良いなどと言って置いて、なのに最後の最後で名前を呼んでくるなんて。
「まさか、本当に俺が、好き……だ、とか……?」
 そんなバカなと思いながら、こちらを気遣って最後だからと名前を呼んでくれた可能性を考える。
 彼の色々とムチャの多い望みを、そこそこ叶えてやれたとは思うから、感謝はあるかもしれない。しかしこちらを気遣う気持ちがあったとしても、あの状況でそれを示す余裕なんて、彼にはなかったはずだ。
 見下ろす先、狼狽えまくった相手が、それでも頷くかを迷っているのがわかってしまって愕然とする。
「嘘、だろ……」
 口から漏れた瞬間に、音にしてしまったことをひどく後悔した。サッと相手の顔が強張って、キュッと唇を引き結ぶ。傷つけてしまったのは明らかだった。

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別れた男の弟が気になって仕方がない22

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 弄ってというお願いを口にするのと、自分で弄ってこちらを楽しませるのとで迷った結果、後者を選んだらしい。やがておずおずと股間に伸びた手が再度自分からペニスを握り、今度はこちらの動きに合わせるようにゆるゆると手を上下させる。
「ぁああっっ」
 堪えることなく吐き出されてくる声は、随分と気持ちが良さそうだった。
「ん、いい声。すごく気持ちよさそ。お前がキモチイイとお尻もキュッて締まって俺もキモチイよ。イヤラシクて可愛いね」
 興奮するよと続けると同時に、ナカがグニグニとうねって締め付けてくる。当然、意識的に締めてくれたわけではないだろう。
「んぁあっ」
 どこか驚いた様子の声が高く響くから、ますます愛しくなる。
「お尻のナカ、キュッてなったの自分でもわかった?」
 ホント可愛いなと零した声は、自分でもわかる相当な甘ったるさだ。
「何言われて興奮したのか、教えてくれる?」
 素直に教えてはくれないだろうと思っていたのに、相手の躊躇いは一瞬だった。
「きも、ちぃ……? いい、の?」
「ん? 俺がキモチイイかって事?」
 もちろん気持ちがいいに決まってる。彼を貫く興奮が持続しているのはどうしてだと思っているのか。でも確かに、言葉では伝えていなかったかもしれない。
「キモチイイよ。気持ちいいから、ずっと萎えもせず、お前を抱いていられるんだろ」
「よか…った」
 ホッとしたように吐き出す口元が、うっすらとした笑みを形作る。それを見た瞬間、どうしてもその唇に触れたくなった。指ではなく唇で。キスという形で。
「ゴメン、少しキツいけどちょっとの間、我慢して」
 深い挿入になってしまうのをわかっていながら、自身の腰と腿で相手の尻を支えるように持ち上げ、身を屈めて顔を寄せる。苦しそうに呻く相手の顎を捉えて唇を奪った。
 驚いて小さく体を跳ねたものの、相手はすぐに舌を差し出し応じてくる。この体勢でそんなキスをすれば当然相手の口内に唾液が流れ込んでしまうが、相手の喉が上下し、彼がそれらを嚥下したのだとわかって体の熱が上がった。
 まさかの反応に放し難いのもあったし、いつの間にか肩に伸びた手にギュッとしがみつかれても居たので、ちょっとの間は想定していたよりも随分と長くなってしまった。
「急にゴメンな。ほら手、放して」
 唇を離しても肩を掴んだまま離さない相手に、促すように告げる。しかしますます手に力が篭った上に、嫌がるように首を振られた。クライマーの握力で掴まれた肩が痛い。
「この体勢苦しいだろ。俺もお前に肩潰されそうで怖いし」
 責める口調にならないように気をつけつつ、さすが握力凄いなと言えば、ハッとしたように手の力が緩んだ。けれど肩を掴むのを止めた手はするりと動いて、今度は首を抱え込んでしまう。ますます相手に引き寄せられる結果になったし、相手も苦しそうな息を吐きだしている。
「ゴメンって。俺が悪かったから手放せって。そんなしても、奥は使わないよ」
「キス、……もっと」
 こちらの言葉を無視しまくったおねだりに、それでもダメだとは言えずにもう一度唇を塞いだ。
 苦しそうな中、甘く鼻を鳴らしてもっともっととキスをねだり、口内に流れ込む唾液を必死に飲み込んでいく。放して貰えないままそんなキスを続けていたら、動けと言わんばかりに相手が腰を揺すりだす。
「こら。ダメだって」
 キスの合間に咎めても、相手に聞く気はなさそうだ。
「キモチ、よく、ない?」
「俺だけ気持ちよくてもダメなの。一緒にイくんだろ?」
「きも、ちぃ。俺も、きもちい、から」
「嘘はだめ」
「ウソじゃ、なっ、ひぅんっっ」
 軽く腰を引いてからグッと奥まで突いてやれば、苦しそうな悲鳴が上がる。
「ほら、苦しい」
「でっ、も、キス、きもちぃの、うそ、じゃないっからぁ」
 どこか怒ったような、憤りを感じる声音だった。
 確かにそれは嘘じゃないのかもしれない。けれどキスをしながらなら、奥を突かれても一緒にイケる、という話でもないだろう。
 わかっているのに、口を塞いでキスをして、望まれるまま腰を揺すった。
「っぁ、スきっ……」
 キスの合間に漏れ出た言葉にドキリとして、一瞬次のキスを忘れて腰の動きも止めてしまう。
「スキっ、スキって、言って」
 それを咎めるように、自ら腰を揺すった彼が続けた言葉に苦笑を噛み殺す。
「好きだ。好きだよ。凄く、可愛い」
 望まれた言葉を吐き出しながら腰の動きを再開させれば、んっ、と嬉しそうに頷いて抱きつく腕に力を込めてくる。引き寄せるというよりも、彼自身がこちらに身を寄せるような形で背が浮いてしまったので、思わず抱きとめるように相手の背に腕を回した。

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別れた男の弟が気になって仕方がない21

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 ペニスを握って扱く相手の姿を見下ろしながら、浅い場所から前立腺を狙ってゆっくりと擦りあげる動作を繰り返す。
 先程かなりしつこく前立腺を弄ったし、浅く突きながら前を弄れば甘い声を上げてもいたし、一度は弄られながら吐精もしているので、同時の刺激で十分感じることが出来るはずだった。しかし当然のように自分で弄ることへの躊躇いがあるようで、手つきは随分とぎこちなく、結局ほどなくしてまた手の動きは止まってしまう。ペニスはまだ硬く張って上向いていたから、萎えてしまったわけではなさそうだ。
「どうしたの? 休憩するの?」
 少々意地が悪いのは承知で、相手の手の動きに合わせてナカを擦っていたので、自分自身も動きを止めて問いかける。
「さっきまでは早くイキたくなってたはずだろ? それともやっぱり自分でするのは無理? 俺に握って扱いて気持ちよくさせて欲しい?」
 いくつか疑問符を重ねれば、一度首を横に振って否定を示してから口を開く。緊張か躊躇いか、微かに唇が震えているようだった。
「おこ、って……ます、か」
「怒る? 俺が?」
 全く予想外の言葉が吐き出されてきて、確認するかのように思わず言葉を繰り返す。
「終わりって、言われたのに……俺がむりやり、続き、ねだったから……」
 不安げに揺れる声は既に聞き慣れてしまった涙声で、まだしゃくりあげる程ではないものの、返答次第ではきっとまた酷く泣かせてしまうんだろう。
「怒ってないよ。なんでそう思うの」
 かなり優しくしてるつもりだけどと続けた言葉には、でもさっきよりなんだか意地悪な気がするからと返されてしまった。雰囲気に敏感なのはずっとアイマスクで視界を奪っているせいもあるのかもしれない。
「ああ、うん。確かにちょっとだけ意地悪してるね」
「ごめ、…なさ」
「いや謝らないで。怒ってるわけじゃないから」
「でも……」
「キモチイイ方向で、お前を追い詰めてやれないかなって思っただけだから。ゴメンな。嫌だったな」
「キモチイイ、方向、で? 追い詰める……?」
 言われてもわけがわからないだろう事はわかる。説明しないわけにはいかなそうだ。
「お前かなり奥使って欲しがってたけど、それってつまり、痛いとか苦しいとかで何も考えられなくなりたかったのかと思って。でもキモチイイでも出来る場合もあるっていうか、キモチイイとかイきたいとかしか考えられなくなることもあるんだけど、まぁ、そんな状態に持ち込むのは慣れた相手でも難しいんだよな」
 もう一度ゴメンと言って、伸ばした指先で唇をそっと撫でたあと、頬を滑らせ耳殻と耳朶をふにふにと摘むようにして何度か揉んだ。愛しいとか、可愛いとか、そんな気持ちが少しでも伝わればいい。
 本心で言えば唇で触れたい。それはキスの代わりだった。身長差がほぼないので、体を繋げたままキスをしようとすると、どうしても深くまで押し込む事になってしまう。
「可愛いね」
 ふっと息を吐くように笑って、声に出した。
「キモチイイの放り出して確認しちゃうほど、俺を怒らせたと思って不安になったの?」
 あんなに一緒に気持ちよくなろうって言ったのにと言えば、やはりだってと口ごもる。
「だって、なに?」
「かわいいとか、いい子、とか……あと、ス…っキだとか、も、言ってくれなくなった、し……」
 言いにくそうにゴニョゴニョと言い募るそれは、小さな小さな呟きだった。相手の言葉を待って耳を澄ませていなければ、聞き取れなかったかもしれない。まさかそんなことを気にされているとは思わなかった。
「そう、だっけ。お前を感じさせて、イイって言わせるのに夢中だったからかな。というか、そういうの、言われたくないかと思ってたんだけど」
「言われたくないのと、言われなくなって気になるのは、別、もんだい」
「確かに。けど残念だな。本当は言われたい的なデレが欲しいとこだった」
 試しに可愛がってとか言ってみない? と半笑いで聞きながら、ゆっくりと腰を揺すり行為の再会を知らせる。
「もっと可愛いって言ってとか、いい子って言ってとか、好きって言ってとか。言われたら張り切って言いまくってやるのに」
「ぁ、そんな、言われたら、よけい、言えないっ」
「どっちにしろ言えないんだろ。だったら言って欲しい気持ちだけでも伝えとこうかなって」
「そ、んぁ……っ、ァ……」
「休憩終わり。しゃべろうとしなくていいよ」
 休憩しちゃったけどまた気持ちよくなれそうかと聞けば、黙ったまま縦に首が振られた。
「良かった。じゃあ、自分で弄ってくれたら俺が楽しいし嬉しいけど、無理ならお尻のナカに気持ち向けて集中して。さっき前立腺いっぱい弄られて気持ちよかったの思い出しながら、指じゃなくて俺のペニスで擦られてるの意識してて」
 相手の快楽を探るようにゆるゆるとナカを擦り続けてやれば、ペニスへの刺激がないままでも甘い息が溢れだす。
「お尻が気持いいね。お尻だけでも気持ちよくなってきたね。もっと可愛い声、いっぱい聞かせて?」
「んっ、ぁ…っ、きも、ちぃ……」
「うん、いい子。イきたくてたまらなくなったら、おちんちん弄って、ってお願いしような」
 やっぱり意地悪だという抗議は、けれどどこか観念した様子の、甘えるみたいな声音をしていた。

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別れた男の弟が気になって仕方がない20

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 深いキスに応じる様子はやはり、一生懸命という言葉がよく似合う。どこまでも必死で、確かに可愛いとは思うのだけれど、好きでもない相手をその気にさせようとするいじらしさが際立ってしまって、なんだかこちらが切なくなる。
「そんな頑張らないでいいから。それよりお前がリラックスする事考えて。お前の緊張が十分に解けて、一緒に気持ち良くなれる準備が出来るまでは挿れないよ」
 そんな宣言をしたせいか、焦れったいとかさっさと挿れろとかの文句はなかった。けれど、いくら感じさせられることを了承していても、やはりそう簡単に全てをこちらに委ねては貰えない。
 たくさんのキスをして、その肌をあちこち優しく撫で擦って、何を口走っても忘れてあげるから大丈夫だとしつこく繰り返した。しかも、何を口走ってもいいと言いながら、うわ言のようにイヤだとこぼれ出る言葉は、そのまま知らん顔で聞き流すことなく、イヤなのではなくキモチガイイのだと訂正させた。
 相手が少しずつなにがしかの拘りを捨てて、諦めたようにイヤをイイと言い換えて、甘く上がる声がもっと強い刺激を、熱の開放をねだるようになるまで待って、ようやくもう一度、今度は正常位で体を繋ぐ。
「ひぁあぁあっっ、ああ、っふ、ぁあ」
 喘ぎ泣きながらも、快感に引きずられて幾分高い声が上がった。
「ほらまた入ったよ。さっきよりずっと気持いいね?」
 聞けば素直に頷いてみせる。
「一緒にイこうね?」
 眼下で萎えることなく快感を示しているペニスを握ってゆるく扱きながらのその言葉にも、必死で頭を縦に振っている。
 アイマスクの下ではいったいどんな表情を見せているんだろう。挿入中は堪えきれずに開かれていた口も、今はキュッと結ばれてしまっているから、まだまだ快楽にとろけきっているわけではなさそうだった。
 イクこと以外何も考えられないくらいに、溺れてしまえばいいのに。出来ればそうしてやりたいけれど、さすがに今日初めて挿入を経験したばかりの、前立腺の開発もほとんどされていないような体が相手では難しい。
「自分でペニス弄れたりする?」
「……えっ?」
 何を言われているかわからないと言いたげな声が上がったが、言葉による説明ではなく、実際に相手の手を取り股間に導いてやった。
 開かせた手に相手のペニスを押し付けるようにして握らせる。相手の手ごと握り込んで、何度か上下させてから手を離せば、そのまま相手の手が自慰を始めるなんてことはなく、離したと同時に相手の手も動きを止めてしまう。しかし握り込んだものまで離すことはなかった。
「一人で弄るのじゃ、おちんちん気持ちよくなるの無理そう?」
「な……ん、で……」
「お前が自分で気持ちよくなるのに合わせて、俺もお前の体使って気持ちよくなるって方が、気持ち良くなれると思うし一緒にイくタイミング合わせやすい。っていうだけ。無理なら俺が一緒に弄るけど、お前先にイッた後で俺がイクことになりそうだから、イッた後で突かれるのはお前がキツいかも」
 無理ならいいと言いながらも、自分でして貰うつもり満々で口を開く。
「ねぇ、お前が自分で気持ちよくなる所、見せて? 勃起おちんちんイヤラシク弄って、俺を、興奮させてよ」
 甘ったるく囁くように告げながら、再度相手の手ごとペニスを握り込んで上下させる。
「ふ、ぁっ……」
 熱い息を漏らし、困ったように顔を横に向けてしまったけれど、手を離しても今度はもう、相手の手の動きは止まらなかった。

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別れた男の弟が気になって仕方がない19

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 何をわかってないかを教えてくれるのかと思いきや、相手は黙ったまま肩口に頭をグリグリと押し付けてくるだけで口を開かない。今にもまた、言いたくないという言葉が聞こえてきそうだ。
「俺が何をわかってないかも、教えてはくれないの? それも、言いたくないこと?」
 先手を打ってこちらから聞いてやれば、グリグリと動かしていた頭がピタッと止まった
「ならもし、何を言われても、今日この場限りで忘れてあげるよ。って言ったらどう?」
 別れてしまったとはいえ彼の兄の連絡先を消去したわけではないし、何かの拍子にどこかで顔を合わせたときに、互いを避け合うような事もきっとないだろう。普通に久しぶりと互いに声を掛けて、近況を報告し会う程度の親しさは残っていると思う。少なくとも自分はそういう態度を取る。
 それを前提に、何かの拍子にこちらの口から、彼の兄に知られたら困るような内容なのかもしれないと思った。たとえば、結局踏み込んで聞けずに居るけれど、もしも想像通りに、彼が叶わない想いを抱く相手が兄の恋人となった幼馴染だったとして、それを隠し通したいと思っているなら、兄と多少でも繋がりのあるこちらにそれを知られるのは嫌だろう。
 もしくは、本当に大事な想いは誰にも晒したくないタイプ、という可能性もあるだろうか。思えば彼の兄も本命についての詳細は隠しきっていた。内面的には似たところのある兄弟だから、だとしたら、忘れてあげるよなんて言葉はなんの意味もなさないかもしれない。
「忘れてって言えば、忘れてしまえるものなんですか」
 非難めいた口調は、嘘をつくなと言いたげだ。仕方なく、先程の言葉を訂正する。
「揚げ足取るね。それは言葉のアヤだよ。忘れてって言われたら、今後、お前含む誰かに話すことは絶対にしない。みたいな意味。誰にも言いふらしたりしない二人の秘密、ってのじゃなくて、お前自身に対しても、忘れたふり、何も知らない振りをし続けてあげるよって事」
「俺が何を言っても、なかった事にしてくれる、って事ですか?」
「そうだね。そうして欲しければ」
「本当に?」
「本当に」
 念を押すように聞かれて肯定すれば、少し考えた後でじゃあと言って口を開いた。忘れてあげるという言葉で彼の気持ちが多少なりとも動いたということは、やはり兄には知られたくないという思いが強いのだろうか。
「もし、優しくされて気持ち良くなっちゃって、名前呼んだり、ス、キ……とか言い出したり、しても、それ聞かなかったことにしてくれるなら……奥、使わなくていいから、俺の体でイッて、下さい」
 これはうっかりとか衝動とかで、幼馴染の名前を呼ばれてしまうパターンかなと思う。とは言っても、彼の兄が隠し通した本命の名前なんて、ずっと知らないままなのだけれど。もし知っていたら、彼が押しかけてきた最初、恋敵かもなどという誤解をすることだってなかっただろう。
「ああ、気持ちよくなりたくないってそういう話? 感じさせられて頭真っ白になって、何口走るか怖いから嫌だった?」
「まぁ、それも理由の一つでは、あります」
「理由の一つ、ね。まぁでも、わかった。お前が思わず何か言っちゃっても、聞かなかったことにすれば、お前に優しく触ってもいいんだな?」
「はい」
 どうしても引かなかった彼がようやく折れたようにも見えるし、話し合った結果互いの妥協点がそこになったというだけなのかも知れない。それでもまだ何かが引っかかっていて、再度彼を抱くことに躊躇いはあった。
 しかしこれ以上こちらも、嫌だダメだと言えそうにはない。
「なら、もう一回お前に突っ込むけど、いろいろ落ち着いちゃった後だから、キスから再スタートね。腕緩めて頭上げて?」
 抱っこしてあやし続けていた時間が長くて、さすがにだいぶ興奮が冷めていた。
 はいという言葉と共に、ゆっくりと肩口に押し当てられていた頭が上がる。そっと触れた唇は柔らかで、こちらを受け入れる意思を示すかのように、既に薄く解けていた。

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別れた男の弟が気になって仕方がない18

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 まさか、あやまって引き止めるまでしたのも、どうにかして再開して欲しいと思っていたからなのだろうか。なぜこんなにも諦め悪く続きを望まれているのか、さっぱり理由がわからない。
「気持ちよくなれない、感じさせられたくない、そんなセックスをまだ続けたいって本気で言うの? 奥まで激しく突かれてみたいって興味なら、少しだけど一応はそれだって叶えてあげたよね?」
 あまりに苦しそうだったから、そこまでガツガツと激しく突き上げたわけではないし、その状態を長く続けることもしなかったけれど、それでも確かに、奥を突く真似事はしていた。
「まぁ、お前があれをどこまで認識できてたかはわかんないけど。奥の方ゴリゴリされて、かなり苦しそうに悲鳴あげてた自覚、少しくらいはない?」
「あり、ます……けど」
「どこまで聞こえてたか知らないけど、俺が何言っても必死に首振って嫌がってた自覚は?」
「あ、……れは……」
「ああ、まったく覚えがないって感じでもないな。つまり俺は、お前がめちゃくちゃ嫌がってたの散々見せつけられてるんだけど、そんな俺がもう一度、お前の奥深くをむりやり突き上げて泣かせてやろうと思う程の理由があるなら言ってみて」
 たとえどんな理由を言われても、さすがにもう一度彼を抱くのはむりだろうなと思いながら、彼の言葉を待つ。
「あなたに、そう見えなくても、」
 やがてゴクリと相手の喉が鳴り、それからつっかえつっかえ言いにくそうに、緊張を滲ませながら言葉を紡いでいく。
「酷くされて喜ぶ、性癖が、……ある、から……」
 大きくため息を吐き出した。
「そんな理由じゃ絶対無理。というかそれを信じろってのが無理」
 だって嘘だろの言葉には肯定も否定も返らなかったけれど、それこそが肯定でしかないだろう。
「じゃあ、本当に俺を、かっ、可愛いとか、好きだ、とか思って、くれてる、なら、俺の体でイッて欲しい……から」
 これはもしかして、精一杯のデレだったりするのだろうか。依然アイマスクは着けたままだが、まるで羞恥を隠すように肩口に顔を埋めてくる。おずおずと上がった腕は、縋るように抱きついてくる。
「じゃあ、ってなんだ。じゃあって」
 ふっ、と笑うような息を吐けば、気持ちが幾分軽くなった。本当にそんな可愛い理由なら、もう一度抱いてやれそうだ。ただし、彼の望む抱き方は、やはりしてやれそうにないけれど。
「ただまぁ、その理由は最初のよりは随分マシだな」
「なら、」
「でもその理由なら、奥使う必要ないよな。お前が感じられる浅い場所をグチュグチュ擦りながら前扱いて、お前も一緒にイかせていいってなら、もっかい突っ込むのも有り」
「そ、っれ……は」
「うん。わかってる。そういうのは嫌なんだよな」
「いや……っていう、か」
 背に回った腕にギュッと力がこもった。それからしばし逡巡し、はぁああと大きく息を吐き出していく。
「言いたく、ない……」
「理由聞いたってこれ以上お前に酷いことしてやれると思えないし、まぁ、言いたくないなら言わなくてもいいよ」
「でも……」
「ほんっと諦めないな」
「さっき、強情なとこも、ス、……きって、言った」
「言ったけど。好きだけど」
 でも好かれてたって困るだけだろうに。
「それが嘘、じゃない、なら、このままぐずってたら、してくれるかも知れない、し」
 凄いことを言い出したなと思って、苦笑しかけていたものを吹き出してしてしまう。ふはっと息が漏れて、そのまま笑いだしてしまいたいのをどうにか堪える。
「しません。ぐずってもお前が諦めるまで、こうやってずっと抱っこしてあやされるだけだよ」
 言いながら、言葉通りあやすように背をさすってやった。半分嫌がらせ目的だったのに、甘えるように身をすり寄せてくるから、おや? と思う。
「嫌じゃないの」
「嫌ですよ。子供扱い最悪」
 でも迷ってるんですと続いた言葉に、何をと問いかける。迷ってると言うからこれもまた、言えないとか言いたくないという話かと思ったが、相手は割合すぐに口を開いた。
「理由言って、酷くして貰えるように頼むのと、気持ちよくされるのを受け入れて、もっかいして貰うの、どっちがマシか」
 本当に、とことん諦めが悪い。ここまでくると、なんだか絆されてしまいたくなる。
 そんな気持ちを振り払うように、先程見た、苦しげに悲鳴を上げて、頭を振って嫌がる姿を思い出す。あれをもう一度なんて、やはり勘弁して欲しい。
「理由聞いても、酷くしてあげられないってば。どうしても諦めないなら、後者にして」
「優しくされて、気持ち良くなって、あなたと一緒にイク。って方が、よっぽど酷い真似、ってわかってないから、そういうことが言えるんですよ」
「えっ?」
 ほらわかってないと言いたげに、相手の吐き出すため息が聞こえてきた。

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