可愛いが好きで何が悪い54

1話戻る→   目次へ→

 前立腺を狙って突かれながら、自身のペニスを扱くのはたまらなく気持ちがいい。腰からとろけるみたいな甘い痺れが広がっていくのがわかる。
「んんっ、ぁっ、ああっ、い、イイっ」
「俺も、いい。すごい、気持ちぃ」
 うっとりと返される声と、快感にとろけかけた顔と、獰猛な気配。さっき髪ゴムを奪って捨てたから、顔の横から伸びた髪が雑に垂れているのが印象的だ。可愛らしさを目指して作られたゆるふわシニヨンと違って、可愛いと言うより断然色っぽかった。
 視界に映る相手に女性的な要素はなくて、むしろ晒された裸体は間違いようもなく男で、なのにこんなにも興奮が刺激される。素のままの相手に対して、ここまで色気を感じたことはなかったのに。
 その実感は、じわじわと笑いを呼び起こす。素のままの相手の容姿に対して、性的に興奮できるというのが、多分、嬉しいのだと思う。
 相手の、こちらを求める内面に触発されてだったり、肉体に与えられる快楽によって引き出されるのではなく、視覚情報から興奮しているのが新鮮だった。しかも、可愛さではなく、色気に反応している。
「ぁ、ああっ、いいなっ、これ」
「これ、って?」
 まだ明確に笑いをこぼしては居ないが、こみ上げる笑いは気づいているんだろう。また何か突拍子もない事を言い出されるのかと、若干警戒されている気配が有る。いいな、と指したものが、肉体の快楽ではないと察している。
「俺を抱くお前、ん、ふふっ、めちゃくちゃえろいな、って」
 とうとう笑いがこぼれ落ちて、相手がまた混乱しているのがわかってしまうけど。
「すげぇ、いい。から、もっと、はげしく、して」
 誘うように、ペニスを扱くスピードをさらに上げて、射精へ向けて自身の体を押し上げていく。
「もぉ〜」
 いろいろ説明不足の不満を一旦その吐息で流したようで、こちらの望み通りに素早く長めのストロークでお腹の中を擦ってくる。でもガツガツと奥まで押し込まれるような乱雑さはなくて、かなり加減はされているらしい。
 というかそれが多分相手の培ったテクニックの一つなんだろう。突かれるスピードは早いのに、柔らかに押し上げ捏ねられるとたまらなく気持ちが良かった。痛いのすら気持ちがいい、ではなく、ジクジクとした痛みのようなものは、もう、明確に快感に変わってしまった。
「あっ、アっ、アッ、いい、いくっ、ああっ、きもち、おく、も、すごっ」
「はぁ、中、うねりすぎ、でしょ。俺も、ちんちん溶けそなくらい、気持ちぃ、よ」
 一緒にイこうね、という甘ったるい誘いに必死で頷きながら、お腹の中を押し上げられるのに合わせて白濁を吐き出していく。
「あ、あ、ああっ」
「んんっ、イッちゃうっ」
 可愛く宣言しながら、相手の動きも止まって、お腹の中ではペニスがビクビクと震えている。
 脱力した体をぐったりと布団に投げ出し、荒くなった息を整えながら、満足感が凄まじいなと思う。
 短な間隔での2度目だからか、勢いも量もなさそうだけれど、快感の度合いでいけばさっきよりもずっとずっと気持ちが良かった。
「もうちょっとだけ、余韻、浸っても、いい?」
 躊躇いがちな声が上から降ってきて、どういうことかと思ったら、まだ抜きたくないんだけどとと続いた。どうやらもう暫く体を繋げたままでいたいって訴えらしい。
 まぁ、気持ちはわかる。それに、すぐに抜かなくたって男同士じゃ妊娠の心配はないもんなぁ。しくじって中に溢れたって、ちょっと腹を壊すくらいだろう。
 構わないと言う代わりに、軽く腕を広げて相手を迎え入れる姿勢を示せば、ありがとうの言葉とともにその体が落ちてくる。気を遣ってか全体重を掛けられたりはしてないが、その重みと相手の体温が心地よくもあった。
 急激な眠気に誘われて、これはまずいと思ったけれど、腕の中の熱を突き放して後始末をなんて気には到底なれない。ついでに言うと、こっちが寝落ちたら相手がなんだかんだと世話を焼いて後始末をするだろうことも、知ってしまっている。
 後でしっかりフォローするからいいよな。なんて言い訳を胸の中で呟いて、そのまま意識を手放した。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

可愛いが好きで何が悪い53

1話戻る→   目次へ→

 相手が自分を可愛いと思うことと、自分が相手を可愛いと思うことは両立できる。
 相手にイイトコ突かれて気持ちよくなってるのは事実で、それを相手が喜んで嬉しく思うことを否定する気はないし、そんな反応を返すこちらに対して、可愛い愛しいって感じているなら良かったと思うし嬉しいとだって思う。
 そして相手だって、きっと同じように感じられるはずだった。だって女装でこちらを抱いて、可愛く喘ぎながら果てたのだって、現実に起きたことだ。
 まぁ、抱いてるのに抱かれてるみたいな錯覚を嫌がって、わざわざ女装を解いてるわけだけど。でも残念ながら、女装してなきゃ可愛くないわけじゃない。女装したら見た目がより好みに近くなるのと、彼の女装がこちらの愛を乞うものだと知っているせいで、より愛しさが増すってだけだ。
 中身は一緒なんだから、雄臭くて獰猛な気配を纏おうと、必死にこちらを求めるならば、やっぱり愛しい恋人には違いなかった。今まであまりそういう雄臭さを表に出されなかったせいで、馴染むのに少し時間がかかっただけだ。慣れてしまえば、こちらを求める欲求が溢れ出ているだけだと、気づいてしまう。ギラつきを抑えられないくらいに求められるのだって、別に、嫌だなんて感じない。というか嬉しい。
 今までは隠せていた欲を、隠せなくなったとか、隠さなくても大丈夫だと察知したとかで見せているなら、良かったと思うし嬉しいとだって思う。
 相手が素のまま自分を抱く時に見せる、そんなあれこれによってだって、相手を愛しく思う気持ちは膨らむようだった。つまりは、女装時とは方向が違うだけで、より愛しさが増すって意味では、そこまで大きく変わらないのだ。
 だからなんだろう。この愛しさが、抱かれながらだって、尻の刺激に喘ぎながらだって、自分の中の雄を刺激するんだと思う。不安なんてないまま、安心してとろけるみたいに気持ちよくなって欲しいし、可愛く喘いで見せて欲しい。多分間違いなく、興奮するから。
「ぁっ、少しはりかい、できた、かよ」
 話してる途中で相手がゆっくりと動きを再開させたので、じわりと広がる快感に抗いながら喋るのはなかなかに大変だった。でも、人の話は最後まで聞けと止めることはしなかったし、相手にだってこちらの話を止める気がないのは、ゆるい腰使いからも明白だった。
「少しどころか、充分に」
「で、かわいく、あえいで、見せてくれん、の?」
「そこまで言われて、やだとか、無理とか、言うわけないよね」
「だよなぁ」
 ははっと笑えば、緩やかにではあるものの、グッと奥を突かれて「ああっ」と少し大き目の嬌声が溢れる。
「ねぇ、大好き。っていうか愛してる。俺の恋人がかっこ良すぎて、優しくて、めちゃくちゃ愛しい」
「あっ、あっ、知って、る、ぁあっ、し、おれもっ、ああっ、そこっっ」
 少しずつ早くなる腰の動きに喘ぐ方が多くなってしまうのに、その上、狙ってイイトコロを突かれれば続く言葉は簡単に奪われてしまう。ただ、続くはずの言葉は相手も聞きたかったんだろう。そのまま何度も突かれることはなかった。
「イイトコ当たると、中がギュンギュン締め付けてくるから、俺も、すごい、気持ちくて」
「ば、っか、俺にも、好きって、言わせろ、よ」
「ごめん、愛しさが暴走して、つい。てか、好きしか言ってくれないの?」
「散々、お前が愛しいって、もう、言った」
 確かにと笑う顔は満足げだ。
「愛してるよ。お前が愛しい。俺はまだ、言い足りない」
「好きなだけ、言え。俺も、どうせまた、言うから」
 楽しみだと笑う顔は愛しげで、嬉しそうで、とろけるまでもう一歩って感じに見える。可愛く喘げというこちらの要求に、応じようと頑張ったり演じているわけではないだろう。
 ちゃんと安心できたら、こちらの好きとか愛とかを実感しまくったら、そうなるってわかっていた。あんなに言葉を重ねまくって説明してやった成果がきちんと出ている。
「ね、も、イきたい」
「いつでも、好きに、イケよ」
「うん。でも、お前がキモチくとろけるとこ、俺だって、見たいよ。だから、ね」
 おちんちん扱いて気持ちよくなるとこ見せてとねだられるまま、握る手の圧を強めて扱くスピードも上げていく。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

可愛いが好きで何が悪い52

1話戻る→   目次へ→

「あああっっ、ちょ、あっ、はげ、し」
 さっきとはまたちょっと違った、別種の怖さにさらされて、慌てて握ったペニスをしごく。
「ごめんね。さすがにもぅ、俺も、限界で」
 気配は獰猛で、そのくせ、目に映る顔はなんだか情けなく眉尻をへにょりと落としている。
「ばぁか、あ、も、お前は、可愛く笑っとけ、ってぇ」
 何それと苦笑する顔もどこか苦しげで、そんな顔が見たいわけじゃないのにと思う。
 一緒にイッてに頷いたそれは、さっき見せた、満たされてとろける彼と一緒に、ってつもりだった。ペニスを扱いて気持ちよくなっていいなら、同じくらい、満たされてとろけるような気持ちよさとともに、一緒に果てれると思ったからだ。
 相手に合わせてイクつもりが有るから、片手はそのままペニスを握って扱きながらも、もう片手を彼に向かって必死に伸ばす。すぐに前傾してくれた相手の肩を引き寄せながら、その唇を塞ぎに行った。
 触れる前から薄く開いた唇の隙間、躊躇うこと無く伸びてくる相手の舌を絡め取って強く吸う。こんながっつくキスをこちらから仕掛けたことはなかったから、相手は少し驚いたようだったけれど、でも突き放されることはなかった。
「ぅうっっ」
 痛いかもってくらいにチュウチュウ吸ったらさすがに呻かれたけど、それでも顔を離されることはなく、こちらの好きにさせてくれる。ただし、お尻の中を擦る相手のペニスの勢いは、落ちるどころかむしろ増していた。
 単に、腰を振るのに集中したい、というのを実践されてるだけなんだろうけど。だって、好きに舌を吸わせてくれるけど、こちらの口の中をその舌で弄って感じさせようとする気配はない。
「んっ、んっ、んっっ」
 相手の舌を吸うのに必死になって、かなり酸欠になっているのは感じる。頭の中がぼんやりして、勢いよく奥を突かれるとじんわりと痛いのに、痛いはずなのに、頭のどこかではその痛みが気持ちいいって思い始めている。
「っぁ、激しくても、ちゃんと、きも、ちぃ、から」
 お前はもっと安心して気持ちよくなっていい。とまでは言わず、一方的にそれだけ告げて、再度相手の口を塞いでしまう。ついでに、肩を掴んでいた手を相手の後頭部に回して抱え込んだ。だけでなく、手探りで相手の髪をひとまとめにしている髪ゴムを引っ張った。
 スルッと抜けてきた髪ゴムはそこらに放って、幾分湿ったままの相手の髪を梳いてやる。気持ち的には愛しさを込めて。だけど、状況的にそこまで優しい手付きにはなっていないだろう自覚はある。
 こちらの行動が意味不明すぎたんだろう。限界と言いながら激しく腰を振っていたはずの相手が、とうとう触れる唇も髪を梳く手も振り切って、寄せていた上体を起こしてしまう。止まってしまった訳では無いが、腰の動きも随分と緩やかになった。
「ぁ……」
 そのまま果ててしまえと思う気持ちがないわけじゃなかったから、相手の興奮を削いでしまったらしいことを少し残念に思う。けれど、困惑しながらも頬を上気させてこちらを見つめる相手の、水分量が増して潤む瞳には、胸の奥が満たされる思いがした。
 満たされて、ふっ、と笑うような息を吐く。
「一緒にイクなら、可愛いお前とが、いい」
「なに、それ」
 こちらの目的を知らせれば、相手は困惑を深くする。やはりまだ言葉が足りないらしい。
「獰猛で、雄っぽくても、お前は結局可愛い。……って、言ってやろうと思ってた」
 実際ちょっと可愛くなってると指摘してやれば、ますます狼狽えたらしい。
「ちょ、っとぉ」
 狼狽えてとうとう腰の動きが止まってしまったので、煽るようにこちらから腰を揺すって見せつけるようにペニスを扱いて見せれば、不満そうに声を上げる。でも腰を掴んで動きを止めに来たりはしなかった。
 とはいえ、こちらもまだ色々と言い足りないので、そのまま煽り続けることはしないけれど。
「も、げんかい、だろ? いつイッてもいい。けど、お前も、ちゃんと、言えよ」
「気持ちぃイッちゃうーって?」
「そう」
「言ったら、俺がイクのに合わせて、一緒にイッてくれんの?」
「まぁ、努力は、する」
「なんか、本当に出来ちゃいそうで怖いんだけど」
「自分でちんこ扱いてんだから、そう難しくもないだろ。多分」
「激しくされても、ほんとに、ちゃんと気持ちぃの?」
 さっきそう言ってたよねと確認されて、奥の方突かれるとちょっと痛いと正直に告げる。
「でもその痛いのが、気持ちぃ、みたいなのも、ある」
 正直ついでにそこまで言えば、俺たち体の相性良すぎじゃないのと、困ったみたいに笑う。そこは困るんじゃなくて喜んどけよ。
「それは喜ぶとこだろーが」
 思ったまま口から出た。
「うん。確かにそう」
「お前、俺から離れる気、ないんだろ?」
「そりゃ、俺はそのつもり、だけど」
「良かったな。俺が、お前と離れられないくらい、気持ちよくなれそぉで」
「ねぇ、俺を煽るの天才過ぎない?」
「わかったら、そろそろ観念して可愛く喘げよ」
 こっちだってそろそろ限界なんだけどと言いながら、再度腰を揺らしながらペニスを扱いて見せる。
「そこで俺に可愛く喘げって言い切るのが、ほんと、たまんないよね」
 突っ込まれてお尻気持ちくなって喘ぎまくってるのそっちなのにと指摘されても、それでこちらの訴えが翻ることなんてない。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

可愛いが好きで何が悪い51

1話戻る→   目次へ→

 じゃあ動くねと言って、足を抱え直されたあと、まずはゆっくりと腰が引かれていく。
「ぁあ……」
 それだけで腰に甘い痺れが走って、うっとりとした吐息が口から溢れてしまう。一度そこでの刺激で果てた、という経験が、確実に体を変えた気がする。
「一度イッて、中、なんかすごい敏感になってるよね」
「ああっっ」
 気持ちよさそうと指摘されながら、今度はぬるるとペニスが奥まで入り込んできて、それには明確に嬌声を上げてしまった。
 相手は再度、気持ちよさそうと満足気に言って、そのまま何度か緩やかにペニスを前後させている。
 相手の勃起ペニスを見たとき、おののくほど長大には感じなかったが、相手の肌が尻たぶに触れるくらいまで押し込まれると、さすがに相手のペニスの長さを意識させられる。
 奥のほうがなんだかジクジクとして、ガツガツ突かれたら多分間違いなく痛みで呻いていたと思う。明確に気持ちいいと感じるのはもっと手前側なのははっきりしていて、でも、ゆるやかに長いストロークで狙って前立腺を擦りながら奥までトンと柔らかに突かれると、前立腺で拾う快感に紛れてしまうのか、ジクジクとしたそれを痛みと認識することはなかった。
「奥も、そのうち気持ちよくなれそ、だね」
「ううっ」
 痛くないでしょと言われながら、押し込まれた時にさらにグッグッと奥の方を数度突かれて呻いたけれど、それでも確かに痛みはない。
「あー、奥の方、すごい、気持ちぃ。うねってるし、吸い付かれてる」
 さっきは彼のペニスにまとわりついて、キュッキュと締め付けてしまう自身の腸内の動きを自覚出来ていたけれど、今は彼が動いているせいか、そこまではっきりと、体の奥の動きを感じ取ってはいなかった。奥ではあれ以上の動きで、彼のペニスに絡みついているということだろうか。
「っはぁ、感じてるお尻の中、やばい、ね」
 ちゃんとお尻気持ちよくなってる、ってのがもう色々ヤバいんだけど、と言いながら、今度は腰を引いて前立腺ばかりを狙って擦ってくる。
「あ、あっ、それ」
「うん、一番キモチぃとこ」
 当たってるでしょと言われて思わず何度も頷いてしまえば、いっぱい突いてあげるって約束したもんねと返ってきた。
 声は随分と甘ったるくて、でも、気配がどこかギラついている。
「っふ」
 前立腺で感じることに少し慣れてきたのもあるんだろう。雄臭いと思ったら小さく笑ってしまって、でも、相手はもう、この場面で笑うのかとむくれたりはしなかった。しかし、笑われて何も感じなかったわけじゃないのは明白だ。
「あ、あっ、アッ」
「そんな余裕かましてると、また、お尻だけでイカされちゃうかもよ? いいの?」
 さっきトコロテンしてしまった時と同じくらいのスピードで、グッグッと前立腺を押し込まれて、次々と声が溢れてしまう。
 ただ、相手は本当に腰を振るのに集中していて、他の感じる場所を同時に刺激されては居ない。それに、一度吐き出した体は、そう簡単に何かがせり上げってくるような状態でもない。
「ね、本当にもっかい、お尻だけでイクの?」
 そう聞かれるのにはちゃんと理由がある。その理由はわかっている。
 次はペニスで気持ちよくなっていいよって言われて、自身のペニスを握った状態では有るんだけど。一応勃起してるし、再度射精も出来そうではあるんだけど。
「そ、じゃないけど。まだ、怖く、ない」
 このペニスを扱いて気持ちよく果ててしまったら、今度こそ終わりだとわかっていたから、手を動かしてはいなかった。
「じゃあ、怖くなったら、おちんちん扱いて。あと、イクときは、ちゃんとイクって言って、ね」
 もっかいトコロテン見せてくれてもいいけどねと言いながら、また奥の方までペニスが押し込まれてくる。ただスピードがさっきとは段違いに早い上に、ストロークも長い。
 抜けてしまうのではと思うほどに引き抜かれた後、グッと奥まで勢いよく押し込まれると、ゴリゴリ擦られた前立腺を起点に、強い快感がお腹の奥で弾けてしまう。甘い痺れが腰を覆う。
 やはり奥を勢いよく突かれると鈍い痛みを感じたけれど、その痛みすら、快感に転嫁しそうだった。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

可愛いが好きで何が悪い50

1話戻る→   目次へ→

 イッた後だし刺激強すぎたら教えてと言われながら、そっと相手の手がペニスを握り込む。
「ぁんっっ」
 小さく上げてしまった声は甘ったるく、間違いなく期待が滲んでいたと思う。
「痛くない?」
「ない」
「気持ちぃ?」
「きも、ちい」
 トコロテンだろうが射精後には間違いなくて、けれど柔らかくなったペニスを、硬度を確かめるみたいにふにふにと揉まれても、握っているとは言い難いくらいふわりと包み込んだ手がゆるゆると上下しても、それらはちっとも辛い刺激には感じていなかった。むしろ、相当気遣われているらしい優しい刺激は、ちゃんと気持ちがいい。
 気持ちがいいと伝えれば、相手は嬉しそうに顔をとろかせていたけど、でもやっぱりそう余裕があるわけではないらしい。もしくは、やっとペニスという慣れた場所で気持ちよくなっていいと言われて、期待と安堵であっさりと、再度体の熱を上げていくこちらに、相手も煽られてしまった結果かもしれないけど。
 だって、気持ち良さに腹や尻に力が入ってしまうのは仕方がないし、尻には彼の勃起ペニスが入りっぱなしだった。
 尻の中のイイトコロにがっつり触れてはいなくても、グニグニと尻の中が動いてしまえば、キモチイイところにしっかり触れる瞬間が有る。むしろ触れていないからこそ、こちらの体が必至に彼のペニスに絡みついて、もっといい場所へと誘導したがっているのかも知れない。そう思ってしまうくらいに、彼のペニスにまとわりついてキュッキュと締め付けている自覚があった。
 動いてないし変に煽られなきゃ余裕と言っていたけど、まぁ間違いなく、いまもその余裕が続いてはいないだろう。
 自ら煽っているつもりはないし、そもそも相手の手に体が反応した結果ってだけだけど。ペニスで気持ちよくなっていいよって言われて、弄られてるのはペニスだけなのに、尻で快感を拾おうとする自身の体に驚きがないわけじゃないけど。
 ただ、自分だけが興奮させられているわけじゃないとわかるし、相手の興奮から、こちらの体の反応を喜ばれているのもわかるから、胸のうちに湧くのは喜びと安堵ばっかりだった。
 初めての抱かれるセックスでトコロテンを決めた、という事実を前にすれば、現状にはもう、戸惑いも不安も恐怖もわかない。今度こそ、ただただ気持ちよく昇り詰めて果てれるはずだという、期待が大きく膨らんでも居た。
「ねぇ」
「いい、ぞ」
 甘ったるい声に呼ばれて、ねだられる前に許可を出せば、相手はまだ何も言ってないのにと言いながらも、嬉しそうに笑う。
「動いて、いい。多分、も、俺も、いける」
 ゆるふわな刺激で再度昂ぶった体は、このまま刺激を強くされれば2度目の射精が可能だと思う。
「今度は、俺と一緒に、イッてくれる?」
「ああ」
「じゃあさ、」
 ペニスを握るのとは反対の手が伸びてきて、手首を掴まれる。導かれた先は、彼の手が握る自身のペニスだった。
「これ、自分で扱いて、気持ちよくなって。って言ったら、してくれる?」
「お前は?」
「お尻ズコズコしながら、一緒にイくタイミング、はかりたい」
「あー……一緒にイッて、って、そういう」
「そう。そういうつもりで聞いてた」
 無理そうならいいよと続いたから、無茶振りしてる自覚は有るのかも知れない。
 彼に抱かれながらオナニーをして見せろと言われてるに近い要求だし、お前が気持ち良くしてくれるんじゃないのか的な期待がないわけでもなかったけど、そう悪い提案でもないなと思ったから了承した。
「いいんだ?」
「まぁ、自分の手で気持ちよくなる方が、慣れてるし。お前がそれ見て興奮すんのもわかってるし。腰ふるのに集中したい、って気持ちもわからなくないし。あとまぁ、……」
 いやそれは言わなくていいか。と思って口を閉じたけれど、思わずで言いかけて止めたから、相手は続きを聞きたがる。
「あとまぁ、何?」
「あー……」
「え、ますます気になる」
「その、お前わかってると思うけど、俺、尻でもかなり気持ちよくなれてるから、」
「あ、わかった。俺はお尻ズコズコするのに集中してていいから、お前のお尻もちゃんと気持ち良くして、ってことか」
 途中でこちらの言葉を奪って、言いにくかったことを言ってくれた。まぁ、わかった、だけで止めてくれても良かったんだけど。でも当たってるかの確認を取っておきたい気持ちもわかる。
「まぁ、そう」
「元々そのつもりだったけど、じゃあ、任せて、って言っておこうか」
「嫌な自信だな。けど、そう言ったからには、期待、するからな?」
「いいよ。だってもう、お前のキモチイところ、ちゃんとわかってるもん」
 またいっぱい突いてあげると言われても、やっぱりもう、恐怖なんてわかなかった。前立腺を刺激されながら、自らペニスを扱いて快感を追ったら、一体どれだけ気持ちよくなれるんだろう。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

可愛いが好きで何が悪い49

1話戻る→   目次へ→

 他者の手で絶頂に導かれるにしても、外からの刺激で吐き出すのと、内側からの刺激で押し出されるのとでは全然違う。体の中に溜まっていたキモチイイをやっと吐き出せたのに、体の中はまだじんわりとキモチイイが残っている気がする。いやでもこれは、一緒にイクことはしなかったらしい相手の硬いままのペニスが、未だそこに存在しているせいかも知れない。
 動きは止まっているし、お尻の中のイイトコロにはあまり当たらないようにしてくれているっぽいけど。でも、敏感になった腸内は、イイトコロにピンポイントで当たって無くても、動いて無くても、そこに有るだけでキモチイイを拾ってしまうようだ。
 それに、ペニスに触れられないまま出した、というのも原因の一つかもしれない。どうやら、射精欲が満たされてスッキリ、という賢者タイムは来ないらしい。
「少しは落ち着いた?」
 ぼんやりと見上げていた相手が、こちらの呼吸がある程度整うのを待ってそう声をかけてくる。ちなみに、可愛かったとか、怖かったのにありがとうとか、最高とか、大好きとか、手放しの称賛っぽい言葉は果てた直後に大量にもらっていたが、それらにまともに反応できないくらいには衝撃で呆けていたから、相手はすぐに口を閉じて落ち着くのをずっと待ってくれていた。
 こちらが果てて脱力した後、視界に映る相手はずっとニコニコと嬉しそうで、満足げだ。口を閉じる前も、閉じた後も。嬉しくてたまらない気持ちが、溢れまくってダダ漏れだった。
 ただ、お腹の中に抱える相手のペニスが萎えていないのははっきりと感じているし、相手がまとう気配も若干ギラついた雄臭さが残っているしで、実のところ、全く安心感はない。
 無事に相手が望む形で果てれてよかった、とか。嬉しそうで良かった、とか。そういう満足感の中で目を閉じて終えたい欲求は、間違いなく、叶えられることはないとわかっている。
 すでに相当待って貰っていることもわかってるし、こちらを刺激しないよう動かずにいるのは辛いだろうことも想像はできる。けど。
「ごめん、も、ちょっと、待って」
 前立腺を刺激されてペニスに触れないまま射精する、いわゆるトコロテンを経験したわけだけれど、病みつきになる気持ちよさだったかと言われるとやっぱり微妙だった。目の前がチカチカと爆ぜるような衝撃も、頭が真っ白になるような浮遊感も、間違いなく快感ではあったのだけど。無理やり押し出されていくような、何かが迫り上がってくるあの恐怖を忘れられない。
 あれをもう一度受け入れるには、覚悟を決めるための時間がもう少し欲しい。今度は怖いなんて口走ってなだめられるような、情けない事態をなるべく避けたい気持ちがある。
「もしかして、キモチイイより、怖いほうが勝っちゃった?」
 初めてのアナルセックスでそのままトコロテンしたことに、ただただ疲れているだけだと思っていただろう相手も、どうやらそうではないと気づいてしまったらしい。ニコニコと嬉しげだった顔が曇って、不安そうな顔になってしまった。
 そんな顔をさせたいわけじゃないし、気持ちよく果てたのだって事実なんだけど。
「いや……」
「本当に? むり、してない?」
 あんなに怖いって言ってたのに、止めずに続けて無理させたならごめん。
 そう言ってしょぼくれて肩を落としてしまうから、少しだけ腹が立ってしまった。
 受け入れたのはこちらで、止めろなんて言わなかったのに。謝られてしまったら、そんな姿を見せたことを余計に情けなく感じてしまう。相手は怖いと漏らすこちらを、さんざん宥めて大丈夫だの可愛いだのと繰り返して、最終的にはちゃんと絶頂にまで連れて行ったのだから、むしろその手腕を誇っていて欲しい。
「怖いなんて言うつもり、なかったんだよ。だからそれ、あんま蒸し返すなよ」
 情けないし恥ずかしいだろと言ったら、少し驚かれた後で苦笑されてしまう。
「そういや、途中で泣きごという想定がないとか、めちゃくちゃ男前なこと、言ってたね」
「そう。だからあれはできれば忘れてくれ」
「え、無理」
 即答された後、めちゃくちゃ可愛かったから絶対に忘れないとまで言われてしまった。
「お前の目、やっぱなんかオカシクないか?」
「えー、それ、ここで蒸し返す?」
「いやまぁ、抱いてる途中で怖い怖い言われても、それ見て可愛いって思えるのとか、萎えて中断しないのは、ある意味尊敬するけど」
「あー……もし立場逆だったら、そうなっちゃうのか。てことは、」
「お前が抱く側でやっぱ正解だよな」
 相手が何を言いたいか察してしまったので、割り込んで言われる前に言ってやる。
「だねぇ」
 同意されて、俺はかけらも萎えなかったよというから、それはわかってると返した。だって、今まさにそれをこの身で感じ続けている。
「てか結構平然と喋ってるけど、お前、イッてないのに辛くないの?」
「全く動いてないし、お前が変に煽ってこなきゃ、まぁ、余裕」
「そうなのか」
「むしろお前の方こそ、大丈夫なの? 抜けとか言わないし、俺がイッてないのわかってて、もうちょっと待ってって言うってことは、待ってたら続きさせてくれるって思っていいんだよね?」
「抜けって言ってよかったのか……」
「1回ずつイッて、ここで終わりにしたい?」
 手ぇ貸してくれる? と続いたから、終わりにしたいと言えば、彼の硬いままのペニスが本当にお腹の中から抜け出ていくんだろう。
 緩く首を振って否定して、覚悟決めるからもうちょっとだけ待ってとお願いする。
「覚悟、って?」
「次は、トコロテン怖い、とか、言わない覚悟」
 割と大真面目にそう考えているんだけど、相手は小さく吹き出している。まぁ、想定内の反応ではある。
「俺はまた、気持ちよくなるの怖いってなっても、全然構わないんだけど」
「俺が構う」
「だよね。じゃあ、次は怖くないエッチしようよ」
「なんだそれ」
「お尻気持ちよくなってたから、前立腺突いてイカせちゃったけど、初めてでトコロテンとかやっぱ難易度高かったよねって思って。お尻弄られながらでも、おちんちん扱いたら気持ちよくイケそうって、言ってたでしょ。イッちゃったら挿入つらくなるからって、ずっと我慢させちゃってたけどさ」
 そういや尻穴を解されている初期に、イッてしまうとその後が辛いからと言われて、勃起ペニスを放置されたんだったと思い出す。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁