あけおめとコネタとメルフォお返事(雑記)

明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願い致しますm(_ _)m

昨日の投稿記事の最後にも書きましたが、6日までは一応不定期更新になります。
ただ、明日(2日)は多分更新できるはず。

さすがに今年は昼寝まではしてないけど、昼からそれなりの量飲んで、先程帰宅しました。例年行事。
でもってその後、何か年明けネタ書けないかなぁと久々に診断メーカー弄って、結果、短い話を書きました。
短いのでこのままここに文字色変えて載せますね。

 帰省しない一人暮らし連中で年越しパーティーをしようと誘えば、相手は誰が来るのと聞いた。参加決定メンバーの名前を挙げていけば、あっさり彼も参加を決めたけれど、その理由はわかっている。彼が密かに想いを寄せる男が参加するからだ。
 なぜ彼が想う相手を知っているかと言えば、彼が自分の想い人だからだ。想う相手を見続けていたら、その相手が見ているのが誰かもわかってしまった。
 男ばかりの不毛な一方通行片想いに、気づいているのは自分だけだと思う。

 当日は一番広い部屋を持つ自分の家に総勢7名ほど集まった。
 想い人の隣席を無事ゲットした彼の、反対隣の席に腰を下ろして、彼を挟んで彼の想い人と話をする。だって彼との会話を弾ませるには、彼の想い人を巻き込むのが一番いい。彼の想い人に、彼へ返る想いなんて欠片もないとわかっているから、胸が痛む瞬間はあるけれど、割り切って利用させて貰っている。
 年明け前からいい感じに酒が回っていたが、年明けの挨拶を交わした後もダラダラと飲み続けて、気づけば大半が寝潰れていた。そして隣の彼もとうとう眠りに落ちるらしい。
 先に寝潰れた連中同様、寝るなら掛けとけと傍らに出しておいた毛布を渡してやれば、広げて被るのではなくそれにぼふっと顔を埋めてしまう。酔っ払いめ。
 そうじゃないと毛布の端を引っ張れば、顔を上げた彼がふふっと笑って、お前の匂いがする、なんて事を言うからドキリと心臓が跳ねた。
 そんな顔を見せられると、男が好きになれるなら俺でも良くない? って気持ちが膨らんでしまう。いつか、言葉にしてしまう日が来そうだと思った。

有坂レイの元旦へのお題は『不器用な独占欲・「あなたの匂いがする」・片恋連鎖』です。 https://shindanmaker.com/276636

 

それと、メルフォから年末のご挨拶を送ってくださったMさま。
「理解できない」のお風呂シーン、楽しんで貰えたようで嬉しいです(´∀`*)
今回視点の主の生育環境が複雑だったせいか、いつも以上に気持ち整えるのに時間が掛かってダラダラと続いてしまってますが、ラブラブな二回目エッチを書きたくて堪らないので、もう暫くお付き合いよろしくお願いします。
色々と振り切って乗り越えた先、甘々な二人になって欲しい気持ちは私もかなりあるので、続きも頑張りますね〜

短編や1話完結の話も好きと言って下さってありがとうございます。
せっかくツイッターやってるんだから、もうちょっと遊べたらいいなとは思っているのですが、なかなかそちらにまで手が出せず残念です。でも1年分纏めると、1記事に充分な文字量はあるので、今年も機会見つけて書いていきたいと思います。

よほどのことがない限り、今年も変わらず書き続けるつもりですので、本年もどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

 
 
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親戚の中学生を預かり中2(終)

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「待て。いらない。というかしない」
「なんで?」
「なんで、って、そんなの」
 下心は認めるが、相手が中学生の男の子だってことはちゃんとわかっている。フェラしてあげると言われて、じゃあお願いと言い合うような関係が欲しくて、お菓子持参で構いに来ていたわけでもない。
 しかもこの慣れた様子からすると、本当に経験がありそうだ。それも絶対、本人にとって不本意な形で。
「フェラよりハグがいい、から?」
「なにそれ。童貞?」
「ああ、うん、そう。いきなりフェラとかハードル高い」
 言えばふはっと大きく息を吐いて、それからおかしそうに笑い出す。年相応の、作られていない笑顔を初めて見た気がした。
 本当はこんな風に笑うんだなと思いながら見つめていれば、相手が自分の隣のスペースをポンポンと叩いて誘う。応じて横になれば、もぞもぞっと近づいてきた相手が抱きかかえるようにこちらの背中に腕を回した。
「ほんとにハグしてくれるんだ」
「お菓子貢いでくれるお礼くらいは、してもいいって思ってたから」
「俺が運んでくるお菓子って、やっぱ貢物扱いなわけ」
「違うの?」
「少なくとも、こーゆーことしたい意味の貢物じゃあなかった」
「時々やらしい目で見てたくせに」
「それに関しては、隠しきれなくって本当にすみませんでした」
「え、それ謝るとこ? しかも隠しきってたら問題なかった、みたいな言い方なに」
「隠しきれててお前が気づかなけりゃ、お前が不快に思うこともないんだから、心ん中で何思ってようが俺の勝手だろ」
「こっちからすると、隠すの上手な人のが困るけどね。こいつはいつかやらかすなって思える相手のが扱いやすい」
「なるほど。というかやっぱこういうこと、慣れてんの」
「慣れてますけど。童貞には想像つかないようなエロいこともたくさんされてきたビッチですけど。しかもそんな俺のせいで家庭崩壊予定ですけど」
 聞いてないのと言われて、詳しい事はなんも知らないと返せば、余計な事を言い過ぎたと悟ったらしく、チッと舌打ちが聞こえてくる。
 さすがに、この子が原因での離婚問題とは思ってなかった。親はどこまで知っていて、この子を預かって来たんだろうか。
「世の中狂ってんな」
「なにそれ。どういう意味?」
「いくら可愛い見た目でも、中学生の男の子がエロいことされ慣れてるってオカシイだろ」
「ビッチな俺が、そういうことされたくて誘ってる結果だとしても?」
 言いながら、背を抱く腕がスルルと腰を撫でおり尻を揉む。更にぐっと寄せられた体が、わざとらしく股間を圧迫してくる。
「それ嘘だろ。というかもしそれが事実だとしても、中学生の誘いに乗ってる大人が居る時点でだいぶヤバイよ、お前の周り」
 慣れてるって言い切れるくらい当たり前の日常なら自覚ないのかもしれないけどと言いながら、相手の腰を掴んで寄せられた体を引き剥がした。
「自覚はあるよ。俺の周りはだいぶヤバイって。でも相手がオカシクなるのは俺が誘惑するせいらしいからね」
 尻を揉んでいた手がまたスルルと腰を這い登ってくるが、今度は服の下に潜り込んで素肌に温かな手が触れる。擽ったさと気持ちよさが絶妙に混じる手付きでサワサワ撫でられると、確かに煽られ劣情が湧き出しそうだ。
「で、お前としては、俺もそのオカシナ大人に仲間入りして欲しいわけ?」
「そう見える?」
「めちゃくちゃ試されてんなぁとは思う」
「信じてから裏切られるより、さっさと手ぇ出してくれた方が有り難いってのはあるかな」
「もしかして信じさせてよってお願いされてる?」
「いや全く」
「まぁ俺だって煽られ続けたら理性切れる瞬間はあるかもしれないから、信じていいよとか言う気もないんだけど、いくら慣れてるったって中学生の男の子相手に何かするのは抵抗ありすぎるし、お前の誘惑になんか負けたくないし、取り敢えずは買ってきたタコ焼きが冷めきる前に食って欲しいなと思うんだけど」
 タコ焼きという単語にはっきり反応した相手に、一緒に食べようと誘えば、服の中に突っ込まれていた手が抜けていく。
 内心でだけ大きく安堵の息を吐き出しながら、この子がこの家にいられる間に、何がしてやれるかを考えようと思った。

理解できない1話へ→

有坂レイは「場所:ベッドの上 時間:夕 攻め:尽くし 受け:強気 何してる?:イタズラ」で、書(描)いて下さい。
https://shindanmaker.com/204438

 
 
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親戚の中学生を預かり中1

目次へ→

 コンコンと部屋のドアを叩いても無反応だった。部屋にいるのは確実だから、ヘッドホンで音楽でも聞いているのかも知れない。
「入るぞー」
 再度ドアを叩いてついでに声もかけてから、ゆっくりとドアを開いた。
 ドアの隙間からこぼれるのは蛍光灯の明かりではなく窓から差し込む夕日の赤色だったから、あれ? と思いながらそのまま大きくドアを開いて中を覗く。
 目的の人物はベッドの上だった。ベッド脇にまで近づき見下ろしても、相手の反応は何もない。
 穏やかとは言い難い、眉を寄せた難しい顔をしているけれど、部屋に差し込む夕日のせいもあってどこか色めいて見える。ドキリと心臓が跳ねるのは、自身の中にある下心を自覚しているせいだろう。
 夏休みの間だけ預かる事になった、と言われて突然連れてこられた、一応は親戚らしいこの子の抱える事情について、詳しいことは聞いていない。相手は7つも年が違う中学生で、ついでに言うなら受験生で、親からはあまり構ったりせずそっとしといてやれと言われているのに、どうにも気になってちょくちょく部屋を訪れてしまう。
 口実としてお菓子やらを持参するせいだろう。邪険に追い返されはしないが、もちろん歓迎されてもいない。でもその塩対応になぜか少しホッとする。
 親へ見せる礼儀正しさや愛想の良さに、親自身は全く違和感がないようだけれど、それを見ているとなぜかハラハラするのだ。怯えているような、無理をしているような、そのくせそれを綺麗に隠しきって笑おうとする様子が、どうにも媚びて見えてしまう。
 相手の事情の詳しいことは聞いていないが、親の離婚問題に受験生を直面させたくない、程度のことは聞いている。だからまぁ、離婚問題を抱える親の間で、親に気を遣いながら生活していたなら、大人へ向ける態度がああなるのも仕方がないと、納得出来ないことはないのだけれど。
 見下ろす寝顔がますます歪んで苦しげな息を漏らすから、思わず伸ばした手で頭を撫でた。少しでも楽になって欲しかったこちらの気持ちと裏腹に、相手はビクッと大きく肩を跳ねると、ゆっくりと瞼を上げていく。恐る恐る開かれていく瞳が、こちらの顔を捉えて一度大きく見開かれ、それから何かを迷って揺れる。
 声が掛けれないまま見つめてしまえば、小さく諦めの滲む息を吐いた後、今度はニコリと笑ってみせる。艶やかに、と言えそうなその笑みの威力を、相手は間違いなく自覚している。
「する?」
 疑問符の乗った短な言葉に、けれど何を聞かれたのかわからなかった。
「貢いでくれるお菓子代程度はしてもいいけど」
「は?」
「フェラで良い?」
「ふぇっ!?」
 何を言い出しているんだと驚くこちらを見つめる相手の目は酷く冷めている。
「俺をそういう目で見てる自覚、あるよね?」
 塩対応なのはこちらの気持ちに気づかれてるせいもあるかも、と思うこともないわけではなかったが、まさか相手から直球で指摘されるなんて思わず、何も答えられずに居たら相手に強く腕を引かれて体勢を崩した。
「うわ、ちょっ」
「今更何慌ててんの。やるならさっさとしちゃおうよ。あまり騒ぐとおばさん来ちゃうかもよ?」
 ベッドの上に膝をつくように乗り上げてしまったこちらのズボンのフロントボタンに、躊躇うことなく伸ばされる手を慌てて掴んで阻止した。

続きました→

 
 
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前世の記憶なんてないけど1

 ずっと貴方を捜していました、と言われたのは高校受験を控えた中学三年の冬の塾帰りで、薄暗く人通りのない道の途中で、目の前に立つのはどう考えてもまともな人ではなかった。いや、一応は人のような見た目をしている。ただ、猫っぽい尖った耳とふさふさの尻尾を生やしていただけで。
 正確には猫ではなく狐だったけれど、そんなの中学生男子には見分けがつかない。正直に言えば猫耳カチューシャだと思ったし、そういうコスプレが好きな変質者に声を掛けられたと思ったし、つまり「まともな人ではなかった」というのも、変質者という意味での「まともじゃない」だ。
 おかしな人の相手なんてしてはいけない。というわけで、自慢の足で慌てて逃げ帰った家の自分の部屋の中、なぜかそこに先回りした相手が入り込んでいた。わけがわからず、すぐさま回れ右で逃げ出そうとした自室のドアは開かない。
 パニックになってわーぎゃー叫びながらドアをガチャガチャさせる自分に、相手は最初落ち着いてだとか話を聞いてだとか言って手を伸ばしてきたが、半泣きで腕を振り回し嫌がるこちらにすぐに諦めたらしく、次にはその場に正座し深々と頭を下げた。
 静かにその姿勢を続ける相手に、こちらの気持ちもゆっくりと落ち着いていく。この状況を受け入れ、先に進まないとという気になってくる。だから相手の前に自分も腰を下ろし、何者なの、と声をかけた。
 そこから先は相当眉唾もののファンタジーてんこ盛りで、簡単に言えば、彼が仕えるとある高貴なお方とやらの生まれ変わりが自分なのだと言われた。彼のミスで命を落とし輪廻の輪に還ったとかで、ずっと生まれ変わるのを待っていたんだそうだ。まさか人の世に生まれ変わっているとは、なんて嘆き気味に言われたけれど、そんなことを言われたって困る。
 もちろん前世の記憶なんて欠片もないし、話を聞いただけならやっぱり変質者の思い込みというか作り話にしか思えないのだけれど、ケモノ耳も尻尾も玩具なんかじゃなく彼の体から間違いなく生えていたし、人の家に勝手に入り込んでいるし、結界とか言って鍵のない部屋のドアを開かなくさせるし、狭い家の中であんだけギャーギャー騒いでも母が様子見にも来ないのだ。
 半信半疑ながらも取りあえずは彼の言い分を信じるとして、次に確かめたのは彼の目的だ。目的と言うか、自分が本当に彼の大事な人の生まれ変わりだとして、彼はいったいどうしたいのか。どうなりたいのか。
 聞けば、以前のように仕えたいのだと言われたけれど、その以前が全くわからないのにどうしろというのか。側にいたいにしたって、いくらなんでも彼を自分の部屋に住まわせるわけに行かないだろう。
 一応耳と尻尾は隠せるらしいし、多少は人の記憶も弄れると言うか騙せると言うか別の情報を思い込ませることは可能だとも言われたけれどその場しのぎの一時的なものらしいし、明らかに見た目成人している男性が中高生男子の家に頻繁に出入りするのはオカシイ。やめて欲しい。
 結果、彼はご近所さんになった。彼のアパートと自分の部屋とを繋いで、部屋の中から行き来できるようにしてしまった。むちゃくちゃだなと思いながらも、人の世界の常識から少々外れてしまった生活と彼の存在を受け入れた。
 といっても、仕えてもらうようなことは何もない。せいぜいどれだけ散らかしまくっても、触るな弄るなとでも言っておかない限り、いつの間にかきれいに整理整頓されているくらいだろうか。ちなみに、全く役に立てないとしょんぼりされて、仕方なく散らかしている部分もある。
 彼は前世の記憶を取り戻して欲しそうだけれど、どれだけ話を聞いても今ひとつピンとこないまま、あっという間に出会いから3年以上が経ち、この春、自分は少し遠方に引っ越しをする。遠方の大学に通うため、一人暮らしになるからだ。
 といっても当然相手も付いてくる。アパートの隣の部屋を既に押さえているし、どうせまた中からも部屋を繋いでしまうのだろうから、一人暮らしなんて表向きだけの同棲生活がスタートする。と思っているのはたぶん自分だけなんだけど、相手は今より色々と世話が焼けると、既にウキウキで張り切っている。

続きました→

有坂レイのお話は「ずっと貴方を捜していました」で始まり「銀色の指輪が朝日を反射して眩しかった」で終わります。 shindanmaker.com/804548

 
 
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間違ってAV借りた

 あの時自分は酔っていた。世間とは少しずれたが、ようやく纏まった休みが取れて、浮かれて結構な量を飲んでいた。
 酒を片手に、ふと思いついてDVDをレンタルしたのは記憶にある。気になりながらも見逃してきた数々の作品を、この機に見てしまおうと思ったのだ。
 便利になったなーと思いながら、DVDの宅配レンタルサイトであれこれポチポチクリックしたのは事実なのだが、思うに、あの時の自分は、自覚していた以上に酔っていたんだろう。
 本日届いたそれらの品は、時間が取れずに見逃してきた作品たちとは全然違った。何かの手違いかと履歴を確認してしまったが、そこには間違いなく届いたタイトルが並んでいたから、誰のせいでもない自業自得というやつだ。
 意気消沈しながらも、とりあえず机に積み上げたDVDの中から無造作に一枚選んでデッキに放り込む。金は払ってしまったのだし、見ないのも勿体無いかと思ったせいだ。
 なんせ、今日は一日引きこもってDVDを堪能する気でいたし、今更予定変更するのもそれはそれで面倒くさい。時間つぶし程度にはなるだろうし、これだけあれば、中には面白いなと思うものだって、もしかしたらあるかも知れない。
 
 そこそこ大きなテレビの大画面いっぱいの肌色と、そこそここだわったスピーカーから響く媚びた嬌声を肴に酒を飲みつつスナック菓子を摘む。
 怠惰に過ごすつもりだったから、ジュースや菓子を買い揃えていたのだけれど、ジュースは早々に買い置きの酒に切り替わっていた。さして面白いわけでも興奮するわけでもない映像に、飲まなきゃやってられねぇ、的な気分に陥った結果だった。
 それでもなんだかんだと見続けたのは、強いて言うなら、ただの意地のようなものなんだろう。
 アルコールの力も相まって、半ばうとうとしながらも半分近くを消化した頃、ピンポンとドアチャイムが鳴った。忙しすぎて通販多用生活なので、また何か荷物が届いたのだろう、程度の認識でふらふらと玄関先へ向かう。真面目に見ても居ないDVDは当然そのまま流しっぱなしだったが、それなりの賃貸料を払っている物件なので、リビングのドアを閉じてしまえば廊下にまでアンアン響いてくるようなことはない。
 再度鳴ったドアチャイムに、普段は急かすなんて事無いのにと思いながらドアを開ければ、そこに居たのは宅配業者ではなかった。
「定時退社頑張っちゃった。でもって明日半休もぎ取っちゃった。てわけで俺もDVD祭り参加したい」
 それを言ったのは、学生時代から、社会人になって数年経つ今も、なんだかんだと付き合いが続いている悪友だ。ホイ土産、と言って差し出されたコンビニ袋の中身は炭酸飲料や菓子類だった。
「おじゃましまーす」
 差し出された袋を思わず受け取れば、相手はこちらの脇を通りぬけ、勝手に上がり込んでくるから焦る。それはもう、一気に酔いが覚めるくらいに慌てた。
「待て。待て待て待て。来るなんて聞いてない。てか勝手に上がるなよ」
 SNSに、久々に纏まった休みが取れたから気になる映画を宅配レンタルした、と投稿したのは事実だ。到着予定日も記して、楽しみだとも書いていた。記憶があるというよりは、ログがある。
 今、その背を追いかけている友人から、いいなーという反応があったのも確かだが、でも相手が押しかけてくるなんて思わなかったし、間違えて大量のAVが届いたという投稿はアホを晒すようでしていなかった。
「えーなんだよ。俺たちの仲で今更じゃん?」
 どうせお前一人だろ、と言いながらリビングドアを開けた友人がその場で固まり足を止める。
 途端に部屋の中から漏れ出すハスキーな嬌声に頭を抱えたくなった。なぜなら、今現在流れている映像が、いわゆるニューハーフものというやつだからだ。テレビの中では、髪の長い女性的な容姿の、けれどばっちりちんこの付いた男が、可愛らしく喘いでいた。
「えっ、ちょ、どういうこと?」
 こわごわとこちらを振り向いた相手は、当然驚いていたけれど、同時になんだか酷くそわそわとしている。
「なぁ、お前ってこーゆーの有りなの?」
「こーゆーの、とは?」
「女のかっこした男を抱きたいて思うのか、それともお前が女のかっこで男に抱かれたい側?」
「別にどっちもないな」
「は? んじゃなんでこんなの見てんの」
 面倒くさいな、と思いながらも状況を説明し、男女のは見終えたから未視聴で残っているDVDはニューハーフものかゲイものだけだぞとも言ってやる。
「え、ゲイビも見んの?」
「だから、金払ってんのに見ずに返すの、悔しいだろって」
「あーはいはい。じゃ、俺も酒貰っていい?」
 ジュースしか持ってきてないと言い出した相手に、何を言い出すんだと焦った。説明したらおとなしく帰ると思っていたのに。
「は? 帰れよ」
「えー面白そうじゃん。俺も見たい」
 別にそれ見て抜こうってんじゃないんだろ、と続いた言葉に押し切られて、なぜか一緒にAVを見ることになってしまったが、悪友が男も有りだったなんてこんなに長く付き合っていて初めて知ったし、ゲイビ見ながらもの食えるくらい平然としてんならちょっと試そうと誘われて、その時にはだいぶ酔っていたのもあってうっかり応じてしまった結果、長年の友人だった男にあっさり食われたのもなかなかの衝撃だった。

お題提供:https://twitter.com/aza3iba/status/1077577605635698689

 
 
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昔と違うくすぐり合戦

 自分は脇が、幼稚園からの付き合いのそいつは足の裏が特に弱くて、昔から時々、何かの拍子にくすぐり合戦のような事は起きていた。互いにゲラゲラ笑いあうと、喧嘩だったり不機嫌だったりが、なんとも些細なものに思えてどうでも良くなる感じがするからだ。
 けれど中学に入学以降はそんな戯れはグッと減った。相手の体の成長が早くて、体格差が出来てしまったせいだ。
 力で勝てない圧倒的な不利さに、自分から手を出すことは当然無くなったし、押さえ込まれて泣くほど笑わされるのが数回あって本気で怒ったら、相手からも手を出されることがなくなった。
 しかしとうとう自分にも成長期が来た。ぐんぐんと背が伸び、既に殆ど成長の終わっている相手との身長差が、目に見えて縮んでいくのは嬉しくてたまらない。
 嬉しいついでに、相手の部屋に上がり込んで一緒に借りてきた映画を見ている時、隣で胡座をかいて座る相手の足の裏を指先でツツツとなぞってやった。ビクッと大きく体を跳ねて、驚いた顔で勢いよくこちらに振り向いた相手に、ひひっと笑ってみせる。少しムッとした顔で相手の指先が脇腹を突いて、やっぱりツツッとその指先が脇を撫で下ろしていく。
 ゾワゾワっと肌が粟立って、身を竦めながらも、やっぱりひひっと笑いが溢れた。後はもう、懐かしむみたいに互いに相手の弱い場所を狙ってくすぐり合う。
 しかしやはり体の小さかった子供の頃とは違う。ぎゃはぎゃはゲラゲラ全身で笑って、部屋をのたうち回るようなスペースはもうないのだ。バタバタと暴れれば部屋のアチコチに体を打ってしまう。
「あいたっ、ちょ、ひゃっ、待っ、ひゃうっ、おいぃっっ」
 早々に懐かしさのあまり自分から仕掛けたことを後悔し、相手をくすぐる手を緩めて待ったを掛けたのに、相手の手は容赦がなく、こちらの脇を揉むのを止めない。
「ば、っか、も、あふぁ、や、アハっ」
 バカもう止めろと訴えたいのに、まともに言葉なんて出せないし、体格差はかなり縮んだもののやっぱり相手の方が力は強いしでなかなか逃げ出せない。
 またぐったりするまで泣くほど笑わされるのかもと思いながら、それでも必死に身をよじれば、自分を見つめる相手の顔が目に映ってドキリとした。
 こちらもつい先ほどまでは彼をくすぐりまくって居たのだから、上気して赤らむ頬は笑ったせいだとは思う。思うけど、でもなんか、妙に色気があるというか、エロいというか。え、なんだこれ。
 その顔がゆっくりと近づいてきて、音もなく軽く口を塞がれれた後、またゆっくり顔が離れていく。それをぼんやり眺めながら、あ、くすぐり終わってる、という事に気付いて大きく安堵の息を吐いた。
「お前さぁ」
「あ、うん、何?」
「何、じゃなくて。つか、今、何されたか理解出来てる?」
 キスしたんだけど、と言われて、ああ、あれはキスされたのかと理解した途端、ボッと顔が熱くなる気がした。
「なななな、なんで?」
「反応おっそ!」
 つーかさーと呆れた声音の相手が、ぽすんともたれ掛かってくる。
「お前がひゃんひゃん可愛く喘ぐから勃った」
「喘いでねぇよ」
「後お前、自分で気付いてないかもだけど、お前も勃ってっから。ちんぽおっ勃ててひゃんひゃん喘いでクネクネされんの目の前にして、勃起すんなってのは無理」
「はあああああ??」
 何を言っているんだと盛大に驚けば、無言のまま伸びてきた手に、ふにっと股間を揉まれてしまう。
「ひゃぅんっ」
「ほら、今、ぜったい、ひゃんて言ったろ」
 エロ過ぎなんだよと不貞腐れたように言いながら、股間をグニグニ遠慮なく揉みだす手のがよっぽどエロいと思った。

お題提供:https://twitter.com/aza3iba/status/1011589127253315584

 
 
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