夢見る腐男子は理想の攻めを手に入れたい・その後の二人の久々H4(終)

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 小分けのローションひとつでは簡単に弄る程度のこと以上は無理かもしれないと思っていたし、どれだけねだられたって颯真の体を傷つけてまで応じる気はなかったのだけれど、これなら本当に、このままこの場所で繋がってしまうことも出来そうだ。
 言葉以上に、早く翔と繋がりたくてたまらないのだと、体で訴えられているようでたまらない気持ちになる。
「んぁっ、はぁ、翔さんの、指ぃ」
 更に甘えた声で喜ばれてしまえば、煽られて気持ちがせいていく。
「気持ちいい?」
「ん、あ、きもちぃ。きもち、いい」
「なら良かった」
「翔さんにして貰うの、ずっと、ほんと、待ってた。一人でするの、気持よくなれても、寂しいの、どーしようもなくて」
 だから今、翔の指で弄られ気持ちいいのが凄く嬉しいのだと、そう訴える声は少しばかり涙声だ。恋人にはなるが卒業するまではもう抱かないという約束は、思っていた以上に颯真を追い詰めていたのかも知れない。
 してくれないのわかってるから、誘って困らせて断られて、それで落ち込むくらいなら誘わない。その代わり卒業したらちゃんと抱いてねと笑う顔に曇りがなく、あっけらかんとしていたから、気付けずに居たようだ。
「颯真、すごく上手に、解れてる」
「ん、がんば、ったから、ぁ、だから」
「うん。颯真の中、入っていい?」
 小さな頷きの後、はやくきてとねだられた。こちらは一切服を脱いでいない状態だが、幸いなことに走りに出る予定で上下ともランニングウエアだ。手早く下着ごとズボンを下げて、取り出したペニスを颯真の尻の狭間に押し当てた。
 既に充分硬く育っていることを知らせるように数度擦り付けてから、入るよと声を掛けてゆっくりと挿入していく。
「ぁ、ぁぁあ、んんっっ」
 途中でまずいと思ったのか、上がる声は噛まれてしまった。しかし声を殺し慣れていないせいか、快感を逃し損ねて背中がわなないている。繋がる中も連動してぎゅうぎゅうと締め付けてくるから、さすがにこちらも動きを止めた。
 颯真の呼吸が多少落ち着くのを待ってから、その耳元に口を寄せる。
「立ったままも、声を気にするのも。思ってた以上に辛いなら、今から寝室に移動してもいい。けど、ここで首を横に振るなら、俺ももう止まらないよ」
 どうする? と問えば、小さいながらもはっきりとした声音で、ここで、と返ってきた。
「わかった。じゃあ、イカせるつもりで動くから、頑張って。そこまで防音性がないわけじゃないから、多少は声出ちゃっても大丈夫だから」
 その言葉に安堵したのか、体の緊張が解けていく。それに合わせて、ゆっくりと挿入を再開すれば、今度は颯真も呼吸を合わせてくる。
「ぁ……、は、ぁぁ……」
 噛み殺さない喘ぎが、それでも控えめに漏らされるのが、やはり新鮮だった。
 きっちり準備がされているのもあるが、翔との行為がない間、一人でする時に相当弄っていたのだろう。久々だと思えないくらいに柔らかに包み込まれ、更には慣れない体勢のせいか、それとも興奮のせいか、締め付け蠢く動きも激しい。それをゴムを付けずに直に感じ取っているのだから、与えられる刺激を耐えるのもなかなかに大変だ。
 正直に言えば、弱いところをガツガツと抉って、あられもない声を上げて善がる姿を見ながら、すぐにでも果ててしまいたい。
 我慢しきれず玄関先で盛っちゃう感じがいい、なんてことを言っていたくらいだから、もしそれを実行しても、まず間違いなく、颯真の機嫌を損ねることはない。それでも、まずはゆっくりと馴染ませるように腰を使う。
 この様子なら、颯真だってそう長くは保たないとわかっているからだ。
 案の定、そう待たずして、颯真の口からはイキたいだとかイッちゃうだとかの言葉がこぼれだす。合間合間に、何度も名前を呼んでくれるのが、あざといと思うこともあるものの、たまらなく愛おしい。
 前に回した手で、颯真のペニスの先端を包み込む。
「ぁあっっ」
「なるべく汚さないように、今日は、俺の手に出そうな」
 ペニスに一切触れないまま前立腺の刺激だけで射精したり、射精を伴わずに中の刺激だけで絶頂するドライオーガズムはまだ無理だけれど、握って上下に扱き射精を促してやる必要はない。手のひらで先端を緩く刺激しながら、前立腺を狙って責めてやれば、あっという間に上り詰めていく。
「ぁ、あぁっ、翔さん、ぁ、翔さんもっ」
「もちろん、一緒に行くよ」
「あ、あ、ぁああ、イッ」
 吐き出されてくる白濁を手のひらで受け止めてやりながら、収縮する腸壁を堪能するように、更に数度中を擦って自身も果てた。
 心地よい疲労感と快感の余韻の中、目の前の体を緩く抱きしめ、髪や耳や首筋にチュッチュと唇を落としていく。
 中に出してしまったのだから、なるべく早いうちに後処理をするべきだというのはわかっているが、それでももう暫く、颯真とこのまま繋がっていたかった。
 そんな翔の気持ちが伝わっているのか、それとも同じ気持ちで居てくれるのか、何も言わずに顔だけ振り向いて、視線と口元だけでキスをねだってくるから。
「好きだよ、颯真」
 言葉にして愛しさを伝え、嬉しげに頬を緩ませた颯真が俺も好きですと返してくれるのを待ってから、その唇にキスを落とした。

<終>

 
 
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