イケメン相手にこんな関係になる予定はなかった14

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「あれ?」
 呆気にとられたような、不思議そうな声が聞こえてきたから、相手は本気で気持ちいいと思っていたのかも知れない。
「ごめっ、てっきり気持ちいいんだと思って」
 ほらな。と思いながら、口からはバカジャネーノとこぼしておく。
「本当にごめん。えっと、強く弄りすぎた? かな?」
 そうだとも違うとも返さなかったが、沈黙は肯定と捉えられたらしく、次は気をつけるから許してと優しく背中を撫でられた。
 次ってことはまだ弄る気でいるのか。あれだけ反応してたらそりゃそうか。自分が責める側だったって、じゃあもう触らないとはならないし、触り方が悪かったんだと思うだろう。
 でもそれを、される側として、わかったとは言い難い。次はちゃんと気持ちよくなるように触って、なんて言えるわけがない。というか乳首を弄られて気持ちよくなりたいわけじゃない。むしろ、そんなところで感じる体になんてなりたくない。
 けれど、胸弄るのもなしで、を相手が了承するとは思えないのが難しい。だって、すでに尻穴に触れないことは了承させている。それに触られてゾワゾワするところは他にもあって、触られ方によってはそっちだって強く反応する可能性はある。そうなるたびにそれ以上そこ触るの禁止、なんて言えるはずがなかった。
 それに今日のこれで最後なんだから、あれこれ嫌だダメだと険悪な態度を取りたくない。相手のしょぼくれる顔を見たくない。
 それを考えただけで胸の奥が嫌な感じに少し痛くなるくらいには、相手に満足げな顔をさせて終わりたい気持ちがある。なんせずっと、相手に任せるまま気持ちのいい思いをしてきたのは自分なんだから。嫌われるのを恐れる相手の気持ちにはなんとなく気づいていて、本気で嫌がるようなことはしてこないだろうと、甘えると言うか、相手の気持にあぐらをかいていた部分は間違いなくある。すでに尻穴は守られているのだから、最後くらい、相手がしたいことをなるべくさせてやりたい。
 だとしたら、感じたくないなんて言ってる場合ではないんだろうけど。でもやっぱり、触られたら感じて当然のペニス以外で、こいつの手や唇に触れられ、気持ちがいいと感じるのは怖かった。
「う、っわ、えっ、なに?」
 急に両肩を掴まれて、ぐっと後ろに引き起こされた。と思ったら、そのままの勢いで後方に倒れされる。
「俺の声、聞こえてた?」
 頭の先からにゅっと顔を出してきた相手は、不満げと言うよりは不安げだ。
「いちおう」
 ごめんと何度も繰り返して、怒ってるのかとか、もっと優しくするから機嫌を治してとか、あれこれ言い募っていたのは、一応耳に届いていた。宥めるように背をさする手の外、途中からは何度も唇が落ちていたことも、一応認識は出来ていた。
「もしかして、もう止めたい、みたいなこと、考えてたりする?」
「そこまでは、思ってない」
「じゃあどこまで思ったの?」
「あー……」
 お前に感じさせられるのが怖いと、正直に言うのを躊躇った。なんでと追求されるのが面倒くさいというか、うまく説明できそうにない。それに、俺が感じるようなことするのはなしで、なんて言い出したら、最後にイチャイチャしたいを許可した意味が、根底から崩れてしまうのがわかっている。
「お前に触られるのが嫌なわけじゃなくて」
「うん」
「でも、慣れてないから、自分の反応に戸惑うっていうか、どうしていいかわからなくなる」
「そっか」
 ホッとしたような笑顔が近づいて、ちゅっと唇が音を立てたのは額だった。まぁ顔の向き的に、唇は狙いにくかったのだろうことはわかる。
「つづき、いい?」
「うん」
「あ、待って。そのままで」
「え?」
「寝転がってしよう」
 起き上がろうとするのを止められ、すぐさま相手の体が横に転がってくる。

続きました→

 
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