親父のものだと思ってた38

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 二度目の挿入で相手も多少は慣れたのか、こちらのペースで根本まで押し込んでも痛がる様子はない。苦しさはあるようで多少息が乱れはしたが、それでもこちらが押し込むのに合わせて、さほど抵抗なく飲み込んでくれた。
「ぜんぶ、はい、った?」
「うん」
 頷けばホッとした様子で体が少し弛緩する。馴染むまで待ったほうがいいんだろうと思っていたが、このタイミングは逃さないほうがいいかも知れない。
「ふぁ…ぁ、……んっっ」
 押し込んだときと同じくらいのペースで、今度はゆっくりと腰を引いていけば、相手の口から色の乗った甘やかな息が吐き出されてくる。すぐに慌てた様子で口を閉じてしまったし、弛緩していた体にはあっさり緊張が走ったが、それでも内心ガッツポーズを決めた。
 弛緩とまではいかないものの、緊張が解けるのを待ってまたゆっくりと腰を引く。
「んっ……」
 口は閉じたままだが、鼻から漏れる息はやっぱり充分に甘やかだ。
 この段階ですでに、相手もそれなりに感じているらしいとと思って嬉しくなる。
 本当に良かった。思っていたよりも、一緒に気持ちよくなるというハードルは高くないかもしれない。
「んっ……ん、……んぅっ……」
 相手の様子を探りながら、緩やかで長いストロークを数度繰り返す。相手は自身の快感に集中するためにか、途中から目を閉じてしまったが、そうやって自身の快感に浸る姿を見るのは珍しい。本当にこちらに身を任せてくれているのだと思うと、嬉しくて、興奮して、既に充分すぎるほど勃起したペニスがさらに膨張した気がする。
 もちろんそれは気の所為なんかじゃなく、目を閉じていた相手がチラッとこちらを見たあとで満足げに笑ったから、相手もすぐに察するほどの変化があったってことだろう。
「うっっ」
 キュッと締め付けられて思わず小さく呻けば、相手がやっぱり満足げに笑っている。
 随分と余裕が出てきたらしい。それはこちらも同じで、相手が意図的に締め付けてきたって、それで暴発したりはしなかった。
 ペニスはずっと気持ちはいいし、相手の反応に興奮だってしているが、でも、すぐにでも射精してしまいそうな危うさはない。それくらいには、気持ちも体も落ち着いている。
 そろそろいいかと、次に狙うのは相手の前立腺だ。ペニスで感じとれるかはわからないが、位置はもうわかっている。
「ん、ぁ、あっ、おまっ、そこ、はっ」
 相手の反応は早かった。しかも、嫌がるように身を捻ろうとするから、仕方なく一度動きを止めた。
 ただ、止めはしたが逃がす気はないので、足と腰とをガッツリ抱え直して下半身を固定してやる。さっき、もう後ちょっとで相手をイカせられそうなところまでいったのを、忘れてなんかいないからだ。
「ここ、いいとこ、でしょ?」
「ふぁ、ぁ、ぁあ、や、やだ、って」
 わかってるんだぞと言うように、その場所をまた少しだけ擦ってやれば、気持ちの良さそうな蕩けた声を上げながらもイヤイヤと首を振ってみせる。
「そこ、変になる、から」
「って言われて、止めれるわけないんだけど」
「ぅっ、で、でも、ほんと、そこばっか、む、……むりっ、だから」
「………ずっるい」
 躊躇う素振りはみせつつも、はっきり無理だと言われてしまったからには、約束通り引くしか無いんだろう。わかってても、不満の一つや二つは漏れても仕方がないと思う。
「わか、ってるけど、でもほんと、ごめん。し、信じてる、から」
「ますますズルいんだけど」
 信じてるってなんだよ。そんな事言われなくたって、無理とまで言われたら、前立腺をこれ以上狙って擦ったりはしないのに。でもそれくらい、必死に嫌なんだってことだけはわかった。
 結構気持ちよさそうな声、出すのになぁ。
「てか、そこ狙わなかったら、続けていいんだよね?」
「そりゃ、ここで終わり、はさすがに」
「狙わないけど擦れちゃう分は、諦めてくれるってこと?」
「うっ……それは、……」
「気持ちよくなれてるっぽいのわかってるのに、一緒にイクの拒否とか、言わないでよ?」
 イカされた後に抱かれるのが無理だというから、手でイカせるのを諦めた経緯だってあるのだ。相手が感じているのをわかっていて、自分ひとり気持ちよく果てて終わりになんて出来るはずがない。なのに。
「お、お尻が気持ちよくて、イク、とか、頭でわかってても、こわっくて、こわい、んだよっ」
 恐いが二回重なるくらい恐いのはわかった。けど、それってやっぱり、前立腺を刺激されたら気持ちいいって言ってるのと同じだよなぁと思う。てか、前立腺狙って突いたら、お尻だけで気持ちよくイケそうって意味だったりするんだろうか。
 そこんとこ詳しく。とは思ったけれど、さすがに今聞くことでもなさそうだ。だって、もう前立腺は狙わないって決まってしまった。
「じゃあ、一緒にちんこ扱けば、イッてくれる?」
「えっ?」
「さっき、ちんこ一緒に扱いたらイケそうだったよね? てか、また放置しちゃってたの、ごめんね?」
 もっと早くペニスも一緒に触ってあげればよかったって、さっきも一度思ったはずだったのに。相手を気遣いながらの腰使いに意識が持っていかれて、またしてもずっと放置だった。

続きました→

 
 
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