親父のものだと思ってた39

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 確かめるように視線を落とした先、相手のペニスは中途半端な大きさでゆるく勃起している。ビシャビシャというほどではないが、やっぱり先走りは零しているようで、先端辺りの相手の腹部分は濡れていた。
 どうやらお尻で感じると、ガチガチに張り詰めた射精待ちにはならないまま、気持ちよさで先走りだけ零すらしい。指で弄っていた時は最初もっと萎えていたから、慣れたらしっかり勃起するようになるのかも知れないけれど。
「触るよ」
「んぁっ」
 驚かせないように声をかけたけれど、触れた瞬間にはやっぱり大きく体が震えた。ついでに言えば、キュウっと穴が締まるのをペニスで感じ取る。
「ぁ、あんっ、んっ、ゃ、あ、ああっ、だ、……め、あ、やぁっ」
「すっごい、お尻キュウキュウ締め付けてくる」
 ダメだの嫌だの混じりながらも、本気で嫌がるというか逃げる様子はないし、手の中のペニスはあっさり固く張り詰めていき、連動するように括約筋が動いてペニスをグニグニと喰まれるのがなんとも気持ちがいい。
「ぁああっっ」
 気持ちよさに腰を揺すってしまえば、相手の声が一層高く響いて全身が小さく震えた。
「いいとこ当たっちゃった?」
「ぅ、そこ、ゃだ、ってぇ」
「ごめんごめん」
 言いながら、ぐぐっと奥まで押し込んでやる。これで少なくともペニスの先端やら開いた傘の段差やらが、相手の前立腺を刺激してしまうことはないはずだ。
「あ、ああっ、やぁ」
 いい所に当てているつもりはないが、それでも相手は体を震わせながら高い声を上げ、ペニスの先端からトプっと大量の先走りを吐き出した。
「あれ? まだ、いいとこ当たってる?」
「うぅ、も、やだぁ、ぜんぶ、きもちくて恐いぃ」
 そんな事を言いながら睨まれたけれど、潤んだ目と興奮か羞恥かで赤く染まった頬の愛らしさで、申し訳無さよりもさきにこちらの興奮が増してしまう。てか全部気持ち良くて恐い、という発言内容からしてかなりクル。やっばい。
「んんっ、また、おっきくしたぁ」
「ちょ、そんな、理不尽な」
 そんな非難めいたことを言われたって困る。
 てかなんだこれ。どうしよう。めちゃくちゃ可愛い。
「ぅううっっ」
 さらにペニスの質量が増したせいで恨めしげに睨まれたけれど、やっぱり可愛いばっかりで、口元がだらしなく緩みそうだった。というか緩んだ。ついでに、可愛いがあふれて口にも出してしまった。
「すごい、可愛い」
「ばかっ、ぁ、ああ、ば、かぁ」
「はは、語彙力、崩壊してる。かわい〜」
 全部気持ちいいならあまり意味はないのかなと思いつつ、一応前立腺は狙わないつもりで大きなストロークはせずに、深く埋めたまま小さく腰を前後させる。もちろん片手は相手のペニスを扱き続けているから、根元あたりはずっとキュムキュムと締め付けられているし、時折壁のようなものに先端が擦れるのもあって、充分に気持ちが良かった。
「ぅ、あ、やぁ、ばか、も、こわい、こわいぃ」
 恐い怖いと言いながらも、相手のペニスはいまにも弾けそうなほど張り詰めていて、どうみたって気持ちが良さそうなんだけど。ああ、でも、気持ちいいのが恐いんだっけ。
「恐くない。怖くない。気持ちぃだけでしょ。今度こそ、イクとこ見せてよ」
「う、ぅう、ゃっ、やぁ」
「やじゃなくて。ね、イッて。イッてよ」
 イッてイッてと繰り返しながら、グッグッと腰を押し付ける。こんなに強くしたらダメだろと思いながらも、腰の動きが止められない。ヤダヤダ怖いと口走る相手の目にはとうとう薄く涙の膜が張りだして、それがポロリとこぼれ落ちるのを見てしまったのに。それでも、どうしようもなく、自身の快感を追ってしまう。
 相手がイケないのは、もしかしたらこちらの、そんな身勝手な動きのせいかも知れない。
 痛いだとか、もう無理だとか言われていないのだけが救いだった。もし今、もう無理ヤメテと訴えられても、そこで止まれる自信がない。
 もっと相手を気遣って、相手の快感を引き出して、安心して気持ちよくイカせてあげたいのに。でももう、そこまで自身に余裕がなかった。
 早くイッてくれないと、こちらが先に果ててしまいそうで焦る。
「ねぇ、イッちゃうから。も、保たない、から。お、お願い、一緒にイッて」
 情けなくもそう懇願しながら、グッと腰を押し込んだところで射精した。してしまった。相手がイクまではと思っていたのに保たなかった。
 ただ、がっくりと落ち込むその手前。
「あ、あっ、でて、る、んぁあ」
 相手の背がしなって、手の中のペニスが震える。その先端からは、とうとう白濁が吐き出されていた。

続きました→

 
 
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