雷が怖いので プレイ20

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 リビングの扉をそっと開く。彼の姿はドアの隙間からでも見えるソファにはなかった。
「まだ一時間も経ってないぞ?」
 笑いをこらえるような声が、どう考えても自分に向かって話しかけてくるので、仕方なく大きくドアを開いてリビングの中へ踏み込んだ。少し進めば、テーブルセットの椅子に座り、テーブルに乗せたノートパソコンで何やら作業中の彼と目が合う。彼はやっぱり随分と楽しげな顔をしながら、ノートパソコンの蓋をあっさり閉めた。
「あの……」
「カメラは?」
 こちらが手ぶらなのはすぐに気付いたようだ。でも顔は楽しげなままだから、疑問符をつけて聞いてはいるが、こちらの答えはもうわかっているのかもしれない。
「置いて、来ま、した」
 喉が詰まって言葉が途切れるのは、緊張しているせいだろう。
「どうして?」
「バイト、終わりにしたい、わけじゃない、から、です」
 黙ったまま見つめられて、ますます緊張する。彼の視線はゆっくりと動いて、上から下まで舐めるようにこちらを観察していた。
 やっぱりカメラのレンズとは全然違う。緊張のドキドキと興奮のドキドキが混ざって、少しずつ胸が苦しくなる。息が上がって、顔が熱くなっていく。
「じゃあ、何しに来たか、自分の口で言ってみて?」
 多分もうこちらの意図はわかっているはずだ。だからこれは、指摘して辱めるのではなく、こちらの口からねだらせるというプレイなんだろう。
「あなたを、迎えに、来ました。カメラ、の前に放置、されるプレイ、じゃ、なくて。いつもみたいに、恥ずかしくてキモチイイ、こと、して下さい」
 喋っている間に、少しずつ喉の緊張がほぐれていく。特に、自分から気持ちいいことして下さいと言ってしまった後は、だいぶ楽に言葉が吐き出せた。
「ただ立ってるだけのバイトがしたいとはもう言いません。おしおきも受けます。でも、放置プレイ頑張らずに、あなたを迎えに来たご褒美も、下さい」
 ぶふっと音がして、彼がおかしそうに吹き出したから、ビックリして口を閉じる。
「ごめ、ちょっと待って」
 何がツボだったのか、それから暫く笑われた。
「あー、急に笑って悪かった。つか放置プレイ頑張らなかったご褒美くれって言われるのは、少し、予想外だった」
「だって出ていく時、楽しみに待ってるから頑張るなって」
「うん、言った。言ったけど」
 こっちにおいでと手招かれて、テーブル横まで歩いて近づく。椅子を引いて横向きに座った彼の正面へ立てば、いくら身長差が結構あっても相手を少し見下ろす形になって、つい、前回ズボンをじっくり下ろされた時のことを思い出してしまった。彼に見つめられて少し反応している股間が、更に熱を帯びていく気配がする。
「あそこに立ってるだけで、興奮しちゃった?」
 ちょっと勃ってると言いながら伸ばされた手が、するりと股間を撫でていった。
「こ、れは、今っ」
 慌てて否定の声を上げながら、思わず腰を引きかける。けれどあっさり相手に掴まれて、ぐっと引き寄せる力に従い、さらに一歩分相手との距離を詰める結果になった。
「本当に? 興奮したから、気持ちぃ事して欲しくなって、迎えに来たんじゃないわけ?」
 違うとは否定出来ないけれど、思わず口にした言葉だって嘘じゃない。
 さすがに勃起させたまま迎えに来るのはあまりにも恥ずかしすぎて、しばらく熱を冷ましてから移動した。カメラを置いてきたのは、どっちにしろ五分以上カメラの前から遠ざかっていて、禁止事項は既に破った後だったというのもある。
「それは、でも、収まるの待ってから、来た、し」
 ニヤリと笑われて、うっかり余計なことをバラしたと思ったが、もちろんもう遅すぎる。
「つまり、あそこ立ってるだけでも興奮するし、俺に見つめられるだけでも興奮する、と」
 こうしてるだけでもどんどん興奮していくもんなと断定的に言われて、その言葉通り、股間に熱が集まっていくのを自覚していたから恥ずかしい。
「自分でズボンとパンツ下ろして、勃起ペニス俺に見せつけながら、このはしたない勃起おちんちんにおしおきとご褒美して下さいって、言える?」
「ご褒美、も?」
「そりゃあ、ああ言われてご褒美あげないとかないだろ」
 上手に言えたらおしおきも酷いことはしないよとの言葉が続いて、随分とホッとした。けれど頷いてベルトに手をかけたら、その手をやんわりと掴まれる。
「待って。先に移動しよう。お前の身体すごく素直だから、そのうち、あの部屋に入るだけで勃起するようになるかもだし」
 その言葉に、やっぱりと思いながら聞いてみた。
「もしかしなくても、毎回あの場所に立たせてたのは、それ狙ってました?」
「お前が言い出さなくても、もうちょいしたら一度、放置プレイはしてみるつもりだった。さすがに三回程度じゃ早いかと思ってたけど、一時間も掛からずギブアップだったのは、正直かなり嬉しい誤算かな」
 イヤラシイことが大好きな素直で可愛い体だというその評価は、多分、褒められているようだったけれど、それを喜んで良いのかは微妙だった。というか喜んじゃいけないやつだってわかっているのに、嬉しそうに柔らかな目で見つめられると、胸の中が少し暖かくなって、どこかふわふわした気持ちになる。
「抱いてってやろうか」
「え?」
 じゃあ行くかと立ち上がった彼が、ふと思い立ったようにそんなことを言い出したけれど、ふわつく思考は最初何を言われているかよくわからなかった。
「勃起して歩きにくくない?」
「えっ? と……」
「歩きにくい以前に、おしおきとご褒美に期待しすぎて、それでぼーっとしてる感じか?」
「や、そんな……」
 否定しかけて、いやでもそれもないわけじゃないかもと思ったら、途中で言葉が止まってしまう。
「抱いて連れてって」
 繰り返してという言葉に従い、ほぼ反射的に同じ言葉を繰り返せば、ふわりと体が持ち上がった。

続きました→

 
 
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雷が怖いので プレイ19

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 静かな部屋の中に自分の零すため息が落ちる。
 ここに立ち続けているだけで時給千五百円もの給料が発生しているのに、まったくもって欠片の嬉しさもない。それどころか、こうして一人部屋に取り残されてはいるが、閉じ込められているわけでも繋がれているわけでもなく、いつでも自分の意志でこの部屋を出ることもバイトを終了することも出来るのに、その事実が逆に心もとなくてなんだか寂しい。
 だからといって、首輪やら壁の手錠やらに繋がれていたって、きっと別の意味で不安になるんだろう。さすがに一度繋がれたらそのままここに閉じ込められて逃げ出せないままエロ調教される、なんてことまでは思わないけれど、時間の経過もわからない中、外との連絡手段どころか彼に戻ってきてと伝える手段さえなく、いつ迎えに来てもらえるかわからないままひたすら彼を待ち続けるなんて、少し考えただけでも怖すぎる。
 それをはっきり回避したのだから、そこまで迂闊で危機感の足らない判断をしたとは思わないけれど、間違いなく先週の自分は、随分と思慮の浅い提案をしていた。彼にエッチなことなしのバイトを了承されて、この一週間、今日をちょっと楽しみにしていた自分がバカみたいだ。
 あのお試しの時のように、彼とあれこれ話が出来るんじゃないかと、そう期待していたんだってことは、プレ放置プレイと言われてショックを受けるまで自覚がなかった。カメラの前に一人立たされるこの状況を、まったく予想ができなかった。
 なんとなく視線を逸らしていたカメラを見つめてみる。彼の目の代わりだと、言っていた。けれど無機質なそれは、彼の目なんかとはまるで別物だ。
 彼になら、見つめられるだけでも、ドキドキする。そんな彼の目を思い出すだけでも、なんだかドキドキしてきてしまう。
 ああ、これは、ヤバイ。
 最初のお試しも含めてずっと、バイトのたびにここに立って、彼に見つめられてきた。イヤラシイ視線と柔らかで優しい視線を使い分ける彼に、どんどん丸裸にされた上、たくさんのキモチイイを引き出されてしまった。
 もちろん目だけじゃない。甘い声で辱められたり逆にあやされたりしながら、器用な指や舌や唇に、時に泣くほどの、未知の快楽を叩き込まれるまでした。
 全部全部、この場所で。
 思い出してしまうアレコレに、カーッと体の熱が上昇する気がする。無機質に見つめてくるカメラのレンズから、逃れるように顔を背けた。動画は後で彼に確認される。この動揺はどこまで彼に伝わってしまうだろう。
 彼の目とはまるで別物のはずのカメラレンズだけれど、今の自分を撮られていることが恥ずかしい。恥ずかしいのに、カメラを意識すればするほど、ここに居ない彼の目まで意識する羽目になる。
 カメラで撮られてるだけで勃起するの? とからかう彼の声が聞える気がして、ますます体が熱くなる。なんだか泣いてしまいそうだ。
 気持ちを落ち着けたくて、逃げるようにカメラに映らない位置へ移動してしまった。彼の告げたルール上は、五分までなら許される。
 でも五分で平常心が取り戻せるかは難しい。カメラの前ですました顔のまま立ち続けるのは無理そうだし、ルール上許可されているからと、五分ごとにチラッとカメラに映るだなんてことを繰り返したら絶対何かしら言われるだろうし、カメラ相手に彼の目を意識して感じてしまった事実を隠せる気はしなかった。
 はやくカメラの前に戻らないと後でおしおきだよと、頭のなかで彼が笑う。フルリと体が震えてしまったが、おしおきされる恐怖よりも、彼に何かして貰えるという期待の方が強そうだった。
 確かにもう、最初のお試しのときとは全然違う。たった三回だけど、彼に与えられるキモチイイを、自分の心も体も知ってしまった。
 彼に触れて欲しい。キスして欲しい。そんな風に思ってしまう気持ちを、もう、無視できない。

続きました→

 
 
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雷が怖いので プレイ18

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 翌週土曜の同じ時間、四度目となるバイトは玄関先で幾ら稼ぐかとか何をするかとかの話は一切なく、そのまま防音室に通された。今日何をするかは、前回のバイト終わりに決められている。
 あの日の終わり、彼は最初、次週は休みにしようかと言った。一月に稼ぎたいと言った額を既にかなり超えているからというのが理由だった。
 少なくとも四万は渡されるはずだったから、確かに前二回と合わせて余裕で八万を超えている。しかも実際のところ、帰宅後確かめた封筒の中身は四万どころか六万も入っていたから、初回以上に驚いた。やっぱり詳細を聞いて来ればよかったかもと一瞬思ったけれど、多分きっと泣きまくったせいってことにして、深く考えることはしなかった。いやだって、オナニー頑張ったから一万円とか、おもらしできたから一万円とか、そんな羅列絶対聞きたくない。
 稼げるだけ稼ぐつもりなら次週もおいでと言われて、だったらエッチなことなしのバイトがしたいと言ったのは自分だ。今後もバイトを続けさせてくれるなら、毎回毎回頑張ってガッツリ稼ぐ必要は確かにない。だから最初のお試しみたいに、ただただ立ってるだけの時給千五百円と、後はちょっと軽くキスするくらいのバイトがしたい。
 そう言ったら、少し考えた後で、彼はじゃあそれでと了承を返してきた。だから今日は、初心に帰ってただただ立っているだけの仕事をするのだ。
「一応言うが、裸になったら時給上乗せ五百円。部屋を出れない程度の長めの鎖付き首輪を付けさせるなら上乗せ五百円。壁の手錠に繋がれるなら上乗せ千円。つまり、裸で壁に繋がれるなら時給三千円までアップ可能だけど、どうする?」
「しません」
「だよな。じゃ、いつものとこ立って」
 はいと頷き立ち慣れた壁際へ向かう。そこにはいつもはないものが置かれていた。
 初めて見るものじゃない。それは初めてこの部屋に入った日、自分に向けられていたビデオカメラだった。
「あの、録画するなんて、聞いてないんですけど」
「これは俺の目の代わり」
「え?」
「お前が消せってなら、後でちゃんとお前の目の前で動画は削除してやるから」
「じゃなくて、目の代わり、って……?」
「さすがに立ってるだけのお前見ててもな。お前が受け入れるのわかってるし、手、出したくなるだろ」
「俺を、ここに、置いてくの?」
「そう。プレ放置プレイと思ってくれてもいい」
 すんなり肯定されて、途端に不安になって気持ちが揺れる。一人で過ごすことなんて、全く想定していなかった。
「禁止事項は座ることと、五分以上カメラの前から姿を消すことだけ。携帯は俺が預かっとく。トイレは使っていい。今日のバイトはもう終わりにしたいって思ったら、このカメラ持ってリビングおいで。中確認して、給料精算しよう。お前が俺を楽しませてくれる何かをしてたら上乗せするけど、たった二つの禁止事項も守れてないようなら減給もしくはおしおきな」
 何か質問はと聞かれて何も答えられずにいれば、質問はないものと処理されたらしい。
「じゃあ携帯出して。別に弄る気ないけど、気になるならロック掛けてから渡して」
 差し出された手の上に黙って携帯を乗せれば、それはするりと彼のポケットの中へと消えていく。甘やかな声がいい子だと言ってくれることはなくて、やはり気持ちがゆらゆらと揺れた。
「いい顔だな」
「えっ……?」
 携帯の消えたポケットを見つめていた視線を慌てて彼へと向ければ、少し意地の悪そうな笑みを口元にたたえている。その顔に、なぜかホッとしてしまうのが不思議だった。この不安は、彼が意図して抱かせているのだと、そう思えるからかもしれない。
「カメラがあるとか無いとか以上に、最初のお試しと、今日のこれが全くの別物だって、この後、お前が思い知ればいいなと思ってるんだけど、その顔見る限りは期待できそう。だから、まぁ、楽しみに待ってるからあんま頑張るなよ」
 頑張れではなく、頑張るなって聞こえたけれど、聞き間違えだろうか?
「頑張れじゃなくて?」
 思わず聞き返した問いに返る言葉はなく、意味深な笑みとまた後での言葉を残して、彼はあっさり部屋を出ていった。

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雷が怖いので プレイ17

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 リアルに「上手にお漏らしできました」を聞かされて、色々な感情をごちゃ混ぜにして精神を昂ぶらせたままダラダラと泣き続けるこちらを宥めるように、優しいキスを繰り返された。口の中を舐められて、舌を吸われて甘噛まれても、ひたすらあやされているだけなのがわかる。明確に性的な興奮を煽ってはこないキスが酷く心地良い。
 彼がご褒美だと明言して差し出す強烈な快感よりも、間違いなくこのキスのほうが、自分にとってはご褒美だった。
 うっとりと身を任せきるうちに、涙は止まって気持ちも落ち着いてくる。でもそうするとさすがに、汚したアレコレが気にかかり始めた。どんな状態になっているのかはもちろん確かめられていないが、少なくとも足先は濡れて冷えているし、ほのかに漂うアンモニア臭だってある。
 今なら服を汚さずに済むなんてことも言われたけれど、履いたままだったこの靴下は廃棄決定だ。彼に脱がされ放られたズボンや下着は、本当に無事なのだろうか。下着は今日だって替えを持ってきているし、靴下は裸足で帰ればいい。けれどもしズボンが汚れていたらどうしよう。
 なんてことを考える余裕が生まれたことはあっさり相手にも伝わったようで、落ち着いたみたいだからと抱き上げられて連れて行かれたのは、部屋の隅に設置されたシャワーブースだった。
 出てくるまでに簡単に片付けておくからなるべくゆっくり使っての言葉に従い、ひたすらシャワーを浴び続けていたら、逆にそろそろ出ておいでと迎えに来られてしまったし、体を拭かれた上に彼の手で服を着せられた。
 ズボンは確かに無事だったようだけれど、他は靴下も下着もシャツも全てが真新しい。靴下はありがたく貰うとしても、下着は替えを持ってきているし、どうせ家までだしシャツはそのままで良い。そう言ったのに、じゃあ次回着ておいでと言われて済まされてしまった。
 どう考えてもそれらは汚れた物の代わりとして渡されたものであって、脱がすために渡されたものではない。下着だって前に貰ったものとほとんど変わらない。しかしそう言われてしまえば、わかりましたと返すほかなかった。
 更には出入り口近くの椅子に座らされて、ドライヤーで髪を乾かされる。多少濡れたままだってすぐに自然と乾いてしまうものだけれど、必要ないとは言わなかった。性的でなく彼の手に触れられることが、酷く魅力的に思えたからだ。
 実際、それは幸せなひとときだった。
 間違いなくこれも自分にとってはご褒美だけれど、彼の認識としてはどうなんだろう?
 終えてからもこんなに世話を焼いてくれるのは初めてだけど、それを言ったら今日はちょっとずつどころじゃなくいきなりグッとハードルを上げられたプレイをしたし、自分でもびっくりするほど泣きまくった。だからやっぱりこれは、お詫び的なものなんだろうか。
「乾いたな。じゃあ、今日はここまでにするか」
 その言葉に、思わず背後の相手を振り仰いだ。こちらの驚きに釣られてか、相手も少し目を瞠っている。
「どうした?」
 どうしたもなにも……
「もしかして、今、終わった、の」
「ん? いい加減疲れ切ってると思ってけど、足りないとかまだ出来るってなら、もっと何か、エッチでキモチィことしてやろうか?」
「んひゃっ」
 悪戯に首筋をサラリと撫であげられて、驚き声を上げながら肩を竦めた。それだけで少し息が上がるくらいに、たしかに疲れ切っている。
 相手はおかしそうに笑って、今日はここまでだよともう一度繰り返した。もっと続けてなんてつもりは欠片もないし、相手もそれはわかっていそうだけど。
「今日の分はとっくに終わってると、思ってた、だけ」
「ああ、そういう話。お前の体拭いて服着せて、髪の毛乾かしてやった分も全部、時給とは別に給料発生してるよ」
 そんな高値はつかないけどと言われたけれど、それでも十分驚きだった。
「服着せるのもドライヤーも、プレイ、なの?」
「プレイと言えばプレイだし、たんに頑張ってくれたご褒美みたいなもんでもある。特に今日は、けっこう無理させた自覚もあるしな」
 実際かなり疲れてるだろうという問いかけには、そのまま素直に頷いてしまう。
「少なくとも俺は、プレイで疲労した相手を労るのは、当たり前に必要な行為だとも思ってる。まぁ、そこにも金銭を発生させるのは、お前が俺の愛人バイト中だからだけど」
「ご褒美なのに、給料も出るとか、ちょっとよくわからない」
「基本的には、お前が俺に好き勝手させた分全部に金を払うよ。じゃなきゃ、ご褒美渡すから三万分追加で働けなんてそもそも言わない。俺がどれだけご褒美だって言ったって、お前にとっては苦痛が伴う場合もあるってのは、身を持って知ったばかりじゃないのか?」
「ああ、確かに」
 練習してきたことに対して、給料上乗せ分と別にご褒美を渡すとも言われていたから、ご褒美は彼の好意で発生する無料のものと思い込んでいたのかもしれない。給料上乗せ分とは別に、ご褒美でアレコレされた分の給料が発生するという意味では捉えていなかった。
「一々詳細言うの面倒だし、お前も聞かないから金だけ渡してたけど、適当とは言えざっくりと値段振ってるのは確かだし、気になるなら何が幾らか教えようか?」
「いえ、いいです」
「即答だな。まぁ、お前がいいならいいさ。じゃあ、今日の分の給料払うから、リビング移動しようか」
 一人で移動できるかという問いに黙って頷き立ち上がる。来た時に置いた荷物を取りに向かう足取りを見て大丈夫と判断したようで、準備しておくからゆっくりおいでと声を掛けてから、彼は先に部屋を出ていった。

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雷が怖いので プレイ16

* お漏らし描写有り
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 いくら見せてと言われたって、できるだけ給料に見合うだけの仕事をしたいと思っていたって、これは流されて晒していい行為じゃない。はずだ。
 排泄を晒させるプレイがあることは知ってる。こんなバイトを始めたせいで、自分に降りかかる可能性を考えて前よりもSMに関する知識と興味は増えたと言えるが、痛そうなのや汚そうなのはやっぱり無理って気しかしないし、SMというカテゴリを漁っても極力目に入るのを避けてしまう。
 だからだろうか。強制的に排泄させるのなんて、相手を辱めるのが目的というイメージが強いし、上手にお漏らしできました、なんて聞いたことも見たことも読んだこともない。褒めて貰える行為には到底思えないのに、でも彼の甘やかな声を聞いていると、そう言って褒めてくれそうな気がしてしまう。
「なぁ、わかってる? 我慢しなさいって言ってるのに、我慢できなくて漏らしたら、大学生にもなってみっともないねって話になるだろうけど、今、そういう状況じゃないからね?」
 俺が見せてって頼んでるんだよと、思考を乱す甘い声は止まらず続いていく。
「もちろん、みっともなくて惨めな姿を見たいって言ってるわけじゃない。さっき、オナニー見られて、一人でする時よりずっと気持ちよかったの思い出して。思い出しながら、我慢できずに部屋の中で漏らすとこ、俺に見せてごらん。うんと恥ずかしくてキモチイイおしっこ、経験させてあげるよ?」
「きもちぃ、おしっこ……」
「そう。ご褒美。泣くほど気持ちよくしてやりたいって言ったろ」
 気持ち良くなる前から泣きっぱなしだけどなと苦笑顔が寄せられて、まだ流れ続けている涙をチュッと吸い取っていった。
「だから、ね、見せてくれるよな?」
 促されるまま頷いてしまいそうだったのを、ギリギリのところでとどまる。ご褒美の一つなんて言われてしまったせいで、見られることそのものはもう受け入れていたのだけれど、やはりこの場所でそのまま漏らして見せるには羞恥も躊躇いも抵抗感も罪悪感も大きい。
「トイレで、なら……」
「トイレ連れてったら、するとこは見せてくれるの?」
 今度は迷うことなく首を縦に振った。嬉しそうなありがとうの声に、こちらも良かったなどと思ってしまい、ホッとしたのもつかの間。動きを止めていた手が動き出して体を小さく跳ねた。
「えっ? えっ……?」
「俺に見られる覚悟はできたんだろ?」
「でも、トイレで、って」
 うん、と頷かれながらも、ペニスの先端を爪の先が擽るように掻いてくる。その刺激につられて尿道口が開いてしまいそうで焦った。ゾワゾワして、今にも尿がせり上がってきて溢れだしそうで怖い。
 というか実際いやらしく開閉していて、先走りを零しているような気配があった。時折爪先ではなく指の腹が先端を撫でてくるのが、零した先走りを掬い取っているように思えてならない。
「やだぁ、やだぁああ」
 トイレに連れて行ってくれる気はないと悟って、必死に身を捩ろうとするが無駄だった。当たり前だ。もともと体格差があるし、こちらは三度もイカされ済みで抱き支えられて立っているような状態なのに、その腕の中から逃げ出せるわけがない。
「うそつき。うそ、つきっっ」
 我慢できずに相手を詰った。だってさっき、本心から本気で嫌がったらさせないって言ったのに。こんなに本気で嫌がっても、止めてくれる気配が欠片もない。
「トイレ連れてってやるとは言ってない」
「ち、がうっ。本当、ヤなこと、させないって、言った」
「ああ……本当の本気で、ここじゃお漏らししたくないって、言いたいの?」
 思いっきり頭を縦に何度も振った。
「おしっこするとこ見られる覚悟が出来てて、なのにここでは出来ない意味がわからないんだけど」
 不思議そうに聞かれることが不思議で仕方がない。
「ここは俺の家の俺の部屋で、俺がいいって言ってるどころか、この場所でしてってお願いまでしてるのに、何がそこまで本気で嫌なの?」
「だって、だって、トイレじゃ、ない、しっ」
「でもここ、プレイルームだぞ? そういうのも想定して作られてる特別な部屋だし、さっきも言ったけど、お前を惨めにさせるためにここで漏らさせようとしてるわけじゃない。漏らしたものをお前に見せつけて辱めるつもりもないし、後始末だってお前にさせたりしないよ。それに」
 ここで漏らせたらうんと褒めて可愛がってあげるという言葉が、脳の奥を痺れるみたいに蕩かせた。同時に、先端の割れ目にグリッと爪先が入り込む。体を支えるように胸の前に回されていたはずの手がいつの間にか下がっていて、腹部をグッと押し込んでくる。
「大丈夫だから、イッちゃいな」
 まるで射精を促すみたいな言葉で、けれど我慢しきれずに弾けさせたのは当然白濁液ではなく黄色い小水に他ならない。プシっと勢い良く漏れ出たそれは、彼の指先を汚しながら一部あちこち飛び散り、大半は床へと流れ落ちているようだった。
「ゃぁああああ゛あ゛っっ」
 漏れ出る尿の音を聞きたくなくて声を張り上げる。もうどうにもならない。出始めてしまった尿を途中で止めることなんて出来ない。
 ずっと叫び続けるわけにもいかず、声を途切れさせれば下方で水滴が跳ねるような音がして遣る瀬無かった。耳を塞ぎたくても壁につけた両手を剥がせず、逃げるように目をぎゅっと閉ざす。
 先端を抉って誘発した爪先は、慰撫するように尿道口の周りを撫で続けている。ゾワゾワとした気配が尿意を誘い続けると同時に、ペニスの先端から甘い痺れを送り込んでくるみたいだった。
「ん、上手。かなり我慢してたね。なかなか終わらない」
 終わらないのは彼の指のせいも大きいと思う。もちろん、そんなことを言える余裕はなかったけれど。

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雷が怖いので プレイ15

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 お願いだからイかせてとも言えなくなって喘ぐ中、ようやく、限界っぽいからそろそろイッていいよと声がかかる。達せるようにと手を動かしてくれる。
「ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛……」
 喉から絞り出るような声を、気持ち的には張り上げながら体を震わせた。頭の中も目の前もバチバチと白く弾けて、吐精そのものの強烈な快感は若干苦痛でもあったけれど、ようやく開放された安堵と吐き出した後の余韻は焦らされた分だけ大きいようだ。
 全身をチリチリとした甘い痺れが覆っている。長々と続く余韻は間違いなく気持ちが良かった。さっきのオナニーにしろ、今回のこれにしろ、こんなの絶対、自分ひとりじゃ経験できない。
 じわりと霧散していく余韻をひたすら堪能する。
「ぁ、ぁぁ……ぁ…………、ふぅ…」
 閉じることをすっかり忘れきった口から零れる音がなくなって、最後に一つ、大きく息を吐き出した。
「よく頑張ったね。お疲れさん」
 耳の端を満足気な吐息が掠めていく。それにつられて、自分も甘い吐息をこぼした。
「さすがに三度目ともなると薄いな。量も少ない」
 顔の横に汚れた手を掲げられたが、そんなものにコメントをしようがない。というかそもそも見たくない。
 眉を寄せて顔を背ければ、背後でククッと笑いを押し殺すような音がした。
「えっ……」
 戸惑い発する声は自分のもので、慌てて背けた顔を戻した先にはもう、汚れた手は掲げられていない。濡れた手はまたこちらの股間に移動し、萎えたペニスを握り込んでいた。
「ちょ、えっ、待っ、て」
 お疲れさんと言われたから、さっきので終わりだと思っていたのに。薄くて量も少ないと評された、吐き出したばかりの白濁をまるで擦り付けるみたいにして、ペニス全体を彼の手がゆるりと撫でている。
 さすがに三度も放出したペニスの反応は鈍い。しかし萎えたペニスを弄られたことで、ブルリと体が震えた。
 おしっこ、出そう。と思った瞬間に別の意味で血の気が引いた。さっきみたいに、弄られて先走り以外の何かが出そうなんて仄かな感覚ではなく、それははっきりとした尿意だ。
「待って、待って」
 意識してしまった尿意に、これはヤバイと必死に待ってと繰り返す。でも手の動きは止まらない。激しくもならないが、依然ゆるゆると弄り続けている。
 必死に頼めば聞いてくれることが殆どだったから、止まらない手に困惑と焦りとが押し寄せた。
 どうしてって気持ちから、無理に首を回して背後の相手の顔を覗き見ようと試みる。それを察したようで、背中にピタリとついていたままの熱が離れていった。そしてこちらの目に映るようにか、振り向いた先を逆に相手が覗き込んでくる。その顔は、にやりと楽しげだった。
「薄くなっても、まだ出るだろ?」
 言うと思った。そのつもりで弄り続けているんだとわかっていた。出来れば違って欲しいとは思っていたけど。
「も、やだぁ」
 半泣きで訴えた。言っても無駄と知りつつも、言わずに居られなかった。
「泣いてもだぁめ。これ以上気持ちよくしないで、は聞かないよって何回言わせるの」
 涙腺はとっくにおかしくなっていて、半泣きどころかダラダラと流れ始めている。崩れ落ちないようにと抱えてくれているせいで両手が塞がっているからか、目尻に宥めるようなキスが繰り返される。でも、手は止めてくれない。
「お願い、せめて、きゅうけい、させて」
「連続でイかせるのがいいんだろ」
「だって、だって」
「だって、何?」
「五分、でいーから。ごふんだけ、休ませて」
 必死で言い募ったら、今度は若干また反応しだしているペニスを弄る手の動きが止まった。止まっただけで放してはくれないけれど。
「んーじゃあ、ざっくり五分な」
「って、まさか、このまま……?」
「まさかってなんだよ。弄らないし動かさないでいてやるから、休憩できるだろ」
「違う。そーじゃな、くて」
「何が違うって?」
「あのだって、休憩……」
「うん、だから、休めてるだろ?」
 ふふっと笑った顔に、ああ、わざとはぐらかしてるんだとわかってしまった。
「わかってる。その顔、絶対わかってる」
 また意地悪されてるんだと思ったら、ぶわわと涙が溢れてくるから、本当に涙腺がどうにかなっている。
「そのまま漏らしていいよ?」
 言うと思った。そんなの、出来るわけないのに。
「でき、ないっ」
「どうして? 今なら服も汚さないで済むのに」
 お漏らしも見せてよと甘ったるい声がねだる。上手にオナニー見せれたんだから、お漏らしだってきっと上手に出来るよと、甘やかに繰り返されて頭の芯がぼんやりする。その声に流されてしまいそうになる。

続きました→

 
 
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