親友の兄貴がヤバイ19(終)

1話戻る→   目次へ→

 わかってるよと返る相手の口調もいささか強いが、憤りというよりはもどかしくて仕方がないと言いたげだ。
「知ってるし、分かってるし、でもまだ傷ついてないし、多分この後も傷ついたりしない」
 強い口調のままそう吐き出した相手は、それから柔らかな声で、ねぇ、と続ける。
「これ以上、焦らす気ないって、言ってたろ?」
「焦らしてるわけじゃ……」
「お前は俺に優しくしてくれてるだけってわかってるけど、でもそれ、めちゃくちゃ焦らされんだってば。俺だって早く見たいんだよ?」
 腰を掴んだ手に相手の手が添えられたかと思うと、腰を掴む手を剥がしにかかられる。口調は柔らかだったのに、手に掛かる力は強かった。そして拘束が緩めばまた腰を揺すってくる。
「ぁあっ、ちょ、……見たいって、何、をですかっ」
 抱きつく腕のなくなった上体を起こし、揺れる腰を再度強く掴んだ。強く掴みすぎたのか、一瞬相手の顔が苦痛に歪んだ気がして、慌てて力を緩めたけれど、相手も諦めたのか再度手を剥がしに掛かることも、腰を揺すってくることもなかった。
「っそんなの、お前のヤラシイ顔、にっ、決まってる。俺に突っ込んで、気持ち良くなってイッちゃうとこ、見せてよ」
 お前ばっかり俺を二度もイかせてズルいと拗ねた口調で言われたけれど、その二回とも、相手のイキ顔なんて見ていない。まぁ、そういう話ではないって事はわかっているけれど。
「あーもう、目一杯優しくしたいこっちの気持ち折るようにそーやって煽るの、本当、酷いですよっ」
「だってもう目一杯、優しくされたもん」
「もん、とかクソ可愛いのどうにかしろ。じゃあもう、お望み通りがっついてあげますよ」
 こっちの顔見る余裕があったらいいですねと言いながら、素早く腰を引いて強く打ち付ける。
「ぅあっ!!」
 そのまま自分の快楽だけを追って腰を振り立てれば、ひっきりなしに高い声が上がった。
「あっ、ぁあ、ぁああっっ」
 声も、僅かな明かりの中に浮かぶ表情も、どちらもかなり苦しそうだけれど、こちらももう止まれない。
「も、イキます、よ」
 告げれば、辛そうに眉間を寄せてこちらを必死に見つめていた相手の顔が、一瞬柔らかにほころんだ。この状況で、そんな嬉しそうに微笑まれたら堪らない。
「ヤバすぎ」
 思わず零した呟きと共に、相手の中に思いの丈をぶちまける。正確には、さきほど装着したゴムの中だけど。
 吐き出してスッキリしてしまうと、次にやってくるのはなんとも中途半端な後悔だった。
 煽ってきたのは相手で、多分相手の望むままに振る舞ったはずで、でも本当はもっと優しくしたかった。性急に自分の快楽だけ貪るような真似はしたくなかった。いきなりでは難しいかもしれないが、相手のキモチイイだって探りたかった。さっき確かめた前立腺だって、優しく突いて擦ってしてみたかった。
 そんな気持ちがグルグルして、吐精した余韻に浸るどころか固まって動けなくなっていたら、相手が動いて力をなくしたペニスがズルリと相手の中から吐き出されてくる。確かに繋がっていたものが切られたような気がして寂しい。
「おーい」
 掛けられた声にハッとして相手を見れば、嬉しくて仕方がないという気持ちに苦笑を上乗せしたみたいな顔をしていた。その顔がぐっと近づいてきて、ギュウギュウに抱きしめられたかと思うと、わしゃわしゃと頭を撫でられる。
「わがままきいてくれて、ちゃんとがっついてくれて、ありがとな」
 きっとその言葉に嘘はない。本心なのだというのはわかるが、でも納得はできそうになかった。
「本当に、あんなのが、良かったんですか?」
「うん」
「全く気持ちよさそうじゃなかったですけど。というか、辛かった、ですよね?」
「まぁ体は初めてなんだから仕方ないよな。でも痛いのは殆どなかったし」
「やり方次第で、もうちょっと、貴方も気持ちよくなれたと思うんですけど」
「それはゴメン。次は俺も、お前だけ気持ちよくなってなんて言わないから、一緒に気持ちよくして?」
 次という言葉に、ああ、次もあるのだと思って少しだけ気持ちが浮上する。
「次、あるんですね」
「俺より若いんだから、そんな体力ないとか言わないだろ? ああ、もしかして一回だけで終わるつもりだったから、あんな必死に堪えて頑張ってたの?」
「え、次って、まさか今日の話ですか?」
「そうだけど。というか、お前の言う次って、またお泊りデートがあるかどうかって話なの?  お前の受験終わったらデートもセックスもいっぱいする気でいるんだけど、そんなつもりないとか言うなよ?」
 言いませんよと答えながら、抱きつく体を抱きしめ返した。
「でもなんか、抱かれる側の貴方が、セックスにこんな積極的なのめちゃくちゃ想定外だったんで、イマイチ信じられないと言うか」
「ああ、うん。それは確かに。俺も自分が抱かれる側で、こんなにお前欲しくなるって思わなかった」
 こんなイヤラシイ体にしたのお前だからね? 責任取ってね? と続いた言葉に、即座にもちろんですと返せば腕の中の体が楽しげに小さく揺れる。
「じゃ、も少し休憩したら、今度は二人一緒に気持ちよくなれるセックスな」
 その言葉通り、二回目は体を繋げてからの時間を大事にするようなセックスをした。お互い相手の快楽を煽りまくるようなことはせず、同時に果てられるようにと、快感の波を合わせていく作業はひたすら幸せだった。
 しかも更にその後、相手の手で、結局自分も三回目をイかされることになった。
 十分満足した後だったので全く必要ないのだが、彼によって植え付けられた過去のトラウマを、彼自身が随分と気にしているらしいのを知ってしまって拒否できなかったからだ。
 彼の手に反応するペニスを包み込んで扱きながら、二度もイッた後なのにすぐにこんなに硬くして淫乱でイヤラシイ体だと笑う顔は、あの日の蔑むような冷たいものとは全く違う。
 愛しくて仕方がないと言いたげな優しい顔だ。
「俺が何度だってこんなになるのは、弄ってくれるのが貴方の手だからですよ。俺を、淫乱でイヤラシイ体にしてるのは、今も昔も、貴方なんですからね?」
「そうだよ。だから、ちゃんと責任取らせてね?」
 ふふっと笑った顔がスススッと降りていって、まさかと思ううちにパクリとその口に咥えられてしまう。
 口内の温かさと、ぬめる気持ちよさと、くちゅくちゅと小さく響く卑猥な音。そしてなにより、若干潔癖気味な彼が口を使って愛してくれているという事実に。三度目だというのにあっと言う間に昇り詰める。
 なお、さすがに飲むのは無理だと判断した相手が咄嗟に顔を離したものだから、初お泊りデートの締めくくりに、意図せずして顔射を決めるというオマケが付いた。

<終>

ダラダラセックスにお付き合いありがとうございました。書いててとても楽しかったです!
予定していたオマケ話も無事書き上がりました〜
オマケを読む→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

親友の兄貴がヤバイ18

1話戻る→   目次へ→

 晒されたアナルへペニスの尖端を押し当て、ゆっくりと体重をかけていく。視線はどうしたってその場所へ注いでしまうが、そんな自分に相手の視線が注がれているのは気配でわかる。
「んっ……」
「うぁ……」
 押し込む力に従いじわりと広がっていたアナルに、とうとう亀頭の張り出した傘部分がズリと入り込めば、息を詰めるような声が耳に届いた。同時に自分も、亀頭を包み込むキツい締め付けに吐息を零す。
「はい、った」
 安堵するような相手の言葉に疑問符はない。
「まださきっぽだけですよ」
「うん」
 はにかみながらの短い肯定は、どことなく嬉しげだ。しかもまた、なんだか幼く見えて随分と可愛らしい。
 そう思ったら、下半身が正直に反応した。
「ふはっ」
「うっ……」
 驚きと笑いとが混ざったような息を零した相手が、キュッとその場所を締め付けてくるものだから、こちらも堪らず呻いてしまう。
「早く奥まで入れたいんだろ? 我慢してないで入っておいで」
 苦笑混じりの甘い誘いに、大きくしたのは早く突っ込みたくて焦れたからではないのだと、そんな訂正はしなかった。代わりに、痛みはないかと確かめる。
「うん、まぁ、なんとか大丈夫っぽい、かな。だからいいよ」
 もう一度おいでと誘われて、またゆっくりと腰を押し付けていく。既に一番太い部分を抜けているので、それは加えた力のままヌプヌプとアナルの奥へ沈んていった。
 だから力任せに押し込んでしまわないよう気をつけながら、少しずつ馴染ませるように奥へと進んでいく。痛いのを嫌がって自分で慣らすような真似をした恋人に、なるべく痛みを与えず繋がりたかった。
「は、……ぁ……ぁあ……」
 それでも押し入るごとに、細い息が漏れ聞こえる。感じているのがわかるような色のあるものではないが、取り敢えずは辛さを訴えるような苦しみの乗った声でもなさそうだ。
「くっ……んん……」
 意識的にか無意識にかわからないが、キュウキュウと締め付け蠢く内部に、こちらも時折動きを止めて漏れかける息を噛み殺した。
 薄い膜越しにもわかる、彼の内側の熱。繋がる場所から流れ込んで、自身の体温も確実に上昇している。のぼせそうだと思った。
「全部、入り、ました、よ」
 相手の臀部に自分の腰が密着する頃には、随分と息も上がっていた。
 ホッとしつつ窺い見た相手も、上気させたほの赤い頬と潤んだ瞳でこちらを見返していたが、その表情は色々なものが入り混じった様子でなんとも微妙だ。
「大丈夫、ですか?」
「ん……」
 問えば小さく頷いて、少しの逡巡の後、両腕を広げるようにしながら伸ばしてくる。来てという声はなかったが、多分そういう意味なのだろうと思って、なんだろうと思いながらも上体を相手に寄せた。
「えっ、ちょっ……」
 待てないとばかりに肩を掴まれたかと思うと、思いの外強い力で引き寄せられて抱きしめられる。
「お前……おまえ、さ……」
 耳の横で吐き出される、感極まって切羽詰まった様子の声は、少しだけ涙声だ。正直意味がわからない。
「はい」
 それでも聞いてます、聞こえてますという意味と、先を促すつもりで短く言葉を返した。
「好きだ」
「えっ?」
「好きだよ。お前が好きだ」
「俺も、好きです」
 意味のわからなさは益々加速した感じがするが、それでも応じるように好きだと返す。しかしそれは、益々相手の涙を誘ったらしい。
「うん。わかる」
「あの、なんで泣いてるんですか? 痛いとかじゃない、ですよね?」
「ん、痛く、ない」
「じゃあ、なんで……」
「お前が、俺を好きだから」
「は?」
「本当に、俺を大事に抱いてくれてるの、わかるから。お前が苦しそうに、我慢しながら、俺を気遣ってゆっくり入ってくれたのが、なんかもう、たまんない」
 もっとがっつけよ、なんて泣き声で言われても苦笑するしか無い。
「凄い煽ってきますけど、がっついて痛いって泣かれたら、それこそトラウマになりそうなんで」
「お前はもっと下半身に正直でいいと思う」
 繋がっている場所から、相手にもこちらの状態は筒抜けらしい。こちらの締め付けが強くなったと感じるのと同じように、相手も煽られたこちらがまた大きくしたのを、その体で感じているんだろう。
「ちょ、っと、……腰、揺すんないでっ」
 だからって、これは些か煽り過ぎじゃないかと思う。
 抱かれるの初めてのくせに、自分で腰揺すっておねだりとか、随分と淫乱なんじゃないですか?
 そう言ってやりたい気持ちをグッと飲み下す。この人に淫乱な体だと言われて傷ついた過去は確かにあるが、それをここで持ち出してやり返すのはあまりに子供じみている。
 しかもきっとこの人は、淫乱だと罵られることよりも、やり返されたことに傷つくのだ。
「傷つけたく、ないんですってば」
 相手の腰をガッチリ掴んで動かせないようにして、憤りごと吐き出した。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

親友の兄貴がヤバイ17

1話戻る→   目次へ→

 深いキスを相手から貰うのは初めてだ。自分の舌を相手の口の中に突っ込んだことはあっても逆はなかった。
 口の中を舐められるという初めての感覚に肌が粟立つ。
 それは乱暴とまでは思わないが、決して優しいキスでもなかった。珍しい。というかこれは一体どういう事だ?
 思いの外激しく口内を探られ、混乱しつつも必死で応じている中、ゆっくりと相手の体重が伸し掛かって来る。
 支えきれずに後方へ身を倒したが、相手の手が背中を支えてくれたので、倒れ込む衝撃は軽かった。というよりも、これはどう考えたって、優しく押し倒されたという状況だろう。
 さすがにどういうつもりか聞こうと、相手の両肩へ手を当て相手の体を押し返そうとすれば、するすると簡易寝間着の上を滑り降りた彼の手に、ギュッと股間を握り込まれて声を上げた。
「ぅあっっ!」
「なんだ。ちゃんと、勃ってんだな」
「何言って、というか手……」
 彼の手はまるで形と大きさを確かめるかのように、布の上からゆるゆると擦ってくる。焦れったいような刺激でも、散々待たされていたその場所には強すぎるくらいで、続けられたら結構あっけなく果ててしまいそうな気がする。
「実は、気負いすぎて勃たない、みたいな事になってんのかと思って?」
「勃ってますよ」
「うん。やっぱ昔よりこっちも育ってそうだ。なぁ、直接、触って欲しい?」
「むしろ手を放して欲しいですけど。貴方の手に直接弄られたら、間違いなくすぐに出ちゃいますよ? というか手、放してくれないとこの状況でもかなりヤバイんですが」
「それは嫌? トラウマ、思い出しちゃう? てかさ、どの程度までなら俺から仕掛けても、お前平気なの?」
「どの程度?」
「焦らしまくるお前に、焦れきった俺が襲いかかったら、お前に新たなトラウマを植え付けんのかなって」
 つまりは襲いかかりたいくらい、既に焦らされ切ってるという訴えだと思って良いのだろうか?
「まぁ、まどろっこしいから俺が抱くとか言って、慣らしてもない体に突っ込まれたら、新たなトラウマになりそうですね」
「そういう襲うじゃない!」
「わかってますよ。俺のを勃たせて、貴方がその上に自分から乗ってくれるとか、そういう方向の襲うだったら歓迎します。恋人が積極的に求めてくれたら、普通に嬉しいです」
 でも、と続けて言葉を切れば、続きを促すように相手も疑問符をつけてその音を繰り返す。
「でも?」
「今日はこれ以上焦らす気もないですし、初めてはやっぱり奪われるより奪いたい側です」
 貴方のバックバージンを奪いますという気持ちを込めつつにっこり笑って見せてから、ゴム取りたいから一度どいて下さいと頼めば、苦笑とともに体の上に乗っていた重みが引いていく。しかしそれに合わせて起こそうとした体は、相手の手で制されてしまった。
「俺が取るよ。でもって、着けさせて」
「えっ?」
「その程度の刺激でもイッちゃいそう?」
 先程枕の下から引っ張り出したゴムを素早く手にした相手は、その素早さでさっさと開封している。しかも視線が、はやく脱げと言わんばかりだ。
「え、や、それは、わかりません。けど、いったい……?」
「ちょっと育ったお前、見てみたくなっちゃった。というか見ておかないと不安。なんか、思ってたより大きい……ような、気がする」
 それは見てしまったら余計に不安になるのでは? と思いながらも、成長期前の中学生サイズを突っ込まれる気でいたんですかと苦笑する。
「そこまで失礼なことは思ってないけど、だってお前の、俺よりデカくない? あっ、おいっ」
 苦笑しながら身を起こし、相手の手からサッとゴムを奪い取る。
「サイズにそう違いはないです。自分のも貴方のも握った俺が言うんだから大丈夫。自分で着けますから、貴方は横になって目を閉じて、足開いて待ってて下さいよ」
「え、やだ。大丈夫に思えない。つか最後の、余計不安煽ってるよな?」
 わざとか聞かれてわざとですと笑ってやれば、相手の手が今度は寝間着に伸びてくる。黙って脱がされて、本当にたいして彼のと大きさの変わらない、反応しきったペニスを見せてやって、結局彼に見守られながらゴムを装着した。その上にたっぷりローションを垂らして、準備は終わりだ。
 顔を上げれば、相手はまだ股間を見つめている。彼の周りに色濃く漂う、緊張の気配を感じ取らずにはいられない。
 彼だって抱かれるのは初めてなのだ。わかっているようで、やっぱりわかってはいなかったのかも知れないと、その気配に改めて思い知る。
 名前を呼べば、ハッとしたように顔を上げるから、怒ったような顔になっていたら申し訳ないなと思いながら、出来る限りの優しい気持ちで。
「大事に、抱きます。だから貴方の中に、入らせて下さい」
 ん、と頷きそっと視線を落とした彼が、ゆっくりとベッドに仰向けになり、おずおずと足を開いていく。
 ゴクリと自分の喉の鳴る音が聞こえた。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

親友の兄貴がヤバイ16

1話戻る→   目次へ→

 中を探りながら少しずつその場所を拡げていく。指を一本増やせば、さすがに苦しそうに呻いた。それでも痛みなどはなさそうで、少しずつ慣れても居るのか、時折甘やかな吐息も漏れている。とはいっても、甘い吐息の発生源はアナルの中ではなく、同時に緩く握って扱いているペニスの方だとは思うけれど。
 顔はまた腕によって隠されて、前立腺ばかり弄られることを受け入れたのか諦めたのか、責めたり非難される言葉はもうない。これ以上は可愛い禁止も、つい溢れて繰り返すうちに、結局曖昧になって許されている。
「んっ、んっ、ぁ、はぁっ」
 もどかしそうな声と、小さく揺れる腰。かなり控えめではあるものの、突き上げるように腰を浮かす仕草に、ペニスへの刺激をねだられているのだと思った。なので、腰が浮くのにあわせて握り込む手に少し強めの圧を加えてみる。
「ぁあんっ、はぁあん、もっ……ぅう……」
 はっきり嬌声とわかる声があがって、多分もっとと零しかけた。
「もっと?」
 途切れた言葉を拾うように問いかければ、違うと言いたげに首を振る。本当かと問いを重ねれば、今度は肯定するように首を縦に振った。
 意地が悪いのは承知で、強く握ったまま動かして、グチュグチュと音をたててやる。
「あ、あっ、あああ」
 高い声が響いて、連動するようにアナルが締まる。きゅうきゅうと蠢くさまが、もっと奥へと誘うようでイヤラシイ。
「前強く擦られたら、後ろ弄られながらでも、ちゃんとキモチイイ、ですよね? 気持ちいいの、隠さないで教えて下さい。もっとしてって、おねだり聞かせてくださいよ」
 ペニスもアナルも刺激を止めて、相手の言葉を待つ。余裕を奪って追い詰める前なら、おねだりを聞かせてというこちらのおねだりに応えてくれたかもしれないが、さすがにもう、素直にもっとしてと言って貰えるとは思っていないけれど。
「イイっ、きもちぃ、からっ。も、やめて。前、さわんないで」
 そんなおねだりは恥ずかしくて出来ないと、そう返るのだろうと思っていた。
「キモチイイ、から、触らないで?」
 接続助詞がおかしい。意味がわからないと思いながら、相手の言葉を繰り返す。
「強く、されたら……」
 迷う様子の後、またイッちゃうよと躊躇いがちに告げられた理由に、口元がにやけるのを自覚せずにはいられない。何だその理由。
「イッていいですよ?」
「やだっ」
「どうして? いっぱい、気持ち良くなって貰えたら、凄く嬉しいですけど」
「俺ばっか、やだって、ば。初めてで、きもちぃとか、なくていいって、言った、ろ」
 痛くてもいいからもう入れろと続いた言葉を無視して身を屈めて、手の中の屹立に頭を寄せた。
「ぁあああ、ばかっ、ちょ、やだぁぁあ」
 亀頭にぢゅうぢゅう吸いつきながら、握った竿部分を強めに扱く。アナルへ埋めた指先に触れる前立腺も、ペニスを擦るのと同じようなリズムで擦り続けてやった。
 けっこう本気で嫌がっているっぽいのは逃れるように揺すられる腰の強さでわかったけれど、押さえつけられない程の激しい抵抗ではなかったから、そのまま続けてしまう。
 やだやだイッちゃうと繰り返す声に、口を離してどうぞと返すことはしなかったけれど、促すように尖端の窪みへ舌を這わせた。
「やぁああああっ」
 先ほどとは逆に、ビクビク震えるペニスから吐き出されてきたものを舌で受け止め、キュウウッと窄まるアナルの締め付けを埋めた指で感じとる。
「ほんとに、飲んだ、の?」
 口の中のものをコクリと飲み下せば、まだハァハァと荒い息を吐き続ける相手が問うてくる。いつの間にか顔の前の腕は外されて、不安そうにこちらを見つめていた。
「ごちそうさまです」
 言いながら軽く口を開けて舌を出し、口の中に何も残っていないことを見せつければ、相手は困ったように苦笑する。
「お前、強情すぎだろ」
「そうですか?」
 はぁあと大きく息を吐いた相手に、ちょっと一旦指抜いてと言われて素直に従えば、のそりと体を起こして顔を近づけてくる。明かりを絞っているせいで暗いから、顔を近づけてこちらの表情を窺っているのかもしれない。
 さすがに戸惑えば、相手の苦笑が深くなる。
「自分が突っ込むより、俺を弄り回すほうが楽しい?」
「怒ってます?」
「怒ってないよ。でもちょっと、お前に抱かれる覚悟の方向性、間違えてたかなとは思ってる。セックス経験ないって男に抱きたいって言われたらさ、早く童貞捨てたいんだ、突っ込みたいんだって、思うよね?」
「突っ込みたいって、思ってますよ」
「うん。でもそっちより、俺を喘がせて善がらせてイかせる方が、お前の中で優先されるんだなぁって。さすがにそこはちょっと予想外だったというか、認識が甘かったというかでさ」
「まぁ俺も、昔貴方にむりやり感じさせられているので」
 そしてやり返そうと縛ってむりやりに触れた時には、感じてもらえず失敗したので。
 自分の欲より、相手が反応してくれる方を優先したのは確かだ。しかも受け入れて喘ぐ姿も、やだやだ言って嫌がる姿でさえも、彼の見せる何もかもがめちゃくちゃ可愛かったし。
「そうだよな。てことはやっぱ、復讐、してたの?」
「ちがっ!」
「違うの?」
「違います。そういう認識で嫌がる貴方を感じさせてたわけじゃないです。すみません。可愛すぎて抑えが利かなかっただけです。本当に、すみません」
「復讐されてたわけじゃないなら、いい。だからさ、もういい加減、突っ込まない?」
 お前と早く繋がりたいよ? なんて可愛らしく言われたら堪らなくなって、目の前の顔を引き寄せ口づけ……るのをどうにか堪えて頭を離す。
「どうした?」
 不安と不満が少しばかり入り混じった不思議そうな声に、一度グッと奥歯を噛みしめる。
「あなたの、飲んだばかりなので。俺は美味しいって思えそうなくらい嬉しかったですけど、でも、そんな口でキスされるの、嫌でしょう?」
 もう一度歯を磨いてきますと言ったら、フッと小さく笑った相手に引き寄せられて唇が塞がれた。
「嬉しかないけど、後ろ舐められた後の口ほど、拒絶感無いから大丈夫」
 囁くように告げて再度押し付けられた唇の隙間から、ちろりと差し出された舌がペロリと、こちらの閉じた唇を舐めて誘う。誘われるまま唇を解けば、そのまま相手の舌がぬるりと入り込んできた。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

親友の兄貴がヤバイ15

1話戻る→   目次へ→

 中を洗ってくるくらいだから、自分でそこを弄って拡げる訓練をしていたとしても、なんら不思議はない。ローションを絡めた指をあっさり二本受け入れたそこは、洗って緩んだだけではなく、異物の侵入にやはり多少は慣れているんだろう。
 ハフハフと喘ぐような浅くて荒い呼吸が続いているが、指を埋めていく時に、息を詰めて体を強張らせるようなことはなかった。
 明かりを絞ったせいももちろんあるが、顔の前に置かれた彼の腕のせいで、顔の半分以上が隠れてしまって表情などはわからない。それでも、痛みを感じる様子や、辛くて仕方がないという様子はなさそうだ。
「ふぁっ、んんっ」
 多分前立腺と思われる場所を指の腹が掠めれば、少し高めの声が漏れた。
 口は押さえないで。苦しいのも、気持ちいいのも、隠さないで。声を聞かせて。
 そう頼み込んだ結果、彼の腕は口ではなく目元部分を隠している。まぁこれは、再開した直後、向かい合って横になったまま相手の股間にローションをまぶした手を突っ込み、相手の顔を見つめながらアナルを解そうとしたせいでもある。
 恥ずかしいから止めろ、ライト点けたんだから顔は見るなと結構強めに抵抗されて、結局自分だけ起き上がって先ほどと同じように開かせた足の間に座っていた。ちなみにその前段階で、こちらに背を向けて貰い、背後から慣らすというのも試すには試した。
 指を一本埋め込んで、ほんのりと赤く染まるうなじから背中にかけてチュッチュとキスを繰り返し、空いた片手を抱き込むように前に回して胸の先やペニスやら感じやすいだろう場所を同時に弄っていたら、やっぱり後ろからは嫌だと割合すぐに止められてしまった。しかも、何度も可愛いと繰り返し告げていたら、これ以上可愛いと言うなとも言われた。さっきは、可愛いって言われて嬉しい事にビックリするねと、ふにゃりと笑ってみせたくせに。
 どうしてですかという問いかけには、どうしてもとしか返らなかったが、ずっとこちらを気遣いアレコレ言い難いような事まで全部教えてくれていた相手が、だって嫌だとむずかる様子が新鮮で、可愛すぎて、理由を聞くことは諦めた。
 恥ずかしさが限界を超えたと言ってからの彼は、どんどんと幼さが増していく気がする。元々持ち込めないと言いつつも、なんだかんだで見せ続けていた年上の余裕が、とうとう維持できなくなった状態がこれなのかも知れない。
 この人は一体どこまで可愛くなるんだろうと思いながら、指が掠めて声の上がった場所に、意識して柔らかに触れてみる。
「ふあぁっ」
「ここ、どうですか? 前立腺、自分で弄ってみましたか?」
「ぁ、あっ、やぁっ」
「慣れないと違和感しか無いって聞きますけど、キモチイイ、わかります?」
「ゃ、っあ、やだっ、そこっ」
「痛いですか?」
「いた、くないっ、けどっ」
「痛くないけど善くもない、ですかね」
「わ、っかんな、ぃ」
 この様子だと、自分で弄っては居なかったのかもしれない。ついそれを口から零したら、なんで自分で弄ってる前提なんだと、途切れ途切れに怒りの滲むような声が届いた。声が途切れ途切れなのは前立腺への刺激を続けているからで、怒っているように聞こえる声は多分本当には怒ってなくて、きっと恥ずかしいんだろう。恥ずかしさから口調がキツく荒れて居るのだと、教えて貰わずともさすがにもうわかっていた。
「そんなの貴方が、俺に抱かれるための準備を色々してくれてるからですよ。どこまで自己開発しちゃったのか、気になるじゃないですか」
「いたい、の、やって、だけ。きもちぃとか、そこまで、ない」
 痛いのが嫌で抱かれる準備を自分でしていたのか。乱暴にされたら萎えちゃう系とも言っていたし、実際縛った状態でペニスを弄っても反応しなかった人だから、痛いのが嫌だという言い分はわからなくもない。
 脅されたにしろ一度は犯されることを了承してもいるのだけれど、あの時、無理矢理に抱いてしまわなくて、本当に良かった。
「初めて、で、きもちぃとか、夢みすぎ。お前が、無事に突っ込めて、繋がれたら、今日はそれでいい」
 指の刺激を止めれば、幾分はっきりとした言葉が聞こえてくる。顔の前の腕もどかされて、まっすぐな瞳がこちらを見つめているのが、小さなライトの明かりでもはっきりわかった。
 せっかくグズグズになった年上の余裕が、また少し頭を擡げてしまったようだ。
「まぁ、初めてのセックスに気負いすぎてるのも、期待しすぎてるのも、自覚はありますが、思った以上に成功ハードル低いですね?」
「初エッチ失敗すると、けっこー引きずる。抱く方も、抱かれる方も」
「それは経験則ですか?」
「一般常識」
 さすがに嘘だと思ったけれど、恋人の過去の経験をあれこれ聞かないのは一般的なマナーかなと言う気はしたので、互いに小さく笑って終わりにした。
「でも、知識はありますよね?」
 また緩く前立腺を刺激しつつ問いかける。
「んぁっ、…ぁ、なに、の?」
「ここで、というか、前立腺で気持ちよくなれるって事の」
 だからもう少し弄らせてくださいねと言いながら、少しずつ触れる角度や強さを変えていく。
 一度グズグズになった余裕はやはり簡単には戻らないようで、すぐにまた可愛らしい声を上げながら、前立腺ばかり責めることを嫌がられ非難された。けれどそれを宥めてあやしながら、少しでも快楽の声を引き出せないかと探る行為は、楽しくて仕方がなかった。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

親友の兄貴がヤバイ14

1話戻る→   目次へ→

 言われた通り歯を磨いてバスルームを出たら、部屋の中は随分と暗くなっていた。小さく灯る明かりは、二つのベッドの間に置かれたサイドテーブルのフットライトだけだ。
 バスルームのドアを閉じてしまえばかなり暗い。少しだけ目が慣れるのを待って、それから彼の待つベッドへ近寄っていく。
 先程自分が彼を待っていた時と、今度は立場が逆だった。彼は身を起こしてベッドに腰を掛けていたから、その隣に腰を下ろす。
「謝ったほうが、いいですか?」
 怒らせたとは思っていない。ただ彼の覚悟になかったことをしたのだろう自覚はあった。待って嫌だ止めての言葉を、強い抵抗がないからと無視したのも事実だ。
「怒っては、いない。かなり色々、ビックリした、だけで」
「驚かせて、すみません」
「自分からフェラしたがったりもだけど、お前、口ですることの抵抗感、あんまないのな。一応聞くけど、舐めて慣らすのが当たり前とか変な知識でやってないよな? ローションとか使う気ある?」
 持ってきてないならこれ使ってと差し出されたボトルに、初めて彼がそれをずっと握りしめていたことに気づいた。暗さに全く気づいていなかった。
「大丈夫です。ゴムも、ローションも使います。ちゃんと持ってきてます」
 慌てて先程枕の下に仕込んだゴムとローションとを、枕の下から引っ張り出して彼に見せる。そんな仕込みを明らかに笑われた気がするが、相手の緊張が緩んでこちらもホッと息を吐く。
「なんか見たこと無いローションだな」
 彼の握っていたローションはごくごく普通のというか薬局にも並んでいるような有名な品だったが、自分が用意してきたのは確かにそこらで買えるようなものじゃない。クリスマスお泊りデートが決定したときにこっそり通販した。年齢はギリギリセーフだが、多分高校生という身分で手を出すのはアウトな品だ。
「まぁ、アナル用なんで」
 暗いので見えにくいのかと、アナル用とわかるラベルを彼の目の前に近づけてやった。
「うぇっ!?」
「買いました。通販で」
「そ、そう、なんだ」
「貴方を抱きたいって言うばっかりで、どう抱くつもりか、そのために何が必要か、貴方にどうして欲しいのか、そういうの全然話し合わなくて、すみません」
「いやそれは、俺も、聞かなかったし」
 お互い様だろと言ってくれるが、まったくそうは思えない。どこまで行っても、彼の負担が大きい現実とぶち当たる。
「アナル舐められるなんて、思ってもませんでしたよね?」
「汚いと思わないのかって衝撃はあるけど、そこ使って愛し合う以上、そういうのもありなんだって、頭では理解、してる。お前は最初っから男が性愛対象なわけだし、多分、俺が女の子を舐めれるのと、気持ち的にはそう大差ないんだろうとは思う。でも自分に重ねると、そんなとこ舐めんの絶対無理だって思うから、メチャクチャびっくりするし、どうしても汚いって思う。本当、ゴメン」
「謝らないでいいです。それと、俺だって相手と場合によります。男のなら誰のでも舐められるわけじゃないですし、というか正直あなた以外無理ですし、さっきのだって、貴方があんまり可愛いことしてるから、思わずって感じでしたし」
「可愛い?」
 思い当たることがない様子で聞き返されたので、中まで綺麗に洗ってくれてますよねと確認するように返した。
「えっ、嘘、なんで?」
「それ、なんでわかるのかって聞いてます?」
 理由を教えたら、恥ずかしすぎるんだけどと呟きながらがっくりと項垂れてしまう。
「俺が抱きたいとしか言わなかったせいで、自分でいろいろ調べて、一人で頑張ってくれたんだって思ったら、なんかもう堪らなくなって、可愛くて、愛しくて、汚いなんて欠片も思わず舐めてましたよ。しかも、ビックリして声を抑えるの忘れた貴方が、嫌だとかダメだとか言いながらも可愛い声を聞かせてくれたから、嬉しかったのもあって止めれませんでした。というか正直、まだ舐め足りないくらいの気持ちで」
「うん待って、無理」
 つい正直に言い募ってしまったら、項垂れた姿勢のまま強い声に遮られてしまった。
「ああ、はい。歯も磨いて来ましたし、さすがにこれ以上アナル舐めする気はないです。でもセックスそのものを諦める気もないです」
 もう一度キスから初めていいですかと問えば、項垂れたままの顔をこちらに向ける。
「俺イッたしもう終わり、とか言う気はないんだけどさ、明かりこのままでも、いい?」
「暗すぎません?」
「だって恥ずかしさが限界超えた」
「その理由可愛いんで頷いてあげたいところですけど、見えない中でちゃんと出来る自信がありません。もしこの暗さでするなら、気持ちいいか痛くないかを見逃さないように、ずっと貴方の顔を近くで見つめちゃいますけど。それは恥ずかしくないんですか?」
「恥ずかしいに決まってるだろっ!」
 結局、サイドテーブルの上に乗ったライトを点ける許可をもらって、再度ベッドに並んで横になった。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁