せんせい。12話 追う

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「ゴメンな」
 その言葉だけで、今泉には美里の選んだ相手がわかったのだろう。何も言わずに頷かれて、美里もまた、何も言わずに保健室を後にした。
 休み時間の廊下には教室を移動する生徒の姿があるものの、つい今しがた保健室を出て行った雅善の姿は既に見えなくなっていた。
 職員室へと向かいかけて、けれどもしかしてと化学準備室のドアを引けば、やはり鍵が掛けられていない。教師が在室していない実験室のドアを、開け放したりすることはない。間違いなく、雅善はここにいる。
 室内に踏み込み、しっかりとドアを閉めてから、美里は中へ向かって声を掛けた。薬品棚が並んでいるので、入り口付近からでは奥の方まで見渡すことが出来ないのだ。
「ガイ、居るんだろう?」
 返事はなかったが、美里は確信を持って部屋の奥へと歩を進める。
 雅善は奥に置かれた机の前に腰掛けていたが、美里がその背に迫っても振り返ることを拒んで居るかのように、ジッと身動きすらしない。
「俺の話を聞いてくれないか?」
 半ば願うように、その背に声を落とした。
「わざわざ言い訳か? そんなんせんでも、昨日のことも、今日のことも、言いふらしたりせんわ」
「そんなことを言いに来たんじゃない。ガイに、告白しに来ただけだ」
「コクハク、やて?」
「そうだ。ガイが好きだ」
「何言うてんの? 自分、いい人おるんやろ?」
「アイツは、違う」
「ほな、好きでもなんでもない相手とキスしとったってことやな?」
 ガタンと激しい音を立てて立ち上がった雅善が、振り向き美里を睨み付ける。
「もうたくさんや! ワイを好き? だから何や。それで昨日んこと許して貰えるて思っとるんやったらお門違いもはなはだしい」
 突きつけられる言葉は当然のもので、美里はほんの少し苦笑して見せただけだった。
「昨日のは……ガイが悪い」
「は?」
「こんなに好きで好きで仕方がないのに、今更ただの教師と生徒に戻れなんて言うから」
「アホか!」
「アホなんだ。それが俺のワガママで、単なる気持ちの押し付けで、本当はガイは全然悪くないどころか、教師としてあたり前のことをしてるだけだって、ちゃんとわかってるけど、な」
 ただ、それらを理性で押さえ込んでしまえるほどには利口じゃないのだ。大事な物を取り上げられて黙って見て居られる程、理性ある大人でもなく、実行力のない子供でもない。
 いきなり襲いかかって犯そうとしたことに対しては、申し訳ないことをしたと心から思っているけれど。
「だから、この告白は俺のケジメみたいなもんなんだ」
「ケジメ……?」
「昔も今も、ガイが好きだ。けど、ガイにとって迷惑でしかないなら、俺が諦められるように、きっぱり振って欲しい」
「ほいで、振られた後はさっきのアイツんとこへ行こうって? 自己満足のためだけの告白に付き合えとは、益々最悪な男やな」
「自己満足には違いないが、アイツの手を振り切ってここへ来た以上、アイツの所には戻れないし戻る気もない。それに、たんなる自己満足だとしても、俺がそれでガイを諦めれば、もう二度とあんな風に襲われることもなくなるんだから、ガイにとってもそう悪い話じゃないだろう?」
「今度は脅迫か? ワイにとっても悪い話やない? ああ、そうやな。無事に何事もなく高原先生が戻って来られるまで臨時の教師として務めあげる気なら、一生徒の思慕で押し倒されそうになっとる場合やないもんな」
 美里を睨みつけていた視線を外して、雅善は忌々しげに「クソッ」などという言葉を吐き出している。
「何をそんなに苛ついてるんだ……?」
 思わず掛けてしまった疑問の言葉に、雅善はますます忌々しいとでも言うように眉間に皺を寄せた後。大きな溜息と共に、椅子の中へ崩れ落ちた。
「ガ、ガイ!?」
「ホンマ、最悪……」
 脱力しきった体で呟かれる言葉。嫌いだとか諦めろとか言われたわけではないけれど、これ以上雅善を悩ませるのは忍びなくて、美里は謝罪と共にもう迷惑は掛けないと告げるつもりで口を開く。
 けれど言葉として発するより先に、雅善が言葉を続けた。
「なぁ、後ほんの半年足らずで、ワイら教師と生徒っちゅう関係から開放されるてわかっとる?」
「え……?」
「ワイは一度引き受けた仕事、途中で放り出したりしたないねん。せやから今は、河東に一人の生徒として以上の気持ちは向けられへん」
 『今は』 という部分をことさら強調して告げられた言葉に、さすがの美里も雅善の気持ちを理解しないわけにはいかない。
「迷惑掛けて、すみませんでした……」
「わかれば、ええよ」
 今は受験勉強を頑張れと、ようやくの微笑で見送られながら、美里は一つの決心を胸に化学準備室を後にした。

 

 

**********

 卒業証書を手に、美里は化学準備室のドアを叩く。
 ここに雅善が居ることはわかっていた。ここで、自分を待っているという確信に満ちた思い。
 中から聞こえるどうぞと言う了承の言葉に、深呼吸を一つした後で部屋の中に踏み込んだ。入り口から真っ直ぐ正面に位置する窓の前。雅善は身体を半分窓の外に向けた格好で、美里を振り返った。
 二人とも真剣な表情で見つめ合う。
 雅善からの言葉を待って動けない美里に気付いたのか、先に動いたのはやはり雅善の方だった。
「卒業、おめでとう」
 久々に見る、自分にのみ向けられる笑顔。そしてようやく、美里も笑顔を返した。
「ありがとう、ございます」
 それでもやはり、一度作ってしまった教師と生徒という壁が一気に崩れることはなく、もどかしさが胸を打つ。
「ワイからの卒業祝い、いるやろ?」
 さすがに卒業式当日の今日は白衣を着て居ない雅善は、スーツの内ポケットを探ると一枚の紙切れを取り出し、取りに来いと言うようにピラピラと振った。
 誘われるままに部屋の奥へと進んだ美里に差し出された紙の上には、住所と電話番号が一組記されている。
「これ……」
「ワイの住所と電話番号」
「いいのか?」
 最初は毎日学校で会えることに気を良くして聞きそびれ、ただの教師と生徒として接するようになってからは聞けずにいた。
「欲しいなら、ええよ」
 ゆっくりと告げられる短い言葉の中に含まれた気持ちに、気付けないほど鈍くはない。それでもやはりここは校内で、卒業式を済ませたとは言っても、まだ教師と生徒という立場から開放されてはなく。
「ずっと、欲しいと思ってた。ありがたく貰うよ」
 明日お邪魔してもいいかな。と恐々問えば、一瞬息を飲んだ後で、それでも了承の返事が返った。
 ホッとして笑えば、照れた顔で笑い返される。
 明日になったら、溜めていた気持ちを全て吐き出すつもりで、好きだと告げよう。

<END No.1>

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せんせい。11話 追わない

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「今追いかけないと、確実にあの人は手に入らないぞ?」
 どんな気持ちで今泉はその言葉を吐き出しているのだろう?
 心配気な声に、美里は軽く首を振る。作ろうとした笑顔は失敗して、今泉に余計心配そうな顔をさせてしまったが、それは仕方がないだろう。
「いいんだ。お前の言う通りだからな」
 追いかけても、きっと美里が望む形で、雅善を自分のモノにはできないだろう。大切なものを自分の手で傷つけてしまう前に、その手を放せるにこしたことはない。
「どっちにしろ、俺の手には入らないさ。それに、お前に付き合うのも、意外と楽しいかも知れないと思って」
 2年半もの間を共に同じ部の中で過ごしてきた相手で、友人としては充分に好意を抱いている相手なのだ。
 向けてくれる気持ちにも、先ほどのキスにも。嫌悪感は湧かなかったし、きっと、その気持ちに応えられる日が来るだろうという予感めいたものがある。けれどそんな美里の気持ちまでは計りきれない今泉は、自嘲気味な笑みを口元に浮かべただけだった。
 それに気付いて、美里は今度こそしっかりと笑って見せた。
「心配しなくても、ちゃんとお前を、好きになるよ」
「本気で、俺をそういう対象として見れるって言うのか?」
「ああ。さっき、キスだってしただろ?」
 サッと軽いキスを掠め取ってから、美里は片目を閉じて見せる。
「というわけで、取りあえずデートでもしてみないか?」
「デー……ト……?」
「ま、普段出掛けるのと大差ないかもしれないけどな。気持ちや心構えが違えば、何か変わるかもしれないし。そういうのも含めて、お前と付き合ってみるのも面白そうだと思ったんだ」
 お友達から宜しくお願いします。って感じだよなと笑う美里に、今泉は小さく溜息を吐き出した。
「お前って、そういう奴だよな」
 返される言葉には充分予測がつくだろうに、口にせずにはいられないという様子だ。それは美里の方も、当然了承済みの付き合いの長さな訳で。
「そういう所も、好きなんだろう?」
 今泉の予測通りの言葉を、予測通りの口調でもって告げてやりながら。この友人としてのいい関係を崩すことなく、恋人としての新しい関係を作っていけたらいいなと願った。

 

 

**********

 サッカーで選ばなかった大学には、同好会に毛が生えた程度のクラブしかなかったが、楽しむためのサッカーをするにはそれで充分だった。
 1年でありながらあっさりレギュラーの座に就いた美里と今泉は、初の練習試合にも気楽な調子で挑んでいたのだが、高校時代に培ったコンビプレーによって、対戦成績が今ひとつのチーム相手に快勝したとなれば、先輩達の機嫌はすこぶる良くて。殊勲賞だのなんだのと言いながら、試合後には食事を奢ってくれた。
 膨れた腹を抱えて帰路につく。さすがに同居にまでは踏み切らなかったものの、大学入学と同時に家を出て、隣り合った部屋を借りた二人が向かう建物は同じだ。
「じゃあ、また後でな」
 部屋の前で立ち止まった美里にそう告げて通り過ぎようとする今泉の腕を、美里はすかさず伸ばした手で掴む。
「え、おい!?」
 抗議の声を上げる今泉を気に掛けることなくドアの鍵を開けた美里は、そのまま今泉を玄関先へと引きずり込んだ。
「何サカッてんだか」
 呆れた口調に、出来る限り余裕の笑みで返しながら。
「サカッてんのはお互い様だろ?」
 閉じたドアに背中を押し付けて、そのまま玄関先でキスを奪う。密着させた股間の昂りは、同じように硬さを増した今泉のソレとぶつかりあった。
 小さなうめき声と、続いて吐き出される熱い吐息。唇の先で受け止めながら、美里は口の端に小さな笑みを浮かべる。
 色っぽいだとか可愛いだとか、そんな言葉を嫌っているのを知っている。確かに、普段の彼であれば自分同様カッコイイという表現が一番似合うのだろうが、それでもやはり、こういう時に今泉が無意識に見せる表情は、色のある可愛さなのだ。
 昼間の試合中に見た勝気な表情に煽られて、試合終了時からずっと、美里はあの瞳を情欲で溺れさせたい欲望に駆られていた。
「んんっ……」
 触れたキスを深い物に変えて弱い部分を舐め上げてやれば、腕を掴んでいた手の平に、肌の粟立つ感触が伝わってくる。
「いいだろ?」
 耳朶を食みながら囁いた。
「夜まで、待てないのかよ?」
「俺にお預け食らわせたいなら、待ってもいいけど」
 掠れかけた声が鼓膜を震わせるのに、美里は舌先で今泉の耳朶を弄りながらも悪戯っぽく笑う。
 きっと焦らされた分の報復を、その身体にしてしまうだろう。それを悟ってか、今泉も諦めたように美里の背中に腕をまわした。
「洗濯物、今日の内にやっておきたかったんだけどな……」
 試合で汗を吸って汚れたユニフォームをさっさと洗ってしまいたい気持ちは美里にもわかる。そしてそのセリフが、今から応じることへの要求なのだと言うことも。
「後で俺が一緒に洗っといてやるよ」
 行為によって今泉の身体へ掛かる負担を思えば、それくらいなんでもないことだ。
 むしろもっとワガママいっぱいに甘えてくれたっていい。というよりも、甘えて欲しい。
 そんな美里の思いとは裏腹に、今泉の要求は至って控えめだ。始まるキッカケの影響か、今はまだ友人として過ごした時間の方が長い故の照れや遠慮か、もともとの性格か。
 それでも。
「明日の朝飯」
 続いて出された要求に、やはり少しづつ変わって来ているのかなとも思う。そういう要求が、過ごす時間と共に少しづつ増えていくのかも知れない。そして、このまま今夜は泊まって行くと、明確には言わないところすら可愛いかも知れないなんて、そんな風に思うようになった自分自身も。
 この気持ちの行きつく先を、少しばかり楽しみにしている。
「はいはい。それも俺が作ってやるって」
 だからベッドへ。
 耳元へ囁き、せっかくまわして貰った腕を惜しみながらも身体を離した美里は、その手を引いて部屋の奥へと向かった。

<END No.2>

 
 
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せんせい。10話 解かない

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「それは、ダメだ」
 冷たく言い放てば、最初から期待などしていなかったようで、あっさり諦めたようだった。
 頭をそのまま背後の壁に預け、けれど顔は美里を避けるように横を向く。さすがに美里もそれを咎めることはせず、行為の再開を告げるように腕の中の両足を抱えなおした。
 少し高めに抱え上げて、デンプン糊で濡れた秘所に昂る自分自身を押し当てれば、それを拒むように雅善の身体に緊張が走る。
「力、抜いて置けよ」
「出来たら、苦労せん」
 取りあえず掛けただけの常套句に、返事があるとは思わなかった。
 少しでも雅善が楽なように、何かしてやれないだろうか……
 ここまできて止める気などなかったが、美里が雅善へと向ける想いは、やはり愛しさなのだ。
 その心が手に入らないことはわかっていても、それを理由に逆恨みで憎み傷つけたいというわけではないし、出来ることなら雅善にだって感じて欲しい。たとえ身体だけだとしても。
 けれど雅善の口から吐き出されるのは諦めの溜息だった。
「ここまで来て躊躇うってのもおかしな話やな。ワイのことなんか構わず、さっさとヤったらええやろ?」
「言われなくても、やるさ」
「ほな、早よそうし。ほいで、さっさとイってさっさと終わってや」
 決して美里の方へ顔を向けることなく、強い口調で吐き出される言葉。
 煽られたと頭の片隅でわかっていて、けれどその誘いに簡単に乗れるくらいには、理性などとうの昔にどこかへ消し飛んでいる。
「そう簡単に開放してやるつもりなんてないけどな」
 その言葉と共に、半ばムリヤリ押し入った。
 ギュッと噛み締められた唇の端、血が滲んでいるのがわかる。この場所と状況では、さすがに声を殺すなと口にすることはできなかった。
 本当にただ、ムリヤリ繋がっているだけの自分達に、虚しさだけが残る気がする。
 身体だけでいいと思った気持ちを貫き通すには、邪魔な思考でしかないそれを振り切るように、美里は快楽だけを追って雅善の身体を揺すった。
 
 下半身に美里の吐き出した白濁液を浴びながら、グッタリとだらしなく机の上に身体を投げ出している雅善に、美里は携帯のカメラを向ける。
 撮影音の鳴るのに、雅善の身体がピクリと反応した。
「今、何、したん……?」
 恐々と尋ねるその口調は、既に気付いているのだろう。
「記念撮影」
 美里はニコリと笑って見せた。疲労で血色の良くない雅善の顔から、さらに血の気が引いたようだ。
 この写真を楯に、今後も関係を強要するつもりだった。
 身体だけでもいい。手放したくない。
「どうしようもない男に育ったもんやな」
 青ざめた表情で呟かれた言葉は、聞こえなかった振りをした。

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>> 職員室を優先してた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

**********
部活優先 >>

 ラブホテル内の広いベッドの端に腰掛けた美里は、広げた両足の合間に蹲る雅善の揺れる髪の毛を、指先で摘んで弄ぶ。
 脅すための写真の枚数が増える一方、雅善の抵抗も薄れているようだ。今ではもう、縛って自由を奪わなくても、諦め切った表情で大人しく、口も足も言われるままに開く。
 どう考えても悪者は自分の方で、相当好き放題に雅善の身体を貫いても。それでもまだ、足りないと渇望してしまう気持ちを、結局雅善にぶつけてしまう。
 この先も決して心が満たされることなどないとわかっていながら、それでも、この身体を手放してはやれないくせに。せめて優しくしてやりたいのに、いつだって真逆の行為を強いている。
 ジレンマに陥りながら、弄んでいた髪をガシリと掴み直し、美里は雅善の頭を激しく揺さぶった。
 漏れる呻き声に構うことなく喉の奥まで押し込んで揺すり、最後にはその顔に向けて白濁液を放つ。雅善は既に、文句を言う気にもならないらしい。
 黙ったまま、まずは汚れたメガネを外そうとする雅善を、美里の声が止めた。
「外すなよ」
「前が、見えへん」
「見えなくたっていいだろ別に。それより、ベッド上って足開け」
 言われるまま、雅善はベッドの上に這い上る。
「イったばっかの俺が復活するまでに、顔に掛かった精液使って、自分自身で広げて置けよ」
 汚れた眼鏡越しでも、さすがに戸惑いが滲み出ている。
「嫌だなんて、言わないだろ?」
 それでもその一言で、雅善は諦めの溜息を吐き出した。
 ユルユルと足を開いて行く雅善をジッと見つめながら、今、自分の目の前に居るのは一体誰なんだろうと美里は思う。かつて憧れ、大好きだった幼馴染のお兄さんと、自分の命令に従い、貫き揺さぶられながら喘いで見せる男が、同一人物だなんて嘘みたいだった。
 行為の最中、メガネを外すことが許せないのは、記憶の中の雅善がメガネを掛けていないせいだろう。
 自分達は一体どこへ向かっているのだろう?
 命令に従って美里の前で足を開き、自らの指で解し広げようとしている雅善に、背筋を冷たいものが伝って行った。

<END No.4>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  **********
職員室優先 >>

 化学準備室でほとんどムリヤリ雅善を抱いてから数日。美里は校長室へと呼び出された。
「失礼します」
 そう声を掛けて入室すれば、中には校長の他に一名。振り向きもしない後姿だけでも、すぐに雅善だとわかる。
 ここへ来るまで呼び出しの内容に思い至らなかった美里の背に、冷たい汗が流れていく。
「3年の河東美里君、だね。もっとこちらへ」
 呼ばれて、雅善の隣に並んだ。雅善はやはり、顔を向けようとはしない。
「君達が、化学準備室で如何わしい行為をしていた。という報告を貰ったんだけれども、本当かね?」
「それは……」
「虚偽です。確かに言い争いはしましたが、それだけです」
 躊躇う美里をよそに、きっぱりと雅善が否定を示した。
「では、この写真の相手は、河東君、君ではないのですね?」
 差し出された一枚の写真に、胸の奥がキュッと痛む。ピントの合っていない写真は粗悪なものだったが、机の上で足を広げた雅善に覆いかぶさる男子学生の姿がはっきりと写し出されている。
 どこから撮られたのだろう?
 角度的に、化学準備室に盗撮用のカメラでも仕掛けられてるのかもしれない。
「違います」
 あまりの写真に呆然と言葉を失くす美里を横に、やはり雅善がはっきりと否定の声をあげる。
「私は、河東君に、聞いているのですが?」
 これだけ雅善が否定しているのだから、認めてはいけないのだということはすぐにわかった。
「俺では、ありません」
 だから美里も、顔をあげて校長をまっすぐに見据えながら、きっぱりと告げる。
 その返事さえ聞ければ良かったのか、美里はその後すぐに校長室を追い出されてしまった。
 雅善をそこへ残すことへの不安はあったが、関係を否定した以上、話し合いの場に残れないのは仕方がない。それよりもまずは確かめたいことがあって、美里は職員室へと足を向けた。
 教師に頼まれたのだという体を装って、特別教室の鍵を並べた棚の前へ立った美里は、迷うことなく化学準備室の合い鍵を手に取る。そうして向かった先、おおよその予測を付けて探った先に、隠しカメラを設置していたのだろう後を見つけた。
「誰がこんなことを……」
 悔しさで唇を噛んだ。
 
 
 翌日から雅善は学校へ姿をあらわさず、暫くしてから別の臨採教師が学校を訪れた。雅善は間違いなく、一人全ての罪を被って学校を去ったのだろう。
 写真を撮りそれを匿名で校長へと送りつけた犯人が、新聞部の誰かだという所まではわかったが、それ以上を突き止めることはできなかった。スクープとして校内新聞に晒されるよりは良かったのかもしれないが、そんなものはなんの慰めにもなりはしない。
 雅善と過ごした一月程の時間が、何度も頭を過ぎっていく。これだけの迷惑を掛けた上、更に雅善の所在を追うことは出来なかった。
 昔以上に辛い別れを、美里は一生忘れられそうにないと思った。

<END No.5>

 
 
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せんせい。9話 解く

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 一瞬ためらい、けれど結局、美里は無言のまま手を伸ばし、雅善の両手を縛めるネクタイを解いてやる。雅善は痛みを取るかのように数回手首を振った後、躊躇うことなくその手を美里の肩へと置いた。
「……ガイ?」
「なるたけ、ゆっくりしてな」
 雅善はフワリと微かな笑みを零す。余裕を見せつけられるようで、胸の奥がまた軋んだ。
 慣れているのか?
 もしかして、初めてではないのだろうか?
 浮かぶ疑惑は、肩を掴む手が微かに震えているのに気付いて、口にすることはしなかった。
 再度両足を抱え上げ、引き寄せられるままに胸を合わせ、耳元で響く雅善の呼吸を計りながら、ゆっくりと自らを突き挿した。
「ぁ……っ」
 声を押さえるためにと咄嗟に顔を埋めたらしい肩口が熱い。下半身のうずきとあいまって、堪えられそうになかった。
 服越しに感じる熱い息。そこから漏れるくぐもった苦痛の叫び。背中にキツク食い込む指先。
 それらに申し訳なく思う苦しさと、確かに繋がっていることに対する喜びと。
「好きだ。ガイのことが、好きなんだ……」
 溢れる気持ちが言葉に変わる。
 よりいっそうキツク抱きつかれながら、美里は雅善の中へと想いの丈を吐き出した。

 ぐったりと力を抜いてしまった雅善の中から抜き出てから、疲れを滲ませる頬をサラリと撫でる。ゆっくりとした動作で持ち上げられた雅善の手が、頬に触れる美里の手首を掴んだ。
 戸惑いを滲ませる美里の瞳を、雅善の視線が真っ直ぐに捕らえる。
「ワイも、美里のこと、好きやで」
 ゆっくりと吐き出される言葉。
「えっ!?」
「好きやった。もう、ずっと前からや。子供の自分に、アホみたいに惚れとったなんて、全然気付かんかったやろ?」
 苦笑を零す雅善に、美里は返す言葉がない。
「好きな相手やなかったら、こんなん絶対許したらん。けどな」
 言葉を切った雅善の顔が、泣きそうに歪んだ。
「ワイはやっと採用して貰うた臨採で、美里は生徒の一人で、どんなに好きかて、特別にはできんのや」
 今日のことは全て許すから、明日からはただの生徒になって欲しい。個人的にこの化学準備室へと遊びに来ることは禁止する。
 そう告げた雅善の身体を、美里は思わず引き寄せ、やさしく抱きしめた。雅善の切なさと、自分の切なさが混じりあって、胸の中を悲しみに似た気持ちが満たす。
「校外でも、だめなのか?」
 せっかく互いに同じ想いを抱いている事に気付けたのだ。このまま諦めたくなどなかった。
「あかんよ。ワイの住んどること、ここからそんなに遠ないし」
 どこに人目があるかわからないから。
 言いながら、雅善は宥めるように美里の背中をそっと何度も撫でた。
「だからって諦められるかよ」
 苦々しげに吐き出しながら、美里は身体を離し、雅善の顔を正面に捕らえる。そっとメガネを取り上げても、雅善は文句をその口に上らせることはない。
 顔を近づけ、その唇に、触れた。雅善と交わす、最初のキス。
 喜びと悲しさの混ざる表情でされるがままになっている雅善に、角度を変えながら何度も振れて確かめる。
 この口が自分を好きだと言ったのだ。今日だけ、今だけ。なんて、ものわかりのいい大人にはなれない。
「俺が卒業するまでは、人の目が気にならないくらい遠い場所でデートしよう。電話やメールで、繋がろう。それなら、校内でだけは、俺は物わかりのいい生徒を演じてやってもいい」
 言葉は尊大でも、美里は雅善の許容を求める立場でしかない。
「なぁ、頼むよ……」
 迷った後で、結局頭を下げた。
「ホンマ、かなわんなぁ」
 雅善の零した小さな呟きに、許されたことを知った。

 

 

 

**********

 自宅の最寄駅からは大分離れた場所にある小さな駅を降りた美里は、駅前のロータリーに停車する一台の車に、迷うことなく向かって歩く。
 雅善が車持ちだったので、二人で過ごす時間は車の中がダントツに多い。
 本当は助手席に雅善を乗せて自分が運転したいのだけれど、免許の取得は受験が終わってからと決めている。親にも友人達にもそう宣言していたことを最初は少しばかり悔やんだけれど、ハンドルを握る雅善をのんびり観察するのも楽しいので、もう暫くはこの状態に甘んじて居ようと美里は思う。
 互いの家に行き来することも、街中を並んで歩くことも、今はまだ出来ないけれど。来年の春、桜が咲く頃にはそれらの夢も叶うだろう。
 美里が近づくのに気付いて口の端を持ち上げる雅善に、自分も同じように笑いかけてから、残りの距離を急いだ。

<END No.3>

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せんせい。8話 職員室を優先してた

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 暫く待ってみたが返事がない。不思議に思いながらもドアに手を掛ければあっさりひらき、美里は軽く声を掛けながら室内に踏み込んだ。
「いらっしゃらないんですか、先生……?」
 室内に人の気配はなく、返事はやはり返ってこない。鍵が掛かっていないということは、きっとすぐに戻ってくるのだろう。
 仕方なく、美里は再度火傷部分を冷やすために、取りあえず流しへ向かった。
 流水に手を浸しながら、窓の外へ視線を向ける。
 いい天気だった。誰もいない校庭に、秋の日差しが降り注いでいる。思考することすら放棄して、ただただ目に映る景色を見ていた。
 そんな中。
「失礼します。河東の容態は……」
 よほど慌てていたのか、ノックもなくドアが開き、雅善の声が飛び込んできた。
 驚いて入り口を振り返った美里の目に、ズンズンと歩み寄ってくる雅善の切羽詰ったような表情が映る。
「授業、は……?」
「少し早めに切り上げた。それより怪我は? 手当て、してへんの?」
 雅善は流水に浸された美里の手に視線を投げかける。
「ああ。校医の先生、不在みたいで。手もたいしたことなさそうだし、鐘鳴っても戻ってこなかったら、教室戻る気でいた」
「ちょお見せて」
 乞われるままに濡れた手を差し出せば、躊躇うことなくその手をとり、怪我の様子を探るようにジッと観察された。
 昨日、あんなことをした相手の手を、こうも心配できるのはなんでだろう。この躊躇いのなさの意味を、どう受け取ればいいのだろう。
「ヨシ、ノリ……?」
 ふと顔をあげた雅善が、不思議そうに名前を呼んだ。
 ホント、何から何まで、ズルイ。
「教師と生徒になれって、そう言ったのはアナタですよ、西方先生」
「あっ……」
「アンタ、ズルイよ。こんな風に心配して、それは教師としての責任からなのかも知れないけど、それでも俺は、誤解しそうになる。ガイに、少しは特別に思われてるんじゃないかって、さ」
 雅善の手の中から、そっと自分の手を取り戻そうとした美里は、その手をキュッと握られ動きを止めた。
「西方、先生?」
 呼びかけに、雅善の瞳が悲しそうに揺れる。
「あ、あのな……」
「手、放してください。じゃないと俺、先生をまた困らせるようなこと、言いますよ」
 更に強く握り締めてくる暖かな手。けれど、雅善自身の口から、思いを肯定するようなことは言って貰えない。
 言って貰えないけれど、繋がった手から、雅善の想いが伝わってくるような気がした。だから、そんな雅善の立場ごと、丸ごと全部絡め取ってやればいいのだと思い至る。
 美里はゆっくりと口元に笑みを浮かべて見せた。
「ガイが、好きだ。校内では今後一切そんなことは言わない。だから代わりに、俺が卒業するまでは知り合いさえ居ない様な、どこか遠い場所へ遊びに行こう?」
「そんな……ん、」
「頼むよ。ダメだなんて、言わないでくれ」
 ガイが困らない範囲でいいから、付き合って欲しい。そう頼み込む美里に、雅善はやはり少し困ったような顔で考え込んだ後。ようやく頷いて、その頬を赤く染めていく。
「ワイも、美里を好きやで」
 ホッと息を吐き出す美里の耳に、校内では二度と言わないという注釈付で、そんな言葉が囁かれた。

 

 

**********

 自宅の最寄駅からは大分離れた場所にある小さな駅を降りた美里は、駅前のロータリーに停車する一台の車に、迷うことなく向かって歩く。
 雅善が車持ちだったので、二人で過ごす時間は車の中がダントツに多い。
 本当は助手席に雅善を乗せて自分が運転したいのだけれど、免許の取得は受験が終わってからと決めている。親にも友人達にもそう宣言していたことを最初は少しばかり悔やんだけれど、ハンドルを握る雅善をのんびり観察するのも楽しいので、もう暫くはこの状態に甘んじて居ようと美里は思う。
 互いの家に行き来することも、街中を並んで歩くことも、今はまだ出来ないけれど。来年の春、桜が咲く頃にはそれらの夢も叶うだろう。
 美里が近づくのに気付いて口の端を持ち上げる雅善に、自分も同じように笑いかけてから、残りの距離を急いだ。

<END No.3>

 
 
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せんせい。7話 部活を優先してた

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 返事を待たずにドアを開ければ、中は一見無人のようだった。
「いらっしゃらないんですか、先生……?」
 軽く声を掛けてみるが、やはり返事はない。
 仕方なく、美里は再度火傷部分を冷やすために取りあえず流しに向かった。
「河東……?」
 流水に手を充てた美里の背後から、名前を呼ぶ声がする。振り向いた先、ベッドを仕切るカーテンから顔を覗かせていたのは今泉だった。
「どうしたんだよ。サボりか?」
「ちょっと寝不足で」
「テストはこの前終わったばかりだろう?」
「おいおい。俺達一応受験生だぜ?」
 苦笑を零しながらも、今泉は心配そうに美里を見ている。
「どうかしたか?」
「それはこっちが聞きたいな。手、どうかしたのか? 先生、電話が来たとかでお前とほとんど入れ違いに出て行ったよ」
 タイミングが悪いなと言う言葉に、美里は曖昧に苦笑して見せた。
 体よく追い払われただけのような気もするし、実際、多少痛んではいるがそんなにたいした火傷でもないのだ。
「ちょっと、な。バカやって火傷した」
「化学の授業だったのか?」
「ああ。お前んトコはもう実験授業終わったのか?」
 軽く頷いて見せた後、今泉はカーテンの影から姿を現し、美里へと近づいてくる。
「大丈夫なのか?」
「たいしたことはないと思う。ただ、右手なのがこれから先ちょっと不便ではあるかもな」
 今泉の視線の先を追うように、美里も蛇口から流れる水の中に浸された自分の手を見つめた。その視界の中、ふいに今泉の顔が迫る。
 下から顔を覗き込まれて、美里は驚きに目を見張った。
「なぁ、俺に、しないか?」
 そのセリフからすると、不安そうな表情は美里の火傷の具合を心配しているからではなさそうだ。
「何の話だ?」
「西方先生相手にするより、俺にしとけよ。って話」
「は? 何言って……」
「見たんだ。昨日の放課後、化学準備室で言い争ってたろ」
「見たって、お前……」
「お前らの噂、俺もちょっと気になってさ。先生に確かめてやろうと思ってたんだ。でも、それどころじゃなかったけどな」
 本当の寝不足の原因はソレだと告げる今泉に、美里は一瞬言葉を失った。
「好きなんだろ? 西方先生のこと。でも、相手は教師で、お前を相手にする気は、多分、ない」
「うるさいな。わかってるよ、そんなことは」
「そう怒るなよ。ただ、そんな脈のない奴を相手にしてるなら、俺が立候補したって構わないかなと思っただけだって」
「お前、自分が何言ってるかわかってるのか?」
「わかってるよ。昨日のアレを目撃したのは、ある意味ラッキーだったと思ってる。お前が男もイけるってわかったからな」
 今泉はようやくニコリと笑って見せる。
「本当は言わずにいようと思ってたけど、ずっと好きだったよ、河東のこと」
「俺は、お前をそういう対象で見た事なんて、ない」
 困ってそう吐き出した声は、わずかに掠れていた。
「これから、そういう対象として見てくれれば構わないけど?」
「いや、でも、それは……」
「試しにでも、付き合ってみないか? お前だって、誰にも言えないような気持ち抱えてたら辛くないか? 暴走して本当に西方先生を犯してからじゃ遅いだろう?」
 立て続けに浴びせられる言葉が痛い。
「お前が、ガイの代わりに抱かれるとでも?」
「そうだな。お前がどうしてもって言うなら」
「どうかしてるぞ」
「そうか? 俺は、お前とデキルなら、西方先生の変わりでもかまわないけど」
 だって、絶対にそんな機会はないと思ってたから。
 そう告げた時の今泉のはにかんだ表情に、美里の心が揺れた。雅善相手に、自分は同じことが言えるだろうか?
 『物わかりのいい年下の友人』という立場を守るために、昨日、その身体を開放してしまった自分には、きっと無理だ。
「知らなかった。お前、意外とバカだったんだな」
「俺がバカになれるのは、お前に対してだけだと思うけどな」
 小さな苦笑を漏らせば、同じように苦笑を返された。
 その苦笑顔に、唇を寄せる。就業を告げるチャイムが鳴るのに構わず、その唇に触れた。
 そういえば、雅善とはキスをしていない。なんてことを考えてしまうのは、やはり、今泉が雅善の代わりでもいいなどと言ったからだろう。
「了承の、意味で取るぞ?」
 身体を離すより前に、首にまわされた腕によって引き戻され、息の掛かる距離で囁かれた。
 頷きかけたその時。
「失礼します。河東の容態は……」
 ノックもなくドアが開き、雅善の声が飛び込んできた。
 ここが保健室という場所で、鍵を掛けていない室内に、いつ誰が入ってきても可笑しくないのだと言うことを失念していたようだ。
 慌てて振り返った先、驚きに目を見張る雅善と視線が合った。今泉の腕は既に解かれていたが、美里は黙ったまま動けない。
「スマン……」
 先に動いたのは雅善のほうだった。クルリと背を向け、後ろ手にピシャリとドアを閉める。
「まっ……」
 伸ばしかけた腕はなんとか堪えたものの、その口からは待って欲しいという気持ちの片鱗が零れ落ちていた。
「追いかけないのか?」
 掛かる声に隣を見れば、今泉はなんとも複雑な表情をしている。きっと自分も同じくらい、複雑に絡んだ感情を面に出してしまっているだろう。
 それでも、自分の気持ちと選ぶ未来を決めるのは自分自身でしかないのだ。
 答えは決まっていた。

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