二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった30

1話戻る→   目次へ→

「立膝で足開いて」
 促せば素直に膝を立てた状態で足を開く。しかし顔は恥ずかしそうに横に背けられていて、どうやらキツく目を閉じてもいる。顔を隠したいのか、体の横に投げ出されている腕が、躊躇うようにベッドマットから浮いたり落ちたりを繰り返していた。
 顔を見せておけというような発言をしたから、こちらが少しでも楽しめるようにと、顔を隠したい衝動と戦っているんだろう。多分。
「自分で腿持って、尻、浮かせられるか?」
 手のやり場に困っているようだったから。なんてのはただの言い訳でしか無く、言えば従うだろう相手に、初っ端から何をさせているんだと思う気持ちが無いわけではないのだけれど。
「こ、ですか」
 さすがに抵抗があるようですぐにとは行かなかったが、それでも出来ないと訴えられることはなく、やがておずおずとだが足を抱えて腰を突き出してくる。初見の光景ではあるが、男がやっても充分にエロいなと思う。まぁ、恋人にそんな格好をさせている、という部分への興奮があることもわかってはいるが。
「ん、上手」
 エロい格好だと煽るよりも絶対にこっち。と思っての言葉はきっと正解で、ペニスが嬉しげに揺れたのがわかる。角度的に見えないが、先走りでも零しているのかもしれない。
「じゃあ触るぞ」
「はい」
 声をかけて晒されたアナルへ手をのばす。まずはたっぷりとローションを撫で付けて、それを指先で中心の穴へ向かって掻き集めては、ローションを押し込むように何度も指を押し付けた。軽く開いたアナルが指先にチュッと吸い付いてくるのを楽しみながら、少しずつ押し込む指先に力を込めていく。
 そんな浅い挿入が痛いはずはなく、指の動きに合わせて、んっ、んっ、と甘やかに鼻を鳴らしているし、ペニスも萎えることなく、時折やはり嬉しげに震えていた。
「そろそろ指入れるけど、痛かったら無理せず言えよ」
「は、ぁ、ぁあっ」
 声の大きさに違いはあってもだいたいは律儀に返事をするので、「はい」と返される瞬間を狙って、指の半分くらいまでを押し込んでしまう。ローションの滑りを借りているし、先程の準備の成果もあってかそこまで強い抵抗はなかった。それでも初めて受け入れるのであろう異物の侵入を拒むように、括約筋がギュッと指の途中を締め付けている。
「痛いか?」
「い、いえ、痛くは」
「じゃあ少し動かすけど、もし可能なら、自分でもお尻広げるイメージでここ緩めるようにしてて」
「は、はい」
 相手の様子を探りつつ、ゆっくりと指を引き抜いては押し込む動作を繰り返しながら、中の様子を探る。男とのセックス経験はないが、前立腺の存在は知っていた。恋人を作るのをやめてオナニー中心になってから、多少の興味がわいて調べたせいだ。さすがに自身の体で試すまでには至っていなく、おぼろげな知識があるだけだが。
「うぅっ」
「痛い?」
 これかなと思う場所を指先で弄っていたら、悩ましげな声が漏れ出して慌てて指の動きを止めた。
「いたい、っていう、か、なんか」
 もやもやすると言われたけれど、その感覚が全く想像できない。それが普通のことなのか、危険信号なのかの判断もつかないので、あまり弄りすぎるのも良くないかも知れない。少なくとも、今日のところは。
「気持ちいいような感じは全然なし?」
 うーんと悩むように考えているから、多少は快感の芽のようなものはあるのだろうか?
「ならもうちょっと触らせて。もし吐きそうとか、そういう気持ち悪い感じになったら、すぐ言えよ」
「はい」
 やはりこれ以上は嫌だと断られることはなく、素直に了承が返ってしまうから、無茶はさせないようにしないとと思いながらも、再度前立腺らしき場所を指の腹で撫でてみた。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった29

1話戻る→   目次へ→

「なぁ、恋愛感情かは微妙とは言ったけど、マジに可愛いって思ってるし、別にリッピサービスで好きとか言ったつもりないんだけど」
 実のところ、リップサービスと言うよりは条件反射という気もしていて、そっちのがもっと酷いような気もする。相手が喜ぶだろうから伝えたわけではなく、恋人とのセックス中に好きだと言われたらこちらも好きだと応じる、という慣れ親しんだ仕草の一つでしかない。
 そもそも、恋愛感情なんてものとは久しく縁がないというか、やりたい欲求優先で恋人を作っていた男には愛だの恋だのの感情は馴染みが薄い。でも気持ちよさそうに喘ぐ相手に興奮したし、間違いなく可愛いと感じているし、好意がなきゃこいつ相手にこんな事をしてるわけがないので、好きだと返した言葉に嘘はないとも思う。
「別に泣いてるわけじゃ……」
 また抱っこが必要かと思って寝転がってしまったが、確かに泣いてる声ではなさそうだ。
「んじゃその腕退けてよ」
「やです」
「なんで」
「恥ずかしすぎて顔見れないし、見られたくない、です」
 言葉ははっきりしているし、返答も早い。どうやら、いわゆる賢者タイムに突入中らしいと思う。まぁ吐き出して冷静になってしまう部分があるのは仕方がない。
 男の相手をするのが初めてで、そこまで考えが至らなかった。
 一度イカせてやってからと思っていたが、もしかしてイカせないまま先に進んだ方が良かったのだろうか。いやでも二十歳の男が、一度吐き出すだけでもう充分だと言いだすとも思えないので、泣かせたと思って中断してしまったのが一番の問題な気もする。そのまま先へ進んでしまえばよかった。
「これからもっと恥ずかしいことするんだけど」
「それは、わかってます、けど。も、ちょっと、待って……」
 やはり続けるつもりはあるようなので、わかったと返しながらも相手の体に手を伸ばした。
「ぁ、なに」
「お前が腕退けて顔見せてくれるまで、お尻弄って広げるのは待ってやるよ。でも落ち着いた状態で弄るより、多少は興奮した状態のお前を弄りたいから、待ってる間にお前の興奮煽っとこうと思って」
「んっ、そんな、ぁっ、ちょっ」
 肌の上をあちこち撫でて、試しに胸の突起を指先で何度も掻いてやれば、すぐにプクリと膨らんでくる。
「ふっ、思ったより反応あるな」
 横になった状態なので片手だけをいたずらに相手の体へ這わせていたが、もっと本気で触れてやろうと、体を起こしてもう片手を反対の乳首へ伸ばした。
「やぁあっ」
 左右同時に責めてやれば、随分と高い声を上げながらビクッと背をしならせ、次の瞬間には両手首を掴まれていた。
「もしかして、乳首弱い?」
「ぁ、やっ、だめ。だめです、って」
 両手首を掴まれていても指先は動くので、そのままカリカリと乳首を掻いてやれば、逃げるように身を捩らせる。手首を掴む手も必死に引き剥がそうと動いていて、ぎゅうと掴まれた手首にも痛みを感じてきたので、そう執拗に弄ること無くさっさと開放してやったけれど。
「腕外れたな」
 笑えば少し不満げな顔で見返されたけれど、ズルいだの酷いだの言われることはなかった。
「先進んでいい? もっと乳首弄ってやろうか? それよりちんこのがいいか」
 次は簡単にイカせはしないけどと思いながらも、再度すっかりガチガチに勃ち上がっているペニスへ視線を落としながら聞けば、小さな声が先に進んでくださいと返る。
 わかったと返して、ローションをたっぷりと手の平に垂らして捏ねた。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった28

1話戻る→   目次へ→

「あーそんな不安そうな顔すんなよ。絆されたんだって言ったろ。お前を恋人にしたいって思ったのは俺の意思で、恋愛感情かと言われると微妙だけど可愛いなとはマジに思ってるし、お前相手に勃つのだって確認済みだし」
 初の男の恋人だというのは事実でも、何の問題もない。
「お前の勃起ちんこだって平気で触れるし」
 言いながら、片手を相手の股間へ持っていく。
「んぁっ」
 無造作にペニスを手の平で覆えば、小さな声が甘く上がった。先程よりも興奮度合いが足りないのか、反応はしているが幾分柔らかい。しかし、握り込んで軽く扱いてやれば、あっという間に先程一瞬触れたのと同じか、それ以上に固く張り詰める。
 相手に逃げる様子はなかった。ただ、戸惑うように視線を揺らした後、どうしていいかわからないと言いたげに見つめてくる。
「まずはお前が気持ちいいことだけするから、楽にして、ただただ気持ちよくなっとけばいいよ」
 わかったかと聞けば、小さな声でハイと返された。
「よし」
 期待と羞恥だろうか。頬がゆっくりと染まっていくのを見ながら、一旦体を起こして近くへ転がしていたローションのボトルを手にとった。
「ローションオナニー、やったことある?」
「いいえ」
「だろうな。ヌルヌルの手でちんこ扱かれんの、めっちゃ気持ちいいから。楽しみにしてな」
 抱く気はあるが、いきなりアナルに触れるつもりはない。まずは一回、ペニスだけを扱いてイカせてやろうと思っていた。
 何をするつもりかを口で説明してやりながら、手の平の上でローションを少しばかり捏ねた後、ヌルヌルになった手を再度相手の股間へ伸ばす。
「うひゃっ」
 驚いた様子で身を竦めているのを小さく笑いながら、ペニスに満遍なくローションを塗りつけるように、ゆっくりと手を動かしていく。
「ぁあっ、は、ぁん、んんっ、んっ」
「壁厚いとは思えないから、大声でアンアンされんのも困るけど、声我慢する必要もないから。あんま噛み締めてると、唇痛くなるぞ」
「で、でもぉっ」
「俺が聞きたいの。お前が気持ちぃって喘ぐ声」
 聞かせてよと頼めば、ううっと小さく呻いて恥ずかしいと訴えてくる。それがいいんだろ、と、思ったままを口に出す。
「それがいいんだろ。俺に恥ずかしいことされて、なのに興奮して気持ちよくなっちゃうの、見せてよ。絶対かわいいし、俺もそれ見て興奮するから」
「ほ、ほんと、に?」
「本当に」
 再度ううっと呻いたあと、小さな声がわかりましたと返すのを機に、与える刺激を強くしていく。片手で扱きながらもう片手で陰嚢を揉んでやったり、片手で敏感な亀頭を撫で回しながらもう片手で竿を扱いてやる。
「ぁああっ、ぁあんっ、うっ、ぁ、ぃいっ」
 相手の反応を見ながら、だんだんと良さそうな場所を狙って、握ったり擦ったりの圧を強めていけば、あっという間に切羽詰まった声を上げだす。快感が強すぎるのか、目蓋はほぼ降ろされている。
「ぁ、いいっ、も、いく、いきそっ、ぁあっ」
「いつでもイッていいぞ」
「ぁああっ、ぁ、イク、ぁ、好き、ぁあっ、いっちゃう、好き、すきっ」
 なんだこれ。体を繋げた状態でならまだしも、手でイカせてる最中に、好き好き言われるなんてのはかなり斬新だった。
「想像以上に可愛いな、お前。俺も、好きだよ」
 フハッと笑いを溢すのとほぼ同時に、相手の体と手の中のペニスが大きく震える。
「やぁ、イクっ、ぁあっっ」
 残滓を絞り出すように数度扱いてやってから、汚れた手や相手の腹をティッシュで軽く拭ってやり、目元を腕で覆いながら息を整えている相手の隣に身を横たえた。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった27

1話戻る→   目次へ→

 顔を覆う手を外させたいだけだったが、思いのほか食いつきが良くて、逆に気になってしまう。
「どんな顔してる?」
「良く言えました、って、褒めてくれる、顔」
 こちらの顔を凝視したまま、促されるに任せて口に出したらしい言葉に、へぇ、と思う。嬉しそうだとか楽しそうではなく、褒めてくれる顔、なんて言われるとは思わなかった。
 しかもそんな熱心に見つめられたら、気付かないわけに行かない。彼の想像の中の理想の男は、どうやら彼を褒めるのが上手いらしい。というよりは、昔遊んでやった時の、褒められた記憶が強く残っているようだ。
 こちらの認識としては、褒めたというよりも、泣かれでもしたら全面的にこちらが悪者になるだろうという予測から、機嫌良く過ごして貰う目的で調子良く煽てていただけ、なのだけれど。
「もしかしなくても、良く出来たなって褒めてくれる、年上の男が好み?」
 昔遊んでくれた男を理想化したとは聞いていても、いまいち好きになる要素がわからずにいたが、その辺が性癖に刺さっているというならちょっと納得出来る気もする。
「うっ……まぁ、多分。というより、今みたいな顔されるたび、記憶の中のあの人があなたなんだって、思い知っちゃうというか」
「ん? そんな頻繁に、よく言えました、なんて顔晒してるか?」
「そこまで頻繁じゃないですけど、それなりに。あなたって結構周りをよく見てて、細かいことにも気づいて、ちょっとしたことにもエライなって褒めてくれるんですよね。いやまぁ、年の差あるんで子供扱いされてるだけかもですけど」
 なるほど。確かに、よく気がつく、だとか、周りをよく見ている、という褒め言葉を貰うことはある。周りに気を配っておくだとか、気軽に声を掛けておくなんてのは、コミュ力で世を渡ってきた者としての基本でしかないけれど。
「でもお前に今みたいな顔で見つめられたの、初めてだと思うんだけど」
 先程洗腸を手伝ったときなど、頑張ったご褒美をやろうかとまで言ったのに、結構そっけなくお断りされている。
「いやだってそれは、好きってバレちゃったから」
 バレバレな視線を投げて気づかれたらどうしよう、という心配がなくなったから、ついじっくり見てしまった、という事らしい。
「ふっ、はは、なるほど」
 想いに気付かれまいとする相手の、理想の恋人イメージだの恋愛したい気持ちはないだの発言で散々惑わされたんだよなと思ったら、どうにも笑いを堪えきれなかった。
「笑わないでくださいよ」
「んー、ずっと一生懸命気持ち隠してたんだな、って思ったら、なんか、可愛くて?」
 さっさとバレバレな視線を投げてくれてたら、もっと話は早かったかも知れないのに。
「語尾、上がってますけど。てか男も大丈夫とか知らなかったんだから、隠すに決まってるじゃないですか」
 言われてみれば確かにそうだ。最初からバレバレな視線を投げられていたら、さっさと逃げていたに決まっている。なんせ、自分が男も有りだなんて、今日まで知らなかったのだから。
「あー、それな。俺が男イケルってのは、俺も今日知った」
「は? えっ?」
「男とはヤッたことなくてもアナル使った事はあったから、慣れてそうだし据え膳なら食うかって思っただけがこんなことになってて、正直俺もかなり驚いてる」
「えっ、えっ、ど、」
 あまりに想定外だったのか、酷く焦っている。
 あっさり誘いに乗った上に洗腸まで手伝って、恋人になれとこちらから誘ったのだから、過去に男とも付き合ったことがあると誤解されていても当然だった。というかそれ以前に、奢ったのはやれると思ったからだろう、という理由でホテルに誘われているので、突っ込める穴があれば性別は関係ないと思われていた可能性も高い。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった26

1話戻る→   目次へ→

 口内に舌を突っ込むことはしなかったけれど、ただ触れて離れるだけはなく、吸って食んで舐めてを繰り返す。泣いて呼吸を乱す相手の口内に侵入するのを躊躇っただけで、もちろん、相手の呼吸が落ち着いたら深く触れに行くつもりではあった。
 しかしこちらが相手の唇を割って舌を伸ばすより先に、応じるように相手の舌が差し出されてきたので、完全に泣き止んではいないようだったけれども少しずつ触れ合いを深めていく。
 時折しゃくりあげるのに合わせて喉の奥が震えている。
「ぅ゛……ぁ、ぅっ……ん゛んっ……」
 先程よりも苦しそうなのに、口はしっかりと開かれていて、感じるだろう場所を舌先で弄り回しても、呻くだけで逃げる様子はやはりない。それを確認してから、そっと相手の肩を押して仰向けに転がした。
 一旦顔を離し、先ほどと同じように相手の体を挟むように両腕を突いて見下ろした先、赤くなった目を潤ませた相手は間違いなく期待と興奮とを滲ませている。
「もっとキスする? それとも、先、進むか?」
「それは、抱く、ってこと、ですか?」
「ああ、抱くよ」
「こいびと、と、して……?」
「そう。恋人として。それともまだ俺の恋人にはなれないって言う? 理由並べて俺を説得する?」
「そんなの……」
「言わないし、しない。だろ?」
「だって、出来る気がしない、ので」
「じゃあやっぱまだ、俺の恋人にはなりたくないな、って思ってるの?」
 確認すれば、小さな声がズルいと呟いたようだったけれど、わかっててやってるとはもちろん言わなかった。
「言えよ。恋人にしてって。大好きな俺に初めて貰って欲しいって。初めてだからうんと優しく抱いて、って」
 畳み掛けるように告げた言葉に、相手は一瞬唖然として、それから戸惑った様子で視線をあちこちうろつかせた挙げ句、逃げるみたいに顔を横へ向けてしまう。それを言う想像で照れているのか、じわりと頬が赤くなってもいた。
 ははっと小さな笑いをこぼしながら顔を寄せれば、そむけていた顔を戻してキスをちゃんと口で受け止めようとするから、どうにも可愛くて仕方がない。口に出して言えなくたって、行動が依然として好きだ好きだと訴えてくるのだから、もうそれでいいことにしてあげようか。
「恋人扱いで抱いて、いいよな?」
 ちゅっと軽く触れるだけのキスをして問いかける。もうこれに頷くだけでいいことにしようと思って。なのに。
「はい。俺を、恋人にして、下さい。そ、それで……あの、」
「大好きな俺に、初めて貰って欲しい?」
 言う気がある、もしくは認める気がある。というのを察して、再度先程の言葉を一部繰り返してみた。
「は、初めて、貰って欲しいし、初めてだから、や、優しく、して、下さい」
 おお言った。という感動のようなものはあるのだけれど、そこまで言ったなら肝心な部分も言って欲しいという欲が湧く。
「どうせなら、大好きな俺に、ってとこは飛ばさないで欲しかったんだけど」
「うぅっ、大好き、なので、そ、そろそろ勘弁して下さい、よ」
 恥ずかしいしいたたまれないんですけど、と言って、今度は顔を背けるのではなく両手で顔を覆ってしまった。だけでなく、仰向けていた体を横にして身を丸めようとする。逃げ隠れたくて仕方がないらしい。
「こらこら。せっかくそこまで言えたんだから、言われた俺のこと見ておかなくていいのか?」
「え?」
 横向きになろうとした肩を引いて再度仰向けに転がしながら告げれば、興味が湧いたのか顔を覆う手も外されたから、すかさず再度キスを一つ落としておく。しかし相手はどうやらこちらの顔を見つめるのに夢中だ。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった25

1話戻る→   目次へ→

「あんのクソババァ……」
 殆ど口の中だけで小さくつぶやいた後、大きく溜め息を吐き出した。
「親が結婚やら孫やらを期待してんのはわかってるし、それと真っ向から向き合って、結婚しないのを納得させようとはしてこなかったし、これからだって極力向き合うつもりはないけど、俺が結婚しないのはほぼ確だから」
「なんで?」
「親と向き合うつもりがない理由なら、納得させんのが面倒だと思ってるだけだけど。面倒っていうか、理解しないかもと思ってる」
 そこそこ稼いでて、その稼ぎをつぎ込みたいような趣味やらを持っているわけではないのに、嫁や子供に金を使いたくないから結婚しない、なんて理由が理解されるとはとても思えないからだ。
「あ、いや、結婚しないのがほぼ確なのは、なんで、なのかと」
 そっちか。というか彼には散々言ってきたはずなんだけれども。
「その気になる予定が欠片もないからだよ。っつーかケチだからだって何度も言ってる。稼いでようと貯め込んでようと、嫁や子供に使ってやる気がないし、それでもいいとかいう女を探す気もないし、まぁこんな事は起こるはずがないんだが、もし稼ぐ力のある女に種だけくれって言われたってお断りだからだよ」
「子供いらなくて共働き希望の女性でも?」
「ないな。多分、結婚って形で相手に対する責任が生まれるのが、そもそも嫌なんじゃねぇかな」
 共働きの予定でも相手の身に何かあれば助けなければならないだろうし、相手が働けなくなった場合にじゃあ離婚と即捨てられるわけじゃないのもわかっている。しかも結婚してしまったら、相手の親兄弟や親戚とも無関係ではいられないというのも知っている。
 金銭的な負担をこちらに一切かけない、というのが信じられるような相手が見つかるとは思わないし、だいたい相手にだって選ぶ権利がある。稼ぎがいいとか資産があるような女が、自分を選ぶ理由がない。
「子供いらねってなるのも、余計な責任背負いたくねぇのかも。まぁ、金使いたくないってのが大前提ではあるけど」
「余計な責任……」
「それより。俺が結婚しないのほぼ確なら、お前が俺の年齢気にして恋人になれないって言い張ってんのは撤回されんのか、てのが知りたいんだけど?」
「それは……」
「まだ何か無理な理由、あんの?」
「無理っていうか、俺を恋人にするメリットがわからない、です。俺を恋人にするのも、そこそこ余計な責任発生しませんか?」
「親にバレたらめちゃくちゃ面倒だな、とは思ってるけど、そこはバレないって前提にすれば、メリットはそこそこあるぞ」
「どんな?」
「まずお前を恋人扱いできる」
「いやそれ、俺が嬉しいだけで、あなたのメリットではないですよね?」
「いやお前マジに色々面倒くさいから、好きなのは勝手に理想化した過去の俺で、とか気にしなくていいし、好きだからただそばに居たいんです、みたいなのもまぁ、恋人ならギリ許容できそうな気がするし、期待するから優しくするなとか言ってビービー泣くのも、期待していいぞって言って気にせず甘やかしていい方が楽だし」
「ちょっ、待って下さい。それってメリットなんですか? てかなんでそんな俺を甘やかそうとしてんですか?」
 お前が面倒くさいから、なんて言ったせいなのはわかっているが、どことなく嫌そうに吐き出されてくる声は不審げだ。
「理想の恋人イメージがとか言ってるお前抱くより、俺が好きで俺の恋人になったお前抱くほうが絶対楽しいから、間違いなくメリットだろ。てかお前があんまり俺を好きすぎるから、間違いなく絆されてんだけど、いい加減諦めて甘やかされてくんない?」
 クシャッと顔を歪めるから、ああまた泣かせてしまったと思いながら、また胸元へ顔を押し付けられる前にその顎を取って唇を塞ぎに行った。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁