それはまるで洗脳

お題箱より「スレンダーな兄が、自分より体格が良い弟に襲われ、快楽に逆えず兄としての尊厳をへし折られる、的な短編。年齢差は3歳位」な話その2
その1はこちら → 知ってたけど知りたくなかった

 ぐじゅ、だとか、ちゅぷ、だとか。下腹部で発している湿り気を帯びた卑猥な音を聞きたくない。しかしどんなに耳を塞ぎたくても、両手は背の後ろで脱ぎかけた衣服でもって拘束されている。
 ノックもなく部屋に押し入ってきた弟の顔を見た瞬間に、両親が泊まりで出かけると知っていたのに、自分もどこかへ外泊しなかった事を後悔したが遅かった。
 三つ下の弟は長いこと運動部で鍛えてきたからか、身長はそこまで差がないものの、細身体型の自分と違ってガッシリとした筋肉をまとっている。つまり体格的にも筋力的にも、最初からこちらに勝ち目なんか欠片もない。
 弟の気持ちにはなんとなく気付いていながら長いこと放置していたのも、半月ほど前に意を決した様子でなされた告白を手酷く振ったのも自分だ。だが、それ以降あからさまにこちらを避け続けていた弟が、親の留守を狙ってこんな真似を仕掛けてくるとは、さすがに予想できなかった。
 あっという間に詰め寄られて、引きずられるようにベッドの上に投げ出された後、無理やり服を剥ぎ取られて行く間に、敵わないとわかっていながらも一応は抵抗した。身を捩って手足をばたつかせれば、早々に腕も足も手早く拘束されてしまったが、それでもなお、やめろ、バカ、正気に返れ、俺はお前の兄貴だぞと、必死に声を上げもした。
 けれど弟は手を止めることなく、黙々と作業に没頭している。視線を合わそうとはしないから、酷い真似をしているという意識はちゃんとあるんだろう。
 何をする気かという目的は、尻の谷間にローションを垂らされ、尻穴に指を突っ込まれればさすがに理解しないわけには行かないが、到底受け入れられるわけがない。自分の想いが受け入れられなかったからと言って、こんな強行が許されるはずがないし、許してはいけない。
 なのに。
 しつこく尻穴をかき混ぜられて、時折、ありえない感覚に襲われている。腰が甘くしびれるような、いわゆる快感と呼べそうなもの。
 わざとらしくクチュクチュと音を立てられるのに合わせて、あああと溢れてしまう声だって、だんだんと嬌声じみている。
 嘘だ嘘だ嫌だダメだと思うのに、体は間違いなく、この行為を気持ちがいいものとして捉え始めていた。
「ひぅっ!」
 ずっと尻穴ばかりを弄られていたのに、突然さらりとペニスを撫でられ息を飲む。
「ぅっ、ぁっ、や、めっ、やだぁっ」
 尻穴を弄られながら勃起している、という事実を知らしめるように、何度か育ったペニスを根本から先端まで往復していた手が、とうとうそれを握って扱き出す。そしてすぐさま、尻穴に突っ込まれた指が、同じリズムで穴を前後しだした。
「ぁっ、やっ、ぁあっ、だめだめだめっ」
 たぶん数分も保たなかった。あっという間に弟の手の中で射精すると同時に、尻穴をきゅうきゅうと締め付けてしまうのがわかって恥ずかしい。
 大きく息を吐いて、終わった、と思った。こんなこと許してはいけないのに、弟の手でイカされてしまった。
 じわりと浮かぶ涙を隠すようにシーツに顔をすりつけながら、意識的に深めの呼吸を繰り返す。
「気は、済んだのか。済んだなら、ぁ、えっ、ちょっ」
 まずは拘束を解かせて、それから説教を。なんて考えを嘲笑うかのように、また尻穴に埋められた指がグニグニと動き出す。
 
 そこから先、弟の手で何度絶頂させられたかわからない。
 手足の拘束は弟と繋がる直前には解かれたが、それはつまり、弟を受け入れたのと同義でもある。黙々とこちらの体を弄り回していた弟は、こちらが確実に快感に抗えなくなった辺りから少しずつ言葉を発するようになったが、諦めて受け入れろと繰り返すそれはまるで洗脳だった。
 尻穴とペニスとを同時に弄られて上り詰める快感を知った後、追い詰められてイキたくてたまらなくなったところで刺激を止められるのを繰り返されたら、頼むからイカせてくれと泣いてねだってしまったし、そこに、弟の恋人になればなんていう条件を出されて突き返せはしなかった。
 こんな強引な方法で、と軽蔑する気持ちも、叱りつけたい気持ちもあるが、弟に抱かれて絶頂する自身を、随分と愛しげに見つめる目を前にしたら何も言えそうにない。
 それでもちょっとした意趣返しで、絶頂時に縋り付く弟の肩や背に、思い切り爪痕を残してやった。弟は痛いと言いながらも満足げに笑っているから、ちっとも仕返しになっていない可能性のが高いけれど。

 
 
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スライムに種付けされたかもしれない

 たかがスライムなどと侮っていたのは認める。次から次へとどこからともなく集まってきた彼らの圧倒的な数と量とに屈するのは早かった。
 体中を彼らに包まれ身動きが取れない。辛うじてまだ、口と鼻は覆われていないため呼吸が出来ているが、それもきっとすぐに塞がれてしまうだろう。こんな所でスライム相手に窒息死だなんて情けないにも程がある。
 きつく閉じた瞼の隙間から悔しさに滲み出る涙は、目元を覆ってうごめく彼らのせいで流れ落ちることはなかった。
 そんな中、突如頭の中に声が響く。流暢とは言い難くノイズ混じりではあったが、その声は確かに、死にたくないか、まだ生きたいかを問う声だった。
「死にたくない。死にたく、ないっっ」
 近くに誰かがいるのかも知れない。もしかしたら助けてくれるのかもしれない。そう思って、必死に声を張り上げた。
『では……お前の、ナカ、を頂くが……それで、いいか』
 意味がわからなかった。ナカってなんだ。
 けれど迷う時間はない。それでいいから助けてくれと再度声を張り上げれば、体を覆っていたスライムたちの動きが変わった。けれどそれは、誰かが自分からスライムを引き剥がしてくれるといったような、期待していたものとは全く違う動きだった。
 服や防具の隙間を縫って、直接肌の上を這い出したスライムの感触に怖気がたつ。
「う、あっ、ぁあ……、な、なに、」
 戸惑い漏れる声に、ナカを頂くと言っただろうという声が頭に響いて、声の主が誰だったのかようやく気づいた。
 しかし気付いても、その現実をすぐには受け入れられない。スライムが人語を操るなんて聞いたことが無い。こいつらは最下等のモンスターで、いくら数が集まったってスライムは所詮スライムだろう。
 そんな風に混乱している内にも、スライムは次々服の下に入り込んでいて、体中を舐めるように這い回りながら広がっていく。ひたすらに気持ちが悪い。
「待てっ! まて、そこはっ」
 下着の中に侵入された段階で予想はできていたものの、とうとう尻穴にまでスライムが到着し、しかもグッグッと揉み込むように圧を掛けてくるから慌てた。とは言っても、拘束されきった体が動くはずもなく、必死で静止を望む声を上げる。
 もちろん、相手はこちらをすぐにでも殺せる状態にあるモンスターだ。こちらの意思などおかまいなしに、好き勝手出来る状況だ。
『心配、する、な』
 だからそんな言葉が掛けられるとは思っても見なかった。
『ナカに入れるのは、先だけ、だ、……お前を、壊すことは、しな、い』
 続いた言葉に諦めて体の力を抜いた。その言葉が本当でも、嘘でも、今更こちらに出来ることなんて何もないのだと、思い出してしまった。
 そうだ。ギリギリ生かされているだけのこの身に出来ることなんて何もない。受け入れるしかない。
 それでもやはり、黙って耐えることなんて出来なかった。
「あーっ、あーっっ、嘘、つきぃっっ、壊れ、っ、こわれ、るっ」
 このゲル状の生き物に「先」なんてあるわけがなかった。頭の中に響いた声によれば、先だけというのは一部だけという意味合いだったようだ。体全体を覆うほどに集まっている彼らにすれば、確かに「ほんの先っぽ一部分」なのかもしれないが、受け入れるこちらは既に限界を超えている。
 腹の奥深くまでパンパンに入り込まれて、それらがグニグニと腸内で蠢いているのが苦しくて気持ち悪い。
「むりっ、それ以上はむりぃっっ」
 奥の奥まで拡げるようにナカを揺すられ突かれ、鈍い痛みが広がっていく。
 痛い痛いと喚いて、もう無理だと泣いても、彼らの動きが緩むことはなかった。けれど、痛みを散らすように、ペニスへと纏わりついている彼らの一部が、快楽を送り込むべくそこを擦りあげてくる。腸内の一部も、同時に中から前立腺を捏ねていた。
「あーっ……あああっっ、イクっ、でるっっ」
 あっけなく頭の中が白く爆ぜる。けれどもちろん、それで終わりだなんてことはなかった。
 結局、何度イカされたかわからない。最終的には、尻の中を捏ねられる鈍い痛みすら快楽に取って代わられ、頭では依然として苦しくて気持ちが悪いと思っているのに、快楽にとろけた体はペニスを弄られることなく絶頂を繰り返していたように思う。
 曖昧なのは、最後の方には意識を飛ばしている時間も多かったせいだ。完全に意識を失くした後、いつまで続けられていたかはさっぱりわからない。
 意識を取り戻したときには周りにスライムの気配は皆無で、服の布地は幾分湿ったままではあったが、肌のベタつきなどは皆無だった。服も防具も多少の乱れは残るもののしっかりと纏ったままで、スライムに尻穴を犯されたなんて、随分とたちの悪い夢を見たと思えたなら良かったのに。
 あれが夢ではなかったことは、体が覚えている。腹の奥に、甘く鈍く疼くような感覚が残っていた。
 それでも、やがて記憶は薄れていくだろうと思っていた。
 もちろん、二度とあそこには近寄らないし、スライムだからと油断することだってしない。けれど何をされたかまで記憶にとどめる必要はない。
 なのに、自分の体の変化に、否が応でもあの日のことを繰り返し思い出す。ナカを頂くの意味も、どうやら尻穴を犯すなどという単純な話ではなかったらしい。
 あれ以来、一切便意がない。そして少しづつ腹の奥で何かの質量が増している。しかもそれは時折かすかに蠢き、あの甘く鈍く疼く感覚を引きおこした。
 自分腹の中で、たぶんきっと、あの日のスライムの欠片が育っている。

お題箱から<先っぽだけと言われて少しだけ中にはいるのを許したら最後まで突っ込まれて食べられちゃう話>
お題箱に頂いていたお題はこれで最後です。全6個、どれも楽しく書かせていただきました。どうもありがとうございました〜

 
 
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タチ予定だったのにネコにされた1

 ノリと勢いと酒の力で長年胸の奥に燻っていた想いを告げたのは三ヶ月ほど前で、その告白を嬉しいと言って喜んだのは、告白相手だったはずの男の隣りに座っていた別の友人だった。
 なぜそんな誤解を生んだのかわからない。会話の流れ的に、ずっと好きだったの言葉が誰に向けられたかはわかったはずだ。
 多分、きっと、おそらく。
 イマイチ自信を持って言い切れないのは、自分自身相当酔っていた自覚があるからで、もしかしたらそう誤解されるような何かを言うかするかしたのかもしれない。そうでなければ、いくらノリ良い連中ばかりとは言え、周りがあんな反応だったのが解せない。
 結局酔っ払い共に囃し立てられながら、あれよあれよと恋愛的な意味でなんて欠片も意識したことなどなかった男と、恋人という関係になっていた。
 もちろん酔いが覚めた翌日には、昨夜のは冗談だったで関係解消を試みようとした。しかしこちらが恋人なんて関係を続けられないと伝えるより先に、ずっと好きだったから本当に嬉しいと告げられてしまって、結局今もずるずると関係は続いている。
 元々友人ではあったけれど、今までは仲間内で集まる時に同席する程度で、そこまで親しくしていたわけではないような相手だったから、恋人なんてことになって初めて、二人きりで出歩くようになった。恋人である以上、多分これらはデートなんだろう。
 二人きりでもつまらないなんてことはなかったし、むしろ相手と過ごす時間は心地よかった。ずっと好きだったらしいから、こちらを気遣っているというか、機嫌を損ねないようにと振る舞っている可能性も高いけれど。
 ただ、恋人になってデートを重ねた所で、恋愛的に好きになれるかというと難しい。だって本当に想いを告げたいと思っていた友人と、重なるような部分がほとんどない。端的に言えば好みじゃない。
 それでも雰囲気に流されてキスは何度かした。さすがに嫌悪はないが、だからといって興奮もない。積極的に抱きたい感情は皆無で、むしろこんな状態でベッドに乗ったら、いろいろな意味で相手を失望させそうだ。
 相手はキスの先を望んでいる気配が濃厚だったけれど、それには気付かぬふりで、のらりくらりと避けていたのは認める。
 だからってこんな強行手段に出るとは思わなかった。外で夕飯兼ねて軽く飲んでいたはずが、気づけば相手の家に連れ込まれていて、しかもベッドの上であちこち拘束されていた。
「お前、俺にいったい何盛った?」
 どれくらい眠っていたのかわからないが、酔いはすっかり覚めているらしく、頭はスッキリしている。しかし寝ている間に弄られまくったらしい下半身は、握って数度強めに擦られたらあっさり達してしまいそうなくらいビキビキに張っていたし、尻穴の周りから腹の奥の方までが熱を持ってジンジンと疼いていた。
「飲ませたのは睡眠導入剤。お酒と併用ダメってわかってたから、そっちにはちょっとしか入れなかったけど、それでも随分効いたよね」
 たっぷり入っていたのは、帰宅後に水分補給しておきなよと渡されたペットボトルの水の方らしい。味がどうだったかは覚えていないが、そういえば渡された時、既にキャップは開いていた。
 ああ、でも、なんだか納得した。酒にはそこまで弱くないのに、あんなに眠いのはオカシイと思ってたんだ。
「それだけじゃない、だろ」
 どう考えたって精力剤とかのたぐいも使ってるはずだ。じゃなきゃ下半身がこんなになってるはずがない。
「後は媚薬クリームだね」
 アナニーサイトのレビューで高評価だったやつなどという、かなりどうでもいい情報と共に小さなケースを見せられた。

続きました→

 
 
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雷が怖いので19

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 両手はベッドマットから持ち上がらないよう括られているせいで、どうしようもなく流れてしまう涙や鼻水を拭うことも出来ず、ぐすぐすと鼻をすすっていたら、大きなため息と共にお尻から玩具が抜かれていく。
 プレイ中にあんなため息を吐かれるのは初めてだ。相手の言葉を信じていつか抱いてくれる日を待てなかったから、怒らせたか呆れられたかしたのだろうか。
 自己嫌悪にますます悲しくなって、彼の気配が離れていくのと同時に頭を伏せた。手が上げられないなら、顔を寄せればいい。動かせないのは両手だけで、足は拘束されていなかったので、膝も引き寄せ背を丸めてうずくまる。
 もう一度大きなため息が、今度は頭に近い方から聞こえてきてビクリと肩が揺れた。
「おい。泣いてないでちょっと顔上げろ」
 硬い声が降ってきて、ああやっぱり怒っているのだと思う。
 何かを取りに行っていたらしい彼が、ベッドの上にその何かを置いたのは気配でわかっていた。顔をあげた先には何が置かれているんだろう?
 けれど顔を上げるのは怖かった。怖いのは何が置かれているかわからないことではなく、怒っているのだろう彼を直視することがだ。
「別に、怒ってるわけじゃねぇから。だから顔上げろって」
 少し和らいだ声に、おずおずと頭をあげる。目の前に置かれていたのは、色んな形と大きさの、大人の玩具が三つほど。しかしその玩具はすぐに見えなくなった。
「あーもーひでぇ顔して」
 そんな言葉とともに、柔らかなタオルが顔に押し当てられたからだ。
「俺はお前の泣き顔好きだけど、好きなのは恥ずかしくて気持ち良すぎてどうしていいかわかんなくなってる泣き顔だからさ、悲しい泣き顔が見たいわけじゃねーんだよ」
「……ごめん、なさい」
「いや、ちゃんと説明しないでお前追い詰めたのは俺だから」
 顔を汚す色々な水分を拭い取ったあとは、手の拘束が外された。
「じゃ、お前をまだ抱けない理由、もっと詳しく説明するからここ座って」
 ベッドに腰掛けた相手が、その隣をぽんと叩く。頷いてその隣へ同じように腰掛ければ、先ほど見た玩具のうちの二つが膝の上に乗せられた。
「この二つはわかるよな?」
「はい」
 一つは今日つい今しがたまで使われていたスティックで、もう一つは前回使われたバイブだ。並べてみると、今日使われていたスティックは随分と細身だった。というか、前回使われていたものが意外と大きい。
「お前、毎回気持ちく終わってるからあんま自覚ないのかも知れないけど、前回どうやって気持ちくなったかどれくらい思い出せる?」
「前回?」
「これでお尻んなかぐりぐりされても、きもちぃもっとーとは、なかなかなれなかったろ。というかこれ突っ込まれて、きもちぃより苦しくなかったか?」
 バイブを差し出されて、確かに最初はかなり苦しかったと思い出す。でもちゃんと入ったし、最後は気持ちよくもなれた。
「でも、ちゃんと、イきました、よ」
「最後はな。でもそれだってイケるほど気持ちよかったのはお尻じゃなくてちんこの方だろうが」
「そもそもお尻だけでイッたことないんですけど」
「そうだな。だからまずはそれが一つ目」
「一つ目?」
「ちんこ同時に弄らなくても、お尻だけでもイケるようになろうなって話」
「両方同時にされるの、凄く気持ちいい、です、よ?」
「でもお尻だけ弄られてても、ちゃんと気持いいって思うようになってきてるだろ?」
「まぁ、はい」
「で、そこからが二つ目だけど、お前がお尻気持ちぃってなれるの、まだこのサイズなわけ」
 そう言って差し出されたのは、今日使われていた方のスティックだ。確かに細身というか、多分自分のフルサイズと比較しても小さいとは思う。
 というところで、なんとなく話が飲み込めてきたような気がした。
「おっきいんですか?」
「何が?」
「あなたの」
 いつもされるばっかりで、そういえば一度だって、この人が脱いだ姿を見たこがない。
「あー、それな。というわけで、はいこれ」
 そう言って渡されたのが、まだ使われたことのない、三つ目の玩具だった。前回使われたバイブよりも、さらに一回り以上大きい。
「まさか……」
「俺のサイズ、それくらいあるから」
「嘘だ」
「なんだとこら」
「だって触ったことも、見たことも、ないし」
「まぁな。されるの好きじゃないからな」
 そうなのか……
 抱いてもらえなくても、せめて他の方法で、相手を気持よくさせることが出来たらいいのに。なのにあっさり拒否されてしまってがっかりだった。
「本当に、このサイズだとして、入れるの無理、ですか?」
「お前、俺の話聞いてた? お前が気持ちよくなれるの、このサイズだっつってんじゃん」
「でもこっちのバイブは入ったし、最後は気持ちよくなれたじゃないですか」
「ちゃんとじっくり慣らせば、俺サイズで気持よくなれるから、いい子で待っとけっての」
「だってそれ、凄く時間かかりそう」
「そりゃそれなりに掛かるだろうけど、お前まだ暫くはこのバイト続けるんだろうし、別に焦んなくたっていいだろ?」
「でも早く、あなたに抱かれたいです」
「なんで?」
「なんで、って……あなたのものに、して欲しい、から?」
「それは愛人契約じゃ不満ってこと? お前、俺のペットか奴隷になりたいの?」
「えっ……?」
 違うの? という問いかけに、咄嗟に違いますよと返したものの、じゃあどういう意味かと聞かれると良くわからない。
 なんで自分は、こんなにもこの人に早く抱かれたくてたまらないんだろう?

続きました→

 
 
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雷が怖いので18

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 誕生日を祝ってもらってから先、イヤラシイおねだりを口にする、というプレイが格段に増えた。今までは恥ずかしさにやだやだ言いながらも、結局感じまくってイかされて、羞恥と居た堪れなさで泣いてしまうことが多かったのに、今は焦らされすぎるのとその結果言わされてしまうセリフが辛くて泣いてしまう。
 多分あの日、酔って甘えて、ちんちん入れてよなどと口走ったのが原因だ。
 外見も相まって背徳感が増すとかいう理由で、おちんちん弄って気持よくしてだとか、もっとおちんちんクチュクチュしてだとか、幼い言葉使いをさせられるのが恥ずかしすぎる。チビな童顔でも、股間にぶら下がるものにおちんちんという呼称が似合う幼さはさすがにない。酔っていたからといって、いつになく随分と甘やかな雰囲気だったとはいえ、なんであんな単語を口にしてしまったのか、今となってはもうさっぱりわからなかった。
 体毛だって薄い方ではあるかもしれないが、あちこちちゃんとそれなりに生えている。それらを剃りたいという要望は今のところ拒否できているけれど、いつまで拒否し続けられるかという不安は大きい。
 無理に感じさせられるよりもじりじりと炙られるように焦らされ続けるのとでは、圧倒的に後者のほうが思考力を奪っていくし、その状態で体毛の比較的濃い部分を柔らかに撫でられながら、剃ってツルツルにして可愛くしてしまおうよと優しい声音で囁かれると、彼以外に裸を見せる機会なんてそうそうないのだから別に剃られたって構わないのではと思考がグラグラ揺れるのがわかる。
 しかも、抱いてというお願いはその後も何度か口に出して頼んでいるのに、未だ叶えてもらっていない。それは可愛くおねだりが出来ていないとか、本気で求めていないとか、そういった話ではなく、体の準備がまだできてないと言う理由だった。
 せっかくだからちゃんとキモチイイ処女喪失がいいだろう? と言われたけれど、正直、そんなのどうでもいいから早く抱かれてしまいたい。そもそも、それなりの太さのある玩具やらを突っ込まれ済みなので、とっくに処女とは言えない気もする。わざわざ言ったりはしないけど。
 要するに、相手が、そうしたいだけ。結局のところ、まだその気にならないだけ。そして、そう思っている相手の気持ちが変わるような、有効的な誘惑が出来ていないというだけだ。
 整骨院やらマッサージ店とかに置かれているものより、やや幅広に感じる本当に簡易な造りのベッドの上、四つ這いで掲げたお尻に幾つかのボールが連結した形のアナルスティックがゆるゆるとした速度で出入りしている。
「ぁ、……あっ、…あぁ……」
 アナル以外一切弄るどころか触られていないし、両手は括られてベッドマットから離れないようにされていて自分で触ることだって出来ない状態なのに、ペニスは先端が腹につくほどはっきりガチガチに勃起していた。
「ふぁああああ」
 ずるずると抜け出ていく時にゾクゾクとした快感が背筋を走り、膝をガクガクと震わせながらたまらず声を上げる。
「お尻の穴、気持いいな?」
「ん、あっ、おしり、気持ちぃ」
 すでに癖のようなもので、言われた言葉を繰り返す。
「イヤラシク腰振って、凄く、可愛いよ。もっと気持ちよくなるには、どうすればいい?」
「も、っと、おしり、ずぽずぽぐりぐりして、ほし」
「うん、いい子だ」
 自分から言えるようになってきたねと褒められながら、出入りするスティックの速度が速められる。
「あああ、っああっっ」
 角度を変えたり回すように捻ったりと、求めた言葉通りに動かされて、強烈な快感にますます声を上げた。
 お尻の穴の中を玩具に擦られるだけでこんなに気持ちよくなれるのに、彼の言うキモチイイ処女喪失に、一体何が足りないのかわからない。
「あっ、あっ、やぁ、きもちぃっ、いきたい、も、いかせてっっ」
「いっていいよ。このままおしりズポズポされながらいってごらん?」
 そう言われたところで、簡単に達せられるものでもない。
「や、やぁ、いけ、ないっ」
「どうして? おしり、きもちいいんだろ?」
「きもちぃ、きもちぃっ」
「うん。きもちいぃな」
「うぁあああっっ」
 ますます激しくなる動きに、言葉が紡げなくなる。前も、ペニスも一緒にいじってほしいのに、それを口にだす余裕を奪われている。多分きっと、わざとだ。
 最近はこうやっておねだりすらさせて貰えないまま、脳が焼ききれそうな快感にさらされる時間が増えている。
「あああ、んああっ、やぁっ」
「ほら、どうした。いつでもイッて良いんだぞ」
 少し緩んだ動きに、ぐすっと鼻をすすった。
「おもちゃじゃ、やだぁ」
「え?」
「おもちゃ、やだ。入れて。も、ちんちん入れてよぉ。ちんちんで気持ちくしてよぉ」
 多分彼の予定では、ちんちん弄ってと言われるはずだったんだろう。実際、そうお願いするつもりだった。だって言ったところで、どうせ入れてもらえないことはわかっている。
 でも、お尻でこんなに気持ち良くなれてるのに、一向に抱いてもらえないことが、今日はなんだか凄く悲しいような気になってしまった。

続きました→

 
 
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弟の親友がヤバイ3

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 こんな異様な状況の中、男の手なんかで興奮するわけがない。
 お前と違って誰の手でも感じちゃう淫乱じゃないからな。なんて事を思ったりもしたけれど、それを口に出したりはしなかった。そういった事に慣れてない中学生と、そこそこ経験のある現在の自分とでは比較することそのものがオカシイのもわかっているし、そんな言葉を口に出して相手を煽ったらもっと酷い目にあわされそうだ。
 しかし諦めて大人しくされるがままになっても、反応しないことに焦れた相手によって、行為はあっさりエスカレートしていく。
 何をされたかというと、目隠しされた上で咥えられた。しかし目隠しなんてなんの意味もない。相手の顔を見なければ興奮できる、というような状況をとっくに超えている。
 両手を括られ拘束されていることも、ムリヤリ感じさせようという動きも、弟と極力二人きりにさせたくなくてまだ風呂を済ませていないという事実も、はっきり言って萎える要素ばかりだった。
 正直ここまでくると、必死になってバカだなぁという気持ちが強い。復讐だの負けず嫌いだの根に持つタイプだの言いつつも、これじゃ結局、相手にも相当ダメージがありそうだ。
 はぁ、と溜息を吐いたら、相手の動きが止まった。それからそっと体を離す気配がして、相手もとうとう諦める気になったのかもしれないと思う。できればそうであって欲しい。
 その願いが届いたのか、やがて目隠しが外された。ようやく開けた視界の先、困惑を混ぜた泣きそうな顔の相手が、インポかよと怒っている。さっきの余裕は当然無くて、そんな顔で睨まれたって欠片も怖さはない。
 その顔を見ていたら思わず笑ってしまって、相手はますます泣きそうな顔になった。せっかくそこそこ男前に育ったのに台無しだ。そして、そんな顔をさせているのが自分なのかと思うと、さすがに悪いことをした気になって胸が少し痛んだ。
「あのさ、俺、Mじゃないんだよね」
「だったら何?」
「酷いことされたら萎える系なの。でもお前の泣きそうな顔見てたら、ちょっと勃ちそうかもって気になった。……かも?」
「変態」
「まぁ否定はしない」
「ドS」
「そこまでではない、と思う。てか、ちょっと聞いていい?」
 相手は諦めきった顔で一つ息を吐き出すした。
「どうぞ」
「復讐って俺に何したいわけ? 俺がお前の手でイッたらそれで満足して終わり?」
「まさか。取り敢えずやられたことはやり返すってだけで、貴方に気持ちよくなってもらった後は、俺が気持ちよくさせて貰う予定でしたよ。だって遊びに来たら、あいつの代わりに、またキモチイ事してくれるって言ってましたよね?」
 覚えてますかと問われたので、覚えてるけどと返す。
 けれど相手はもう高校三年生だ。きっと手コキ程度で満足なんてしないだろう。だとしたら彼がしたみたいにフェラをしろだとか、もしかしたらそれ以上を求めてくる気なのかもしれない。
「てことは何? お前、俺に抱いて欲しいとか思ってんの?」
 あの時さっさと逃げ出した中学生が、すっかり成長を終えてから戻ってくる意味を考えたら、そのあたりかなと思うがどうなんだろう?
「逆です」
「逆?」
「抱かれるのは貴方の方」
「あっ、あー……そっち、か」
 それならがっちり成長を終えた後じゃなきゃ、近づく気にもならなかっただろうと、思わず納得してしまった。
「だってあいつの代わりだって言うなら、そっちのが自然でしょう?」
「そうね。お前の言い分は間違ってないよ」
 納得はできると、苦笑を零すしかない。
 さて、相手の希望を吐かせてみたけれど、これはどうすればいいだろう?
 彼の泣きそうな顔に過去の所業を反省し、少しくらいなら相手をしてもと思ったりもしたけれど、最終目的が抱くこととか言われてしまうと、やはりそう簡単には、じゃあお互いちょっとキモチクなってみようかなんて持ちかけられない。
「うーん……どうすっかなぁ」
「俺に、抱かれてくれます?」
 迷ったせいで、多少は見込みがあるとでも思ったのだろうか?
「いいよ。なんて言うと思うか?」
「全く欠片も思いませんね」
 相手もさすがに落ち着いて来たようで、返す口調がふてぶてしい。しかし、はっきり否定されてホッとしたのも事実だった。

続きました→

 
 
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