雷が怖いので プレイ24

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 何か気がかりなことがあるなら先に話を聞こうかと言われたけれど、この部屋で誰に何をしたのかなんて聞けるわけがない。聞いたって同じことが自分にできるわけじゃない。ただただ余計な嫉妬を煽って、更に自分を追い詰めるだけだとわかりきっている。
 それにきっと始まってしまえば、余計なことなんて考えられなくなるはずだ。そう思っていたのに、彼の手に触れられ体がはっきりと興奮し始めても、ふとした瞬間にチラリチラリと顔も知らない別の誰かの事が頭の隅を掠めていく。
 しかもそうなることを見越していたかのように、今日は仰向けに寝かされていて、こちらの顔色を伺い続けている彼の顔はいつもより渋くて冷たい感じがしている。気持ちが彼と彼のくれる行為に集中出来ていないのだから、面白くないのは当然だろう。
 左右の膝裏をそれぞれ抱えて、なるべく大きく足を開き、膝を胸に引き寄せるようにして腰を高く持ち上げる。そうやって晒したアナルを、彼の指が拡げるように出入りしているが、バイブやスティックの無機物ではなく彼の指で直接弄られているのに、快感はしっかり拾えても蕩けるみたいな幸せな感じがなくて切ない。
「そんなに集中できてないんじゃ、たいして気持ち良くもなれてないだろ」
 大きなため息を零されて身が震えた。頷くことも出来ないし、否定に首をふることも出来ない。それなりに気持ち良くはなれているけれど、余計なことに気を取られてなければ、もっともっと気持ち良くなれるのもわかっている。
「やっぱり今日はおしおきが必要そうだな」
「ごめん、なさい……」
「それは何の謝罪?」
「大丈夫じゃ、なかった、から」
 話を聞くといった彼に、大丈夫だからいつも通り始めてと返したのは自分だ。
「うん。それで、どうしたら集中できるかはわかってんの? 気がかり、俺に話してみる気になったか? 聞いて俺に何が出来るかは別にして、お前の気持ちをそこまで引きつけてるのが何か、興味がある」
 言えたらおしおきは軽いものにするけど、言わないなら少し痛いことも入れるから覚悟してと言われた後、こちらの回答を待つように口を閉ざす。痛いことも入れると明言されたおしおきなんて想像がつかなくて怖いのに、だからって話せるかと言えばやっぱり話せそうになかった。言いたくないし、聞きたくない。
「あと五、数える間に話すって言わなかったら、キツイおしおき決定な」
 スタートしたカウントダウンは随分とゆったりしたペースだったけれど、それがゼロを数えても、結局何も言えなかった。
「お前、今、自分がどれだけマズい選択したか、自覚ある?」
 呆れ顔が寄せられて、低い声が冷たい囁きを落とす。僅かだがはっきりと怒りを孕んだ視線に恐怖して、逃げるようにそっと顔を逸らし、ごめんなさいと謝った。
「で、今度は何の謝罪? とりあえず謝っとけってだけの謝罪なんて、無意味どころか下手したら逆効果だからな?」
 指摘されてそれ以上言えることなんてなにもない。怒らせたことへの恐怖で、ただただ口に出してしまった謝罪だった。
「なんで何も言わねぇの?」
「だ……って、何、言えばいいか、わかん、ない」
「いつもはあんないい子なのに、わかんないのは別のことに気を取られすぎだからだろ」
「ひぃんっっ」
 そんな言葉とともにバチンと大きな音が響き、右の尻タブに走った痛みに思わず情けない声を上げた。強い痛みは一瞬だったけれど、ジンジンとした熱い痺れは続いている。痛みでと言うよりは叩かれたショックで、じわりと目尻に涙が浮かんだ。
 すっかり動きの止まっていた指が、またユルユルと腸壁を擦りだす。辛うじて膝裏を抱えたままでいたものの、すっかり落ちていた腰を慌ててグッと持ち上げれば、幾分柔らかな声がいい子だと褒めてくれた。でも、それにホッと安堵するような余裕はくれない。
「ぁうっ!」
 また音が鳴って、今度は左の尻タブに痛みが走った。腰を上げた分、きっと叩きやすくなっている。でもこれで逃げるように腰を落としたり、身を捩ったりすれば、よりキツイおしおきをされることになるんだろう。痛いこともすると言われて始まったおしおきなのだから、このまま受け止めるのが正解だ。
「ほら、ちょっと痛くしただけで、これ以上酷くされないようにって、ちゃんといい子な判断が出来るのに。気を逸らしているから、あんな黙ってカウントダウン待つようなバカな真似をして。話せないなら話せないって言って、自分からおしおきして下さいって言うべきだったんだよ。いつものお前なら、多分出来てた」
 そのまま続けて左右の尻タブを交互に二回ずつ叩かれ、叩かれるたびにその衝撃で声を漏らした。

続きました→

 
 
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淫魔に取り憑かれてずっと発情期

 壁に手をつき尻を突き出しながら、熱を持った固い楔に尻穴を穿たれると、心に反して自身の熱も昂ぶっていく。発情しきった体は慣れてしまった行為に明確な反応を示すのに、こんなことは望んでいないと反発する気持ちが抑えきれない。
「ぁっ、んぁっ、やぁあっ」
「こんなぐちゃぐちゃのトロトロにして腰振って誘って、何がやぁあだ」
 背後でフンッと鼻で笑った相手は、容赦なくガツガツと尻穴の中をえぐってくる。多少乱暴に突かれても、たまらない快感が体の中を走り抜けていく。なんてイヤラシイ体だと、惨めな気持ちで泣きそうになった。
「何泣いてんだよ。気持ち良すぎってか」
 耐えられず何度かしゃくり上げれば、下卑た笑いが響いて今日の相手はハズレだなと思う。
「すっげ良さそうだもんなぁ」
 淫乱ケツマンコだなどと揶揄い混じりに告げながら、随分と自分勝手に好き放題に腰を振ってくる相手に、こんな体じゃなければ絶対に感じないのにと悔しさがこみ上げた。
「あっ、あッ、もイくっイッちゃう」
 こんな場合はさっさと終わってしまうに限る。
「ほら、イけよ」
「んっ…んっ……あぁっイッてっ……お願い、一緒にイッてぇ」
「はっ、えっろ。だったらもっとケツ締めな」
 パアンと乾いた音が響いてお尻にジンと痺れる痛みが走った。
「はぁんんっっ」
 なのに口からは甘い響きが迸る。実際、痛みと快感は背中合わせに存在している。
「叩かれても感じんのかよ。まじドMだな。おらもっと感じろよ」
 パァンパァンと続けざまに尻を叩かれて、そのたびにあっアッと甘い息を零しながら、相手の望みに応えるように肛門を締めるよう力を込めた。
「はぁっ、良いぞ。イくっ」
 一段と激しい律動の後、体の奥にドロリと熱が広がっていく。結局こちらの熱は置いてきぼりだが目的は達成だ。
 次回を誘う相手の言葉に適当な相槌を愛想よく振りまきながら、この近辺で相手を漁るのはこれで最後かなと思う。自分本位で下手くそなセックスも嫌だが、何より執着されるのが困る。下手な奴ほど執着傾向にあるから、その点から言ってもコイツは要注意人物だ。
 また別の場所を探すのもそれはそれで面倒だが仕方がない。今日のうちにもう一人くらい探したいところだけれど、次はどこへ行ってみようか。
 じゃあねと名残惜しげな相手に別れを告げてその場を後にする。
「おい、居るんだろ」
 歩きながら携帯でハッテン場と呼ばれる場所を検索しつつ、何もない空間に語りかけた。
『居るよぉ』
 声は頭のなかに響いてくる。
「あんま変なの引っ掛けてくんなよ。もうあそこ使えないぞ」
『なんでぇーそんな気にする事なくない?』
「いやアレは面倒なタイプだろどう見ても。だからもっと紳士的でセックス上手いヤツ連れて来いって」
『叩かれて喜んでたくせにぃ』
「何されたって感じる体にしたのお前だろ。あんなのまったくタイプじゃないから」
『ああいうタイプのがさっくり誘われてくれて楽なんだよねぇ。ナマ中出しにも抵抗薄いし』
「だからそこ手ぇぬくなって言ってんの」
『優しくされたらそれはそれで泣いちゃうくせにぃ』
「煩いな。誰のせいでこんな目にあってると思ってんだ」
『ボクのためってわかってるし感謝もしてるよぉ』
 声の主は、100人分の精子を集めるための任務に、女でも男に抱かれたいゲイでもない人間に取り憑いてしまうような、アホでドジで迷惑極まりない自称淫魔だ。100人の相手に中出しされるまで、この体はずっと発情し続けると言われ、実際抜いても抜いても治らない体の熱に、泣きながら初めて男に抱かれたのは二か月近く前だった。
 中出しされるとしばらくの間は体の熱が治まるけれど、それもせいぜい二、三日程度でしかない。おかげで一切そんな性癖がなかった自分が、嫌々ながらも日々男に抱かれて相手の精子を搾り集めている。
 精子を注がれるために発情している体は、男に何をされても基本気持ちが良いと言うのが楽でもあるし、切なく苦しくもあった。
 そんなこんなで、半月くらいはこの現状を呪って泣き暮らしたけれど、そのあとは開き直って積極的に男を漁っている。さっさと100人斬りを達成して、こんな生活とおさらばしたい。
 相手は自称淫魔がその場で適当に見繕ってくれるが、基本アホでドジなので、オカシナ男を連れてくることも多々あった。こんな自分に取り憑いたくらいなので、特に相手の性癖を見抜く力が低いらしい。
 どうやら自分に取り憑くのと似た方法で相手をその気にさせるようだが、その効力は相手が精を吐き出すまでしか持続しないから、ノンケを引っ掛けてきた時は色々と面倒だった。そういう意味では、事後に次の誘いを掛けてきた今日の男は、自称淫魔的には当たりなんだろう。
 わざわざハッテン場まで出向いているのだから、それくらいは当たり前にこなして欲しいし、出来ればこちらへの気遣いもある、セックスの上手い奴を探して連れて来て欲しい。けれどそんな大当たりは、今のところ片手で足りる程度しか記憶に無い。
『ごめんねぇ』
 大きくため息を吐いたら、申し訳無さそうな声音が頭に響いた。
「謝罪はいいから次行くぞ次。次はもっとマシなの引っ掛けてこいよ」
 本当に、早い所100人に抱かれて、こんな日々をさっさと終わりにしようと思った。

お題提供:pic.twitter.com/W8Xk4zsnzHimage

 
 
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恋人になった元教え子にまた抱かれる日々の幸せ

取引先に元教え子が就職してましたの続きです。最初から読む場合はこちら→

 普通の抱かれ方じゃどうせ満足できっこないから、昔みたいにして欲しい。苗字なんてもってのほかで、けれど名前でもなく、出来ればやはりセンセイと呼んで欲しい。
 晴れて恋人となった元教え子に、正直にこちらの欲望を突きつけたら、彼は少し困った様子で、けれど楽しそうに、センセイがそれでいいならと言った。願ったりかなったりだとも付け加えて。
 結局あんな関係が長いこと続いていたのは、当時はまだ無自覚だったり未開発だったにしろ、互いの性癖がうまいこと合致していた結果だったんだろう。
 そうして再開した関係は順調だった。
 今日もまた彼の目の前で、獣のように四つ這いになって腰を高くあげ、添えた左手の人差指と中指で左右にぐいと伸ばしひろげて見せながら、先細りの円錐形アナルバイブを自ら突き刺し前後させている。振動はさせていないが、それでも慣れた体はすでに充分昂ぶっている。
「あ、あアっ、イイっ、ぁあん、んっ」
 声を噛まずにこぼれさせるよう言われているので、開かれた口からはひっきりなしに音がもれていた。安アパートで行為を重ねた昔と違って、音が漏れる心配があまりないためだ。昔みたいにとは言っても、そんな風に変化したことも多々あった。
「イイ、イッちゃう、おしりだけでイッちゃうっ」
「トロトロだねセンセイ。でもまだイッたらダメだよ。イくのは我慢しないとね」
 これも変化したことの一つだろう。昔はイくのを耐えろと言われることはほぼなく、ひたすら何度もイかされ続けることが多かった。
 昔は言われるまでもなく耐えていた、というのもあるかもしれない。恋人となった甘えから、彼の前に快楽を晒す抵抗が薄くなったのを、的確に見ぬかれた結果かもしれない。
 背後からかかる声に荒い息を吐きながらどうにかイッてしまうのを耐える。なのに、続く声は容赦がない。
「だからって手を止めていいとも言ってないよ?」
「あああぁっんんっ」
 ほらちゃんと動かして。という言葉に、恐る恐る埋まっているバイブを引き出すが、背筋を抜ける快感にやはり途中で動きを止めてしまった。動かし続けたらすぐさまイッてしまいそうだった。
「むりっイッちゃう、イッちゃうから」
「じゃあ少し休憩しようか」
 その言葉にホッと出来たのは一瞬で、休憩中はバイブスイッチを入れるよう命じられる。
「弱でいいよ。それで5分我慢できたら、後はいっぱいイかせてあげる」
 いっぱいイカせてあげるという言葉だけで、期待に腸壁が蠢き中のバイブを締め付ける。しかしこの状態で振動なんてさせたら、動かさなくたって充分にキツイ。5分も耐えられる自信はなかった。
「自分で入れられない?」
 躊躇えば、俺がスイッチ入れようかと優しい声が響く。けれどその場合、ただスイッチだけが入れられるのみ、なんてことは絶対にないのがわかりきっている。
「でき、る。やる、から」
 覚悟を決めてスイッチへ指先を当てた。
「ふぁぁあんあ゛あ゛ぁぁ」
 始まる振動に、背を大きく逸らして吠える。弱とはいえ機械の振動に容赦なく追い詰められていく。
 結局半泣きで耐えられたのは何分だったのだろうか。
「だめっダメッ、あ、イッちゃぅんんっっっ痛っっ!!」
 上り詰めてしまった瞬間、尻に熱い痛みが走った。
「い、った、あっ、あっ、ごめん、痛っあぁんっ」
 無言のまま10回ほど尻を叩かれたが、これは始めから言われていたことだ。我慢できずに勝手にイッたら、そのたびにお尻を10回叩くお仕置きをするよと。
「センセイはお尻を叩かれても感じちゃうの?」
 叩かれ熱を持つ尻を優しく撫でながらふふっと笑われ、カッと顔も熱くなる。その言葉を否定しきれない自覚があるくせに、口は否定を音にする。
「ち、違っ」
「本当に?」
 先程よりもずっと軽く尻を叩かれ、こぼれ落ちた声は自分でもわかる程に甘い響きをしていた。
「はぁあん」
「次はおしり叩かれながらイッてみる?」
 言葉に詰まってしまったら、やはり小さく笑われた後、バイブを握られるのがわかった。バイブはもちろん、未だ小さな振動を続けている。
「はあぁぁ、あああ…んんっっ、んっ、ああっ」
「ほら、やっぱり気持ちいいんだ」
「いいっ、ああぁイイっ」
  バイブを抜き差しされながら軽く尻を叩かれ続け、未知の快感に体も心も喜び震えた。
 これだ、という満ち足りた思い。優しく追い詰められながら、自分一人ではたどり着けない、快楽の新しい扉を開いて行くような感覚。与えてくれたのは彼だけだった。
 しかもそこには今、紛れもなく愛があるのだ。この体を使ってただ遊ばれているわけじゃない。
 このままイッてごらんと囁く甘やかな言葉に導かれて、幸せを噛み締めながら上り詰めた。

 
 
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