雷が怖いので プレイ8

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 ヒクッと喉が引き攣るような息が漏れる。目の奥が痛くなって、そっと俯き、キュッと唇を噛み締めた。
 上手にイケたら、褒めてくれると、思っていた。また蕩けるみたいな顔で笑って、頑張ったねって、よくイケましたって、そう言ってくれるんじゃないかと思っていた。
 それは期待だったのだと、想像と全く違った反応にショックを受けながら、ようやく理解した気がする。
 顔を上げてという声とともに、有無を言わさず顎をとられて上向かせられた。
「またそんな顔をして」
 半泣きの目元を苦笑とともに指先で拭われたけれど、優しくされると余計に泣いてしまいそうだ。というか実際泣いた。
 本格的に泣き出してしまったこちらに、一瞬呆れた顔をされたことさえ、余計に涙を誘う。更にしゃくりあげるこちらを緩く抱きしめ、宥めるように背をトントンと軽く叩いてくれたから、泣き止んだら今日はもう終わりかなと思って、ますます悲しくなってくる。
 初回も、前回も、びっくりするような給料を入れてくれていたから、今日は自分なりに頑張れたらと思っていただけなのに。
 どれほどの時間泣いていたかは分からないが、少なくとも、初日とは比べ物にならないほど長く、彼の腕の中で無言のままあやされ続けていた。しゃくりあげなくなっても、呼吸の乱れがはっきりと落ち着いても、黙って背を叩かれ続けて、さすがにいたたまれない気持ちのほうが大きくなる。
「ごめん、なさい。も、大丈夫」
 告げて自分からそっと相手の体を引き離すように力を込めれば、相手はあっさりと身を離す。本当は自分が身を引ければよかったのだけれど、背後が壁では相手を押しのけるより他なかった。
「いや、俺も悪かった。お前、あんなに迂闊で危なっかしいのに、妙なところが鋭いな」
 そう言って苦笑する。よく意味がわからずじっと相手を見つめてしまったら、ますます苦笑しながら、目が真っ赤と指摘された。そしていたわるみたいなキスを目元に落とされる。
「さっき、もしお前が勝手な判断で脱いでたら、おしおきからスタートだったって言ったの、覚えてるよな?」
「はい」
「つまりそういうことなんだけど。っつったらお前、さっき俺におしおきされたんだって、理解できるか? お前の反応を楽しむための意地悪じゃなくて、明確におしおきだったのを感じ取ったから、お前、泣いたんじゃないのか? 俺に怒られてるって、思ったんだろう?」
「え、と……えっ? いや、そんなの、わかんない」
「やっぱ自覚はないのか。じゃあなんで泣いたの?」
「な、泣いたのは、頑張ったら褒めてもらえると、思ってたのに意地悪されたからで……というか、おしおきって、あれ、おしおきなの。俺、そんなに変なこと、してた?」
「変なことっていうか、お前の勝手な判断で、勝手に腰振って、勝手に気持ち良くイこうとしたろ、って言ってんの。まぁ俺も読みが甘かったよ。自分からズボン脱ぐとか言い出した時に気付いてたら、もうちょいちゃんと、イヤラシク腰振る練習してきたから見てくださいって、先に言えるように誘導してやったんだけどな」
「え、ちょ、ま、待って。待って」
 なんで練習してきたの前提なんだ。というか、さっきは疑問形だったはずで、それに肯定を返した記憶はないのに。
「わざわざ練習してきたお前の努力はちゃんと評価してる。そこは泣く必要ないからな。給料にも上乗せするし、今日まだ続ける気があるなら、ご褒美だって渡すつもりだよ」
「だから待ってって! なんで、練習したって、思うの」
「むしろしてない方がオカシイ動きだったから?」
 何を聞いているんだと言いたげに返されたが、何を言っているんだと言いたい。というかそんなにあからさまに違うものなの?
 このバイトのために、普段しないようなオナニーを必死に頑張って練習してきたのだと、知られていたのがとてつもなく恥ずかしい。
「後で聞けばいいかと思ってたけど、そういや練習って何したの?」
 机? 椅子? ポール? 座布団とか布団丸めた? などと次々上がる候補に、ますます恥ずかしくなるのは、わざわざ抱き枕を買っていたからだ。それは彼の腿を想定できそうな、少し固めの商品だ。
「教えてくれないなら、今言ったの、次回全部揃えておくから、一つずつ目の前で試してもらおうか。あ、それで俺がお前の練習道具当てたら、お前からなんかご褒美出してくれるとかどうよ?」
 言わずに済ませられないかとも思ったが、どうやら逃してくれる気はないらしい。というか放って置いたら次週本気でそれらを実行されそうで、慌てて口を開いた。
「抱き枕、です」
 仕方なく告げれば、今度はそれを次回持ってきて、練習してる所を見せろなどという。もちろん、絶対イヤだとはっきり拒否した。

続きました→

 
 
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雷が怖いので プレイ7

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 正直過ぎる自分の体の反応に対する羞恥はもちろんあるが、こちらを観察する彼の視線にも羞恥が募る。顔が熱くなる。
 体ははっきりと興奮を示しているが、それは彼から与えられる刺激に対してというよりも、下着越しとはいえ彼の手に触れられているのだという視覚的な興奮と、これから何をされるのだという、不安と恐怖と期待とがごちゃまぜになったような興奮からだった。
 息をひそめて彼と見つめ合う。視線は外せないままだった。
 そのせいの緊張もあるだろう。与えられる刺激に体は反応していたが、気持ち良くて蕩けて行きそうな快楽は発生していない。
 はしたなく淫らに喘いでしまう事はないけれど、だからこそ戸惑ってもいた。もうズボンは脱がされているのに、これはいつまで、そしてどこまで続けられるのだろう?
「このまま、俺の手で直接握って扱いてやろうか?」
 言葉が耳に届いた瞬間、思いっきり頭を左右に振って拒否を示す。
「ゃ、だ……」
 絞り出した声は掠れた上に殆ど音になってなかったかも知れない。
「嫌がり過ぎ。というよりは怯えてる、のか」
 仕方ないから中身拝見はもう少し待ってあげると苦笑された後、股間に当てられた手が離される。立ち上がり見下ろしてくる相手に、安堵して良いのか迷っていたら、苦笑したままの顔が近づき優しいキスが落ちた。
 宥めるみたいな触れるだけのキスを数度繰り返され、ああやっと前回の復習が開始したのだと認識し、少しばかり体の力が抜ける。それを待っていたとばかりに、少しずつキスが深くなっていく。
 彼の舌を受け入れて、キモチイイを逃さないようにと追いかけた。普段はアレコレ気になってしまって、なかなかずっと目を閉じてはいられないのだけれど、今日はぎゅっと目に力を込めて、意識して瞼を下ろし続ける。与えられるキスに集中し、少しでも多くの快感を拾おうと必死だった。
「ん、っふ、」
 甘えるみたいに声をあげながら、両腕を軽く持ち上げて相手の脇腹あたりの服をきゅっと握りしめる。足腰にゾクゾクとした痺れが走るような、立っているのが辛いほどの快楽には程遠いけれど、そうなってしまってからだと前回の二の舞いになるのはわかっていた。
 少しずつ腰を落としていけば、察したように彼の膝が両足を割ってきたので、そのまま腿に股間を押し当てていく。キスは始まったばかりだけれど、さきほどの興奮は当然残っていたし、自らぐっと押し込む強い刺激に体がわななく。
「ん゛ん゛っっ」
 最初の衝撃をやり過ごした後は、少しずつ腰を揺らめかせていく。どうすればより気持ち良くなれるかを考えながら、だんだんと腰の動きを大きくし、彼の腿に勃起ペニスを擦り付けていった。
「ぁ、っあ、……っはぁ……」
 ちょうどいい強度と速度を見つけ出して、少しずつ息が乱れていく。このまま続けていれば、きっともうすぐ射精できる。
 そう、思っていたのに……
「ははっ、今日はそのままイケそうだな。もしかして練習でもしてきた?」
 真面目だねぇと明らかにからかう口調で告げられて、ハッと息を呑みながら閉じていた瞼を押し上げた。彼の顔は予想していた近さにはなく、完全に観察者の顔でこちらを見下ろしていた。
 いつキスが中断されたのかわからないが、わからないほど夢中になって、自分で腰を振って勃起ペニスを彼の腿に擦り付けていたのかと思うと、とたんに酷く恥ずかしい。
「え……っ、ぁ……っ」
「腰、止まっちゃってるよ。ほら、続けて。俺に、お前がオナニーで気持ち良くイク顔見せて?」
 本当に意地が悪い。確かにやっていることは相手の体を借りたオナニーだけど、そんなことを言われて、わかりましたと続けられるはずがない。
 彼の言葉が掛けられた直後から、体は硬直して動けなくなっていた。動けないのに、もっと刺激が欲しいのと羞恥とが混ざって、ふるふる小刻みに体が震えてしまう。そんなわずかな震えが、股間を揺すって刺激してくるから、体と気持ちを落ち着けることも出来ない。
 酷く中途半端な形で留まるように仕向けたのは、明らかに目の前にいるこの男だった。
 何を言われようと腰を振り続けるくらい昂ってしまうギリギリ手前を狙っていたんだろう。彼の言葉に羞恥し、こちらが躊躇い動けなくなるのを、きっと彼はわかっていた。

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雷が怖いので プレイ6

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 翌週もまた、同じ時間にバイト先を訪れる。玄関先でいくら稼いで帰るか聞かれて、これまた同じように一万円と返したら、それなら前回の復習でと提案されて受け入れた。
 どんな復習をするか、何が出来れば終了になるかは、言われなかったし聞かなかった。だって多分きっと、彼の目的はわかっている。
 防音室に入って荷物をおろし、先に部屋の奥へと向かっている背中に声をかけた。振り向いた相手は、こちらの緊張に気付いてか少し不思議そうな顔を見せている。
「あの、ズボンだけ、脱ぎたいんですけど」
「ズボンだけ?」
 確かめるように繰り返されて頷いた。
 前回の復習なら今日だってきっと彼の腿に股間を擦り付けイクことを要求されるだろう。そう考えたら、服の布地は薄いほうがいい。
「わかった。いいよ」
「じゃあ、脱いで」
「いや。そのままこっちにおいで」
 脱いでから行きますの言葉は最後まで言わせて貰えなかった。
 言われた通り彼の元へ歩いていき、いつもと同じ壁際に立って目の前に立つ彼を見上げる。それだけでなんだか体の熱が上がる気がして恥ずかしい。ここに立ってキモチイイ事をされるのは、まだ前回と前々回の二度だけだって言うのに、どうやら体が思い出してしまうらしい。
「じゃあまずは、ズボン脱がせて下さい、ってお願いからして貰おうか?」
 そんなこちらの羞恥に構うことなく、彼がニヤリと笑って告げた。
「えっ……」
「勝手に脱がずに、ちゃんと俺に確認できたご褒美に、俺が脱がせてやるって言ってるの」
 こうなるってわかってたら、素直にここへ来たりせず、荷物と一緒にズボンも置いてくればよかった。そう思ってしまった気持ちはダダ漏れだったのか、彼のニヤニヤ笑いが深くなる。
「ちなみに、勝手な判断で脱いできてたら、今日はおしおきからスタートだっただろうな」
 おしおきの内容なんてとてもじゃないが聞く気になれない。小さく諦めの息をついて、口を開いた。
「ズボンだけ、脱がせて下さい」
「おっと、随分そっけないな。俺に服を脱がされるってことを、もう少し意識してくれていいぞ」
「って、脱がす以外の変なこと、しないでくださいよ」
「何言ってんだ。するに決まってんだろ」
 思わず後ずさったが、ほんの一歩で背中は壁に当たってしまう。その一歩を黙って詰めてきた相手が、すっと腰を落として目の前に跪いた。
 カチャカチャと音を立ててベルトを外され、スルッとフロントボタンを開けられ、ジジジとじれったいくらいゆっくりとした音を立てながらファスナーを下げられていく。音を聞かせたいとでも言うのか、彼は一言だってしゃべらないし、それに釣られるのか、こちらもなぜか息を詰めてしまう。
 しかも相手は手先ではなくこちらをじっと見上げていて、どうしたって気になり下げかける頭を必死で背けて彼と目線が合わないようにした。頬に彼の視線が刺さる気がしてなんとも落ち着かない。
 やがてゆっくりと下ろされ、足に布や布を握る彼の手が何度も振れた。肌を擦るそれらに、くすぐったさともどかしさを感じて、うっかりしていると腰が揺れそうになる。それを必死で堪える中、やっと彼の声が掛かって、言われるまま左右の足を交互に上げればようやくズボンが抜かれていく。
 ホッと安堵の息を吐くのと、フッとおかしそうな吐息が下肢の方から漏れたのは、同時だった。ハッとして下肢を見れば、今にも彼の手が股間に触れそうだ。なのに相変わらず彼はこちらを見上げていて、絡んだ視線に体が硬直する。
「ズボン脱がされただけで、もう、こんなに興奮してんのな」
 楽しげに笑って見せながら、股間の膨らみを確かめるように、彼の右手が下着の上からペニスを覆った。その手をユルユルと上下されるだけで、半勃起程度だったペニスはあっという間に大きさを増していく。

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雷が怖いので プレイ5

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 膝が震えて足に力が入らない。手だってまだ辛うじて相手の服を掴めているけれど、指の力を少しでも抜けば、腕はだらりと落ちてしまうだろう。すっかり相手の腿に乗りかかっている腰は、ゆらゆらもぞもぞと動き続けているけれど、でも達するための快感を得るほどの動きなんて出来ていない。
「ますますトロットロの可愛い顔になったね。俺とのキスは気持ちいい?」
「ん、ぁ、きも、ちぃい」
「いい子。これからも、気持ちいい時は、ちゃんと気持ちいいって、言おうな」
 なんども頷いて見せれば、耳元にキスが落とされる。ちゅっちゅと小さなリップ音が耳に響いて、かすかなゾワゾワがそこに集まってくるようだった。
「ぁ、……ぁっ……」
「これも、気持ちいい、だろ?」
「ぁああっっ」
 言いながら耳朶を柔く食まれて、ゾクリとした快感が背筋を這い登っていった。
「きもちぃ、これも、きも、ちい」
 気持ちが良いと繰り返せば、いい子と言われながら、さらにしつこく耳を嬲られていく。片耳が開放されれば、次は反対の耳へ。乾いた耳元に唇が触れれば、また最初のゾワゾワが集まってくる。
「ぁ、……ぁっ……」
 耳朶を食まれることを予想して、それだけで快感が背筋を這い登る中、けれどすぐには予想していた刺激は与えられなかった。
「そろそろイこうか?」
 囁きが吹き込まれる。しかし体どころか頭の中までキモチイイでいっぱいになってとろけきっていたせいか、一瞬何を言われているのかわからなかった。というか、どこへ行くのかと思ってしまった。けれどすぐに、腿を揺すられ声を上げて、イクの意味を理解する。
「あんんっっ」
「ご褒美気持ちいいのわかるけど、どうしてご褒美貰えてるのか思い出そうな」
 つまり、気持ちよさに身を委ねていないで、さっきみたいにちゃんと自分で腰を振れと言われているようだ。震える足と腰に力を入れながら、少しばかり持ち上げてくれたままの腿へ、グッと股間を押し当てていく。
「ん゛ぁ゛あっ」
 ビリビリとした刺激が体を巡って、一瞬目の前がチカチカ明滅した。そのままの刺激が続けば確実に達していたと思う。けれど強すぎる刺激に腰が引けてしまったというか、体の力が入らないというかで、結局、荒い息を吐きながら相手の腿に身を委ねてしまっている。
「もうちょっとだな。ご褒美の続きあげるから、頑張ってイッてごらん」
 言われた瞬間、頭のなかに大きく無理だと響いた。ムリムリムリ。出来っこない。もうちょっとだなんて、絶対相手の勘違い。
 だって耳を嬲られたら体を支える根幹がまたグズグズに感じてしまうのは明白だ。自分自身の力で、グリグリと相手の腿に股間を擦り付け続けるなんて、とても出来そうになかった。
 前回はキモチイイの波に飲まれながら相手の手で揺すられてイッたわけだけれど、思えば結構な力が掛けられていたような気がする。かなりガッシリ腰を掴まれていたし、グッと腿に押し込む力も強かった。
 あれくらいの力を掛けなければ、ズボンを履いたままの股間を擦り付ける、なんて方法で達するのはきっと難しい。しかもそうやって達することに、こちらは全く慣れていない。
 擦り付け系オナニーの存在も知らなくはないけれど、男でやってる作品はほとんど見たことがないし、だから自分もやってみようなんて思うこともなかった。
 無理だ出来ないと思う理由は次々と思い浮かぶのに、じゃあどうしたらこれを回避できるか考えるのは難しい。絶対相手の勘違いだとは思っているけれど、それでも、もうちょっとで出来ると言われた内容に、無理だとか出来ないなんて言ってもきっと聞き入れてはくれないだろう。
 そうこうしているうちに、ご褒美の続きが始まってしまった。耳朶を食まれて吸われてゾクゾクが体を這い登る。
「んぁあっ、おねがいっ……して。あなたが、して。俺を、イか、せて」
 とっさに口をついて出たのはそれだった。だって自分で腰を振っていくのが無理なら、もう、相手に頼るしかない。終了条件のもう一つを忘れてはいなかった。
 さすがに驚かせたのか、相手の頭が耳横から離れて、真正面から見下される。
「俺の聞き違いじゃないなら、今の、もう一回、言って?」
「一人じゃ、出来ない。イケない、から。お願い、手伝って」
 どうにか頷いてもらおうと必死に口を開く。それを相手は、楽しそうに、嬉しそうに、見ていた。
「どんな風に手伝ってほしいの? 俺に何をして欲しいか、ちゃんと言わないと。ただ手伝ってだけじゃ、お前が思ってもみないようなお手伝いしちゃうかもよ?」
 ニヤリと笑われ思わずホッとする。自分でイケなくてもいい。彼の手でして貰える。
 チラリと、そんなことに安堵するなんてと思ったりもしたけれど、その違和感を気にする余裕なんて当然なかった。彼の望む言葉を探しながら、やっぱり必死に口を開く。
「え、っと……一人じゃ、気持ちよすぎて、強くグリグリ、続けられない、から。だから、あなたの手で、あなたの腿に、強く押し付けて揺すって欲しい、です。俺が、イケる、まで」
「お前が自分で、俺の腿に勃起ペニス擦り付けて精液漏らすところが見たかったんだけど、まぁ、二回目って考えたらかなり上出来な部類かな。じゃあ最後に、先走りでグチュグチュの下着の中にたっぷり精液吐き出せるくらい、うんと気持ちよくして、って言って?」
 つっかえながらも言われた通りに繰り返せば、相手は良いよと言って笑った。
「うんと気持ち良く、してあげる。気持ち良くなれたら、どうすればいいか、わかってるよな?」
「ちゃんと、気持ちぃ、って、言う」
「いい子だ。じゃあ、気持ちいいって喘ぎながら、グリグリ俺の腿に勃起ペニス擦られて、いっぱい射精しような」
 その言葉通り、何度も気持ちいいと繰り返しながら、ズボンの中の勃起ペニスを相手の腿に強く擦り付けるように揺すられる。ご褒美の残りなのか同時に耳も嬲られていたし、目の前はチカチカしっぱなしで、真っ白に爆ぜるのはあっという間だった。
 今回は吐き出したものを確認させたらとか、着替えを見せたらとかの給料上乗せ提案があったけれど、断れば残念だと言いながらもあっさり防音室を出て行く。給料を用意しておくから身支度が整ったらリビングへと言うのは前回と同じだ。
 帰宅後取り出した封筒の中身は、一万円札が二枚と千円札が三枚だった。

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雷が怖いので プレイ4

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 いったい何を言わされるんだろう。ドキドキと胸が高鳴っているのは、興奮なのか不安なのか緊張なのかわからない。
 見上げる顔がまた近づいてくる。けれど彼の唇は、親指の押し当てられた唇にではなく、頬をかすめて耳たぶに落ちた。
「んぁっ」
 小さく声を漏らして肩を跳ねれば、クスリと笑われる気配がする。
「ここも弱かったよな。ここも弄り倒して、お前にキモチイイって言わせてやりたい」
 前回途中で終わっちゃったしと言われて、やっぱり必死で頷いてみせた。耳を舐め弄られるのが追加されたところで、どのみち感じさせられてドロドロになるのは一緒だ。
「そう、なら、もう一度。もっと気持ちよくしてって、おねだりしようか」
 唇に当てられていた親指が外されたのを合図に口を開いた。
「もっと、気持ち良く、して」
「感じる弱い所をいっぱいグチュグチュして、立ってられなくなるまでドロドロに苛めて欲しい?」
「気持ちぃ所、いっぱいグチュグチュして、立てなくなるまで、ドロドロに、感じさせて、欲しい……です」
 意地悪なのはやっぱり嫌で、苛めてという単語は口に出さなかった。咎められるかと思ったけれど、ふふっと笑われただけで、求められた通りに繰り返さなかったことを指摘されることすらなかった。
「だって自分から腰を下ろして、俺の腿の上でイヤラシク腰を振って、一人で気持ち良くはなれないんだもんな?」
「えっ?」
「立てなくなるまで感じさせられたいってのは、つまり、そういうことだろ?」
 何を言わんとしてるのかすぐにはわからなかったけれど、続いた言葉でそういう事かと思う。
「一人じゃ出来ないから、俺に、手伝って欲しいんだよな?」
 依然として耳の横で囁かれているので顔は見れないが、きっとニヤニヤと笑っているんだろう。そんな声音をしている。
「なら、俺の腿に勃起ペニス擦り付けて気持ち良くイけるまで、手伝ってくださいってお願いしないとな」
 もしくは一人でイヤラシク腰が振れる体に躾けて下さい、でもいいけどと続いた言葉は、残念ながら頭のなかに残らず逆の耳に抜けていった。
 ああ、やっぱり、自分で腰を振ってイカないとダメなのだ。ムリだとか、出来ないだとか、そんな訴えを聞き入れてくれる気はないらしい。
 終了条件は二つあって、もう一つは彼に腰を揺すられイク事だったハズなのに。
「大丈夫。ちゃんと手伝ってやるから、勃起ペニスここに擦り付けて、気持ち良くなりな」
「んぁあっっ」
 持ち上げられた腿が、股間に押しつけられた上に揺すられる。しかし堪らず声を上げれば、それはあっさり下ろされてしまった。
「ぁ、っ……」
「ほら、今のじゃ全然足りない、だろ?」
 一瞬だけだったけれど、今日初めての刺激に、脳みそごと痺れるような感じが残ってもどかしい。全然、足りない。もっともっと、気持ち良く、なりたい。
「ああ、腰が揺れ始めたね。どうする? 手伝い要らない?」
 それなら早く腰を下ろしなさいの言葉に、体が勝手に従ってしまう。膝を曲げて腰を落とし、足の間に差し込まれている相手の腿に、ゆっくりと股間を擦り付ける。
「ぁあああっっ」
 声をあげて仰け反れば、おっと、などと言う声と共に後頭部を支えられ、次にはそのまま相手の胸へと顔を押しつけられた。思わずこちらも腕を上げ、とうとう相手の背を抱いた。というよりも背中側の服を握って縋った。
 服越しだけれど、頬に相手の熱を感じる。自分と違って穏やかに脈打つ心音が聞こえる。繰り返す荒い呼吸の中に、ふわりと相手の香りが混ざる。それを吸い込み飲み込んでしまう。
 それら全てに思考が霞み体が震えた。
「ぁ、ぁあ、ぁっ、」
 とうとう自ら勃起ペニスを相手の腿に擦り付けてしまったという、精神的な興奮と物理的な快感とで喘ぐ。恥ずかしくてたまらないはずなのに、刺激を求めて腰を揺らし続けてしまう。出来ないと思っていたのに、一度自ら擦り付けただけでもう止まれなかった。
「んゃっ、ゃ、だめっ」
「なにが嫌でなにがダメ? ちゃんと上手に気持ち良くなれてるのに」
 いやらしく腰を振り続けて可愛いよと笑われて、下着の中もきっと先走りでグジュグジュだねと指摘されて、もっと強くこすりつけてご覧と促される。人の体に性器こすりつけて精液漏らすはしたない姿を見せてと、甘やかな声にねだられる。その声に、逆らえない。
「んぁあああ」
「うん、上手。そのまま続けて、もっと、気持ちよくなって」
 言いながら、頭を抱えこんでいた手が外され、そっと胸元から頭を引き剥がすための力が掛けられる。まだ離れたくないと、とっさに背に回した腕に力を込めた。
「頑張るいい子に、ご褒美あげたいから顔上げて?」
 そんなことを言われたら、顔を上げないわけにいかない。自分から腰を振って感じている顔なんて、出来れば見せたくなかったのに。
「いいね。凄く可愛い。気持ちよすぎって顔してる」
 今にも泣いちゃいそうだねと目元に浮かぶ雫を指先で払ってくれる相手は、蕩けるみたいに優しい顔で笑っていた。しかし呆けたように見惚れていられたのは一瞬で、すぐに口を塞がれ、するりと入り込んできた舌に口内を荒々しくねぶられる。弱い場所を狙って、執拗に弄られ擦られ舐められる。
 このキスを知っている。次々と襲い来る快楽の波に、体の力が抜けていく。
「んっ、ぁっ、……ふぁ……ぁ……」
 鼻にかかった甘えるみたいな吐息が、次々とこぼれ落ちていく。

続きました→

 
 
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雷が怖いので プレイ3

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 時給分の上乗せ狙いなら何時間でもキスしてやるけど、本気であれの続きが良いのと問う声は、やはり随分と楽しげだ。
「だっ、て……」
 じゃあどう言えば、何を言えば、良かったんだろう。前回されたことを繰り返してと、された内容を自ら詳細に告げてねだる真似は出来なかったのだから、むしろ詳細に思い出そうとした結果、繰り返されるのが怖くなってしまったのだから、自分が選べるのは緩やかに蕩けていくキスを受け入れることじゃないのか。
「俺が誘導したせいで、少し余計なこと考えさせたな。お前が最初に言った、前回みたいにして、って思った『キス』をねだれって言ってんだよ。あのままジリジリとしか気持ち良くなれない優しいキスを、ずっと続けられるのは嫌だって、そう思ったんじゃないの?」
 あの調子のキスをずっと続けられることに恐怖したのは確かだけど、それは少し違うかもしれない。でも、手っ取り早く相手の手で腰を揺すられ達してしまえば終われると思った、なんてことを言っていいかどうか迷ってしまう。
 しかも、詳細を思い出してと言われるまで、泣くほど恐怖した事実を忘れていたのだ。忘れていたというか、考えないようにしていたというか、それ以上に気持ちよかった記憶とか、思いがけず優しくされた記憶の方が、鮮烈に残ってしまっていたというか。
「どうした?」
 告げるかどうかを迷って迷って、でも結局、自覚のある事実を隠すことは出来なかった。だって相手の顔を見つめていたら、下手なごまかしなんてあっさり見破るだろうなって気がしてしまった。
「あの、キスをねだりたかったわけじゃ、なかったから……」
「ん?」
「この前みたいに、キスされながら腰揺すられてイカせて貰ったとしても、今日のバイトは終わりだよねって思って。でも、なるべく詳細にって言われて、この前はこれ以上気持ちよくしないでって泣きながら、むりやりイカされたんだって思い出して、あれをもう一回してって思えなくて」
 ふはっと漏れた息の後、こらえきれないとでも言うようにゲラゲラと笑いだしてしまう。
「あー、お前、ほんっと面白ぇわ」
 どうしていいかわからず戸惑う中、おかしくてたまらないままの顔が近づいた。
「ほんと、可愛いな」
 囁きは優しくて、触れるキスも優しかった。結局さっきのキスの続きになるのかと思いながらゆるく口を開いて待てば、やはり滑り込んできた舌がそっと舌上を舐めていく。
「さっきみたいに、もっと気持ちよくなりたい、って言って?」
 優しいキスの合間、唇に息がかかるくらいの近さで囁かれて、でも、えっ、と漏らす間もなくまた唇が塞がれる。
「優しいキスで焦らさないで、もっと、グチュグチュにかき回して感じさせてって、お願いして」
 合間にまた囁かれた言葉を、唇を塞がれながら後追いでゆっくりと理解していく。
 ああこれ、やっぱり焦らされているんだ、と思った。焦らさないでもっと感じさせてって、言えばよかったのか。
 あんまり意地悪な感じがなかったのと心地よい優しさから、自分で気持ち良くなれるように動けと言う意思を受け取ってしまっていた。自分で腰を落として、相手の腿に勃ちあがったペニスを押し付けて、腰を振って擦り付けて、それで達する姿を晒せと、そう言われているのだと思ってしまった。
 だって、自分で腰を振ってイクのが終了条件の一つだったから。
 もしかしたら、今回課せられたものの難易度を、勝手に自分で上げていたのかもしれない。ただ、こんな風にキスを続けられたら、せっかく求めるべき言葉を教えてもらっても、それを口にだすことが出来ない。
 どうしようと思いながら、持ち上げた両手の平を相手の胸に置いた。でもその腕を突っ張って、相手の身を離そうと試みることはしなかった。というよりも必要がなかった。
 触れていた唇からそっと離れて、相手はそのまま頭を上げていく。見上げた相手の顔から、はっきりとわかる。彼はこちらが言う気になったのをわかっている。それをジッと待っている。
 コクリと喉が上下した。言うべき言葉は既に与えられているのに、それをただ口に出すだけなのに、思いの外緊張しているのかもしれない。
「もっと、気持ち良く、なりたい。焦らさないで、この前みたいに、もっとグチュグチュに、口の中かき回して、感じさせて、欲しい」
 言いながら、そんなキスを与えられることを想像せずにいられなくて、体の熱が上がる気がした。
「いい子だ」
 甘い声と柔らかな笑顔に酷く安堵する中、頬に添えられていた彼の右手の親指が、濡れた唇を拭っていく。微かに濡れた親指が、唇を割って入り込んでくる。
「ぁっ……」
 親指の腹に上顎を擦られて、ヒクリと体が震えた。それは紛れもない期待だ。優しいキスは、あまりそこを舐めてはくれなかったから。
「ここ、気持ちぃな」
 疑問符なんてつかない断定に、黙って頷いてみせる。
「お前が弱いここ、舌でも掻いて擦って、立ってられなくなるくらい苛めて欲しい?」
 しつこくグチュグチュ弄ってドロドロに感じさせてやりたい、なんて言葉を甘やかに吐き出しながら、それを想像させるように指の腹が上顎を掻いてくる。ゾクゾクと快感が走って、肌がブワッと粟立った。
「んぁぁっっ」
「言える?」
 必死で頷いてみせた。
 自分から弱い所をしつこく苛めてと口に出してねだるなんて、と思う気持ちがないわけではなかったけれど、でも言えなければきっと終われない。少なくとも、そんなキスを与えて貰えるまでに、もっともっと時間を掛けられてしまうだろう。素直に言ってしまえば良かったと、こちらが後悔するくらいに。
 それが自分の所有する知識からの誤解か、想像通り本当にそうされてしまうのかはわからない。たとえ言えなくても、仕方がないねと許されて、ドロドロに感じるようなキスをくれるかも知れない。自分にそのイメージが持てないと言うだけで、彼のことなんて、まだまだ知らない事ばかりなのだから。
 口の中から親指が引き抜かれたので、覚悟を決めて口を開いた。開こうと、した。
 開きかけた唇に、自分の唾液ですっかり濡れた親指が、まだだとでも言うように押し当てられる。つまり、キスをねだるための言葉は決められているらしい。

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