二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった38(終)

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 ホッと安堵の息を吐いて、抜くぞと声を掛けてから腰を引いていく。
「体、どんな感じだ?」
 自分のゴムと相手のゴムとを手早く外して、ティッシュに丸めて捨てながら、立てるかどうかを聞いた。
「一人でシャワーに行ける。バスルームに連れてってくれればあとは自分でできる。体洗って欲しい。シャワー無理だから体拭いて欲しい。どれ?」
「多分立てるしどっか痛いとかもないですけど……」
「あー、……疲れた?」
 声の感じから、シャワーに行けなくはないが行きたくない、というのがわかってしまう。顔にもかなり疲れが滲んでいた。
 ほぼ全てが初めての行為だったはずで、泣いたりイカされたり突っ込まれて揺すられたりしたのだから、精神的にも肉体的にも疲れていて当然だろう。
「です、ね。シャワーは明日の朝でいいです」
「わかった。ちょっと待ってろ」
 一旦バスルームへ行き、フェイスタオルをお湯で濡らしてから戻り、背中だけ拭いてやってからそのタオルを差し出した。
「あとは自分で出来るな?」
「はい」
「んじゃ俺はシャワー浴びてくるから。眠かったら寝てていい。あと、俺明日仕事だから6時前にはここ出るけど、お前どうする?」
 チェックアウトは10時で、自分の都合で好きに帰ってもらっても一向に構わない。と言えば、一緒に起きますと返ってきた。けれど、起きはしても一緒に出る気はないようだ。
 まぁ同時に起きて同時に出ると考えたら、彼にシャワーを浴びる余裕はない。寝過ごさないように一緒に起きて、シャワーを浴びてから帰る、というのも納得だった。しかし。
「せっかくだし、いってらっしゃいって、言わせて下さい」
 そういう理由か。と思ったらなんともこそばゆい気持ちになって、口元が緩んでしまう。
「おー、じゃあ、楽しみにしてる」
 緩んだ顔を見られるのがいささか気恥ずかしく、相手の頭をわしゃわしゃっと撫でてから、さっさとバスルームに逃げ込んでしまった。


 あの程度でこの疲れ? という違和感を、加齢だなどと認める気はないが、間違いなく、久々のセックスでこちらもそれなりに疲れていたようだ。結果かなりギリギリまで寝てしまい、バタバタと急いで支度済ます。
 逆に相手の方は眠ってかなり回復したらしく、事後に見せていた疲労は今はもう欠片も見えず、ベッドに腰掛けながらも楽しげにそんなこちらを眺めていた。
「おい、もうそろそろ出れるけど」
「あ、はい」
 いってらっしゃいを言うんだろうと促すつもりで声を掛ければ、スッと立ち上がって近づいてくる。
「そこのドアまで送ります」
「そうか」
 ならばと数歩先にあるドアまで歩いてから、相手のことを振り返った。
「えと、じゃあ、あの」
 もじもじとして今更照れくさいのかと思ったが、先程まで楽しげに笑っていた顔が緊張でこわばっている。というよりも、なんだか不安そうな顔をしている。
「どうした?」
「次、も、あります、よね?」
「あー、次な。後で俺の休み、わかってる分は送るわ。そっちの夏休み中はとりあえず、俺の休みにお前がまた俺を誘いにくればいいんじゃね?」
 その日何をするかは、会ってから考えればいい。その日の天気や気分次第で、昨日のように飲みに出てもいいし、部屋で過ごしたっていい。
 そう言えば、相手はホッとした様子で、わかりましたと嬉しそうに笑う。
「で、ほら、俺もう出ないとだから、言うなら早く言えって」
「は、はい」
 しっかり返事をしたくせに、それに続いたのは言葉ではなかった。スッと顔が近づいて、ちゅっと小さな音とともに相手の唇が頬に触れた。
「いってらっしゃい」
「おう、お前も気をつけて帰れよ」
 今度こそ照れくさそうにしている相手の唇に、素早く唇を押し当ててから部屋を出る。ドアが閉まる前にチラリと見えた、相手の呆然とした顔に笑いがこみ上げてしまう。先に自分から仕掛けてきたくせに、なんであんなに驚いているのか。
 どうせなら、その呆然とした顔が次にどんな表情を見せるのかまで見ていたかったけれど、それはまた次の機会でいい。ケチなクズという自覚はあるし、恋人として付き合ったらあっさり愛想をつかされる可能性もなくはないが、あの様子ならもう暫くは好きでいてくれるんだろう。
 恋愛したいわけじゃないと予防線を張る相手の手を掴んで、恋人関係に引きずり込んだのはこちら。という認識もあるから、相手がこちらに見切りをつけて離れていくなら止めはしないが、自分から手を離すつもりはない。
 思いの外、可愛くて仕方がない気持ちが湧いているので、いつか彼の手を離す日が、遠ければいいなと思う。彼がいつまで付き合ってくれるのかはわからないが、だからこそ、久々の恋人を堪能してやろうとも思っている。次の休みが楽しみだ。

<終>

 
 
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二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった37

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「それって何の謝罪? というかそもそもなんで泣かれたのかわかってないんだけど、もし泣かせたのが俺なら、謝るのは俺の方じゃないか?」
 結局考えたってわからないことは直接聞くしか無い。
「泣いて困らせたと思うから、の、ごめんなさい、です。泣いたのも、あなたが悪いわけじゃなくて、えと、その、抱かれながら好きって言えなかった分を言いたかっただけで、でも泣くつもりは無くて、でも好きって言ったら泣いちゃってて、自分でもよくわかんないというか」
「あー、口塞がれて言えなかった好きを言いたかった、と。で、好き好き言ってたらなんでかわかんないけど泣いてた、と」
 ほぼ相手の言葉を繰り返しながら、口元が緩んでいくのがわかってしまう。
「そ、です。というか、その、多分、抱いて貰えて良かったっていう、嬉し泣き? かも」
「ふはっ、嬉し泣きときたか」
 堪えきれずに吹き出して、照れ隠しに多少乱雑な手付きではあったが、くしゃくしゃと頭を撫で回してやる。どこまでもくそ可愛い、なんて思いながら。
 事後に体を繋げたままこんなやり取りをするのはもちろん初めてだ。吐き出して冷静になってしまうのはどうしたって避けられないのに、その状態でも泣かれて面倒だの思わず、むしろ可愛いなどと思っているのが我ながらなかなか衝撃的でもある。
 久々の恋人に少なからず浮かれているのか、年齢差が大きいせいで無自覚に対応が甘くなっているのか、もしくは、多少なりともやはり相手の性別が関係してるのか。間違いなく多少は浮かれているだろうが、年齢差の大きな年下女性と付き合った経験も、同年代の男と付き合った経験もないので、残り2つは判断のしようがないけれど。
 もちろん、個人の資質が一番大きいことはわかっているし、可愛くて仕方ない気持ちになる一番の理由が、相手の献身っぷりなんだろうこともわかっている。好きだという気持ちをこんなにも溢れさせながら抱かれてくれる相手とのセックスが初めてなのだから、吐精後も相手が可愛くて仕方ない気持ちが続いたって、衝撃はあっても不思議はない。
「最後ちょっと苦しそうにしてたし、セックス辛かったって意味の涙じゃないなら良かったわ。あーあと、リップサービスで好きとか言われたら泣いちゃう、じゃなかったのも」
「俺に興奮しておっきくなった、とか思ったら、苦しいのもなんか嬉しかったし、恋愛感情かは微妙でも本気で可愛いって思ってくれてるのは事実、というのは信じてると言うか伝わってきたんで、だからもしリップサービスで好きって言ってるだけだなって思っても、きっともう泣きたくはならないです」
「あー、ごめん。リップサービスのつもりで言ってる好きはマジでないんだけど、好きって言われて条件反射的に俺も好きって返してることは、確かに、ある」
 これ絶対気づいてるなと思ってしまったので、思わず言い訳がましく口にしてしまったが、相手は少し笑って正直ですねと言った。それに続けて、条件反射でいいからこれからも好きと言ったら俺もと返して欲しい、とも。
「あなたに好きって言われたら、それがどんな理由からでも、きっと嬉しいって思うから」
 わかったと返して、それからようやくしっかりと体を起こした。出したからといって萎えきってはいなかったし、体はまだ繋いだままでいる。もし相手がまだイッていないなら、体を繋いだ状態でイカせてやろうと思っていた。
 しかし、確認した相手のペニスはだいぶ萎えていて、かろうじて引っかかったままのゴムの中も白く汚れている。

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二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった36

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「ぁっ、あんっ、い、ぃい、ぁ、すき、ぁあ」
 繋いだ手をさらに上からぎゅっと握られ、気持ちよさそうに好きだ好きだと繰り返されて、興奮が増さないわけがない。
「ぁうっ、おっ、…き」
「お前が可愛すぎるせいだって」
 告げればどこか嬉しそうにはにかんで見せるものの、やはり質量が増したせいで、漏れる声が先程より苦しげだ。
「ぅ、ぁっ、っく」
「痛いか?」
「く、ないっ、から、ぁ、ぁあっ、ね、ねぇ」
「どうした?」
「だいじょぶ、だからっ、ぁ、俺で、気持ちくなって」
 どうやら、辛そうな様子に腰を降る速度が落ちたのを気にしたらしい。
「ばっか、とっくにめちゃくちゃ気持ちぃっての」
「ん、ふっ、それなら、ぁっ、も、おねがぃ」
 ホッとしたように笑ったあと、イッて欲しいとお願いされてしまった。
 それはきっと、質量が増して気持ちいいよりも苦しい方が強くなってしまったから、一緒にイクのは無理という訴えなんだろう。もしくは、苦しいから早く終わって、かも知れない。
「ん、わかった」
 頷き、相手のペニスから手を外して身を寄せた。
「肩、捕まって」
 声を掛けながら繋いだ手を離せば、素直に両手が方に向かって伸びてくる。
 腹の間にある相手のペニスも一緒に刺激できたら良いな、という悪あがきで密着度を上げてから、軽いキスを一つ落とした。
「悪いな。先にイクな」
 その後お前のこともちゃんとイカせてやるから、と思いながらも口には出さず、再度小刻みに腰を揺する。
「そんな、ぁっ、ぁあっっ、ぁ゛、ぁあ゛
 何かを言いかけた口からはすぐに次々と嬌声が溢れて、それが段々と切羽詰まって大きくなっていく。
「っ、んっ、んんっっ、ぅんっ」
 先程告げたとおりにその声をキスで塞いだ。
「んっ、ぅあ゛っ、んぅっ、ぁ゛っ」
 塞ぎきれずに漏れ出る声からも、必死に縋り付いてくる腕からも、気づいてしまった涙からも、相手の苦しさが伝わってくる。けれどだからこそ、さっさと終わってやらないとと思う。
「んんん゛ん゛っっ」
 そんな中、ペニスを包み込むアナルがきゅうきゅうとうねるのに合わせて吐精を果たした。
 余韻を味わう数瞬の間に、もしかして今のは相手もイケたのではと考える。しかし、身を起こして相手のペニスを確かめることは出来なかった。
「ぅうっ……ぁ……すき。すき、です」
 身を起こすのを引き止めるように、再度強い力で抱き付いてきた相手が、泣き声で好きだと繰り返してきたからだ。
 軽く浮いた背に腕を回して抱きしめながら、宥めるように俺も好きだよと返す。好きだと言われるたびに好きだと返しながら、相手が落ち着くのを待ってやる。
「ご、ごめんなさい」
 何度も好きの応酬を繰り返したあと、唐突に謝罪の言葉が告げられた。それより随分と前に抱きついてくる力は弱まっていたが、それでも抱え続けていた体をようやく放す。
 ようやくしっかり捉えた相手の目元は泣いたせいで赤くなっている。泣かせるつもりはもちろんなかったのだけれど、そもそも泣いた理由もよくわからない。好きだ好きだと繰り返す泣き声に悲痛さがなく、責められるような気持ちにもならなかったから、ごめんと言うのも的外れな気がしていた。

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二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった35

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「ひぁあっ、ぁあ、だめ、だめっ」
 軽く吸い付いた乳首に舌を這わせれば、悲鳴に似た高い声を上げ、背をしならせるほど反応する。口からははっきりとダメだと零しているが、その響きが甘やかで、どうにも拒絶に聞こえない。
 頭を押しのけようとしてか、肩から外された手が頭に触れてはいるけれど、力が入らないのか別の理由か、そこまで強く力が掛かっては居なかった。
 先程胸を弄った時は本気で引き剥がそうとされた事を思うと、これはやはりイヤよイヤよもの範囲だろうか。そう思いながらも一度頭を上げて、相手の様子をうかがった。
 目があった相手は戸惑いと不安との中に、興奮と期待とを滲ませている。少し残念そうにも見えるのは、あっさり止んでしまった刺激のせいかもしれない。
 だから、続けていいか、なんて聞くことはしなかった。
「もーちょい声、抑えられないか?」
 ハッとした様子ですぐに片手で口を覆ったから、いい子だと告げながらもう片方の手に自分の手を絡ませた。いわゆる恋人繋ぎで、シーツの上に縫い止めてしまう。本気で嫌がられたときに、本気の力で頭を押しのけられるのは避けたいと思って。
 そうしてから、再度相手の胸の先に唇を寄せた。
「んんっっ、んっ、んっ」
 やはり相当感じているのか、口を覆う手により食い止められているが、ひっきりなしに声を上げているのがわかる。絡ませた手も、ずっとぎゅっと握り返されている。
 ついでに言えば、殆ど動かさずに相手の中に留めているペニスも、キュッキュと何度も締め付けを繰り返されて酷く気持ちがいい。
「お前ほんと可愛いなぁ」
 その言葉に反応してか、再度キュッと締め付けられる中、ゆっくりとペニスを押し込んでいく。さすがにそろそろこちらも限界だ。
「んぅっ」
「一緒に気持ちよくなろうな」
 一旦胸を開放して身を起こし、絡めていない方の手を相手のペニスへ伸ばした。ずっと萎えずにゴムが着いたままのそれを握って扱く。
「んんっっ」
「気持ちぃ? イケそう?」
「ん、んっ」
 口を手で覆ったまま、必死に頷いて見せるから、その声が聞けないのは残念だなと思う。
「な、手ぇ外して。気持ちぃって声、聞かせて」
 今度はイヤイヤと首を振るから、声の大きさを気にしているのかも知れない。
「声大きすぎって思ったら、俺がキスで塞ぐから。な?」
 それでもまだ迷っているようで、首はふられなかったが、口元を覆う手が外れることはなかった。
「好きだよ。だからお前にも、さっきみたいに、好きって言いながら、気持ちよくなってほしい。お前からの好き、聞きたい」
「ぁ、も、そんな、ぁ、ぁんっ、ずる、い」
「でもほら、手ぇ外してくれたし」
 好きだよと告げれば、すぐに好きですと返されて、こみ上げる愛しさと共に、んふふと笑いを溢す。
「少し激しくするから、もし痛かったら、それは教えて」
「は、ぁあっっ、ぁ、あっ」
 はいの返事を聞く前に、自身がイクための動きを開始してしまう。視界に相手の手が彷徨うのが入り、口を覆う手を外したくなかったのは、手のやり場に困るというのもあったのかも知れないと思った。
 しかしその手を導いてやる余裕がない。片手は繋がれているし、もう片手は相手のペニスを扱いている。相手のアナルを穿ちながら相手のペニスを握る体勢では、肩を掴むようにと身を寄せるのもなかなか難しかった。
「ぁ、ぁっ、いぃ、ぁ、すきっ」
「ああ、俺も好きだ」
 反射的に応じながらも、頭の中はどうしようかと考えている。しかしこちらが対応するより早く、相手が身を捩って、空いた手を繋がれた手の上に置くのが見えた。

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二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった34

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「ふっ、むりっ、ははっ」
「ぁ、っ、そ、なっ、ぁぁっ」
 笑いながらも宣言どおりに自身が動いて繋がりを深めていけば、あっさり無理だと却下されて抗議のために開けられていただろう口から、押し出されるような息が漏れ出ている。
 多少苦しそうではあるが、痛みを堪える顔はしていないし、痛みを訴える声もない。なので、とりあえずは無理なく進めそうな所までは押し込んでみる。
「うっ、ぁ、っ、う゛……ぐぅ、っ」
 辛そうな呻き声に変わったところで、ここまでかなと動きを止めた。さすがに全てが埋まりはしないが、8割ほどは埋まっていると思う。
「苦しい?」
「だ、だいじょぶ、です」
「ん、でもこれ以上は突っ込まないから、ここでもっかい、ちょっと馴染むの待とうか」
 なるべく楽にしてと促し、相手の足はとっくにこちらが支える状態になっているので、律儀に腿を抱え続けていた手も外して構わないと伝えたが、相手は小さく首を横に振ってこのままでいいと言う。なんでと聞いたら手のやり場に困るからと返されて、そういや足を抱えさせた理由がそれだったことを思い出す。
「じゃあ俺に掴まってろよ」
「え?」
「手、どうすればいいかわかんないんだろ?」
 ほら、と少し前屈みに身を寄せてやれば、おずおずと相手の手が伸びてくる。そして両肩を掴んだ手には、無意識か単に重力に従ってか、わずかに引き寄せる力が掛かっていた。
 これ以上突っ込まないと言った手前、下半身にかなりの注意を払いながらも、その力に従い更に相手に身を寄せる。顔が近づけば相手も察した様子で瞼を下ろしたから、遠慮なくその唇にキスを落とした。
「ん……ふっ……」
 キスも深く貪るようなものではなく、啄む程度の軽いものを何度か繰り返すうちに、焦れったそうな息を吐き出すようになる。軽く開かれた唇は、こちらの舌の侵入を待ち望んでいるんだろう。
 焦らす気もないので、求められるまま舌を差し出し相手の口内の弱い部分を舌先で擦ってやりながら、埋めたまま動かさずにいたペニスをゆっくりと引き抜いていく。
「んぅっ……」
 ゆっくりとはいえ開始された律動に、驚きなのか戸惑いなのか、相手の舌がふるりと震えるのがわかった。
 宥めるように舌同士を擦り合わせながら、それでもペニスの動きを止めるようなことはしない。ただし、舌も腰も意識的にかなりゆっくりと動かした。
「んっ、……んぁっ、……ぁ……は……」
 続けていれば割合すぐに、キスの合間に漏れ出る息が随分と甘くなる。感じているのはキスの方かも知れないが、少なくともキスで気持ちよさを受け取れるくらいには、お尻の中をペニスで擦られることに慣れてきたんだろう。実際、抜き差しする時の抵抗感も緩んでいる。
 もっと感じさせてやりたいと、抱えていた足を下ろして両手を相手の体に這わせていく。ペニスはゆっくり大きく抜き差しするのを止めて、前立腺に亀頭が触れるくらいの位置であまり動かさずに、たまに小さく揺すったり短く前後させる程度にしていた。
「んぅ、…ぁ、ぅあ、んっ、んんっ」
 反応が変わるのは結構早かった。やはり特に胸が弱いらしい。
「ぁ、ぁっ、ぁあ、や、やっ」
 口を塞いでいるのが苦しそうだったのでキスも中断してしまえば、抑えられないらしい喘ぎが次々と溢れてくる。
「すごく気持ちよさそーだけど」
 嫌なの? と聞きながらも、返事は待たずに片方の乳首に唇を寄せた。

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二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった33

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 無理に力をかけなくても、押し付ける亀頭の先端がゆっくりと飲み込まれていく。ペニスの侵入が深まるに連れ、見下ろす相手の頬がじわじわと赤く染まってどんどんと息が乱れていったが、挿入が苦しいと言うよりは、どうやら興奮しているようだと思う。
 必死にアナルを開閉させてペニスを迎え入れようとするさまが、どうにも、一生懸命に欲しがられている、という気持ちにさせる。
 相変わらず献身的で、けなげで、可愛いらしい。そんな姿を見ていると、ちゃんと応じてやりたいと思うし、満たしてやりたいとも思ってしまう。
「ぁっ……」
 そんな気持ちに反応して、質量を増してしまったペニスを、相手も敏感に察したらしい。
「ははっ、お前が可愛すぎて、興奮した」
 ごめんなと謝りながらも、あとちょっとだから頑張れと促してしまう。興奮したと言われて嬉しげに口元を緩めるのを見てしまったら、もう少しこのまま、一生懸命に欲しがられて居たいと思ってしまう。
 相手も軽く頷くと、またアナルに意識を集中している。俺を見ながら、と言ったせいで顔も視線もこちらを向いているけれど、だからこそ、意識がこちらに向いていないのもわかってしまう。
「ぁあっ」
 さすがに一番太さのあるカリ部分が抜ける時はキツそうだったけれど、相手に合わせて押し付ける力を少しばかり強めてやれば、無事に亀頭部分全てが相手のアナルに包まれた。
 相手もきっと感じ取れたのだろう。抜ける瞬間には驚いた様子で幾分高い声を漏らし、その後、視線が一度下腹部に落ちた。
「一番おっきいとこ、入ったぞ」
「はい……」
「おっきいとこ抜けた時、痛かったか?」
「あ、いえ、痛いとかじゃなくて。入った、って自分でもわかったから、ちょっと、びっくりしちゃって」
「ああ、なるほど。今も、痛くない?」
「はい」
「ん、ならいい。本当によく頑張ったな。一生懸命お尻広げて、俺のちんこがちょっとずつ入ってくのに興奮してるお前、めちゃくちゃ可愛かったぞ」
 困った様子でううっと唸るが、アナルがきゅっとペニスを締め付けてくるから、やはり小さく笑いをこぼしてしまう。
「はは、可愛い。……って言うと、お尻が嬉しそうに応えてくるよな」
「やっ」
 可愛い、と繰り返してアナルの収縮を楽しんでしまえば、小さな声を漏らしながら恥ずかしそうにそっぽを向かれてしまった。少し意地悪が過ぎたらしい。
「悪かったよ。馴染むの待ってるついでに、つい、な」
「馴染むの……」
「そう。で、そろそろもっと奥に入りたいんだけど。おっきいとこ入るまではお前が頑張ってくれたから、今度は俺が動くよ」
「はいっ」
「ふはっ」
「えっ……」
 こちらが動くというのがそんなに嬉しいのか強く頷かれてしまい、申し訳ないと思いながらも吹き出してしまえば、相手が不安そうに視線を揺らす。
「すまん。お前があんま嬉しそうに頷くから、ちょっと、」
「ちょっと……?」
「可愛すぎて」
 アナルがきゅっと律儀に反応するので、またしても、ははっと小さく笑ってしまう。
「も、可愛い、禁止で」
 本気で嫌がっている顔ならともかく、しぶしぶと仕方なくな感じが余計に笑いを誘う。というよりも、ますます可愛い。

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