可愛いが好きで何が悪い45

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「よしこい」
「気合い入りすぎでしょ」
 覚悟が決まったと知らせれば、そんな指摘とともにやはり可笑しそうに笑われてしまう。でも過剰だとは思わないし、それくらいの覚悟は必要だ。
 ただ、うるせぇと文句を言うつもりで開きかけた口は、けれどすぐに閉じてしまった。同時に、ギュッと目も閉じてしまう。
 そうして、腹の中で動き出した無機物に意識を集中する。
 バイブの動きは当然何段階もあって、さきほど彼に突きつけたときは振動も伸縮も最強モードにしていたけれど、今は間違いなく一番弱い振動だけのモードだろう。いいところに押し当てられたそれが小刻みに震えて、じわっとした痺れが腹の奥から広がっていくようだった。
「んっ……ぁ……」
 喘いでしまうような強い刺激ではなく、けれど間違いなく、じんわりと気持ちがいい。
「最弱なら平気そうだね。しかもちゃんといいとこ当たって気持ちぃんだ。良かった」
 嬉しそうな声が弾んでいるから、その顔が見たくて閉じていた瞼を押し上げる。目が合うと、うふふっと楽しげに笑われた。
「前立腺、ちゃんと気持ちよくなれたら、後で俺も、そこいっぱい突いてあげるね」
 期待いっぱいの嬉しそうな顔は、化粧を落とした素の顔でも悪くない。嬉しいなら良かったと素直に思うし、眼の前の相手が男の姿でも、だからなんだくらいにしか感じていないようだ。
 ただ、楽しみだねと言われても、それにはさすがに頷き難い。
「ばぁか、気がはえぇよ」
「そんなことないよ。だって中に気持ちぃとこあるの、はっきりわかってるんだから」
 場所も大体わかったし、あとは任せて。などと何やら自信有りげに告げられてしまったが、これもやはり素直に喜べはしない。
「いや、任せろったって……」
「俺に気持ちよくされるの、嫌がらないでくれればいいだけだよ」
「それが嫌だったら抱かれる側のセックスなんてしてないだろ」
「それはそう。ね、慣れてきたみたいだから、次、いくね」
 わかったと返せば、弱い振動はそのままに、中で伸縮が始まった。といってもこれも、一番弱い動きだろう。動いているのはわかるが、そこまで強い刺激ではなく、やっぱりじんわりとした痺れが腹の奥から湧き出ている。
 さっき目で見て知っている動きを、今、腹の中でされているのだと思うと、不思議な感動があった。
「はぁ……まじ、動いてる」
「それが感想なの?」
 またしても可笑しそうに笑われてしまう。
「気持ちぃのは? どう?」
 嫌な感じはしてないよねと聞かれて、じんわり気持ちぃと正直に答えた。
「もどかしいとかは? まだない?」
「んー……言われてみれば、もどかしい、のか?」
 いまいちはっきりもどかしいとは言えずにいれば、じゃあもう暫くはこのままにしておこうかと言って、相手が握っていたバイブから手を離す。
「あ……」
「良くなくなっちゃった?」
「あー……お前が持ってる方が、ちゃんと気持ちぃとこ、当たってたっぽい」
「やった。褒められた!」
 褒めたつもりはなかった。でもまぁ、これも相手のテクと言われれば否定は出来ない。
「でも暫くはこのままね。もっとはっきり物足りなくなったら、またしてあげる」
「で、その間お前は何すんの?」
 まさかの、玩具を突っ込んでの放置プレイか。と思ったのもつかの間。
「キスしたり、気持ちぃとこ探したり、撫でたり、舐めたり、まぁ色々」
 ちゃんと前戯っぽいことをもっといっぱいしたいと言われて、そういやさっきは穴を広げるのがメインで、とにかく体を繋げるのを優先するようなセックスだったのを思い出す。
 そうして、腹の中に最弱で動くバイブを抱えたまま、あちこち撫でられ舐められ、時々喰まれたり吸われたりした。

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可愛いが好きで何が悪い44

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 再度布団に寝転がって立膝で足を開き、その間に彼を迎え入れた。ただし今回はその手に、ゴムを被せて多めにローションを垂らされた、すっかり準備済みのバイブが握られている。
「そこまで時間経ってないからこのままいけるかな。もし少しでも痛かったら言ってね」
 ちゃんと解し直すからと言われながら、ピトリと尻穴に濡れた感触が押し当てられた。
「んっ」
「キスした方がいい?」
「や、いらない」
 そう返して、深めの呼吸を意識する。彼のペニスより確実に細いのがわかっているのだから、身構える必要なんてないと自分に言い聞かせながら、体のこわばりを解いていく。
「挿れてくね」
「ん……っ」
 小さく頷けばぬるっと入り込む無機物に、尻穴が広げられるのがわかった。痛みはやはり感じず、抵抗少なくぬるると入り込んでくる質量に、腰の奥からぞわっと広がる何かで腕のあたりの肌が粟立つ気がする。つまりは、多分、気持ちがいい。
「痛くない?」
「ちょっと変な感じは、する。けど、痛い、とまでは感じない、な」
「今、一応ほぼほぼ根本まで入ってるけど」
「うん」
 そこまで長さがあるわけじゃない商品なので、根本まで入っていると言われてもそんなに圧迫感は感じない。ただ、ベニスを模したディルドと違って、アナル開発用と思われる形状をしているから、中のイイトコロってやつに当たっているのかも知れない。
 指で散々弄られていたときも痺れるように感じる箇所は確かにあって、でもあれは広げるのが目的だったから、そこを執拗に弄られたりはしなかった。あのとき、そこをもっと強く弄られていたら、果たして痛いと感じたのか、気持ちいいと感じたのか。未知すぎて判断がつけられない。
 先程は奥の方を突かれてじんわりとした痛みを感じたけれど、今はそんなに深い場所には到達していないのに、もっと手前側でじんわりとした小さな刺激を感じている。痛いとまでは思わないが、そこを強く刺激されたら痛みを感じそうな不安がある。
「スイッチ入れる?」
「うーん……」
 腹の中で動くのを試したいと言ったのは自分で、そのために突っ込んだというのに、即答は出来なかった。
「もうちょっと馴染むの待つ? それとも、俺が動かしてみてもいい?」
「ゆっくり、動かしてみて欲しい、かも?」
「わかった」
 じゃあ動かすねの言葉とともに、バイブを小さく前後される。
「ぁ……」
 小さな違和感が途端に大きくなる気がして、けれどやはり痛いとまでは言えない。
「痛い?」
「いや。けど、なんか、へんなとこ、当たる」
「それって……」
「ぁ、……んっ……んぁあっ」
 角度を変えて揺するように前後させつつこちらの反応を確かめていた相手が、少し強めに押し付けてきたそこが、間違いなくイイトコロだった。
 ピリっと電気が走るような刺激に、少し高めの声を上げてしまえば、すぐに押し付けていた力はなくなって安堵の息を吐く。
「前立腺、かな」
「多分。てかお前、自分の前立腺って、弄った?」
「弄ってない。知識だけ」
 どうやらそこまで自己開発は進んでなかったようだ。というか、自身の前立腺がどこか、まだ見つけられていないらしい。
「で、どんな感じ? 噂通りすごく気持ちよくなれそうな感じ?」
「気持ちいいより、まだ違和感のがすごい。刺激が強すぎるっていうか」
「じゃあ、スイッチ入れるのはやめとく?」
「うーん……」
 せっかく試したくて突っ込んだのに、という気持ちでやはり迷ってしまう。
「とりあえずスイッチ入れてみて、無理そうならすぐ切ればいいんじゃない?」
「じゃあそれで」
「このままいいとこ、当たるようにしてスイッチ入れるけど、いい?」
「いい。けどちょっと待って」
 覚悟を決めるからと言えば、面白そうに笑われてしまった。想定してた玩具プレイと全然違うとかなんとか。
 さっきは、想定してたのと全然違うセックスをしたと言って呆然としていたのだから、彼の想定通りに行くほうがきっと稀だ。まぁこちらとしても、想定してたよりも不穏な気配になっているのだけど。
 たいして何も感じず、こんなもんかと終わるか、あっさり気持ちよくなって、さすが性玩具と思わされるか、そのどちらかかと思っていた。

続きました→

 
 
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可愛いが好きで何が悪い43

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 自分だけイカされて終わりとか絶対ないと言い切った相手は、でも次は化粧を落とした素のままの自分で抱きたいという。
 可愛いと言われまくって愛しげに見つめられるのも、悪くないどころかグッと来るものがあったけど、興奮しきって馬鹿になってると自分が抱かれてるような錯覚を起こすことがあるから、らしい。
 こちらも、突っ込まれてるのに自分が抱いてるような錯覚は起きていたが、どうやらお互い様だったようだ。
 妙な錯覚を起こさない状態で、もう一度ちゃんと抱かせて欲しい。という訴えを嫌だと断る理由はない。
 しばらく待たされて、化粧を落として戻ってきた彼は、ほぼほぼ裸の腰タオル姿だった。しかも髪が明らかに湿っていて、伸びた髪はどうやら後ろで1本に縛られている。
「何一人でさっぱりしてきてんだよ」
「もうちょっとバス広かったら一緒に入ろって誘えたのにね」
「そういう話はしてないんだけど」
「うん。ただ、髪型崩れないようにある程度固めてたから、頭洗いたくって」
 化粧を落として髪飾りも抜いた状態で、髪だけゆるふわシニヨンが残っているよりは、確かにいいかもしれない。
「その髪、乾かさなくていいのか?」
「ある程度水気は切れてると思うけど、気になる?」
 早く続きって思って急いじゃったと照れ笑う。
 そっちはイッてすっきり出来たんだろうし、もっと余裕があってもいいんじゃないのか。そう思ったら、口から出ていた。
「一回イッてんのに?」
「あんまり待たせたくなかったの! てか、そっちはイッてないけど、待ってる間ムラムラしてたわけ?」
 自分だけ果てた後、恋人を長時間放置。というのは、確かになるべく避けたい展開ではある。そして、続いた言葉に関しては、こちらの言葉を受けて、そういう話じゃないでしょ的に口に出しただけなんだろう。だけど。
「ムラムラ……してたのかもしれない」
 言われてみれば、自分はイケずに中断したせいで、ムラムラしてたからかと合点がいってしまった。
「え、ムラムラしてた? マジに?」
「マジに。もしお前が戻ってくるのもっと遅かったら、これを尻に突っ込んでみてた可能性がほんのり」
 言いながら、近くに転がっていたバイブを手に取り相手に突き出す。更に、そのスイッチを入れてウィンウィンと動くさまを見せつけてやった。
 相手が目を大きく見開くのに満足して、スイッチを切った後は元通り近くに転がしておく。
「って、嘘でしょ!?」
 驚きに言葉を失くしていた相手が、ようやく声を上げた。まだその衝撃は続いているようだけど、こちらは至って冷静だ。
「無事にお前ので俺の処女は散ったし、もう無機物突っ込んでも問題ないかなと」
「本気で?」
「まぁ考えたのは事実だけど、イッて無くてムラムラしてたせいと言われれば、そうかもって思って」
「いやいやいや。ムラムラしてソレ突っ込むって発想になる? 待てなくて一人で抜いた、のがまだありえるって思えるんだけど」
「お前のナニがそこまで痛くもなく入った、って考えたら、ここに転がってるのも俺の尻の穴にすんなり入るんだよな。って思ったら、ちょっと興味がわいたっていうか、本物のバイブ初めて触ったし、腹の中でこんな動かれたらどうなるんだろう、みたいな好奇心?」
 いずれ自分が抱かれる側になるんだろうと一応知識は漁ったものの、実際に入手して体を慣らしておこうなどとは思わなかったし、彼女がいたのは高校時代で玩具の使用なんて考えなかった。つまり、バイブもディルドも、当然見るのも触るのも初めてなのだ。これはもう、完全に好奇心が勝っている。
 突っ込まれて痛くなかったどころかそこそこ感じられていた、という体験がもたらした気持ちの変化も、どうやらかなり大きかった。初めて手にした性玩具を前に、恋人に突っ込みたい欲求よりも、それが自分の体にどう快感を与えるかの方に興味が行っている。
「じゃあ、使ってみる?」
「え?」
「興味あるんでしょ。それがお腹の中でどう動くのか」
「いやでもお前、早く2戦目したくて急いで戻ってきたんじゃないわけ?」
「うん。だから、使われるのはそっちだけど、挿れるのは俺ね」
 二人でするならこれもセックスで、ただの前戯で、玩具使ったプレイ。と言い切られてしまうと、まぁそれもそうかと思わされる。

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可愛いが好きで何が悪い42

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 安堵と喜びを漏らしながら、良かったと言って足の間に収まった相手が、挿れるねとペニスの先端を穴へと押し当ててくる。
「あ、その前にキス、していい?」
 多分、触れたペニスの感触に身構えたのを察知したんだろう。へにゃっと笑いながら、許可される前提で前かがみに近寄ってくる顔に向かって手を伸ばす。
 正確には顔ではなく肩に向かって伸びた手は、無事に相手の肩を捉えた。引き寄せるのと同時に軽く上体を起こして、こちらからも顔を寄せていく。
 相手とのキスは気持ちがいい。与えられる快感に任せて体の力を抜いていけば、あっさり再度布団に背中が着いた。
「大丈夫だから、そのままで、ね」
 唇は離れてしまったが、まだかなり近い位置から見つめられつつ、甘やかな声が身構えるなと囁く。わかったと頷いて、身構える代わりになるべく深めの呼吸を心がけた。
 見つめ合う瞳の中、相手から愛しさが溢れて「んふふ」と小さな笑いがこぼれ落ちるのを聞きながら、相手の熱を体の中に受け入れていく。
「んんっ」
 大丈夫と言われた通り、広げられる穴に痛みは感じない。ただ指とは違う質感と質量と熱さに、とうとう相手のペニスを受け入れているのだという実感が伴って、ぞわりと肌が粟立っていく。
 散々しつこく慣らされた穴は、どうやらちゃんと快感を拾っていた。
「はぁ、……やっばい」
 ぬぽっと一番太い部分が入り込むのを感じれば、相手がそんなことを呟きながら熱い息を吐く。
「なに、が?」
「気持ち良すぎて、やばい。気持ちぃのと、嬉しいのとで、これ、持たない、かも」
 痛いとか苦しいとかはないかと聞かれて、むしろちゃんと気持ちいいと答えれば、そのままぐぐっとペニスが奥に潜り込んできて思わず呻いた。気持ちいいに反応してか、若干質量が増したような気もする。
「ううっ」
「ごめ、我慢できなくて」
 ほんとすごく気持ちよくてどうしよう、などと言いながら、また興奮しきって泣きそうな顔を晒している。今度は素直に、可愛いなと思ってしまった。
 バッチリ決めたメイクは汗でだいぶ崩れてしまったけれど。気持ちよくて幸せでたまらないと、とろけるような笑顔を見せているわけでもないけど。
 あちこちで揺れる髪飾りは彼にとても似合っていたし、気持ちよくて我慢ができないと泣きそうになった顔だって、間違いなく可愛いくて、愛しい。
 愛しさが、胸の奥から溢れてくる。
「んふっ」
「もういくらでも笑ってくれていいよ」
 ここまできてこんな情けない姿晒してごめんねと謝られてしまったので、可愛いからいいよと言っておく。まぁ、信じて無さそうだったけど。なんだかもう、愛しい気持ちは過ぎれば何でも可愛い、という境地に至っているんだけど、それを説明してやる気はさすがにない。
「てか、そんな気持ちぃなら先イッてもいいけど」
「さすがにそれは、って、ちょ、余計なことしないで。ちょ、もぅ、煽んないで!!」
 軽く腰を揺すってみれば、慌てた様子で相手が腰を掴んで止めてしまう。なので尻の穴を意識しながら力を込めたり弱めたりを繰り返してみれば、相手が情けない顔でやめてと懇願してくるので更に笑ってしまう。
 経験豊富なはずの相手が、こんなにも余裕をなくすとは思っていなかった。
「やっとやっと繋がれたんだから、もうちょっと堪能する時間ちょうだいよ。てかこんな気持ちぃとか聞いてないんだけど」
 はぁあと大きく息を吐き出すが、大げさなため息なのか、体の熱を少しでも吐き出そうとしてるのか、いまいち判別し難い。
「まぁ、俺も想像してたよりは全然苦痛感じてないどころか気持ちぃまであるけど、どう考えたって、お前がしつこく慣らした成果ってやつだろ」
「アナルセックス嵌るやついるのわかる気持ちよさ、ってのも間違いじゃないんだけど、したくてしたくてしょうがなかった相手と、今セックスしてるんだ、って高揚感もめちゃくちゃやばい」
 まぁそれもわからなくはない。したくてしたくて、とまでは思っていなかったけれど、慣らす段階で結構焦らされたせいか、ようやく繋がれたという安堵と喜びで気持ちが高揚しているのを感じている。それに加えて、相手がこんなにも余裕をなくして、気持ちがいいとか嬉しいとか言って興奮しきっているのを見せられているのだ。
 興奮は間違いなく自分だってしている。ただ、相手の方がより感じているのを見せられて、自分が気持ちよくなりたいよりも、もっと相手が気持ちよくなるところが見たい気持ちのが膨らんでいる気もする。
 この場合、相手が気持ちよくなるには自分の尻穴を使われることを意味するわけだけど、ここまでで酷い苦痛は感じてないので、多分、大丈夫なはず。ワンチャン、自分も一緒に気持ちよくなれるかもしれないし。
「お前が俺で気持ちよくイクとこ、早く見たい」
「ん?」
「2回戦無理なら後で手ぇ貸してくれればいいし」
 言いながら、緩んでいた手を振り切ってまた腰を揺する。
「にかいせん……」
「とりあえず、今は俺を気持ちよくしようとか考えなくていいから」
 お前がイクとこ見せてと再度ねだれば、なんでそんな事言って煽るのと、やっぱり泣きそうな顔で文句を言われたけれど。でも今度は腰を掴まれ止められるのではなく、足を抱えて更に腰を押し出してくる。
「ぐ、ぅっ」
 さすがに奥の方まで突かれるのは圧迫感で苦しかった。ほんのりと鈍い痛みもある。ただ、やっぱ待て、などと言う気にはちっともならない。
「ぁ、ごめっ」
「いーから。もっと、気持ちくなれよ」
「ううっ、こんな時までカッコイイ〜」
 ごめんもうホント我慢できない。すぐイクからちょっとだけ我慢して。でも早漏とか言わないでね。などと余計なことをベラベラと喋りながらも、だんだんと腰の動きが早くなる。
「ぁ、ぁっ、あっ」
 突かれる衝撃に合わせて、閉じきれない口から音が漏れていく。幸い、先ほど感じた鈍い痛みも、もうあまり感じない。
 もしかしたら、先程上げてしまった苦しげな声に、相手が加減してくれているのかも知れない。気にしなくっていいのに。
「ん、ね、ちょっとは気持ちぃ? いいの? 平気? 痛くない?」
 やはりこちらの様子を気にせずにはいられないらしい。だがその問いには答えず、突かれて漏れる声に混ぜて笑ってやった。
「ひどっ、もう、もうっ」
 不満げに頬を膨らませてみせるのですら、可愛く思える。ぺらぺらとあれこれ喋りながらも、結局ずっと腰の動きが止まらないのも、この快感に抗えないのが手に取るようにわかってなんとも愛おしい。
「かわいいから、だいじょうぶ」
「意味分かんないんだけど!?」
「お前がイクとこ、みたい」
 きっとめちゃくちゃ可愛い。そっと囁いた言葉は、きっと相手にも聞こえていただろう。もう、と再度不満げに漏らされた声が、なんだかさっきよりも甘く聞こえる。
「あっ、あっ、そんな言われたら、イク、いっちゃう」
 意図的にだろうか。しつこく可愛いと繰り返してしまったし、先程よりも明らかに高めに聞こえる声は、彼なりのサービスなのかも知れない。
 抱かれているのに、そんな声でイクと繰り返されたら、なんだかこちらが抱いているような錯覚さえしてしまいそうだ。
 不満げに膨らんでいた頬ももうすっかり引っ込んで、ひたすら快感に溺れる緩んだ顔をしている。
「ははっ、やっぱほんと、かぁわいい」
 こちらだって突かれて揺すられて喘いでいるのに、その合間に、口から気持ちと言葉があふれていく。愛しさで半分以上笑っていたと思うが、視線が絡んでも相手に不満そうな表情は浮かばなかった。それどころか、快感に浸った顔のまま、目だけが愛しげにこちらを見て細められる。
「だいすき」
「俺も、すき」
 伝わってくる愛しさに頷いて見せれば、その口からはもっと直球に想いがこぼれてきた。こちらも躊躇うことなく応じてやれば、今度こそ、とろけるみたいな笑顔になる。
「ああ、いいな、それ」
 その笑顔にうっとりと見惚れてしまえば、とうとう相手に限界が訪れたらしい。
「も、ほんと、イッちゃう」
「ああ」
 イケよと促せば、小さく頷いてぐぐっと腰を押し付けてくる。
「あ、でるっ、んんっっ」
 相手が小さく震えて、腹の中ではペニスが脈打っている。
「めちゃくちゃ気持ちよかったけど、想定してたのとなんか全然違うセックスした……」
 一息ついた後、呆然とそんなことを呟くように漏らした相手には、やっぱり笑うしかなかった。

続きました→

 
 
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可愛いが好きで何が悪い41

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 結局、括約筋を広げたいのであって、腸内を広げようとしているわけじゃない。という説明を受けて、元々の予定通りディルドは使わず指だけでもっと慣らすことになった。
 腸内は行き止まりがあるわけでもないし、入り口さえ突破してしまえば後はなんとかなる。長さはあまり関係がない。という言い分もまぁ間違ってはいないんだろう。
 アナルセックスのやり方を検索した時に、結腸責めとかって単語を見た記憶がある。という事実に関してはわざわざ触れなかった。長いと言ってもおののく長さではないから、そこまで届くのかどうかもわからないし、たとえ届くようなことがあったとしても、初めてでそこを責めてくるなんてことはしないはずだ。
 再開するに当たって、布越しに触れても間近に見ても特に嫌悪感はなかったし、直に触れるのも問題無さそうだし、気分が乗ったら口も使えそうな気がするから、お前にもサービスしてやるよと言ってみた。いわゆる69の提案だ。
 かなり驚かれたが、こちらの積極的な姿勢はやはりかなり嬉しいらしい。とくに拒否する理由もないとのことであっさり了承されたあと、どちらが上になるかで少々揉めたけれど、最終的には、尻穴がよく見えたほうがいいという理由で、寝転がった相手をこちらが四つん這いで跨る形に決まった。
 先程までの慣らし過程で結構気持ちよくなれていたから、そんな姿勢で尻穴を弄られる不安はもちろんある。主には、気持ちよくなりすぎて足に力が入らなくなったらどうしよう、というものだ。
 まぁ、それは杞憂でしかなかったけれど。というよりは、こちらの思惑がうまくハマった結果かもしれない。
 布越しに軽く扱いただけであれだけ興奮を示したのだから、直に触ったり舐めたり吸ったりすればどうなるか、想像するのは簡単だ。注意すべき点は、相手がうっかり果ててしまうような強い刺激を送らないことで、相手に早く挿れたい、もっと気持ちよくなりたい、と思わせれば成功と思っていた。
 こちらの思惑に相手が気づいた時には、既には後に引けないくらい相手も興奮しきっていて、結果、もっとゆっくり慣らすつもりだったのにという文句だか嘆きだかを吐かれながら性急に尻穴を広げられる羽目になった。しかし、急がれても乱暴ではなかったし、既に慣らされていた分もあって、ちょっと苦しい程度で済んだのでなんの問題もない。
 快感に腰が砕けて相手の上に崩れ落ちるような羽目にはならなかったし、ひたすら焦らされるあの快感に再度晒されるのに比べたらかなりマシだったと思う。
 今回はむしろ、相手の方が焦らされていたのかもしれない。
 こちらも相手が果てないように注意していたが、相手だってこちらを散々焦らしておいて自分は暴発なんて目にはあいたくなかっただろうし、何度か、早く挿れたい的な泣き言が漏れてもいた。最低限ここまでは慣らしたい、という基準らしきものが彼の中にははっきりあるようだったから、穴の準備ができる前に興奮しきってしまって、かなり苦しそうだったと思う。
 ようやく相手が納得のいく柔らかさに広がって指が抜かれたあと、双方身を起こして顔を合わせたときの、相手の興奮しすぎて泣きそうな顔はなかなかに印象的だった。可愛いと表現するのは若干躊躇うが、間違いなく愛しいなとは感じる。
 その顔を見るなり笑ってしまったのは申し訳なかったと思うが、それは愛しさが溢れた笑いなので許して欲しい。ついでに言うなら、指摘されるまでもなく、自分もそうとう興奮を晒す顔をしているだろう自覚はあった。
 こちらが先に笑ってしまったから、相手は酷いと嘆く反応になったけれど、もしこちらが笑わなかったら、相手だってきっとこちらの興奮を前に愛しさを溢れさせたに違いない。
 相手が手早くゴムを装着するのを待てば、ようやく準備はすべて完了だ。
「あのさ、」
 なのに最後の最後で、まだ何かを迷って見せる。
「なんだよ」
「初めては後ろからのが楽らしいんだけど」
「正常位でいい」
 言いながら上体を布団の上に倒して、相手に向かって立てた膝を広げて見せる。
 だけど、に繋がる先の言葉は聞かなくても分かったし、顔を見ながらしたいという気持ちはこちらにだってある。自分を抱く相手が愛しい恋人だと、この目で見える方が安心しそうだとも思う。
 あとは、なんのためにここまで慣らしたんだという気持ちも少々。
 できれば正常位でしたいと考えながら慣らしていたのなら、その彼が大丈夫だと判断するまで柔らかく広がった穴は、きっと正常位でも問題なく繋がれるだろう。相手の経験値に対して、妙に信頼しているところがあるのは否めない。

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可愛いが好きで何が悪い40

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 布越しに触れた相手の熱には、今更すぎて、躊躇いも抵抗感も特にないらしい。それよりも、息を潜めてこちらの挙動を見守る相手の気配や、布の下で脈打つペニスの存在感に、こちらの興奮が引き出される気がする。
 見上げて窺う相手の顔は、羞恥と期待とを混ぜてかなり興奮しているようだ。
「これ、まだデカくなるよな?」
 掌の下に感じる存在は、自分のモノと比べてもやや小ぶりで、しっかりとした硬さはあるがガチガチに張り詰めているという感じではない。
「うん。サービスに期待しちゃって、思ったほどは萎えなかったけど。てかサービス待てなくて、そのまま下着越しに撫でられてるだけでもマックス行きそうだけど」
 言われなくてもわかっていたが、見てるだけで興奮しちゃうと言葉でも伝えてくる。そりゃ良かったと思いながら、口には出さず、とりあえずは布越しに軽く握り込む。
「ふ、ぁ……」
 その輪郭を辿るように手を滑らせ、形を確かめながら扱いてみれば、気持ち良さげな吐息が上から降ってくる。同時に、硬さと存在感がグッと増した気がする。
「お前も、結構漏らしてたんだな」
 レースが多いことと布の色の関係か、育ったペニスの先端が触れる辺りの布が思いの外ぐっしょりと湿っていることに、触れるまで気づかなかった。
「カウパー?」
「そう」
「そりゃあ、あんなの見てたらそうなるって」
「今度から、お前のスカートの中も、もうちょっと想像するわ」
「ツッコミどころが多いんだけど、それは俺が、お前の体の準備しながらカウパー出しまくってるって思うと安心するって話? それとも興奮する方?」
 やはり自分だけが興奮させられているわけじゃない安心のが大きいだろうか。いやでも、相手の興奮は顔やら声やらからも充分伝わっていたし、相手の興奮に釣られる快感もあるのだから、興奮が増す方かも知れない。
「どっちも、だな」
「興奮もするんだ」
 意外という顔をされる方が意外だ。
「そりゃするだろ。俺の興奮の何割かは、お前の興奮に釣られてる分だし。てかお前だって俺が感じるの見て煽られるんだから、俺だってお前が興奮してるの見せられたら煽られるんだよ」
 なるほどと納得する相手に、ついでとばかりに、お前の女装もそう悪くないよと伝えておく。
「俺のために、目一杯俺好みに寄せてくる健気さとか、好みの顔の子がエロい顔晒して俺に興奮してるのとか、俺が感じてるの見て嬉しそうに笑うのとか、自分が抱かれる側でも普通に興奮はするっぽい」
「ああ、積極的に俺を抱きたいとは思わないだけで、そういうとこはしっかり男目線てことね」
「そういうこと」
「そっか。俺に、興奮してくれるんだ」
 とろけるみたいな「嬉しいなぁ」の声と、手の中で脈打つ熱。随分と甘やかな声を出しながら、下半身はこんなにも興奮を示すのかと思うと、そっちの方がなんだか意外だった。
 次からは、嬉しそうにとろける声を出された時に、彼の興奮をより感じ取るようになりそうだ。この手の中の熱を、覚えておこうと思う。
「なぁ、これ、まだデカくなる?」
 嬉しいなぁの言葉とともに脈打ちはしたが、軽く扱いたときのように、質量がぐっと増すような感じはなかった。手の中の感触からすると、今のところ、ドン引きするほどのデカはなさそうだ。
「多分、ほぼほぼマックス」
 もっと大きくなると言われなかったことにまずはホッとする。
 ほんとに下着越しに擦られただけでマックスじゃんと自嘲する相手に、脱がすぞと声をかけて下着のウエスト部分に手をかけた。張ったペニスに引っかからないように気をつけながら引き下げれば、ボロリと目の前に相手の勃起ペニスが現れる。
「うーん……」
「ちょ、何その微妙な反応!?」
 目の前のペニスを凝視しつつ思わず唸れば、相手が少し荒らげた声を上げた。羞恥と焦りらしきものが滲んでいるようだ。
「ちょっと太め、の、ちょっとがちょっとで良かった」
 確かにディルドよりは少し太いかもしれない。自身のと比べたら、太い上に長さもある。むしろ太さよりも長さのが、比較したときの差を感じるかもしれない。
 布越しで感じていた太さはそこまで外していなかったが、この長さはわからなかったな。
「そりゃどうも。って、全然、良かったって反応じゃなくない?」
「いやだって、お前、こんなだったし」
 言いながら、掲げた手の真ん中3本の指を大きめに開いて見せる。
「いやそこまで広げてないでしょ。てかあれはわかりやすく説明しただけっていうか」
「まぁそれは誇張だったってことでいいんだけど」
「いいんだ」
「太さどうこうより、思ったより長くてどうしようかと」
「あー……まぁまぁ大きい、は、実は長さにも掛かってる」
 なのに、ちょっと太いだけとか言ったわけか。
 ただ、長いなとは思ったが、怯むほど長大かといわれるとそこまででもない微妙さだ。微妙すぎて迷っているともいう。
「今、指よりディルドのが長さあるよなとは思ってる」
「ああ、そういう話」
 つまりは、できればディルドは使いたくない相手の意志を尊重してやりたい気持ちと、ディルドで慣らしておいたほうがいいんじゃないかという葛藤だ。

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