追いかけて追いかけて4

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 彼とはその後、平均したら月に一度くらいの間隔で食事に行くような仲になった。学年は少し離れているけれどサークルもゼミも同じなわけだから、共通の話題には事欠かない。こちらの卒研の話もすんなり通じるし、相手の仕事の話を聞くのも楽しくて、好きだと思う気持ちはあっさり育っていったけれど、だからって何かが大きく変わるような事はなかった。
 好きだという気持ちが大きくなったからって、それを相手に伝えることはしなかったし、相手もあれ以降、恋人だの付き合うだのという話を持ち出すことはしていない。二回ほど話題の映画を一緒に見たりもしたけれど、それも話の流れでなんとなく一緒に行くことになっただけで、当然デートなんて感じではなかった。
 逆にそれが、自分にとっては心地良かったとも言える。叶える気のない恋だけど、好きな人と二人っきりで過ごすことが出来るのはやはり嬉しい。でも叶える気がない恋だから、こちらの気持ちを探られたり、恋人になろうとか付き合おうなんて言われたら困ってしまう。その誘いに乗れなくなってしまう。
 そんなわけで、自分はひたすら彼と過ごすその時間を楽しんでいたけれど、彼が何を思って自分を誘い続けるのかは知らないままだった。何が出てくるかわからないのに、自ら藪を突く気もない。
 飽きられて誘われなくなったらそれまでと思いながらも、院に進学してもこの関係が続いたらいいな、なんて思いが崩れたのは卒研発表を終えて後は卒業を待つばかりという時期だった。
 たまに連絡は取り合っていたものの、彼と直接会うのは年末に会って以来だ。いや違う。正確には、二人きりで会うのが年末以来だ。なぜなら卒研発表の場に、半分仕事と言いながらもちゃっかり彼が来ていたせいだ。
 年末に会った時、ラストスパートだろうから次に会うのは卒研発表後だなと言われていたせいもあって、めちゃくちゃ驚いたし無駄に緊張したけど、でもそれ以上に嬉しかった。発表のあった週の終わりに、さっそく食事に誘ってくれたのも嬉しかった。お疲れ様ってことで今日は全部奢るから少し贅沢しようよって、雰囲気のいい個室居酒屋を予約されてたのだって、ただただその気遣いが嬉しいだけだったのに。
 空気が変わった瞬間ははっきりと覚えている。その日の話題は当然卒研の中身がメインだったけれど、一息ついた後は春休みの話題になった。卒業を待つばかりと言っても院への進学は決定しているから、春休み中だってそれなりにゼミには顔をだす予定だという話をしていて、ついでのように大学近辺の不動産屋を巡る話も出した。
 ゼミは違うけれど結構親しくしている同期生で、同じように院に進学が決まっている男が居るのだが、ルームシェアを持ちかけられて受けたのだ。ルームシェアと言っても、ゼミに泊まり込みそうな時の避難場所が欲しくないかって感じで、余裕があればちゃんと自宅へ帰るつもりだし、一緒にそこに住んで生活しようという話ではない。
 それでもその話を出した瞬間、一瞬変な顔をした彼は、その後も暫く何かを考えているようだった。そして一度トイレに立った後、戻ってきた時には元の席には腰を下ろさず、こちらのすぐ隣に腰を下ろした。二人用の小さな個室なので、僅かな空きスペースにむりやり座った感もそのせいの圧迫感も酷くて、一気に焦った記憶がある。
「告白していい?」
「え?」
「今日、個室のお店を選んで連れてきたのは、最初っからそういうつもりもあったんだけど、でも本当に言ってしまっていいかずっと迷ってた。迷って言えずに居たことを、今、結構後悔してる」
 本当に苦しそうな顔を、焦りながらもどこかぼんやりとした纏まりのない思考とともに、ただただ見つめてしまう。卒研発表が終わった開放感やらも手伝って、いつもより少し飲みすぎていたのかもしれない。

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追いかけて追いかけて3

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 うっとり、かどうかはわからないが、ぼんやりと見惚れるこちらの視線に気づいた様子で楽しげな笑いが柔らかで静かな笑みになった。そんな優しい顔で見つめ返されると、ますます好きだって思ってしまう。
「ねぇ、昔連絡先交換したけど、あれ変わってない?」
「あ、はい」
「俺も変えてない。まだ残ってる? 消しちゃった?」
「残ってます」
「よし。じゃあちょっと今後を見据えて、もう少し深く交流してみようか」
「今後を見据えて、深く、交流……」
 意味を確かめるように、彼の言葉を繰り返す。繰り返した所で、意味は今ひとつわからなかったけれど。
「恋愛に男女の拘りないから、取り敢えずお付き合いしてみようか、ってのでもいいんだけど」
「ぅえっ?」
「恋人になってみる?」
 かわかわれているんだろうか。なりたいですって言っていいんだろうか。わからなくてやっぱり固まってしまう自分に、彼は優しげに、本心だけど本気じゃないよと続ける。ホント、意味がわからない。
「恋人になってみてもいいって気持ちは本当。でも恋人になろうって本気で誘ってるわけじゃないってこと。わかる?」
「なんとなく」
「なら今度連絡していい? 飯食いに行こうとか、まずはそんな感じで」
「あ、はい。ぜひ」
 本当なら嬉しい。恋は自覚してても恋人になりたいなんて思ったことはなくて、恋人云々の話は正直全く実感もわかなければ彼と付き合う想像も出来ないけれど、今度一緒に食事に行こうって話は単純でわかりやすく、そしてめちゃくちゃ魅力的だった。
「じゃあ近いうちに連絡する」
 もう研究室に用はないという彼とはそこで別れ、一人研究室へ戻る途中、携帯が着信を告げて震えた。メッセージの差出人は別れたばかりの彼で、確かに近いうちにと言っていたけれど、あまりに近すぎて驚く。
 どうやら互いに変わっていないと言った連絡先を、それでも一応確認しておこうという事らしい。ついでのように、どんな店が好きとか食べたいものとか嫌いなものとかを聞かれていたから、正直に好きなものと少し苦手なものを返信しながら気遣いがマメだなと思う。それと同時に、きっとモテるんだろうなとも思ってしまった。
 そうだ。今の彼なら当たり前にモテるだろう。見ず知らずの新入生に声を掛けて、お金まで貸してくれるような優しさだけじゃない。直接の交流はサークルでの僅かな時間しかないけれど、気が利いて聡明で、周りの人をよく見ていて場を取り持つのが上手いのは知ってる。院生時代はちょっと身形に構わなすぎだったけれど、社会人になってスーツを着こなす彼は見た目までも格好良くなってしまった。
 工学部ってだけでも女性はめちゃくちゃ少ないし、大学院なんてもっと男性率が高くなるし、サークルの男女比はどちらかに偏るってことはなかったけれど、あの身形な上に明らかに多忙そうで女子からの受けはあまり良くなかったから、彼がモテるなんてイメージはまるでなかったのに。
 モテそうだと思ったらますます、わざわざ男の自分相手に誘うような真似をする意味がわからない。性別に拘らないのだったら尚更、女性を相手にしたほうが良いに決まってる。自分自身、恋を自覚した時に男同士じゃどうしようもないなって思ってしまった程度の偏見はあるし、やっぱり男女の恋人が当たり前な世の中なんだから。
 からかわれてるとは思いたくないから、恋人になってもいいって言ってくれた気持ちは信じるけれど、でも今後どれだけ親しくなれても、彼とそんな関係になることを望むのはやめておこうと思った。

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追いかけて追いかけて2

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 聞いていた通りハードで、そちらに時間を取られサークルにはあまり顔を出せなくなったけれど、院にまで進んだ彼を教授はよく覚えていたし、研究室に通うのはたまらなく楽しかった。あまりに彼の話題を振るものだから、教授にはからかうみたいにまるで恋でもしてるみたいだと言われてしまったけれど、でもそのお陰で腑に落ちた。恋って凄い。ただまぁ、やっと自覚できた所で、何が出来るわけでもないのだけれど。だって男同士だし。彼とはもう二年以上会ってないし。
 それでもやっぱり、このまま自分も彼と同じように院に進むのかもしれない。そしてあわよくば、彼の通う会社に自分も入社したい。少しでも近づきたい。自覚した恋心がどう働くのかはちょっと不安だけれど、でもきっと、彼が幸せそうであるなら、それを遠くから眺めているだけだってそれなりに満足出来てしまうだろう。
 ぼんやりそんな未来を思い描いていた、四年に上がった春の午後。研究室のドアが軽く叩かれた後、扉を開けて入ってきたのはひょろりと背の高い男だった。
 その男は、こちらに気づくと久しぶりだなと苦笑する。彼だ。無精髭なんか一切なく綺麗に剃られた顎と切り揃えられた髪。ピシリとスーツを着こなし、まるで別人みたいにカッコイイ見た目になっているけれど、間違いなく彼だ。
 教授にアポは取ってあると言って、その後隣室で暫く教授と話した後、今度は自分に向かって少し話がしたいと言う。なんだろうと思いながらも、久々に会えたことで舞い上がっていて、促されるまま近くの学食へ向かった。
 ランチタイム以外はまばらにしか利用者のいない学食の端っこで、コーヒーを奢って貰いながら彼の話を聞く。
 訪問理由はざっくり言うと、会社の人事部から、ちょっと後輩勧誘してこいよって言われたらしい。それを言われるってことは、もしかしてここで行きたいですって言ったら、彼と同じ会社に入社できる確率が大幅アップってことなんだろうか?
 行きたいって言っていいのか迷うこちらに、彼はやっぱり少し困った様子で笑いながら言葉を続ける。
「うちの会社に興味ある? それとも、興味があるのは、俺? 俺に、恋してるって、本当?」
 教授だ。きっと面白おかしく話して聞かせたんだろう。一気に顔が熱くなって、これじゃまるでそうですと肯定しているみたいだと思いながらも、どうにも出来なかった。
「あ、こがれ……です」
 でもやっぱり恋してますと正直に言っていいわけがないから、むりやりに言葉を絞り出す。
「憧れか。うんでも、憧れでも恋でも、ここまで追って貰えるってのはなかなか感動的ではあるよね。というか凄いね」
「凄い、ってなに、が」
「成績優秀なんだねって話。転部なんてなかなかやろうと思っても実行できないし、あの研究室だって毎年それなりに人気あるはずだし、教授も褒めてたよ。ちなみにさっき、お前の会社になどやらんって言われたわけだけど」
「なんですそれ」
「教授はすっかり、院に進むものだって思ってるみたいだけど実際どうなの」
「あー……まぁ、そうなるかな、とは思ってて、一応親も、良いとは言ってくれてて」
「それも俺を追いかけて?」
 今度はどこか面白そうに聞かれて、肯定できるわけもなく固まってしまう。彼はごめん意地悪だったと言って楽しげに笑った。その笑顔を見ながら、やっぱり好きだなと思う。

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追いかけて追いかけて1

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 あれは大学に通いだしてほんの一週間足らずの朝だった。大学のある駅で改札を抜けようとして、財布がないことに気づいた。
 電車に乗る時にも中に入った定期を利用しているのだから、家に忘れてきたというわけじゃない。いくら鞄の中を漁っても出てこない財布に、どうしていいかわからず半泣きになっていたら、どうしたのと声を掛けてくれた人が居た。
 ひょろりと背の高いその男は、無精髭を生やし無造作に伸びた髪を後ろで束ね、着ているシャツもなんだかヨレヨレで、ぱっと見酷く胡散臭かった。けれど掛けてくれた声は優しげだったから、藁にもすがる思いで事情を打ち明けた。
 結局、その人に連れられ駅員に事情を話し、更にはその人にお金を借りて、連絡先を交換した。どうやら地元の駅で改札を通った直後に落としたらしい財布は、地元駅に届けられていたし、運良く中身も全て無事だった。
 翌日、借りたお金を返しながら財布が戻ったことを伝えれば、相手はまるで自分の事のように喜んでくれて、本当に良かったなと言って笑った。昨日の今日で相手の見た目にそう変化なんてない。でももう、胡散臭さなんて欠片も感じなかったし、それどころかその時にはきっともう恋に落ちていたのだろう。今にして思えば、だけど。
 それでもまだその時は、それで終わりになるはずだった。学部も学科も違うし、当然学年だって違うから、お金を返してお礼を言って別れたらそれ以上接点の持ちようがない。
 それでも時折思い出しては、通う電車の中に彼の姿を探した。
 そんな彼と再会を果たしたのは、なんとなく入ったサークルの新入生歓迎会の時だった。サークルOBとして顔を出した先輩方の中に彼の姿を見つけて、酷く驚いたのを覚えている。だって当たり前に彼も大学生だと思っていたのだ。雰囲気的にきっと四年生なんだろうなと、勝手にそう思っていた。
 正確には彼は院生で、しかもかなりハードな部類の研究室に所属しているらしく、とてもサークルに顔を出す余裕はないからと、大学院に進むと同時にサークルも抜けたのだと教えられた。
 運命的だなと笑われてドキドキしたくせに、同性相手に恋だなんて考えたこともなかったから、ただただ嬉しいだけだと思っていた。当時から自覚があったって、何が変わったってこともないかもしれないけれど。もしかしたら、気づいていなかったからこそ、無邪気に彼を慕う事が出来たのかもしれないけれど。
 研究が忙しいの言葉通り、滅多に会えなかったけれど、それでも他のOBに比べればサークルに顔を出してくれる頻度は多かったし、会うたびに彼に惹かれていった。それはもう、自分の人生を大きく変えてしまうほど。
 博士課程には進まないと言った彼は、翌年の春には就職して大学を去ってしまったし、忙しいのか他のOBが顔を出してくれるような合宿時や文化祭にも来なかった。OB同士の繋がりは当然あって、元気にしてるよとは他のOBから教えてもらったものの、学年の差をあんなに残念に思ったことはない。せめて彼がサークルの一員として活動していた時期に、自分も一緒に居られたら良かったのに。一方的に慕って憧れているだけの自覚はあったし、個人的に連絡を取って遊びに誘えるような親しさはなかった。
 二年から三年に上がる際、そこに居ない彼を追いかけるみたいにして、彼の通っていた学部学科へ転部した。三年の後期からは研究室に所属することになるが、当然、彼の所属していた研究室を狙ったし、辛うじて滑り込んだ。

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雷が怖いので おまけのオマケ6(終)

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 体勢のせいか、確かに先程よりも奥まで指先が届いた。指先がイイトコロを捉えてしまえば、そこを擦るのが止まらない。彼の視線の真下で、アナルに指を突き立てズプズプと腸壁を擦った。
「ぁ゛あ、ああ゛あ゛、ぃい゛い゛っっ」
 注がれる視線に、先程よりもずっと彼に見られていることを意識させらるから、抑えの利かない声もあふれっぱなしだ。はしたなくて、イヤラシクて、恥ずかしくてたまらないのに、それもまた興奮に変わる。
「すごく気持ちよさそうだ。いい声だよ。可愛いね」
 酷い声を上げていると思うのに、可愛いなんて言われて、安堵しながら喜んでしまうからどうしようもない。
 けれどやっぱり体はもうそろそろいい加減限界だった。体はと言うか、アナルをぐちゅぐちゅと掻き回している指と手が限界だ。それでもどうにか快感を拾おうとして、腰をくねらせ揺らして突き上げてしまう。
 更にはしたない痴態を晒している自覚は頭の片隅にあった。勝手に体が動いてしまうのが辛い。
「ぁっ、あ゛っ、あ゛っ、や、やだっ、やだぁっ」
 別の片隅では、それもこれも全部全部薬のせいだと思いながら、それでも耐えきれない気持ちが声に乗ってこぼれ落ちた。ついでのように、涙もボロリボロリと流れ落ちている。
「えっちな動きも、必死なとこも、すごく可愛いから、もう一回くらい自分でイクとこ見せて貰おうかと思ってたけど、さすがにそれは無理そうかな」
 ペニス弄っていいよって言ったらもう一回イケるかと聞かれて、無理だと首を横に振った。言われるまで、お尻を弄るだけで快感を得ていたことに、まるで気づいていなかった。さっきは当たり前のようにペニスを同時に扱いていたのに。
「じゃあ指を抜いて。代りに、そうだな……」
 言いながら脇の棚へ手を伸ばした相手が、既に何度も使われたことのあるバイブを手に取った。それによって与えられる強烈な刺激と快感を思い出して、お腹の中がキュウと蠢く。アナルが指を締め付ける。
「これを自分でお尻に入れて、イイトコロに当てなさい。上手に当てられたら、自分で弄るのはおしまい」
 その後はいっぱいご褒美をあげようねと言いながら差し出されて、嫌だ無理だなんて言えるわけもない。準備として洗う以外に、自分で自分のお尻の穴を弄り回すのだって初めてだったのだから、当然、玩具を自分で挿入するのだって初めてだ。
 でも戸惑い緊張していたのは、アナルにバイブの先端を押し当てるまでだった。
 薬を塗られて発情し、散々自身の指で弄り回しながらも結局中ではイケていない体は、抜けた指の代わりを欲しがっている。弄りまくって蕩けたアナルは、埋めていた指より二回りほど太いバイブ相手でも、あっさり口を開いて飲み込んでいく。
「ぁああああ」
 さすがに苦しさはあるが、ミッチリとした質量とあちこちに施されたおうとつに、拡げられながら擦られる気持ち良さは格別だった。
「上手に飲み込めてるよ。そのまま、イイトコロに押し当てて」
 わかるよねと促されるまま、中を捏ねるように半分ほど埋め込んだバイブを動かせば、先端が前立腺を抉っていく。
「ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ」
「当たったね。お疲れ様。手、放していいよ」
 よく出来ましたと酷く機嫌の良い声に優しく褒めて貰ったのを最後に、後はもう彼の与えてくれるキモチイイに翻弄されるまま、ひたすらに泣き喘ぐだけだった。
 結局何回イカされたのかわからない。途中からかなり朦朧としてしまった意識が少しずつはっきりしてきた時には、彼の腕に抱かれながら、彼の指が宥めるみたいにゆっくりとお尻を出入りしていた。お腹の中の疼きやアナルの淵の腫れぼったい痒みはだいぶ引いていて、ただただ緩やかに気持ちがいい。
「なに、して、の」
「今日は媚薬使ったせいで酷使しちゃったから、別の薬を塗ってるだけ。媚薬の効果はもう殆ど抜けてるだろ? どこか痛いか?」
「きも、ちぃ」
 正直に答えたら、ふっと柔らかに笑う気配がした。
 そのまま暫くの間、イかせる目的じゃなく優しい心地よさを与えられた後、今日は終わりと言われてシャワーブースへ促される。
 シャワーを浴びながら、今日のプレイを振り返る。媚薬を使われるプレイなんて二度とされたくないような気もするけど、でもすごく嫌な思いをしたかと言えばそんなことはなかった。結局最後には優しく甘やかされて終わっているし、あの時間が有るなら二度目があってもいいなと思ってしまう。
 こういうところ、本当、相手の思うつぼなんじゃないだろうか。なんて思ってしまう気持ちはあるものの、結局、彼の家を出る前に今日のプレイについて言及することはしなかった。もう嫌だと本気で言えば、ちゃんと考慮してくれることを知っているからだ。
 二度目があるかどうかは彼次第でいい。

<終>

プレイ30話へ→   本編21話へ→

彼らへのリクエストにお応えするのはこれで最後になります。たくさんのリクエストと長い期間お付き合い、本当にありがとうございました。

 
 
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雷が怖いので おまけのオマケ5

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 そのままの体勢で、しばし呼吸を整える。……つもりだった。
「ぅ、……んっ……」
 吐き出したのに、体の中の熱は一切引いて居ないどころか、アナルを弄る指の動きを止めたその時から、ジクジクとした疼きがお腹の中で膨らんでいく。早くもっと擦ってと、咥え込んだままの自身の指を、キュウキュウと締め付けてくるのがわかる。
「ぁ、ぁ、ぁ……」
 イッたのに終われない。ジッとしていればしているだけ、疼きも痒みも増していく。それに耐えられるわけもなく、指を揺すってしまう。
「ぁ、きも、ちぃ……」
 中を擦るように、入り口を捲るように。揺するだけじゃ足りずに指を前後させてしまえば、痺れるみたいな快感が広がっていく。間違いなくキモチガイイ。でも、吐き出したばかりの体を落ち着ける間もなく、急かされるように快楽を拾ってしまうのが怖い。
 しかも自分で弄るのでは、どうせ中途半端にしか気持ち良くなれない。先程までは安堵していたどうしようもないもどかしさが、満たされない辛さに変わってしまう。
「ぁ、あっ、やだっ、……ゃ、ゃぁ、……とどかな、……も、くる、し……」
 彼の手でむりやり快楽を引き出されるのなら、彼の手でもどかしいまでに焦らされるのなら、まだ、諦めも付くのに。
 そう思いながらも、自分自身の体を追い詰めるように、半ばむりやり二度目の吐精は果たした。けれどやっぱり、続けざまにイッて辛い体を休ませることは出来なくて、アナルに突っ込んだままの指をグチュグチュと動かし続けてしまう。
「も、ゃだぁ……ぁ、ああ……」
 ボロっと涙がこぼれ始めて、お願い助けて許してと彼に救いを請う。彼が立ち上がって近づく気配に、安堵のあまり更にボロボロと幾つかの涙を零した。
「もう限界?」
 背中に声が掛かって、彼の手が腰に触れる。ギュッと目を閉じて必死に頷けば、腰に触れた手がススッと滑り降りてきくる。目を閉じていても、横顔に彼の視線が突き刺さっているのを感じた。
「あああああっっ」
 こちらの手の甲を覆うように押さえつけながら、彼の長い指が一本、既にアナルに突き立っているこちらの指に沿うようにして、つぷぷと侵入してくる。自分の指では届かないイイトコロまでかんたんにたどり着いた彼の指先にその場所を押されれば、背中を突き抜けるみたいなゾクゾクとした快感が走って、たまらず背を反らしながら声を上げた。
「ここ、全然届いてないもんな。ペニスいじってイクことは出来ても、これじゃいつまでたったも満たされないよな」
 少し体勢を変えようかと言われながら、彼の指が引き抜かれるのと一緒に自分の指もその場所から引き出されてしまう。途端に空っぽになったアナルが、切なく疼いてハクハクと開閉してしまうのがわかる。
 とっさに息を詰めてその疼きに耐えようとしたが、その間にクルリと体勢を変えられて、気づけば仰向けに足を開いて彼にアナルを晒していた。正確には、ベッドに乗り上げて胡座をかく彼の足の上にお尻というよりもむしろ腰を乗せるようにして、やや折りたたまれる形で足先を頭の方へ投げ出し、思いっきり彼に向かってお尻を突き出している。
「じゃ、ちょっとこれで弄ってみようか」
「ひぅっ」
 言うなり両尻タブに当てた手を左右にグッと押し開くから、情けない悲鳴が上がってしまう。
「ど、……して」
「頑張ったのは認める。だから次は、もっと気持ち良くなれるように手伝ってやるから、もーちょい頑張れ」
 つまりはまだまだ全然終わりじゃないらしい。
「ほら、早くもっと弄ってって、言ってるぞ」
 尻タブを拡げたまま、意地悪くアナルのすぐ近くまで左右の指を伸ばしてくると、彼の目に晒された期待から余計にイヤラシく震えて息づくそこを、わざとらしくクパクパと開閉させる。
「ひぃ、や、やめっ」
「大丈夫だからおいで」
 急に柔らかな口調で促されて、思わず相手の顔を見つめてしまえば肯定するみたいにやっぱり優しげに頷かれて、おずおずとではあったものの、結局股の間に手を伸ばしてしまった。本当に、ズルい。

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