雷が怖いので プレイ37(終)

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 バスルームでの言葉通り、移動したベッドの上で、剃られてツルツルになった所を中心に、舌での愛撫を受け続けた。
 相手から、はっきりと明確に幼い言葉遣いをするよう求められはしなかったけれど、意識していたのと求められたら応じる気でいたせいか、結局自ら幼い態度を見せたりもした。彼もそれを嬉しそうに受け止めていたから、言わないだけでやっぱりそうさせたいのだと思ったし、ちょっと調子に乗っていた可能性は高い。
 既に一回吐き出しているのに、ペニスには触れてもらえないまま、その周りばかり舌を這わされちゅうちゅう吸われれば、あっという間に音を上げてしまったのも仕方がないと思う。結果、お願いだからおちんちん舐めてと、自らフェラをねだってしまったし、二度目を彼の口の中で果てもした。
 もちろん、ひたすら舐め可愛がりたいの言葉は、彼を受け入れた後も実行され続けた。腕を持ち上げられて晒した脇の下や、抱え上げられた足のスネなど、先程丁寧にカミソリが這っていたところへ、今度は彼の舌が丁寧に這う。ビクビクと体を震わせながら、そんな部分を舐められても感じてしまうのだと、初めて知った。彼と繋がる場所をキュウキュウと締め付けてしまって、それを楽しげに見下されるのすら、新たな快感を呼び起こされるようだった。
 おちんちんズポズポきもちぃよぉって、わざとらしく舌っ足らずに喘ぎまくった記憶は、正直、消せるものなら消し去りたい。だってツルツルで子供みたいで可愛いって何度も言うから。強制される幼い言葉遣いはあんなに嫌だったのに、蕩けるみたいに甘い声で可愛いって言われまくったら、今このときくらい子供に返ってもいいかもって思ってしまった。
 彼に喜んで欲しかったし、実際喜んでくれてたと思うし、後悔しているわけではないのだけれど、でも我に返ってしまうとひたすら恥ずかしい。多分、言わされていたあの頃よりも、ずっとずっと恥ずかしい気がする。
 そんな羞恥で身を焼きながらベッドの中で一人悶えていたら、どうやら隣で眠る彼を起こしてしまったらしい。たいがい自分よりも早く起きている彼が、珍しくまだ寝ていたというのに、それを堪能すること無く昨夜の痴態を思い出して悶えていただけだなんて。本当にもったいないことをした。
「朝から楽しそうだな」
 クスリと笑う気配とともに、背後から伸びてきた腕に絡め取られるように抱きしめられる。ちゅ、とわざとらしく音をたてて首筋へ唇を落とされたあと、その場所が濡れる気配に一瞬でゾワワと肌が粟立った。
「ゃ、も、舐めない、……ぁ、んっ」
 柔く歯を立てられて、朝から甘い息を吐いてしまう。
「続き、する?」
 首筋に歯を当てながら、クスクスと笑いを零しているから、どこまで本気で誘われているのかわからない。昨夜は抱かれている途中で意識を手放してしまったし、もしそれが原因で途中中断させてしまったのなら、このまま昨夜の続きをと言われるのも当然な気がするけど。でも単にからかわれてるだけな気もする。
「舐めたりない、なら」
 あなたが満足できていないなら続きをしましょう、というつもりでそろりと吐き出した言葉には、すぐに否定が返った。
「いや。昨夜は十分すぎるほど、子供みたいなお前を堪能させてもらった。でもお前が満足してないかと思って」
「え、なんで?」
「ノリノリで楽しんでたようにも見えたけど、でもやっぱあれは、俺に気を遣った結果だろ? お前のしたいことをしてやるための日なのに、俺の遊びに付き合わせたばっかりになったなと」
「思い出すとひたすら恥ずかしいんで、積極的に自分からやりたいわけじゃないですけど、あなたが楽しそうに子供みたいな俺を可愛がってくれるの、嫌じゃなかった、です、よ」
 剃られるのも、舐められるのも、相手が楽しんでくれてるのがわかれば、自分はそれなりに満足出来てしまうらしい。こちらを辱めるためのプレイとして、こんな子供みたいな体にされた上に舐め回されて感じるなんて恥ずかしいねと、そう言われたわけじゃない。バイト中だったらきっと、そんな風に言われて、たっぷり羞恥を煽られ泣いていたと思う。
 彼自身、昨夜のあれこれをプレイとは言わずに遊びと言ったのも大きかった。全身ツルツルに剃り上げて子供になりきったセックスなんて、かなり変態度が高い気もするけど、まぁ遊びで許容してしまえる範囲だ。
 もちろん、自分の感覚がおかしくなってる自覚はある。でも自分の感覚をずらしてでも、彼との時間を楽しみたいのだから仕方がない。
「楽しそう……」
 噛みしめるみたいな呟きが聞こえてきて、次には確かめるように問いかけられた。
「昨夜の俺は、楽しそうだった?」
「そう、見えましたけど……」
「そうか」
「楽しく、ありませんでした?」
「いや。お前に言われるまで、あまり自覚がなかっただけだ」
 楽しかったよと囁く声は、どこかしみじみとしている。だからか、今彼がどんな顔をしているのか、気になってしまった。
 ゆるく抱えられているだけなので、もぞりと動いて寝返りを打つ。見つめた顔は、柔らかに苦笑していた。
 自覚がなかったと言うから、子供みたいにツルツルにした体を楽しげに抱いていたと指摘されて、気まずい思いでもしているんだろうか?
 そんな人並みの感覚が、もしもあるなら、だけど。
「お前、なんか変なこと考えてるだろ」
 どうやら顔に出たらしい。
「変なこと、って?」
「俺に知られたくないようなこと」
 確かに。
「言わないと、ダメ、ですか?」
「言わされたい?」
 ニヤッと笑われブンブンと首を横に振ったら、にやけた顔はすぐに穏やかな笑みに変わった。ふふっと小さな笑いが漏れる。
「慌てなくても、言いたくないなら無理に聞いたりしないって。今日はそういう日だろ。それより、続きしないなら、起きてご飯を食べに行こうか」
 ビュッフェでいいんだろと言われて、今度は思いっきり盾に首を振ってみせた。

<終>

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随分あれこれ書いてしまいましたが、頂いたリクエストも、出来れば書いておきたかった気がかりも、全て消化できたと思います。長々とお付き合いありがとうございました〜

 
 
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雷が怖いので プレイ36

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 今度は意識がはっきりしたままなので、脇やらスネやらに生えた毛を丁寧に剃り上げられるだけでも十分に恥ずかしい。あとスネはともかく、脇の下を滑るカミソリの感触はちょっと擽ったい。
 自分で剃れる、という主張は当然あっさり却下されたし、相手は随分と真剣で、そのくせ酷く楽しげだし、許可したのは自分だし、別に嫌なわけじゃない。でも性的興奮を煽るような触れ方はされてないのに反応してしまうのは恥ずかしいし、それを見てニヤつかれるのも恥ずかしい。
 からかわれるのでもいいから、いっそ何か言ってくれればいいのにと思う気持ちもあるが、何を言われたって恥ずかしい気持ちが増すだけだとわかってもいる。
「のぼせそう……」
 恥ずかしさで、という意味で呟いた言葉は多分相手にも正確に伝わったと思うのだけど、壁のフックに掛けられたまま湯を吐き出し続けているシャワーの、湯温を少し冷たいくらいに下げるという対応をされた。
 傍らの床に跳ねるぬるい水が、浴室内にこもる熱気をいくぶん払ってくれるようで、頭がスッキリしてくる気がする。のぼせそうなのは事実で、顔が熱くてぼんやりするのは、羞恥からだけじゃなかったらしい。
 げんきんなもので、頭の中の靄が晴れたら、この状況を楽しめる余裕が少しばかり自分の中にも湧いてくる。だっていつも見上げてばかりの彼を、見下ろす状況なんて珍しい。
 目の前に片膝をついて、立てた方の膝上にこちらの足を乗せて、熱心にカミソリを這わせている。そんな彼へこちらも熱心に視線を注ぎ続けてしまえば、気づいた彼が顔を上げて、ふ、と楽しげな吐息を漏らした。明確に笑っているわけではないけれど、柔らかな表情はかすかな笑みを湛えている。
 楽しそうで良かったと思うし、彼のそんな様子がたまらなく嬉しいとも思う。
 童顔とあいまってますます子供みたいになってるはずだし、もしかしたらこの後、また幼い言葉遣いをねだられるかもしれない。わかってるし予測もしてる。もし本当にそれを求められたら、応じる気でもいる。
 それで彼が満足気にしてくれるなら、多分きっと、もっともっと嬉しくなれる。
 だって、好きな人が喜んでくれたら、楽しそうにしてくれたら、嬉しいに決まってる。ツルツルにされるくらい、実年齢を大きく離れた幼い子供扱いされるくらい、どうってことないと思える。
 彼が欲しいものも、したいことも、自分にできることは全部叶えてあげたい。こちらが差し出せるものは全部差し出したい。
 良かった、嬉しい、という気持ちが、彼が好きだという気持ちへ転化していく。好きだ好きだと、胸の内で想いを膨らませてしまう。
「もう、終わるよ」
 ゆっくりと足を降ろされて、目の前に跪いていた彼が立ち上がる。湯温を戻した温かなシャワーが掛けられて、毛を剃るために塗られていたシェービング剤を流していく。
 肌を撫でていく手つきはやっぱり酷く丁寧で優しかった。
「好き……」
 膨らみきって抱えきれなくなった想いが、ほろりと音になってこぼれ落ちていく。
 返るのは優しいキスだけだけれど、繰り返し落とされる優しいキスは、この想いを否定も拒絶もせずにいてくれるから、ちょっとくらいの胸の痛みは我慢してしまう。胸が痛いとか、抱えてしまった想いが辛いとか、そう言って泣いて彼を困らせるより、優しく降るキスが嬉しいと笑ってみせるほうがいい。
「好き、……好き、です」
 キスの合間にもほろほろと想いを零してしまうせいで、キスはいつまで経っても終わる気配がない。だから自分で先を誘った。
「ね、早く、ベッドへ」
 好きの言葉をぐっと飲み込み、待ちきれないとばかりにねだる。
 好きだと返さなくていいから、彼の指も舌も肌も、もっともっと感じたかった。心に触れて貰う代わりに、彼以外には決して触れさせない、体の深い場所へと触れて欲しかった。
 早く、と口に出したせいか、本当に待ちきれなくなる。早く早くと気がはやる。
 はやく、埋まらない心なんて気にならなくなるくらいに、彼の熱で、その熱に呼び起こされるキモチイイで、体の中も頭の中も満たされてしまいたい。

続きました→

 
 
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雷が怖いので プレイ35

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 今度はじっくりと、剃られてツルツルになっているのだろう、会陰部や尻タブの合間やらを丁寧に舐め吸われる。会陰部を撫でられ緩く押されることで発生する快感を知っている体は、舐められれば当然のようにいつも以上の反応を返した。
 時折舌を伸ばされ刺激は陰嚢にも与えられたけれど、体の向きは変えられること無く、興奮しきって勃ち上がるペニスには一切触れてもらえない。舐められながらイッてみようっていうのは、もしかして、後ろを舐められるだけでイケってことなんだろうか?
 その予想は多分当たりで、再度アナルに舌が触れるまでにも随分焦らされたし、触れた後もすぐに舌を差し込んでくるような真似はせず、さっきよりもずっと時間を掛けて舐め解される。
「ぁ、ぁああっ……、ぁあ、イイっっ」
 イキたい、イかせて、前も触って、早く挿れてと、頭の中では散々繰り返したけれど、口から零すのは甘い嬌声だけだ。口に出してねだってしまったら、きっと中断させてしまうから。仕方がないねと言いながら、望む刺激をくれるだろうから。
 壁に押し当てた手にぐっと力を込めて、自らペニスに手を伸ばして、弄ってしまわないように必死で耐えた。
 やがてつぷつぷと舌先をアナルに出し入れされると、お腹の中がぎゅんぎゅんと蠢き、その舌をもっと奥まで迎え入れたいと体が願う。相手もわかっているようで、楽しげに熱い息を零しながら、少しずつ深くまで舌を押し込んでくる。
 それでも足りない。前立腺をキツく弄られたい。前立腺を弄られながら、押し出されるように射精したい。足りない。足りない。もっと深くまで欲しい。
 刺激は前立腺にまで届いてない。なのに繰り返される動作にグッと射精感が高まっていく。
 アナルの開発を開始した初期はやっぱり浅い場所ばかり弄られたし、そこでの快楽を覚え込まされイカされていたけど、でも前に触れないまま達したことなんてない。お尻でイけるようになってからも、射精するのはいつだって前立腺への刺激を受けながらだったし、ドライでイクなんてのはそれよりもっと難しい。
 こんな浅い場所だけを舐め弄られて、体が昇り詰めるかもしれないなんて、吐精してしまうかもだなんて、嘘みたいだった。
「あぁ……ぁ、……うそ…………いき、そ……」
 戸惑いながら漏らした声を拾ったのか、舌の動きが激しくなる。
「ぁあああ、あああっっんぁあ゛あ゛あ゛あ゛」
 ひときわグッと押し込まれて、アナルごとぢゅうぢゅう吸い付かれて、体がブルリと震えた。ペニスの先からドロリと白濁が吐き出されていくのがわかる。
 膝が震えて崩れ落ちてしまいそうだった。もちろん、本当に崩れ落ちちてしまう前に、彼によって抱き支えられたけれど。
 ようやく壁から引き剥がされて、彼の腕の中でくるりと体を反転される。
「舐められるだけで、イケたな」
 満足気な声と顔。しかもだいぶ興奮してくれているようだ。
「はい」
 良かった。嬉しい。冷め切らない興奮に安堵を混ぜて頷いた。
「可愛い顔して頷いちゃって。ベッド行ったら、今度はこっちじっくり舐めてやるから、期待して?」
 ニヤリと笑いながら剃られたペニス周りを撫でられて、吐き出したばかりでもちっとも萎えきってなんかいないペニスが、期待しての言葉にあっさり期待を膨らませて揺れる。
「ほんと、素直な」
「ぁんっ」
 柔く握られ甘く吐息をこぼした。そのまま擦られれば、当然あっさり硬度が増していく。
「まだ、ここで、する?」
「いや。ベッド行くよ」
 そう言いながらも、彼の手は離れていかないし、手の中のペニスへ緩く刺激を送り続けている。
「なぁ、他も剃らせてって言ったら、どうする?」
「他、……って?」
「脇とか、スネとか。全身ツルツルにして、ひたすら舐め可愛がってやりたい」
「今後ずっと全身ツルツルのままでいろ、とか言わないなら」
「それをここで言うってことは、陰毛は剃りっぱなしにしてって言ったら、従うつもりがあるってことか?」
「言うんですか?」
「言わない。絶対ダメってわけじゃなくなったのわかったから、今度は何かのおしおきで、うんと恥ずかしい格好に縛ってからの剃毛とかもやりたいし?」
 今日はほとんど記憶にないまま剃られちゃったもんなと笑われたけど、それはそれでなんとも複雑だ。別に、いつかそんなおしおきをされるかも知れないことが、凄く嫌ってわけじゃないけれど。
「で、本当に他も剃っていいんだな?」
「はい」
 頷いて、彼が先程一度片付けたカミソリやらを、再度持ってくるのを待った。

続きました→

 
 
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雷が怖いので プレイ34

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 彼の家ほどではないにしろ、ベッドルームが別になっているようなホテルのバスルームはやはりそこそこ広くて、二人で使っても窮屈感なんてものはない。
 湯船と洗い場はしっかり別々になっているので、洗い場に立ち、剃られた部分をシャワーで丁寧に流されながら、随分と念入りに剃り残しがないかをチェックされる。彼の前に体の隅々まで晒すのなんて今更でも、壁に額を押し当てて腰を突き出し、自ら尻肉を割って拡げて、そこにシャワーの湯を浴びる経験はもちろん初めてだし、剃り残しがないかを確かめるように触れる指も注がれる視線も初めてだ。
 そんなの、どうしたって恥ずかしい。彼の前に晒す、彼によって引き出される羞恥は、自分の中ではもう完全に快感と結びついてしまっているから、体が期待で震えてしまう。
「物欲しそうにハクハクしてる」
 可愛いなと言って、指先が息づくアナルに押し当てられた。その指先をもっと奥まで咥え込みたいと、アナルが吸い付くように蠢いてしまうのがわかる。けれどその期待に応じてくれることはなく、指先はあっさり離れていった。
「ぁ、ぁあ……」
 安堵と落胆を混ぜた息を零せば、ククッと喉の奥で笑われる気配がする。
「大丈夫。やっとツルツルにさせてくれた分、いつもとは違うやり方で、うんと可愛がってやるから」
 言いながらシャワーを置くと、尻タブを掴む手を覆うように彼の手が重ねられて、開き方が足りないと言わんばかりにグッと左右それぞれ外側へ向かって力が込められる。近づく気配が彼の頭だと認識するのと同時に、アナルにピタリと押し当てられたのは、間違いなく彼の舌だった。
「んぁああああ」
 ビクビクと体中を痙攣させながら悲鳴をあげてしまう。それに構うこと無く、グニグニと蠢く舌が楽しそうにアナルを舐め弄る。指とは全然違った動きと感触に肌がゾワゾワしっぱなしだし、更にそんな場所を舐められているという驚きと背徳感で、頭の中がグラグラと揺れた。
「ゃぁあ、ああ、ああんん」
 多分間違いなく気持ちが良いけれど、その気持ち良さに身を委ねてしまってもいいのか、わからない。だってこんなの、知らない。彼の口にイカされたこともあるけれど、でもその時はこんな場所まで舐められなかった。彼の舌が這ったのは、口に含まれ吸われたのは、ペニスとせいぜい陰嚢までだ。
 そんなことが頭を掠った直後、アナルに舌を差し込まれ、その周りごと押し当てられた唇で吸い上げられる。
「ひぃぁああ゛あ゛あ゛や、だぁああ」 
 再度絞り出すように悲鳴を上げれば、ちゅぽんという音が聞こえそうな勢いで、唇が離され舌が抜け出いく。
「ん、すっげ、いー声出てた」
 零される笑いは満足気だ。
 尻から手を離して立ち上がった彼に倣って、自分も尻から手を離して突き出した腰を引っ込めようとしたら、それを阻止するようにあっさり腰を掴まれてしまう。
「だーめ。まだ終わりじゃないから」
 壁に手をつくように言われて従えば、壁から離れた顔を覗き込まれる。
「ああ、やっぱりおでこ、赤くなってるな」
 中断したのは、額を壁に押し当てているにも関わらず、アナルを舐められる衝撃に耐えられなくて、イヤイヤと頭を振ってしまっていたかららしい。
「頭フラフラしてる感じは?」
 そういや部屋に戻ってきた時は、結構酔っていたんだった。でも酔いがぶり返したり、のぼせている感じはなかった。
「それは、平気、です」
「じゃ、とりあえず、舐められながら一度イッてみようか」
「えっ、ここ、で?」
「どうしてもベッドの上でがいい?」
 多分頼めばそうしてくれる。特に今日は四週目だから、口に出したこちらの希望を優先して叶えてくれる。でもこっちだって、彼がしたいように、されたい。特に、建前上は買われていない、まるで恋人同士のデートを楽しむみたいな四週目は。
「ここで、して」
 だからこちらが返す言葉なんて、それ以外になかった。

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雷が怖いので プレイ33

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 驚きを隠さないまま暫く何かを考えていた彼は、バイト中に許すなら初剃毛プレイにはそれなりの金額を払うのに、本当に今ここでそれを許すのかと問うてくる。そんなふうに言われたら、余計に今がいいって思ってしまうのに。
「バイト中に剃るって言われても、俺もう、嫌だって言わないと、思います。でもそうやってお金貰うより、お金で買われてない今の方が、嬉しい」
「そうか……」
 それなら準備をしてくると言ってすぐに立ち上がってしまったので、困ったような、そしてどこか辛そうな顔を見てしまったのは一瞬だった。
 失敗した、のかもしれない。金銭でこちらを買っていたい彼と、買われるという形ではなく彼と過ごしたい自分とで、衝突とまではいかないまでも、会話にしろ互いの感覚にしろ噛み合ってないなと感じることは多々あった。
 彼に抱かれるようになってからも、バイト中に彼のペニスで貫かれることがないままなのは、あの日、仕事として抱かれるのが嫌だと言ったせいなのはわかっている。買われたくないこちらの気持ちを、彼はちゃんと心に留めてくれているし、月の半分はバイトとしてでなく抱いてくれるけれど、でもその根底には、やはりこちらに対してそれなりの金額を支払うべきだって思いが強く残っているんだろう。
 それが時折こんな風に、彼の口からこぼれ落ちてくるのだ。それを素直に受け入れて、お金を積まれることを喜べないのも辛いし、こうしたこちらの反応のせいで、彼にも苦々しい思いをさせてしまう。
 ふわふわに舞い上がっていた幸せな気持ちがしぼんで、そっと瞼を下ろした。こんな酔った頭で、ぐるぐるとアレコレ考えるのはきっと良くない。早く彼に戻ってきてほしかった。
 目を閉じてしまったせいか、どうやらそのまま眠りに落ちたらしく、下半身がムズムズして意識がゆっくり浮上する。そのムズムズがカミソリが肌を滑る感触だというのはすぐに気付いたが、今まさに剃られている最中だと意識すればするほど、どうすればいいかわからない。だってなんか予想外な所にカミソリが当てられている。というか尻たぶを広げられて、アナル周りを剃られてるらしく、多分とんでもなく恥ずかしい格好をさせられている。
 そしてそんなこちらの戸惑いは、あっさり相手に伝わったらしい。
「起きたのか? 一応聞くが、どこまで覚えてる?」
 カミソリの動きががピタリと止まって、持ち上がっていた足が降ろされる。彼の声に促されて目を開ければ、だらしなく開かれた足の間に座っている彼と目があった。手にはもちろん、カミソリが握られている。
「どこまで、って……」
「剃るぞって言われて頷いたことは?」
 言われてみれば、彼の声に夢現で頷いたような気がしないこともない。けれど言われた言葉が剃るぞだったかどうかは、欠片も記憶に残ってなかった。
「はっきりは、おぼえて、ない、です」
「剃っていいって言ったことは?」
「それは覚えてます」
「ならいい。もう終わるから、あとちょっと大人しくしてろよ。動くと危ないから」
 再度足が持ち上げられて大きく開かれた。狙いを定めるように見つめられて、恥ずかしさに身を捩りたくなる。それを耐えるようにギュッと体に力を込めた。
「いい子だ。そのまま動くなよ」
 こんな緊張したままでも、どうやら動きさえしなければ構わないらしい。そのままお尻の隙間にカミソリが当てられて、ゾワッと肌が粟立った。
「ぁっ、……ん……」
 スルスルと滑っていく感触に、毛が剃られているとわかる感触が時折混ざって、なんともいたたまれない。
 毛深い方ではないし、アナル周りなんてほとんど生えてないはずだけれど、それでも無毛のツルツルでないのは確かだし、そこも剃られて当然といえば当然なのかもしれない。頭ではそうわかっていても、剃られるのは前面だけだと思い込んでいたせいで、戸惑いは大きかった。
「終わったぞ」
 やがてそんな言葉とともに、触れていたカミソリが離れて、持ち上がってた足も降ろされる。緊張を解いて大きく息を吐く中、微かに笑うような気配とともに相手が立ち上がったのがわかった。
 テキパキと後片付けを進めていくのを、まだどこかぼんやりとしながら見つめてしまう。なんとなく現実感がないのは、慣れないホテルのベッドの上で、初めての剃毛を受けながら、のん気に寝こけていたせいに他ならないのだけれど。
「眠い?」
 一度眠ってしまったおかげか、酔いはけっこう覚めている気がするし、眠いわけじゃない。
「いいえ」
「なら一緒にシャワーを浴びようか」
 無理そうなら拭いてやるからちょっと待ってろと続いた声には、もちろん、一緒にシャワーを浴びると返した。

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雷が怖いので プレイ32

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 人前で下着を脱ぐ機会なんてそうそうないものの、一度剃ってしまったら暫くはみっともない姿が続いてしまう。
 自宅で準備をして、渡されたアナルプラグを埋め込んで、近所で買い物をしてからバイト先へ向かう。なんてことが出来るのは、それが決まった曜日の決まった時間を超えて、日々の生活へ関わってこないからというのがやはり大きい。まぁ普段から利用する場所で買い物なんてしたら、プレイとしてでなくそこで買い物をするときに、思い出してしまう事もあるのだけれど。
 でも剃られてしまったら、綺麗に生え揃うまでそこを見るたびに、否応なく思い出してしまうだろう。だって誕生日につけて貰ったキスマークがそうだった。それが目に入るたびに、誕生日を祝ってもらった幸せな時間と、でもキスマークで誤魔化されて抱いて貰えなかった切ない気持ちとを思い出して、気持ちをユラユラと揺らしていた。
 彼がそこを剃りたいと言い出したのも、執拗に剃りたがっていたのも、誕生日後の幼い子どものような口調をかなり強要されていた頃だし、剃り落とされてツルツルになった子供みたいな体を、家に帰ってまで意識したくなんてなかった。優しい声音で剃られることを促す彼に、気持ちを揺らされながらも拒否し続けられたのは、きっとキスマークの二の舞いになることがわかりきっていたからだ。
 ただ、胸を弄られすぎたせいで日常生活に支障が、みたいな影響があるわけじゃなかったし、絶対に嫌だという態度で引いてくれたし、理由ごと口に出して、剃りたがるのは止めてくれとお願いしたことはない。それでも結局は、プレイが進む内にある程度満足したのか、想いをはっきり自覚してからは少し雰囲気が変わったとも言われたからそれで合わなくなったのか、幼い口調の強要やらは減っていったし、同時に剃りたいと言われることも減っていた。
 自分の中の気持ちが変わったのは、やはり初めて抱かれたあの日だ。彼の体に残る傷を見て、血が流れるほど強く噛まれて、その傷が自分の体にも残ればいいのにと思ってしまった。上手にできなかったら意識を飛ばされる覚悟と、起きた時には毛を剃り落とされている覚悟をしてなんて事も言われたが、意識を飛ばしても無事だったその場所に気付いた最初、安堵するのではなく、剃られてても別に良かったのにと思ってしまった。
 彼がこの体に残してくれるもの、自宅へ帰っても彼との時間を思い出せるようなものを、最近ではむしろ欲しがっている。なのに欲しい気持ちを自覚したせいで、逆に彼がこの体に痕を残さないようにしているのだろうことに、気付いてしまった。
 お金は半ば強引に突っ返してしまったけれど、傷跡なんてほとんど残らないだろう噛み傷に、十万という金額を払おうとした人だ。たまにプレイ後うっすらと拘束された痕が残っていることもあるが、多分確実に、そういう時は給料にその分が上乗せされているんだろう。考えてみれば、拘束を解いたときや、拘束を含むプレイをした日の終わり際は、念入りに体をチェックされているような気もする。
 そんなわけで、彼が気にしているのは主に拘束の痕で、毛を剃り落とすことや、こちらが望んでねだったキスマークに対して、彼がどんな感情を持つのかは知らない。
 キスマークに関しては、おぼろげな記憶ではあるが、あなたのものにしてと言ってねだった結果のものだし、彼が喜んで応じてくれていた記憶もない。当然、彼自身からつけたいと言われたことも一切ないそれを、自分からまた望むことはしないだろうと思う。
 そして剃毛に関しては、剃られたら生え揃って元通りになるまでには、そこそこの期間が必要になるはずだ。数日も残らない拘束の痕より、確実に長くこの体に剃られた事実が残るわけだけれど、それを彼がどう思うのかはやっぱりちっともわからない。でもこちらからすれば、彼からしたいと望んでくれて、体にはっきりと彼と過ごした時間の痕跡が残る行為に他ならない。しかも今日この場所でというなら、帰宅後その場所を見て思い出すのは、剃られた後でトロトロになるまで可愛がって貰った記憶なんじゃないかと思う。
 そう考えたら、むしろ期待で体の熱があがっていく。

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