雷が怖いので END直後4(終)

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 お尻の中をグチュグチュにかき回され、頭の中が何度も白く爆ぜる。疲れ切っているはずなのに、ヒンヒン喘ぎ泣き散らす自分の、限りなく悲鳴に近い声が部屋に響いていた。
 こちらが何度上り詰めても容赦なく突かれ続けて、既に気持ちよいのか苦しいのかも曖昧になって涙が溢れているのに、心だけは変わらず喜びと幸せで満たされている。肌を撫でていく指先から、なんとか瞼を持ち上げた時に映る顔から、好きだ可愛い愛しいと繰り返してくれる甘い声から、彼の想いを感じることが出来るからだ。間違いなく彼に、強く求められているのだと思い知る。
 何度か飛ばした意識は、すぐにより強い刺激で半ばむりやり呼び戻された。そんな真似をされるのは初めてだったけれど、この時間を記憶に残さないのは許さないと言われているみたいで、それすら嬉しさで心が満たされる。
 さすがに彼の五度目の射精を受け止めながら飛ばした意識は、むりやりに引き戻されることはなく、次に意識が戻ったのは朝というよりは昼に近い時間だった。正確には、部屋に一人放置して出かけるわけに行かないからと、彼によって起こされた。
「取り敢えず上体だけでも起こせるか?」
 まだぼんやりとしながらも頷いて、ひたすらダルい体になんとか力を込めて起き上がろうとしたら、アチコチ軋んで思い切り眉を寄せて呻く。
「痛っっ……」
「やり過ぎた自覚はある。悪かったな。でも半分はお前の自業自得だぞ?」
 苦笑とともに身を屈めた相手に助けられて、痛みを堪えながらもなんとかベッドの上に座る形で身を起こした。
「わかってます、よ。後悔はない、です」
 吐き出す声は、あれだけ泣き散らせば当然かも知れないけれど、掠れてガラガラだ。喉に引っかかって少し咳き込んだら、宥めるように背を擦ってくれた。
「後悔がないならいい。それより大丈夫か?」
「はい」
「じゃあ取り敢えず幾つか薬飲んで」
 水の入ったペットボトルと共に渡されたのは、痛み止めと整腸剤らしい。受け取ったそれを躊躇いなく飲み下して、ついでに乾ききった喉を潤す。ほぼ一息に半分以上を飲み干して、一旦蓋を締めて脇においた。
 一息つくのを待っていたようで、それを見ていた彼がまた口を開く。
「後始末はそれなりにしておいたが、中出しだったのに最後意識飛ばしたまま眠らせたのと、かなり奥深くに注いじまったから、多分この後腹壊すと思う。酷いようならすぐ医者に連れてくから、黙ってないで言えよ。それ以外も、何か少しでも体調おかしいと思ったらまず俺に言え」
 何度も中出しして長時間繋がったままのセックスは、さすがにリスクが高いようだ。わかったかと念を押す顔が真剣だったので、こちらも神妙に頷いてみせた。
「後、お前の携帯さっきから何度も鳴ってる。多分学校関係だろ。早めに折り返してやりな」
 そう言って差し出されたのは、ズボンのポケットに突っ込んでいた携帯で、服はやはり畳まれて近くのスツールの上に乗っている。
「ありがとうございます」
 受け取ってちらりと確認すれば、確かにゼミ仲間から幾つかメッセージが届いていて、電話も何度か掛かっているようだった。
「それと最後に、俺はもう少ししたら出掛けなきゃならないから、これをお前に渡しておく」
 そう言って差し出されたのは、何も付いていないシンプルな剥き出しの鍵が一つ。
「これ……って」
「うちの合鍵」
 そうだろうとは思ったけれど、実際にそれを肯定されると途端に動揺する。ありがとうございますと、簡単に受け取ってしまって良いものなのかわからない。
「えっ、……でも……」
「お前は俺のものになったし、俺も、もうお前のものだろう?」
「そ、れは……そう、なんです、けど……」
「まぁ今はまだ、そんな重く考えなくていい。体調も悪そうだし、今日はこれを使わず俺が帰ってくるのを待っててもいいが、俺の帰りをお前の意思で待つのと、俺が帰るまでこの家から出ることが出来ないってのは違うだろ?」
 だから持っててと言われれば、受け取るしかない。ついでに言えば、今日は彼の帰りをこの家で待つのもほぼ決定だ。どうせこの体調では大学に行けそうにないし、だったら自分の意志で、彼の帰りをこの家で待っていたい。
 その後、ベッドを降りれそうにないなら簡単に食べれるものを運んでおくという提案を断り、アチコチ痛む体を誤魔化しながらベッドを降りた。手伝ってもらってなんとか服を着て、一緒にリビングのドア前までたどり着いた辺りで、いよいよ彼が家を出る時間が迫っているようだ。
 そのまま玄関へ直行し靴を履いた後も、くれぐれも無理はするなだとか、家の中のものは好きにしていいだとか、まだ何か言い忘れはないかと探す彼の袖を引いて、せっかくだからいってらっしゃいのキスがしたいと言ってみた。そんなこちらの仕草と言葉に一瞬固まり、目を少しばかり瞠られたけれど、驚かれるのはまぁ想定内。
「だめ?」
「なわけないだろ」
 それでも声が少し上ずっている。彼にとっては知識としてのみ存在する行為だろうことは想像がついた。それなのに咄嗟に応じてくれる優しさが、やはり嬉しくてたまらない。
「じゃ、少し屈んで?」
 頼んだ通りに身を屈めてくれた相手の唇にチョンと唇を触れさせて、まだどこか少し浮ついた幸せの中、いってらっしゃいと笑ってやった。胸に湧き続けているこの幸せは、彼にも伝わっているだろうか。彼にはニヤリと笑い返されたけれど、戸惑いや照れくささをそうやって誤魔化したようにも見えた。
「随分可愛いキスだな」
「だってこれから出掛けちゃうのに、エッチな気分になったら困るし」
「そりゃそうだ。じゃあ、仕方ないな」
 その言葉とともに、彼からも軽く触れるだけの優しいキスを貰う。そうしてから、行ってきますと柔らかな声音を残して出ていく背中を見送った。

<終>

今回で終わりにしたくて大遅刻。最後の最後ですみません。
END直後の、相手の気持ちに任せて抱かれた視点の主が見たいというリクエスト、どうもありがとうございました〜

本編は長くなったしもういいやでエンド付けてしまったので、今回、あの後のエッチと、更には合鍵渡す所まで書けて良かったです(^^♪

 
 
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120分勝負 うっかり・君のそこが好き・紅

 部活終了後、部室で着替えていたら一足先に帰り支度を終えた後輩がススッと寄ってきて、先輩これどうぞと小さな横長の箱を差し出された。意味がわからず着替えの手を止めて相手を見つめてしまえば、先輩にあげますと言いながらそれを胸元に押し付けてくる。
「お、おう……じゃ、サンキューな」
 何がなんだかわからないまま受け取り、取り敢えずで礼を言った。しかし受け取っても後輩は隣を動かない。つまり、この場で中を確認しろということか。
 仕方なく手の中の箱を開けて中身を取り出す。出てきたのは多分口紅だった。なんでこんなものをと思いながら首を傾げてしまったのは仕方がないと思う。
「先輩にはそっちの色のが絶対似合うと思うんですよね」
 そんな自分に気付いたようで、隣から説明するかのような言葉が掛かったが、それを聞いて一気に血の気が失せた。
「はい、お前居残り決定な」
 周りに聞こえるように声を張り上げ、戸惑う後輩を横に残して着替えを再開する。後輩がなんでとかどうしてとか尋ねてくる声は無視をした。だって相手をする余裕なんてまるでない。内心はひどく動揺し焦っていた。
 どうしようどうしようどうしよう。一体どこまで知られているんだろう。
 昨年の文化祭後、先輩たちが引退して演劇部の部長を引き継ぎ、部室の鍵閉めをするようになってから、誘惑に負けるまでは早かった。なんだかんだと理由をつけて他の部員たちを先に帰した後、中から鍵を掛けた密室で、部の備品を借りてひっそりと女装を繰り返している。
 成長期を終えたそこそこガタイのある男に、ピラピラのドレスも、長い髪も、ピンクの頬も紅い唇も、何一つ似合わないのはわかっている。姿見に映る自分の姿の情けなさに、泣いたことだってある。それでも止められないのは、変身願望が強いからなんだろう。
 長い髪のかつらを被って、丈の長いスカートを履いて、胸に詰め物をして化粧を施せば、そこにいるのは醜いながらも全く別の誰かだったからだ。
 演劇部へ入ったのだって、役を貰って舞台に立つことが出来れば、その時だけでも別の誰かになれるかもと思ったからだ。昔から、自分のことが好きになれず、自分に自信が持てずにいる。
 部長になったのだって、部を引っ張って行きたい意志だとか、仲間の信頼が厚いとかそんなものはあまり関係がなくて、単に面倒事を嫌な顔をせず引き受ける利便さから指名されたに過ぎないとわかっていた。そんな頼りない部長のくせに、部室の鍵を悪用し、部の備品で好き勝手した罰が当たったのかもしれない。
 先日うっかり鍵を締め忘れたままで居残った日がある。もし後輩に知られているとしたら、きっとその時に見られたのだろう。
 反応しないこちらに諦めたようで、後輩は近くの椅子に腰掛け、部員たちが帰っていくのを見送っている。自分も着替え終えた後は近くの椅子に腰を下ろしたが、もちろん内容が内容なので会話を始めるわけに行かず、取り敢えずで携帯を弄って時間を潰した。
「で、なんで俺が居残りなんですかね?」
 やがて部屋に残ったのが二人だけになった所で、待ってましたと後輩が話しかけてくる。それを制して一応廊下へ顔を出し、近くに部員が残っていないことを確認してからドアの鍵を掛けた。一応の用心だ。
「それで、お前、あんなのよこしてどういうつもり? てかどこまで知ってる?」
 声が外に漏れないように、さっきまで座っていた椅子を後輩の真ん前に移動させて、そこに腰掛け小声で尋ねる。なるべく小声でと思ったら、しっかり声が届くようにと知らず前屈みになっていたようで、同じように前屈みになった後輩の顔が近づいてくるのに、思わず焦って仰け反った。
「ちょっ、なんなんすか」
「ご、ごめん。てか近すぎて」
「まぁいいですけど。で、どういうつもりも何も、さっき言ったまんまですよ。先輩には、あの色のが似合うと思ったから渡しただけです」
「だから何で男の俺に口紅なんかって話だろ。ていうか、つまりはあれを見た、ってことだよな?」
「先輩が居残って女装練習してるのって、やっぱ知られたらマズイんですか?」
 練習という単語に、そうか練習と思われていたのかとほんの少し安堵する。じゃあもう練習だったと押し通せばいいだろうか?
「知られたくないに決まってんだろ。あんな似合わないの」
「まぁ確かに、似合ってるとは言い難い格好では有りましたけど、やりようによってはもうちょいそれっぽくイケると思うんですよね。だから尚更、一人で練習しないで人の意見も取り入れるべきじゃないですかね?」
 知られたくないなら他の部員たちには内緒にするから、ぜひ協力させてくださいよと続いた言葉に目を瞠った。
「な、なんで……?」
「なんで、ですかね? 先輩の女装姿に惹かれたから、とか?」
「何言ってんだ。似合ってなかったの、お前だって認めたろ」
「だからその、似合ってなかった所が、ですよ。これ俺が弄ったらもっと絶対可愛くなるって思ったというか、なんかこう、とにかく先輩のあの格好が目に焼き付いて、気になってたまらないというか」
「なんだその、一目惚れしました、みたいなセリフ」
「あー、まぁ、それに近い気もします」
 何言ってんだという苦笑に肯定で返されて、なんだか体の熱が上がっていく気がする。
「せっかく二人だけの居残りですし、今から、ちょっとあの口紅、試してみません?」
 衣装とかつらも俺が選んでいいですかと、すっかりその気な後輩に押し切られるようにして、その日から時々二人だけの居残り練習が始まってしまった。

「一次創作版深夜の真剣一本勝負」(@sousakubl_ippon)120分一本勝負第71回参加

 
 
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雷が怖いので END直後3

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 何度も何度も飽くことなく繰り返される「好きだよ」の言葉を貰いながら、自分で動いて腰を振る。中のイイトコを彼の大きなペニスに擦り付けるようにしながら、自分のペニスを自身の腹と彼の腹との間に挟むようにして揺すれば、快感が何倍にも跳ね上がる。
 はしたなく気持ちが良いと喘いで、込み上げる気持ちを零すように好きだと繰り返せば、やはり優しいキスが降った。けれどそこには「俺もだ」という言葉が付属してもいる。
 嬉しくて、幸せで、好きと言葉に出すだけでは追いつかないものが、涙になって流れ落ちた。泣きながら、でも半分くらいは笑っていたようにも思う。相手も嬉しそうに、愛しそうに、大好きな優しい顔を見せてくれていた。
 もちろん、時々こちらをからかうみたいに意地悪なことを言って、興奮を煽り引き出すことも忘れない。
 たまらなく、キモチガイイ。心ごと、快感で震えた。
 どれくらいの時間、そうして過ごしていたのだろう。何度も休憩を挟みながらではあったが、それでもそれは、本気でこちらの体力が尽きるまで続けられた。
 宣言通り、意識を飛ばして何も考えられなくなるような時間はなかったけれど、やっぱり何回イッたかなんて覚えてない。自分で動いても射精なく上り詰めるのを繰り返すなんて真似はできないので、ペニスの先からだって何度も、ダラダラと白いものを零した。
 でも彼がイッた回数ならしっかり覚えてる。自分で動くようになってからは一回で、最初に口に出して貰って飲んだ分も入れれば四回だ。
 ずっと繋がったままで、彼の胸に倒れ込んで動けなくなっている今も、それはまだ自分の中で脈打っていた。多少小さく柔らかになってはいるものの、元が大きいのとこちらの疲れも相まって、物足りなさなんてまるでないどころか、じっとしててもついそこへ意識が向かってしまうくらいの存在感がある。
 一晩でこんなに彼が射精してくれたのは初めてなのだけれど、でもまだ全然余裕がありそうだ。でもそれは、余裕をなくした姿を見られたくはないからだろうとも思った。だから今日、彼はあまり動かずにいるのではないのか。
 それでもいつかは、余裕なく求めてくれる日も来るだろうか?
 激しく貪られながら、彼自身もう出ないというくらいまで、自分も彼を貪り尽くしたい。
 この人はもう自分のもので、これから先もまだまだ続いていくのだから、いつかきっと、そんな彼を見せて貰える日だってくるに違いない。そうなったらいいなと思いながら、ふふっと息を漏らした。
「どうした?」
 くったり凭れ掛かる自分の背を優しく撫でてくれていた彼が、それを聞きつけ尋ねてくる。
「あなたはまだまだイケそうだなって思ったら、いつか、あなたの限界まで抱いて貰えるような日もくるのかなって、そうなったらいいなって、思っちゃって」
「今日がもう終わりだなんて、俺は一言だって言ってないけど?」
「……えっ?」
「まぁさすがに平日だし、明日もずらせない予定入っちまってるから限界までは頑張れないが、最低でも後一回、俺がイクまでは付き合って貰うぞ」
 それはいったいどれくらいの時間が掛かるのか。射精コントロールは四回出した後でもまだ可能なのか。不可能なら彼が気持ちよくなれるまでというのに全く予想がつかないし、可能だとしても、どこまでこちらを追い詰めるつもりで居るかがさっぱりわからない。だってもう、今日はこれで終わりだと、すっかり思い込んでいた。
 こちらはもう殆ど体力が尽きているけれど、彼が動く分には問題がないという意味なのはわかっている。たとえ出すものが無くなったって、お尻でイかされる分には関係がないということも。彼にされたら、自分の意志で体を動かせないほどに疲れ切っていたって、また気持ちよくなれてしまうのだ。
 さすがに期待よりも不安が大きくなって気持ちが揺れる。なのに。
「だってお前、俺に激しく貪られてみたいだろ?」
 そう続いた言葉に、頷く以外出来なかった。

続きました→

 
 
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雷が怖いので END直後2

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 俺も好きですと告げる声は少し震えていたかもしれない。躊躇いなく好きだと繰り返し与えてくれる言葉が嬉しくて堪らないのに、嬉しいからこそ泣きそうだった。
 何も考えられなくなるような抱き方をされて居ないせいもあるだろう。
 今までだって、じわりと快感を引き出されていくようなセックスを、してなかったわけじゃない。特に関係を変えた後、泊まりで抱かれる時はそんなセックスが多かった。
 それだって十分に嬉しかったけれど、プレイ要素控えめに抱かれているとどうしたって好きだという気持ちが溢れ出したし、約束通りの優しいキスを貰いながら、自分の気持ちばかり押し付けるようで申し訳ないと思ってしまう気持ちを、止めることも出来なかった。好きだと返してくれない人を、恋人になれないような相手を、諦めることも出来ずに卑しく求め続けた日々に、迷いがなかったはずがない。
 思考を奪われていないせいで、やっと掴んだ幸せの前だというのに、苦しくてしんどかったアレコレを思い出してしまう。もうあんな思いはしなくて良いのだと思うと、嬉しくて嬉しくて、キュウと胸が締め付けられる。
「それは嬉し泣きだよな?」
「そ、です」
 泣きそうになっているのはバレバレで、苦笑交じりの問いかけには必死で頷き肯定を返した。
「お前は本当に可愛いな。好きだよ。何度だって言ってやるから」
 だからもっといっぱい泣いてと笑う顔は少し意地悪だったけれど、それは当然見慣れたもので、その顔を見ただけでドキドキが加速してしまう。
「っぁ……」
 連動したようにアナルがひくつき、相手を締め付けてしまったのがわかるから恥ずかしい。泣いてと言われてこの反応なところが我ながら浅ましいと思うのに、恥ずかしいと思ってしまう気持ちまでも含めて、彼的には十分満足のいく反応だったようだ。
「このまま起きれるか?」
 ハイと返せば繋がりを解かないまま、片腕を背中に差し込まれ、もう片手には腕の付け根を掴まれて、ゆっくりと引き起こされる。
「ぁ、っあ、」
 繋がったままの動きにどうしたって熱い息がこぼれ出てしまう。
「ぎゅってして」
 促されるまま、彼の胸に倒れ込むようにして抱きついた。そのまま腰を抱えられるようにして支えられながら、彼が体勢を整えるのを少しばかり待つ。
「今度はお前が動いて、自分で気持ちよく、なれるよな?」
 元気だもんなとからかう口調にまた恥ずかしさから顔が熱くなりながらも、再度ハイと返してまずは両足に力を込めた。
「俺にたくさん好きだよって言われて、泣きながら気持ちよく果てるとこ、じっくり見ててあげような」
 ゆっくりと腰を浮かそうとした所で、どこかうっとりとした声音でそんな事を言われて、思わず身を固めてしまう。
「どうした?」
「……だ、って」
 なんとか声を絞り出した。
 まだ困惑してはいるものの、なんとなく、わかってきたような気がする。
「だって?」
「気持ちに任せて抱くって、こういう事になるって、思って、なかった……から」
「激しく貪られるとでも思ったか?」
「そりゃあ……明日、使い物にならなくてもいいならなんて言われたし」
「考えが甘い。後、相変わらず迂闊だな」
 楽しそうなニヤニヤ顔をされた。でもそれが嬉しいのだから困ったものだ。
「ようやくお前を好きだと認められたんだから、今まで返せなかった分をたっぷり返してやるよ。ちゃんと俺の言葉を聞き取れて、理解もできる状態で抱き続けるに決まってるだろ。意識飛ばして逃げるみたいに終われるなんて思うなよ」
 イッてるのはお前のが断然多いけど射精はほとんどしてないんだから、後は若さで乗り切ってと続いた言葉に、確かにこれじゃあ明日は使い物にならないだろうと思った。
「もっとして、なんてねだったこと、後悔してるか?」
 フルリと小さく体を震わせればそんな風に聞かれはしたけれど、ゾクリと背中を走ったのはどちらかと言えば期待だった。そりゃあ、不安や恐怖に似た気持ちがゼロと言うわけではないけれど。
「まぁ後悔してるって言われた所で止める気ないし、後悔なんか忘れるくらい善くしてやるけどな」
 自信満々に言い切る相手に、後悔なんかするわけ無いと返して、中断していた動きを再開させる。
「いい子だ」
 それは満足気な声音だったのに、次にはとろりと甘やかな声が好きだよと続いた。

続きました→

 
 
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雷が怖いので END直後1

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 気持ちに任せて抱くことになるなんて言われたら、普段みたいな気遣い無しで、彼の快楽を優先させるセックスをされるのだと思うだろう。余裕をなくした相手にガンガンと奥を突かれたら、体がどこまで持つのか、どれだけそんな彼を見つめることが出来るのか、心配したのはそんな事ばかりだったのに。
 決して大きな動きではなく、深い所を緩やかに、そして柔らかに押し上げる優しい動きは、その場所を起点に体中をトロかせる。
「んっ……ぁっ……きも、ちぃ」
「俺も、きもちぃよ」
 甘く降りかかる声は確かに気持ちが良さそうなのに、全くと言っていいほど余裕をなくしては居なかった。結局、追い詰められているのは自分の方だ。
 奥深くでじわじわと上り詰める経験はさっきが初めてだったのに、忘れないうちに覚えなさいとでも言われているみたいに、さっき以上の緩やかさでゆっくりと上り詰める事を繰り返させられている。腰はがっちり掴まれてしまって、さっきみたいに自分から腰を揺すって快楽を拾うことも許されない。
 もちろん、もっと激しく突いてというお願いは、とっくに却下されていた。それでももう自分ばかり二回も、ゆっくりと押し上げられるままに達している。
 ゆっくりとだからか、最奥に入り込まれて何度も気持ち良くイかされているのに、頭の中がドロドロのぐちゃぐちゃになって、快楽を追うこと以外何も考えられなくなる、なんてことはなかった。
「イッ、ちゃう……また、おしり、イッちゃう、ょぉ……」
「ん、じゃあ、今度はまた、一緒にいこっか」
「ほ、……ほん、と?」
「ホント」
 さっきみたいにお尻の奥で上手に絞り上げてと言われたけれど、やり方なんかわからない。イッてしまう時に、勝手にナカが収縮してしまうだけだからだ。
 それでも自分で何か出来ないかとお腹に力を込めてみたら、相手が少しだけ息を詰めたようだった。しかしその直後、自分自身が大きな快楽に飲み込まれていく。
「んぁああああ」
 相手は全く動きを変えていないのに、お腹に力を入れて相手を締め付けた事で、体が勝手に上り詰めてしまった。じわっと押し上げられて達することを繰り返していたはずで、今回も同じようにイクと思っていた所に、突然の激しい快感に目の奥がチカチカする。
 それでも、奥深くにじんわりと熱が広がった気がするのと、彼のペニスの脈動とで、本当に一緒にイッてくれたのはわかった。
「ああ、ぁあ……」
 呆然としながらも細く息を吐きだせば、優しい手つきで髪を梳くように頭を撫でられる。
「すごい上手に、自分から奥でイケたな。気持ちよかったよ」
 褒められればやっぱり嬉しい。ホッとしながら良かったと返せば、柔らかに笑い返されて、可愛いなの言葉とともに顔が寄せられる。キスを待ってそっと瞼を降ろせば、唇が塞がれる前に再度彼の声が耳に届いた。
「ああ、やっぱり今の少し訂正」
 えっと思いながら綴じていた瞳を慌てて開けば、間近で悪戯っぽく笑っている。
「お前が好きだよ」
「えっ、」
 さすがに今度は声が漏れた。それを待っていたように、与えられたキスはすぐに深いものへと変わっていく。
「んっ、んっ」
 達したばかりで口の中も敏感になっていて、くちゅくちゅと舐め回されて絡ませた舌を擦られれば、甘く鼻を鳴らしてしまう。今日は既に五度も達して確かに疲れているのに、最初に口でして貰って以降はお尻だけでイッてるせいか、またキモチヨクなりたくなってしまって困る。
 繋がったまま覆いかぶさるようにキスをされているので、自分のペニスが彼のお腹に触れているせいもあるかもしれない。もっと快楽を拾えないかと、そっと腰を浮かしてペニスの尖端を彼のお腹で擦ってしまったら、当然すぐに気づかれたらしく、重ねていた唇がスッと離れてしまった。
「元気だな」
「ご、ごめんなさ、ぃ」
「怒ってないよ。可愛いし、可愛くてたまらないなと思うこの気持も、お前を好きって事なんだろうって思ってる」
 好きだよと繰り返して、今度は触れるだけのキスが一つ、唇の上に落ちた。

続きました→

 

 
 
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好きだって気づけよ2(終)

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 意気消沈した彼女の隣を歩きながら、弟の考えていることが本当にわからないと思う。まさか彼女本人にクズ女だのブスだの言って泣かせるなんて思わなかった。
 元々若干のツンデレ傾向にあるとは思っていたし、もっと幼かった頃は好きな子にちょっかい掛けすぎて嫌われるなんて事もあったけれど、暴言吐いて泣かせるような真似をしたら関係は悪化しかしないと理解できる程度には成長したと思っていたのに。
 それとも弟も彼女を好きだという考え事態が間違いなのか?
 でもだとしたら、わざわざ自分に隠れて彼女と会う意味がますますわからない。
 結局彼女の隣を歩いていても、考えるのは弟の事ばかりだった。
 それでもなんとか彼女に弟の非礼を詫び、家の前まで送り届けた後は真っ直ぐ自宅へ帰る。部屋に戻れば、まだ不貞腐れたままではあったが弟はちゃんと在室していた。
 弟は二段ベッドの上段を使用しているのに、下段であるこちらのスペースで仰向けに寝転がりながら膝を立てて足を組んでいる。ドアの開閉に気付いてチラリと投げられた視線は依然としてキツかった。
 その視線を受けながら部屋の中を移動し、並んだ勉強机の自分の方の椅子に腰掛けて、自分も二段ベッドの下段を睨み返す。
「何その態度。言い訳があるなら聞くけど、一応、怒ってるのは俺の方だからな」
 言えば大きなため息とともに体を起こし、ベッドの端に腰掛ける。
「別に。言い訳なんかないけど」
「お前さ、彼女が好きなの?」
「はぁあああああ?」
 聞けば随分と大きな呆れ声で返された。ああやっぱりと思う反面、じゃあなんでと思う気持ちが益々大きくなる。
「どこをどう見たら、俺がアレを好きって話になんの? 頭大丈夫?」
「だって俺に隠れてこっそり会ってる意味がわからない。俺の彼女だから、俺のふりすれば彼女と一緒に遊べるとか考えてたのかと思って」
 弟は険しい顔になって、ふーんと鼻を鳴らした。なんだかバカにされているようで腹立たしい。
「じゃあ仮に、俺が兄貴の彼女を好きでこそこそしてたとして、それ知ったアンタはどうすんの? 俺が本気なら仕方ないとか言って、身を引いてくれるわけ?」
 優しいお兄ちゃんは俺のために彼女と別れてくれそうだよねと、今度は完全にバカにした口調で告げてくる。ホントなんなの。腹が立つ。
「お前が本気だってならそれも考えるけど、でも違うんだろ。それとも前言撤回して、彼女が好きだから彼女と分かれて下さいって、俺に本気でお願いする?」
 正直に言ってご覧よとこちらも煽るように告げれば、弟は興ざめしたと言わんばかりにハッと鼻で笑った。
「ばっかじゃないの」
「お前に言われたくないよ」
「だいたいアンタだって本気でアレが好きってわけじゃないだろ」
「アレって言うのヤメロ。後、好きだから付き合ってるに決まってる」
「どこがだ。俺に譲れる程度にしか好きじゃないって、今自分で言ったくせに」
 さっさと別れちまえよと続いた言葉に、やっぱ好きなのと聞いてしまったのはさすがに失敗だったらしい。一度がっくりと肩を落とした弟は、ベッドから立ち上がると無言でこちらに向かって歩いてくる。怒っているよりは呆れているような気はするけれど、感情がわかりにくい冷ややかな表情で圧迫感が凄い。
「ちょっと、何……」
 目の前に立たれて必然的に見上げる形になり、背筋に冷たいものが流れる気がする。きつい視線で睨まれたって怖くなんかないけれど、この冷ややかな無表情はさすがに少し怖いと思った。
「俺が好きなのはアンタだよ」
「は?」
「兄貴だって俺を好きだろ?」
「いやそりゃ弟だし、互いが一番の理解者だと思ってるし、好きか嫌いかで言えば好きに決まってるけど」
「そういう話じゃないのわかってるくせに。アンタは付き合ってる彼女を俺に譲れちゃうくらい、俺が好きなんだよ」
「いやいやいや。何言ってんの」
「何言ってんのはこっちのセリフ。男同士だし、兄弟だし、双子だし、認めたくないのかもしれないけど、いい加減俺を好きだって気づけよ、ばーか」
 アレにわざわざ接触したのなんか、二人の仲を円満に裂くために決まってんだろと言った弟は、でももうバレたからどうでもいいやとなんだか随分と投げやりだ。
「どういう、意味……?」
「この展開はかなり予定外だったけど、本気でアンタ落としにかかるから。って意味?」
「何言ってんの。俺たち兄弟なんだけど」
「だからそれ今更だって」
 ニヤッと笑った顔が近づいて、えっ、と思う間に柔らかな唇が自分の口に押し当てられていた。

有坂レイへのお題は『貴方と私でひとつ・「好きだって気付けよ、ばーか」・やわらかい唇』です。https://shindanmaker.com/276636

 
 
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