弟は何かを企んでいる14

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 弟のペニスをお腹に挿したまま、いわゆる駅弁スタイルで歩き出されて、絶対落とされないのはわかっていてもギュウとしがみついてしまう。弟の服に鼻先を埋める距離は、まだベッドじゃないのにベッドの中と似た匂いがして、体は簡単に快楽に浸ろうとするから困る。
 しかもゆっくり歩くの言葉通りに、大した距離もないのにベッドまでがやたら遠くて、頭の片隅ではこんな無茶苦茶な体勢でと思うのに、ずっと恐れながらも待ち望んでいた刺激に、お腹の奥の方がグズグズに蕩けていくような気がした。
 宙に浮いた状態だって、抗うことを止めて快楽に浸りきってしまえば、多分きっと、射精なしの絶頂に至れるんだろう。それを、せめてベッドに着くまではと思う気持ちが、止めている。
「はい、到着」
 下ろすよの言葉に安堵したのと、前屈みになられたことで刺激が変わったのが引き金だった。
「あああっっ」
「ぇ、……くっ……」
 イキそうだと伝えるまもなく、再度頭の中が白く爆ぜて、体が震える。甘い幸福感と気持ちよさに包まれながら、お腹の中の弟のペニスを、ぎゅうぎゅうと締め付けてしまう。
 弟も小さく呻いて動きを止めたから、結局背中はまだベッドに着いてない。
「ふはっ、ここでイクんだ」
 詰めていた息を吐きだしながら弟が笑う。これって駅弁でイッたことになると思う? と聞かれて、そんなの知らないと思ったけれど、それは言葉にならなかった。聞こえてはいるけど、言葉を交わす思考の余裕がない。
 それがわかっているのか、弟は返事がないことを気にするでもなく、うっかり一緒に出なくて良かったな〜などと、多分完全な独り言を零しながら、ようやくこちらの体をベッドに下ろした。
「腕、ゆるめて?」
 ぽんぽんと軽く腕を叩かれて、嫌だと首を横に振る。だってこの距離が安心する。
「このまま続けんの?」
 ぜひそうして欲しい。
「ふっ、マジか」
 頷けばやっぱり小さく笑われて、でも、やっぱぎゅってしてたほうが怖くないか〜と続いたから、あの日、怖いからぎゅってして欲しいと何度か頼んだことを弟も思い出しているんだろう。
 またゆっくりと奥を捏ねられだして、どうやらこのまま続行だ。そう、思ったのに。
 安心して気持ちよさに身を委ねて、次の絶頂がお腹の中で溜まっていくのを感じていたら、腕の力が抜けたのを感じたらしい弟がするりと身を起こしてしまう。
 慌てて握った手の中にあるのは弟のたくましい二の腕で、でも引き止めたところで動きが止まってくれたから、非難を向ける目の中には疑問も混じっていたと思う。
「俺も、兄貴が奥で感じてイク顔、見たいんだけど」
 前したとき後ろからだったから、今日はちゃんと顔見せて。イキまくってどろどろになってるとこ、見せてよ。などと言って、ねだられてしまうと本当に弱い。
 イクって時はまたぎゅってするから顔見てていいでしょと言いながら、動きが再開されてしまえば、もう、抗えない。イクときはちゃんとぎゅってする、の言葉を信じて、与えられるままその快楽に浸り切って、何度か絶頂を繰り返した。
 頭の中が、キモチイイばっかりで支配されて、弟の声が遠い。でも可愛いとか好きだとかを繰り返してくれてるのはわかるし、お腹の奥で気持が良くなっていることも、射精を伴わずに絶頂を繰り返していることも、間違いなく喜ばれているし、どうやら褒められても居るようだった。
「そろそろ、俺も、イキそ」
 弟の手がお腹の上に乗って、なにかを確かめるように、というよりは多分そこに存在する自身のペニスを探るかのように、撫でていく。
「今日はここの先で、イッて、いいんだよな?」
 クッとわずかに力を込めて押し込まれたその下に、弟のペニスの先端がある。
 抱き潰されたいんだもんなと、少しギラついた気配を滲ませるから、たまらなくドキドキする。期待、してしまう。
 お腹の奥がグズグズに蕩けている感覚はあるけれど、その先が開きそうなのかどうかまでは自覚できていない。でもここまで言うってことは、弟的にはその先へ入れる確証がありそうだった。
 頷いて、なんとか「きて」と短な二文字だけ音にすれば、弟が足を抱え直してぐぐっと腰を持ち上げてくる。上から伸し掛かるみたいに圧迫されるのは苦しくて、でも、奥が開いて先端を飲み込んでいくのが、わかった。
「あああああっっ」
 先程までの、頭が白く爆ぜてふわふわな気持の良さに包まれる絶頂と違って、目の前がバチバチと爆ぜるみたいな強すぎる刺激が、強引に体を絶頂させてくる。多分、弟が伸し掛かってなければ、この快感から逃れようとしてもっと体を揺すっていただろう。
「あっ、あっ、ああ゛っ、ああ゛あ゛っ」
 ズポズポと出入りされるたびに、多分、イッているのだと思う。けれどもう濁った悲鳴以外が口に出せなくて、弟がイクと宣言しながら、最奥へ突きこんだ先でペニスをビクビクと震えさせるのと、ゴムの膜越しに結構な量を吐き出しているっぽいのを感じながら、意識が飛んだ。

続きました→

 
 
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金に困ってAV出演してみた27

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 こちらが生徒を好きになる、なんて展開は彼の中では想定外だったようだけれど、でも好きになっていいとはっきり言ってくれたのだから、きっとこの後、好きを伝えられるような場面を作ってくれるはずだ。その時にちゃんと好きだと言えるように、とは思っているものの、未知の深さまで侵入してくるオモチャに、意識の大半が持っていかれている。
 太さはないので途中まではスルスルと入ってきたし、時々軽く前後されれば凹凸が中のイイ所を擦って、むしろその細さが物足りないくらいだったのに、途中からは奥に入られているという感覚ばかりが強くなって、別の意味で息が乱れた。快感を拾う余裕なんて当然なくて、ハァハァと吐き出す息が荒いのは、どう考えたって恐怖と不安からだ。
「うぅッ」
 お腹の奥がグッと押し上げられるような鈍い痛みに呻いたところで、背後から、ここまでかなという声が掛かる。
「もういいよ。手、離して」
 そう言われても、指先に力が入りすぎているのか、上手く手が開けなかった。内心焦っていると、尻タブを掴む手をそっと撫でられた後、こわばる指先を一本づつ引き剥がしてくれる。
 途中である程度緊張が解けたのか、片手が離れる頃には逆の手も動いて、どうにかシーツに両手をついたものの、今度は腕に力が入らない。伏せてしまった上体を起こせない。
 宥めるように手の外れたお尻を何度も撫でていた彼の手が、するっと腰から背を上って頭を撫で始める。優しい手付きにホッとするのに、息は整わないままだし、腕に力も入らない。
「ねぇ」
 頭では支えきれなくなって、途中から横向きに頬をシーツに押し当て肩で体を支えるようになっていたけれど、その顔を覗き込むように急に彼が顔を寄せてくる。ぼやけた視界をどうにかしたくて何度もパシパシと目を瞬かせれば、少しばかりクリアになった視界の先で、相手は随分と困った顔をしている。
 オモチャは無事に、S状結腸のギリギリ手前まで届いたのかと思っていたのだけれど、もしかしてこちらがあんまり怖がって泣くから、途中で止めてくれたってことなんだろうか。
「あの……?」
「うん」
 なんでそんな顔をするのかとか、この後どうすればいいのかとか、聞きたいことは山ほどあって、でもなんとか絞り出した声には、先を促すような柔らかな相槌だけが返る。
「つづけ、て、いーよ?」
 ますます困った顔をさせてしまったから、どうやら欲しい言葉はこれじゃなかったらしい。
「泣くほど怖いのに?」
「だ、って」
 あんまり優しく頭を撫で続けてくれるから、だって仕方ないじゃないかと思いながら口を開いたら、またぶわっと涙が込み上げてしまう。ううっと呻きながらもどうにか涙を拭おうとしたけれど、それより先に、頭を撫でてくれていた手が頬に落ちて溢れかけた涙を拭っていく。
 その手付きもやっぱり優しくて、涙は暫く止まりそうにない。カメラの前で泣いてしまうのは初めてではないけれど、あの時は慰められることもなく、むしろ泣き顔をもっと晒せって勢いだったのに、今回はどう考えてもこちらが落ち着くのを待たれている。
「この体勢のままじゃ辛いよね。もっと楽な姿勢になろうか。お尻のオモチャも一回抜く? 一回休憩入れようか?」
 これはどうやら、生徒の彼ではなく監督としての彼の言葉なんだろう。でもどうせならこのまま撮影を続けて欲しかった。というよりも、一度抜いてもう一度挿れるところから、なんてのを繰り返したくない。
「へ、きだから、も、ちょっと、待って」
「うん。焦って泣き止まなくていいから。でも、体勢は変えようね」
 ベッドに寝転がっていいよと言われた後、彼に呼ばれてワラワラと寄ってきた数人のスタッフに抱えられるようにして、そろりと体の向きを変えられる。背中を支えてくれるベッドマットの感触に、今度こそ安堵で体の力が随分と抜けた気がする。
 一度大きく息を吐いてから、意識的に深めの呼吸を繰り返せば、気持ちもだんだんと落ち着いてくるようだった。

続きました→

 
 
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今更なのに拒めない17

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 目の前も頭の中も真っ白に弾けるような衝撃に、悲鳴なのか咆哮なのかわからない声を上げながら、必死で目の前の体にしがみつく。しがみつこうと、した。
 お腹の中で生まれた快感がぶわっと膨らんでいくのがわかる。あまりの気持ちよさに全身から力が抜けて、というか思い通りに体に力が入っていないから、正確にはしがみついているというよりも、相手の腕に強く抱きしめられているようだ。
「あ゛ぁあ゛あ゛ああ」
 自分の上げている声だという認識は出来ているのに、それはどこか遠いところで響いている。しかも、体中の力が抜けているのに、どうやら体は痙攣しているらしい。
 持ち上げられていた膝が降ろされていることにも、すぐには気づけなかった。だって下半身の感覚もなんだかおかしい。布団に踵が触れている感触が、体を包む快感に邪魔されて、きっと脳みそまで届いていない。
「あ゛ぅぁ゛ぁ……ぁ……」
 それでも最初の衝撃が去ったのか、体がこの状態に慣れたのか、少しずついろいろな感覚が戻ってくる。
「少しは落ち着いたか?」
 優しい響きをしているのに酷く苦しげで、どうにか腕に力を入れて密着していた体を少しばかり離し、相手の顔を確かめた。興奮を耐えるように眉間にシワが刻まれている。また、こちらだけ絶頂して、相手に耐えさせてしまったらしい。
 だってまだ、好きだって伝えていなから。
「ねぇ、好き」
 好きかと聞かれては居ないけれど、たまらず自ら告げていた。早く知って欲しかった。だってもう充分メロメロしている。
「えっ?」
「とっくに好きだよ。だから、ねぇ、もぅ、お前も一緒にイッて」
 お前に惚れてると続けた所で、ぎゅうと抱きしめられてそのまま相手が腰を引いた。また体の中で快感が弾けて悲鳴を上げたが、今度はその快感が落ち着くのを待ってはくれず、再度ぐぽっと亀頭がS字を抜けていく。
「ふっ、ぁあ、なぁ、すっげ嬉しい」
 こちらの体をゆさゆさと揺すりながら、相手が何かを喋っているが、正直うまく聞き取れない。でも、嬉しそうに笑っているから、良かったと思う。
「ぁぁああはぁあああんんっっ、……あぁ、ぁああっ、いぃ……すごっ、ぁあっ」
 S字部分を彼のペニスの先がぐぽんくぽんと何度も出入りして、縁が撫でられるたびに軽い絶頂を繰り返している。ペニスの先からはぴゅくぴゅくと、薄くなった精液らしきものがこぼれ続けてもいた。
「ん、俺もいいっ、きもちぃ、ああ、好きだ。好きだよ。お前が可愛い」
「ぁっ、ぁあっ、あ、すきっ、俺も、ぁ、きもち、ぁあっ、すきだよぉ」
 好きだと言ってくれているのがわかって、必死に好きだと繰り返す。相手が愛しげに笑ってくれるから、胸の奥が暖かくなる。胸の奥もお腹の奥も、キュンキュン疼きっぱなしだった。
「お前んとこ来て良かった。も、今度はずっと捕まえとくから、お前も俺を好きで居て?」
「ぁぅっ、ぁ、ああっ、んっ、うん、すきぃ」
 何かを聞かれて必死に頷いてしまったけれど、正直もう限界が近い。
「ぁああっ、やっ、あっ、くるくる、すごいの、あっ、だめっ」
 何度も小さく絶頂しているのに、それで開放しきれない快感がじわじわとたまって、大きなうねりになっている。
「いいよ、だめじゃない。凄いの来て。S字抜かれてバカになってるお前の、うんとやらしくイクとこ見せて」
 おいで、いいよ、と繰り返されて、大きな快感の波が押し寄せた。
「ぁあああ、やっ、いっしょに、いっしょ、いって」
「ん、イクよ。俺も一緒にイクから」
 相手もイクと繰り返していることに安心して頷いて、何度目かわからない快感の波に身を委ねる。
「ぁあああっっ」
 くぽっと嵌りきった亀頭を思いっきり締め付ければ、今まではなかった脈動を感じ取ってホッとした。

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今更なのに拒めない16

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 無理やり閉じた壁を開かれ押し入られる代わりに、互いにあれこれ試行錯誤しつつ、より深い場所を目指す。
 どうしたって何度も奥を突かれることになったし、そこでの快感を覚えた体は否応なく昂ぶっていった。つまりはまた、蓄積していく快感に悶えて、イキたくて仕方がなくなっている。
 半泣きでイキたいと訴えながら、どうにか奥の壁を開こうともがく。
 もう一回イッてもいいよと言われてキスされそうになったけれど、それは嫌だと跳ね除けた。次は一緒にイキたい。S字の先を抜かれて、バカみたいに気持ちよくなって、好きだと繰り返しながら果てたい。
 次は一緒にイキたい、という部分だけ伝えれば、相手は納得した様子でわかったと笑った。その笑顔だって、もうかなり切羽詰まってきている。
 S字の先を諦めて、一緒にイッてとねだればいいのかも知れない。とっくに好きだよって言ってしまえば良いのかも知れない。でも諦めたくなかった。だってもうちょっとな気がする。
 心も体も彼を受け入れたくて、後はコツさえ掴めれば、そこはちゃんと彼を迎え入れると思う。玩具でさえ経験のない真っ更な場所に、初めて触れてくれるのは彼のペニスが良いい。
「ぁ、ぁぁあっ、も、もっ、いきた、ぁっ、はぁ、ねっいれ、て」
 とうとう、強引に押し開かれてでもいいから奥まで来てくれとねだった。
「ぁっ、も、いれて、ねっ、おねがっ」
 多少強引にだって、これだけ開発の進んだ体ならきっと気持ちよくなれる。だから挿れて欲しい。
 キモチイイがたまりすぎて苦しくて、早くイキたくて、でももっと奥まで暴かれたい。それらを全部を満たすためなら、この際強引にだろうと無理矢理にだろうと、突っ込んでくれて構わなかった。
 けれど相手はわかったと頷いてはくれなかった。代わりに、体位を変えてみようと提案される。こちらが上に乗ったら自重でより深く繋がりやすくなるだろう、というのが相手の主張だ。
 正直それでうまく体が開くかどうかはどうでも良くて、それで入らなかったら強引に押し入ってでもS字の先を抜いてくれると言ったから、わかったと頷いて従っただけに過ぎない。
 それでも確かに、体を起こして相手と抱き合う対面座位の姿勢は、より深く相手のペニスを感じることが出来た。より深くと言うか、開かない壁を押し上げる圧がグッと強くなっている。つまり、蓄積されたまま開放されないキモチイイも相まって、結構苦しい。
 どうしても強張ってしまう体を相手の手が優しく撫でてくれながら、深呼吸を促してくる。
「息して、体の力抜いて、リラックスして。お腹の中の力も抜けたら、きっと柔らかく開いて、ずっぽり俺のちんぽの先咥えにくると思うんだけど」
 もうちょっとっぽいんだけどなぁと続いたから、相手だって感じ取っているのだ。強引に無理矢理に押し広げなくたって、後少し、なんらかのコツを掴めばそこは自ら開いて彼を迎え入れる。
 ひっひっと苦しげな息を吐きながら、それでも、少しでも深い呼吸を繰り返そうと頑張った。深呼吸して、体の力をなるべく抜いて、リラックスを心がける。
 でもやっぱり、お腹の奥をグッと押し上げるペニスの存在感に、呼吸はすぐに乱れてしまう。圧迫感と気持ちよさがぐちゃぐちゃに混ざりあって、呼吸だとかリラックスだとかに意識が向けられない。
 どれくらいそうやって藻掻いていたのか、ふいに頬と言うか目元近くを相手の指先に撫でられて、もういいよと優しい声が耳に届く。何が、と思う間もなく頭の後ろへ回った手に引き寄せられるまま、顔を寄せて唇を触れ合わせた。
 一緒にイキたいからキスは嫌だと突っぱねたし、それを相手も理解した上でのこれだから、つまり、強引に押し入ってくれる気になったって事なんだろう。ホッとしながら自ら舌を差し出して、相手にちゅうっと吸い上げてもらう。
「ふぅんんぅっ」
 舌先でビリビリと強い快感が弾けて、期待に思考がグラグラ揺れた。強い絶頂が押し寄せているのがわかる。
 何度か頭を撫でた後、彼の手はスルルと背中を撫でおりていく。お尻の丸みを確認するように大きな手の平で覆ったかと思うと、もう片手もお尻に回ってきて、両手の平で包まれたお尻がむにむにと柔らかに揉まれた。
 きっともうすぐその手ががっしりと尻タブを掴んで、強い力で引き寄せられることになるんだろう。タイミングをはかっているのだ。
 早く。早く。奥まで欲しい。知らない場所まで貫かれたい。
 そう思っていたのに、その手はやがてお尻を離れて、腿裏を撫でながら膝頭まで到達する。そして、なんで、と思う間もなく掴まれた膝頭を持ち上げるようにしながら大きく開かれた瞬間、ぐぽっと響く音を感じながら体が下に沈んだ。

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今更なのに拒めない14

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 頷いて体を反転させれば、すぐに足の間に相手が入り込んでくる。
「じゃ、もっかい、挿れるよ」
 更にこちらの足を大きく開かせた相手に、ペニスの先端をアナルの縁に当てられて、期待でゴクリと喉が上下した。ふっと柔らかに笑んだ相手に、なんだか恥ずかしいなと思いながらも頷いて見せれば、ペニスの先端がアナルを開いて押し込まれてくる。
 ゆっくりと奥まで到達したそれが、結腸の入り口に押し付けられれば、じんわりと痺れるみたいな気持ちよさが広がっていく。でもそれに浸っていられる余裕はない。先程から体の中に燻り続ける気持ちよさも刺激されて、あっという間にもどかしさが襲ってきた。
 イキたくてイケない苦しさを思い出して、縋るような気持ちで相手を見上げてしまえば、一つ頷いて顔が寄せられてくる。唇が触れる。
 先を急かすようににさっさと口をあけて舌を差し出せば、わかっていると言いたげに食まれた舌を舐めて吸われた。キモチイイ。
 もっともっとと大きく口を開いて、引き寄せるように肩を抱けば、やっぱり、わかってると言いたげに相手の舌がぬるりと侵入してくる。しかも、前回のキスで口の中のキモチイイ場所をある程度把握済みらしく、あれこれ探るというよりは、最初っから弱い場所を狙ってきている。ほんと、きもちぃ。
「んっ、んっ、ふ……ぅ、」
 甘やかに鼻を鳴らしながら、だんだんと頭の中に霞が掛かってぼんやりしていくのを感じて、ああこれだ、と思う。今奥を捏ねて貰ったら、今度こそ間違いなくイケる。
 このまま突いて、と頼めば、相手はこちらの望み通りに動いてくれるだろう。わかっていたが、それより先に、自ら腰を揺すってしまった。
 それだけ切羽詰まっていて、体は焦れきっていて、とにかく早く体の中の熱を開放したかったのだと思う。
 結果、結腸の入り口に押し当てられたペニスの先端が中で揺すられ、ビリビリと痺れるような強い快感が走る。
「んぁあっっ」
 たまらずのけぞって喘げばキスは中断されてしまったけれど、でももう後は、大きな快感の波に飲み込まれていくのを待つだけだ。
「んっ、んっ、んっ、いいっ、きもちぃ」
 相手の肩に縋りながら、より強い快感を得ようと更に腰を揺すってしまうが、止める気なんてさらさらない。えっろと呟く声が聞こえて、チラリと確認した相手は、興奮を滲ませたニヤケ顔だった。引いてないんだ、と思うとやっぱりホッとしてしまう。
 動かずにただ見ているだけなのは、多分、こちらが気持ちよくなるのを邪魔しないように、今はただただペニスを貸してくれている。結局棒扱いで申し訳ない気もしたが、こちらの痴態を楽しんでくれているようだから、取り敢えずはまぁいいかと思う。というかまずは一度イッてしまいたい。相手のことまで考えられない。
「ぁ、ぁあっ、くる、っ、ぁ、くるっ」
「ん、おいで。いいよ。きもちぃな」
 絶頂の予感にぎゅうと相手を抱きしめれば、相手の顔は見えなくなったけれど、代わりに甘ったるい声が応えくる。胸の奥が疼いてしまって、ああくそ、と思った。相手の甘やかしを、今この瞬間、間違いなく嬉しいと思ってしまった。
 呼応するように、ギュンギュンとお腹の中が蠢いて、相手のペニスを絞ってしまう。
「ぁ、いく、イッちゃう」
 はしたなく目一杯腰を揺らして、大きな波の中に身を投げた。

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今更なのに拒めない13

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 何度かその長さを知らしめるように腰を大きく前後させた後は、小さな動きで奥だけをコツコツと叩いたり、ペニスの先端を結腸の入り口に押し当てた状態でグニグニと押し上げ捏ねられる。
 アナルパールでどう感じたかを覚えていて、ペニスでも同じように刺激してくれているのだ、というのはわかる。
 実際、どんな風に動かれても、ただただ気持ちがいいばかりだった。前立腺ばかり責められて二度もトコロテンを決めた後で中が充分に解れているのもあるだろうし、早くもっと奥へと焦らされまくっていた充足感もあるだろう。
 ただ、ひたすら蕩けるような気持ち良さがあるのに、その快感はいつまでも体の中に蓄積するばかりで、だんだんと苦しくなってくる。
「ぁ、ぁあ、ぃい、きもちぃ、ぁんっ、ぁっ、いき、たいっ、もっ、いぃっ、ぁあ」
 気持ちがいいと喘ぐなかに、イキタイ、という単語が混ざりだす。
「ぁあ、ぁああ、いきた、っ、いき、たいっっ、ぁ、んんっ、もっと、はげし、の、して」
 気持ちがいいのになかなか極められない苦しさに、もっと強い刺激が欲しいとねだった。躊躇するように一瞬相手の動きが完全に止まって、本当に? と確認される。
「ん、んんっ、いぃ。い、から。も、いきたっ」
「わかった。でも、痛かったら言えよ」
「ん、わかっ、ね、も、はや、くっ」
 こんなに気持ちがいいばかりなのだから、多少乱雑に奥を強く突かれたって、多分そこまで痛みなんて感じない。もしくは、痛みを快感が凌駕するだろう。
 そんな予想は当たりで、優しく奥を叩き捏ねていた動きが激しくなって、奥をガツガツと突き荒らすような動きになっても、痛みや嫌悪感や違和感が膨らみはしなかった。
「あっ、あああっ、ぁあ゛あ゛っっ、いぃっっ、きもち゛ぃい゛い゛」
 激しく揺らされて吐き出す声がみっともなく濁る。
「ははっ、すっごい声。激しくされても、ちゃんときもちぃのな」
 そりゃ良かったと、安心と愛しさとを混ぜた声が降った。玩具で散々遊ばれた中で、こんな声で喘いだことはない。
 引かないんだなという驚きと安堵が脳裏をかすめて、でも、そのことをじっくり考えたり堪能する余裕はさすがになかった。体の中のキモチイイが益々膨らんで、それどころじゃなかったからだ。
「ぁあ゛あ゛っ、い゛き゛たいっっ、はぁあん、ぁあ゛っ、もっ、や゛ぁ゛っっ」
 こんなに気持ちがいいのに。激しく突かれたら押し上げられてそのままイケるだろうと思ったのに、蕩けるみたいな優しい快感だったものが暴力的なまでに鋭く強い快感に変わっただけで、出口がないまま体の中にたまっていく。キモチイイが体中を、頭の中まで暴れまわって、おかしくなりそうだ。
「ぁ゛、も゛っ、やぁ、こわ、こわい゛っ、やだっ、いき゛たっ」
 とうとう、いきたい、いかせて、怖いと啜り泣けば、ビックリしたらしい相手がずるるとペニスを引き抜いてしまう。
「あ、あっ、や、やだっ」
 抜かないで欲しいとか、続けて欲しいとか、そんな気持ちが思いっきり漏れた、未練たらしい声を出しながら背後を振り返れば、困ったような苦笑顔が近づいてくるところだった。苦笑顔だけれど口元はおかしそうに緩んでいて、目元も愛しくて仕方がないと言わんばかりに柔らかい。
 ちゅっちゅと何度か軽いキスをされて、それから、体位を変えようと提案される。
「正常位で、抱き合って、こないだみたいにキスしながら、しよう」
 そしたらきっとイケるよと言われて、そう言えば、キスしながら奥を突かれて絶頂したんだっけと思い出す。高校時代に彼とセックスする時は、双方恋愛感情なんてなかったし、少しでもこちらの体の負担を減らす目的で、相手を受け入れるのは後背位でしか経験がなかったから、今日も当たり前みたいに四つ這いで相手に尻を向けてしまった。

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