無表情トレーナーは変態でした・直後の二人1

本編ほぼ直後。仲直りエッチの続き。鏡に写して、お尻だけでイクとこ見せて的な内容。本編の主人公は山瀬ですが、後日談は川瀬視点。

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 ゆっくりと腰を前後させるたび、ひっ、ひっ、と小さな音混じりの息があがり続けている。気持ちよく喘いでいるというよりは、泣き声のようにも聞こえるそれに、腰の奥が甘く痺れるようだった。
 上体を伏せて、川瀬に支えられた腰だけを突き出すように持ち上げた体勢だから、顔が見れないのがなんとも残念だ。
「ひっ……ん、……ぁ、ァ、」
 泣きそうな息に、少しずつ色のある声が混ざりだす。また目の前の体が絶頂へ向けて登っていくのがわかって、ゆるやかな腰使いはそのままに名前を呼びかける。
「正志さん、また、気持ちぃの来そうですか?」
「ん、ぅん」
「顔、自分で上げれます?」
 声はしっかりと届いているらしく、上体を起こそうという素振りは見えた。けれど既に相当疲れているからか、持ち上がることなく再度顔がシーツに押し当てられる。
「じゃあちょっと、俺も手伝いますね」
 腕を引いて起こしますと説明しながら、片手は腕の付け根近くを、もう片手は腹を支えるように腕を回して上体を起こさせる。最後は両脇に腕を差し込んで、腕を挟み込むように固定して支えた。いわゆる羽交い締めの状態で、先程よりもグッと深くまで繋がったせいか、山瀬がイヤイヤと首を振る。
「ぁ、ゃぁ」
「深いとこも、きもちぃでしょう?」
「ぁ、ぁ、ぁっ」
 構うことなくトントンと深いところを突いてやれば、仰け反るように上向いた口から、たまらないと言いたげにトーンの上がった声が漏れた。
「ね、正志さん、前向いて。鏡見て?」
 白い喉に浮かぶ喉仏が震える様もいいが、どうせならやはりその顔が見たい。山瀬とそういった関係になってから寝室に増えた姿見は、体位を変えても山瀬のイイ顔を見続けられるようにと購入したものなのだから。
 促されて視線を鏡へと移した山瀬は、羞恥を耐える泣きそうな顔をしている。それでも嫌がることなく毎回、抱かれている最中の顔を鏡へ向かって晒してくれるのは、川瀬の性癖への深い理解と、なにより、次に続く言葉がわかっているからだ。
「正志さん、すごく、可愛い」
 鏡の中の山瀬と真っ直ぐに視線を合わせて告げてやれば、泣きそうな顔がふにゃりと緩んでいく。年上の男性に向かって「可愛い」なんて失礼かとも思っていたが、どうにも抑えきれずにこぼした「可愛い」を喜ぶような素振りを見せられたから、行為を重ねるたびに可愛い可愛いと繰り返してしまう。
 だって、泣きそうな顔も苦しげな顔も辛そうな顔も、めちゃくちゃ腰に来る可愛さなのに、その顔がふにゃっと緩む瞬間はそれ以上に可愛いのだから仕方がない。嬉しさと苦しさの混ざる顔で上り詰めていくさまは、いつだってたまらなく愛おしい。何度だって見たいと思う。
 だから今回もそのまま、またトントンと奥を突いてやる。
「ぁ、ぁっ」
 困ったように眉をひそめながら、それでも嬉しげに綻んだ口を開いて、先ほどと同じ甘い声をこぼす。仰け反ることはせず、顔は正面を向いたままだ。
「上手に気持ちよくなれてますね」
「ぁ、ん、きもちぃ」
「このままイケそうですか?」
「この、まま?」
「そうです。お尻だけで気持ちよくイッちゃうとこ、また見せてください」
「ぁ、おしり、だけ」
「そうです。お尻だけ。また気持ちいいの来そうだって言ってたでしょ? 今度は鏡みながらやってみましょう」
「ぅ、ぁ、はずかし、ゃ、ゃ、ぁっ、む、むり、ぁ、ぁんっ」
 緩く首を振って嫌がるものの、強い抵抗はない。
「正志さん、鏡見て」
 促せばやはり素直に鏡を見つめるけれど、一度は嬉しげに緩んだ顔は、またしても泣きそうだ。眉間にシワを寄せて、眉はハの字に眉尻が下がっている。そのくせ、鏡を見つめる瞳はとろりと快楽に蕩けていて、きっと脳内では、このまま川瀬に鏡越しで見られながら、お尻だけで絶頂する強烈な快感を思い描いている。
 その証拠に、視線を下げれば鏡の中、緩く立ち上がり掛けたペニスが見える。
「ね、ほら、おちんちん、期待してちょっと勃ってますよ」
「ゃ、ゃ、だめっ、やめて」
 触ってあげましょうかと提案するよりも先に、先程よりも強く、イヤイヤと首を振られてしまった。
 行為のたびに、焦らしまくってイカせてあげなかったり、逆に何度もしつこく連続でイカせまくったりを繰り返してしまうせいか、過度にペニスを弄られる苦痛を既に充分知り尽くしているせいだ。しかも今日は既に一度、もう出ないと言われるくらいにイカせた後で、潮吹きの披露をねだってしまった。
「触りませんよ。大丈夫。お尻だけで気持ちよくなってって言ったでしょう? 正志さんのおちんちん素直で正直だから、見たらわかるんですよ。もう一度お尻で気持ちよくイケるって」
「ほ、ほんと、に?」
「本当です」
「そんなとこで、はんだんして、の?」
 クスッと笑える程度には、まだ余裕があるのは事実だ。真面目にジム通いを続けてくれているおかげで、本来の目的である、脂肪を落とし筋肉をつけるだけでなく、持久力だって大幅にアップしている。
 ただ、正直に言えば、もう少し早く限界を迎えるだろうと思っていた。意識を飛ばすより先に、疲れたからもう無理だと、応じるのを嫌がられると思っていたからだ。
 でも抱き潰していいの言葉通り、川瀬が伸ばす手を拒むことはしないし、川瀬の求めに応じようとする意思も消えていない。

続きました→

 
 
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夢見る腐男子は理想の攻めを手に入れたい・その後の二人の久々H4(終)

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 小分けのローションひとつでは簡単に弄る程度のこと以上は無理かもしれないと思っていたし、どれだけねだられたって颯真の体を傷つけてまで応じる気はなかったのだけれど、これなら本当に、このままこの場所で繋がってしまうことも出来そうだ。
 言葉以上に、早く翔と繋がりたくてたまらないのだと、体で訴えられているようでたまらない気持ちになる。
「んぁっ、はぁ、翔さんの、指ぃ」
 更に甘えた声で喜ばれてしまえば、煽られて気持ちがせいていく。
「気持ちいい?」
「ん、あ、きもちぃ。きもち、いい」
「なら良かった」
「翔さんにして貰うの、ずっと、ほんと、待ってた。一人でするの、気持よくなれても、寂しいの、どーしようもなくて」
 だから今、翔の指で弄られ気持ちいいのが凄く嬉しいのだと、そう訴える声は少しばかり涙声だ。恋人にはなるが卒業するまではもう抱かないという約束は、思っていた以上に颯真を追い詰めていたのかも知れない。
 してくれないのわかってるから、誘って困らせて断られて、それで落ち込むくらいなら誘わない。その代わり卒業したらちゃんと抱いてねと笑う顔に曇りがなく、あっけらかんとしていたから、気付けずに居たようだ。
「颯真、すごく上手に、解れてる」
「ん、がんば、ったから、ぁ、だから」
「うん。颯真の中、入っていい?」
 小さな頷きの後、はやくきてとねだられた。こちらは一切服を脱いでいない状態だが、幸いなことに走りに出る予定で上下ともランニングウエアだ。手早く下着ごとズボンを下げて、取り出したペニスを颯真の尻の狭間に押し当てた。
 既に充分硬く育っていることを知らせるように数度擦り付けてから、入るよと声を掛けてゆっくりと挿入していく。
「ぁ、ぁぁあ、んんっっ」
 途中でまずいと思ったのか、上がる声は噛まれてしまった。しかし声を殺し慣れていないせいか、快感を逃し損ねて背中がわなないている。繋がる中も連動してぎゅうぎゅうと締め付けてくるから、さすがにこちらも動きを止めた。
 颯真の呼吸が多少落ち着くのを待ってから、その耳元に口を寄せる。
「立ったままも、声を気にするのも。思ってた以上に辛いなら、今から寝室に移動してもいい。けど、ここで首を横に振るなら、俺ももう止まらないよ」
 どうする? と問えば、小さいながらもはっきりとした声音で、ここで、と返ってきた。
「わかった。じゃあ、イカせるつもりで動くから、頑張って。そこまで防音性がないわけじゃないから、多少は声出ちゃっても大丈夫だから」
 その言葉に安堵したのか、体の緊張が解けていく。それに合わせて、ゆっくりと挿入を再開すれば、今度は颯真も呼吸を合わせてくる。
「ぁ……、は、ぁぁ……」
 噛み殺さない喘ぎが、それでも控えめに漏らされるのが、やはり新鮮だった。
 きっちり準備がされているのもあるが、翔との行為がない間、一人でする時に相当弄っていたのだろう。久々だと思えないくらいに柔らかに包み込まれ、更には慣れない体勢のせいか、それとも興奮のせいか、締め付け蠢く動きも激しい。それをゴムを付けずに直に感じ取っているのだから、与えられる刺激を耐えるのもなかなかに大変だ。
 正直に言えば、弱いところをガツガツと抉って、あられもない声を上げて善がる姿を見ながら、すぐにでも果ててしまいたい。
 我慢しきれず玄関先で盛っちゃう感じがいい、なんてことを言っていたくらいだから、もしそれを実行しても、まず間違いなく、颯真の機嫌を損ねることはない。それでも、まずはゆっくりと馴染ませるように腰を使う。
 この様子なら、颯真だってそう長くは保たないとわかっているからだ。
 案の定、そう待たずして、颯真の口からはイキたいだとかイッちゃうだとかの言葉がこぼれだす。合間合間に、何度も名前を呼んでくれるのが、あざといと思うこともあるものの、たまらなく愛おしい。
 前に回した手で、颯真のペニスの先端を包み込む。
「ぁあっっ」
「なるべく汚さないように、今日は、俺の手に出そうな」
 ペニスに一切触れないまま前立腺の刺激だけで射精したり、射精を伴わずに中の刺激だけで絶頂するドライオーガズムはまだ無理だけれど、握って上下に扱き射精を促してやる必要はない。手のひらで先端を緩く刺激しながら、前立腺を狙って責めてやれば、あっという間に上り詰めていく。
「ぁ、あぁっ、翔さん、ぁ、翔さんもっ」
「もちろん、一緒に行くよ」
「あ、あ、ぁああ、イッ」
 吐き出されてくる白濁を手のひらで受け止めてやりながら、収縮する腸壁を堪能するように、更に数度中を擦って自身も果てた。
 心地よい疲労感と快感の余韻の中、目の前の体を緩く抱きしめ、髪や耳や首筋にチュッチュと唇を落としていく。
 中に出してしまったのだから、なるべく早いうちに後処理をするべきだというのはわかっているが、それでももう暫く、颯真とこのまま繋がっていたかった。
 そんな翔の気持ちが伝わっているのか、それとも同じ気持ちで居てくれるのか、何も言わずに顔だけ振り向いて、視線と口元だけでキスをねだってくるから。
「好きだよ、颯真」
 言葉にして愛しさを伝え、嬉しげに頬を緩ませた颯真が俺も好きですと返してくれるのを待ってから、その唇にキスを落とした。

<終>

 
 
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夢見る腐男子は理想の攻めを手に入れたい・その後の二人の久々H3

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 よほど良かったならば、またしたいだのを口にしているはずなので、二度目を望むような言葉が今日まで一切なかったというのは、思うほどには良くなかったということだと思っていた。
「確かに準備も後始末も大変だったから、土曜の夜には無理だなって思ってたけだけで、別に、懲りて二度としたくないとか思ったわけじゃ」
「土曜の夜には無理ってどういうことだ?」
「土曜は家に親がいるから準備してから来れないし、ここ来てから準備して、ってしたら眠るの結構遅い時間になったでしょ。翔さん翌朝仕事あるのわかってるし、だからまたしたいとも言えなくて。でも平日なら親は仕事で、かなり早い時間に家に俺だけになるから、準備してから来れるんだよね」
「つまり、準備してきた?」
「本当はもっと早く来たかったけど無理だったのは、親が出かけた後に準備してたからってのが大きいかな」
「俺が、朝から抱いたりしないとか、抱くとしてもゴム無しではしないって言ったら、その手間が無駄になると思わなかった?」
「今日は恋人になっての初エッチだから、ダメって言われないんじゃないかなぁ、みたいな?」
 えへへと笑ってみせる顔に、確かにその通りだと思ったものの、さすがに肯定してしまうのはどうかと迷えば、相手は更に言葉を続けていく。
「翔さんはさ、なかなか恋人にしてくれなかったり、卒業するまでもう抱かないみたいな、こだわりある部分は徹底してるけど、エッチの内容については結構なんでも試させてくれるし、してくれるし、許容範囲がデカイと言うかユルユルというかで、俺ね、そういうとこ本当に大好き」
「全く褒められている気がしないんだが?」
「俺にとってはやっぱり最高の攻めって感じ。ちなみにこれ、めちゃくちゃ褒めてるよ?」
「そりゃどうも」
「今だってさ、俺が玄関でしたいとか言ったの、叶えてくれようとしてるし」
 話しながら、既にコートは脱がせて廊下の隅に落としているし、シャツの前ボタンは全開でインナーシャツが見えている。手を突っ込んで肌に触れるには窮屈そうだとボタンを外しはしたが、さすがに寒いだろうし、シャツを剥ぎ取る気はなかった。
 そうだなと返しながら、パンツのフロントボタンを外してファスナーを下げていけば、それにさと更に言葉を続けようとする相手が、かすかに笑ったようだった。
「俺がローション出したうえに、中出しされたいとか言ったから、このままここで突っ込んでもいいかなとか思ってくれてるでしょ?」
 どうやら、ちゃんとわかってるんだからね、という意味の笑いだったらしい。
「思考を読むのを止めなさい。というか、恋人になってからの初エッチだってのに、玄関なんかでと思う気持ちだって、当然あるんだからな。そもそも、ホテルを取ろうかと言った時に、久々に抱き合う場所は俺のベッドの中がいいって言ったのは誰だ」
「俺だね」
「だから俺は今日、そういうつもりでいたんだ。なのに朝から突撃してきて、寝込みを襲うだの、玄関でしたいだの。そういや、久々なのに体に掛かる負担とか、ちゃんと考えて誘ってるんだろうな?」
「ちゃんと考えて誘ってるよ。てか翔さんって、かなり恋人甘やかしたいタイプだよね」
「それは口煩いとかって話か?」
「まさか! どこまでも理想的って話」
「でも寝室へ移動する気はないんだろう?」
「だってドロドロに甘やかしてもらうエッチは、夜にして貰えるって思ってるから。今は、やっとエッチ解禁で、我慢できなくて玄関で盛っちゃう的なのがいい」
「それはもう、半ばイメージプレイの領域じゃないのか?」
 シャツを剥ぎ取る気はないが、もしかしてパンツも足に絡めたままでしたいだろうか?
 などというこちらの躊躇を汲み取ったのか、下げたパンツからさっさと足を抜いていく。下着はセフレ状態だった頃に用意した換えがあるからいいものの、昼のことを考えたら、服はなるべく汚したくないという気持ちは共通しているらしい。
 それくらいにはお互い冷静なのだから、もはや我慢できなくて玄関先でなどというのは、シチュエーションプレイでしかないと言えそうだ。しかし。
「いいの。俺はね、さっき翔さんが留守番しててって走りに行かないで、俺を引き寄せてくれたから、それだけで充分、そういう気分になれてるもん。ていうかあれでスイッチ入ったよね」
「そうか」
「翔さんだってさ、早く恋人抱きたいなって思ってくれてたでしょ? だから走りに行かないで、俺をギュってしてくれたんだよね?」
「まぁ、そうだな」
「俺が卒業するの、待ち遠しかった?」
「ああ、楽しみに待ってたよ」
「俺も。めちゃくちゃ楽しみに待ってた」
 我慢できなくて押しかけてごめんねと、言葉だけは謝っているが、その顔は満足げで申し訳無さそうな様子は微塵もない。しかし颯真の言葉に釣られてか、いとも簡単にあの瞬間の、このまま抱いてしまいたいと思った気持ちが蘇っている。こういうところは相変わらず、その気にさせるのが本当に上手いなと思う。
「やっと、翔さんと恋人セックスできるって思ったら、どうしても早く会いたくて。無断で来たのは、押しかけたらきっとなし崩し的にして貰えるって、翔さんなら、早く抱かれたくて仕方ない俺を無視しないって、わかってたからだけど、翔さんの予定狂わせちゃったのは、本当にごめんなさい」
「もういいよ。夜は予定通り、甘やかされてくれるんだろう。ならいい」
 もう黙ってという気持ちで軽く唇を塞いだ。おとなしく口を閉じて静かになった颯真の体に触れていく。
 お喋りを止めた口からは、甘い声が漏れはじめるが、場所を考えてか控えめだ。気持ちよさに合わせて素直に喘いでいた子が、快感を漏らさないように声を噛むさまは、なかなかに新鮮で悪くない。
 恋人という関係になる前に、何度も抱いてイカせた体だ。数ヶ月ぶりだろうと、颯真が感じる場所も触れ方もしっかりと覚えている。むしろ、久々だからか、立ったままで触れられるのが初めてだからか、場所が玄関で興奮しているのか、記憶の中の彼よりも随分と反応がいい。
 しっかり準備をしてきたというのも本当らしく、背中を向かせて尻を撫で揉んだ後、そっと狭間に指を滑らせ触れたアナルは、乾いた指先でつついてもわかる柔らかさだった。颯真が自身で慣らした時に使ったのだろうローションの名残りで、するりと指が入ってしまう。

続きました→

 
 
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夢見る腐男子は理想の攻めを手に入れたい・その後の二人の久々H2

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 久々の行為で颯真の体にどの程度の負担が掛かるのか想像がつきにくい事を考えたら、やはり夜まで待ったほうがいいと思ってしまう。なんせランチは予約を入れている。
 しかし体を離そうと背に回していた腕をほどいて肩を掴めば、離されまいとしてか颯真の方からギュッと抱きつかれてしまう。
「颯真?」
「しないの?」
「したくないとは言わないが、久々だし、やはり夜まで待ってゆっくり」
「え、夜!?」
「なぜそこに驚くんだ。そういう予定だったろう?」
「それは、でも、昼に外で待ち合わせる予定だったからで、その、夜まで待てないっていうか、卒業したし、もう翔さんに抱いてもらえるんだって思ったら待ちきれなくて来ちゃったっていうか、だから」
 抱いてよの声がくぐもって耳に届くのは、その言葉を発する直前に、胸元に顔を押し付けられたからだ。耳がうっすらと色づいているから、もしかしたら照れているのかも知れない。
 しかし、珍しいなと思った矢先に、胸元で深く息を吸われた。どうやら匂いを嗅がれているらしい。
 照れていると言うよりは興奮しているのだという理解とともに、そういう子だったと零れそうになる苦笑を噛み殺した。
 BL経由のエロ知識がやたらと豊富で、それらを試してみたくて仕方がない好奇心の強さと、どうすればより気持ちよくなれるか探っていく貪欲さまで持ち合わせているような子だ。理想の攻めだの、セックスが上手いだのと言ってくれるけれど、そんな言葉はどう考えたって、彼の素質と思い込みの産物だと思う。
 心も体もひどく素直で、どうされると気持ちがいいのか、どうされたいのか、言葉にも態度にも無意識の体の反応にまで、わかりやすく表れているのだから、セックスが気持ちいいのは当然だ。翔でなくたって、颯真を気持ちよく抱いてやれる男はいくらでもいるだろう。
 もちろん、翔が颯真の初めての相手となったことも、颯真が翔との行為しか知らずに居ることも、偶然や幸運が重なった結果でしかないことだってわかっている。だとしても、今はもう恋人なのだし、今更誰かに譲る気は欠片だってなかった。
 これから先も、彼の好奇心や快楽を求める体を、満たしてやれる存在でいたいと思っている。
「颯真、顔を上げてくれないとキスが出来ない」
 色づく耳殻に口を寄せてそっと告げれば、くすぐったかったのか感じたのか、んっと甘やかな吐息が漏れてわずかに肩が竦んだ。
「颯真」
 もう一度名を呼んで、胸元から離れていく顔をすくい上げるようにして唇を塞ぐ。何度か角度を変えながら、唇の先で相手の唇を食んで焦らすように遊んでから、待ちきれないと伸ばされてくる舌を捉えて吸い上げる。
「んぅっ! ん……ん、ふ……ふ……」
 少しきつく吸い上げてしまったのか、最初だけ苦しげな音が漏れたけれど、すぐに蕩けた様子の呼気に変わっていく。ここ暫くは性感を煽らない軽いキスばかりだったので、久々に味わう颯真の舌を存分に堪能してやった。
「も、っと」
 一度開放した隙に、足りないとばかりに口を開いた颯真が、舌足らずに続きをねだる。舌ばかりではなく、口の中の感じる場所も舐めて欲しいというお願いに応えるべく、再度口づけて今度は相手の口内に舌先を伸ばした。
「ぁ……は、ん……ん……」
 やはり気持ちよさげに鼻を鳴らしていた颯真の体がフルリと震えて、腕に添えられていた手がキュッと腕を掴んでからもしつこく弱い場所を責めてやれば、今度はもぞもぞと腰が揺れだしている。
 触って確かめなくともどういう状態になっているかはわかる。しかし、場所を移動しようという提案には、キスの余韻を残すぼんやりとした顔で「なんで?」と問われてしまった。
「なんで?」
 思わず同じ言葉で問い返してしまえば、何かに思い当たったようで慌てだす。
「あ、いや、その……」
 ここでしてくれるのかと思って、と尻すぼみに小さくなっていく声に、なるほどと思う。
「玄関でしたいの? それとも、立位試したいとかそういう話?」
「というか、ベッド以外でしたことないし、気持ち盛り上がってそのままそこで、みたいなの、憧れるというか」
「じゃあ、玄関にはこだわりなし?」
「玄関は玄関で、興味はあります。って言ったら、このままする?」
 期待の滲む声に、やっぱり玄関でもしたいらしいと思うが、さすがに今日このままここでというのには抵抗がありすぎる。なんせ何も用意がない。今後はあちこちにローションやゴムをこっそり隠し置く必要がありそうだ。
「それは今度な。ああ、でも、手か口で、颯真だけ先に、ここで気持ちよくなる?」
 立ったままイカせてあげようかの言葉には、やはり心惹かれるものがあるらしい。再度引き寄せて、まずは服の上から股間の膨らみを確かめる。先程のキスで腰を揺らしていたくらいなので、当然、既にしっかりと形を変えている。
「ぁ、待っ、て」
「やっぱり寝室に移動するか?」
 抵抗する素振りはないのに、口からはそんな言葉を漏らすから、少し強めに弄りながら問いかけてやる。
「ち、ちがっ、ぽけっと」
「ポケット?」
「こーと、ぽけっとに、ローションが」
「どっち?」
「右」
 教えられるまま探ったポケットからは、言葉通り小分けにされたローションのパックが出てきた。つまりこれを使ってお尻も一緒に弄って、というお願いなんだろう。多分。
「持ってきたのはローションだけ?」
 ゴムは他の場所にという可能性は低そうだ。ということは、つまり。
「俺がのんきにグースカ寝てたら、そのまま繋がるつもりだった?」
「勢いでそうなったらいいな、的なことは、まぁ」
「中出しは懲りたのかと思ってたんだけど」
 性行為は翔としか経験がなく、キスですら掲示板経由で知り合った男に奪われた一度きり以外は翔としかしたことがないというのを知らされた後、変な病気は持ってないはずだから中出しされてみたいと頼まれた事がある。BLに夢見過ぎだと常々思ってはいるのだが、現実で行うリスクも手間も、一応ちゃんとわかっているようだったので応じた。

続きました→

 
 
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夢見る腐男子は理想の攻めを手に入れたい・その後の二人の久々H1

本編数ヶ月後。颯真の高校卒業を待って久々にセックスする二人の話。本編の主人公は颯真ですが、後日談は翔視点。

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 仕事が休みの日の朝は、なるべく体を動かすようにしている。と言ってもせいぜい近所を1時間程度走ってくるだけだけれど。
 そんなわけで今朝も走りに出るつもりで靴を履いていた所、前方のドア鍵が突然ガチャリと音を立てたので、翔は驚き顔を上げた。
 とっさに頭に浮かんだのは、先日、誕生日プレゼントとして合鍵を渡した恋人の顔だったけれど、もちろんこんな早朝とも言える時間の来訪予定はない。そもそも颯真とは今日、昼前に駅で待ち合わせている。
 少し豪華なランチを奢って昨日卒業式だった彼の卒業を祝い、夕飯用に美味そうな惣菜類を買って帰ってくるのが目的だ。夜は久々のお泊りも決定している。ついでに言うなら、明日も仕事は休みである。
 卒業式当日はさすがに色々あるだろうからと、その翌日と翌々日が休めるように、かなり早くから準備していた。卒業祝いとして、泊まりでどこかへ連れて行きたいと思っていたからだ。
 しかし結局、ホテルに宿泊予約を入れることにはならなかった。なんせ、翔宅に泊まりたいというのが颯真の要望だったので、恋人としては、それを叶えてやらないわけには行かない。
 あの日の約束通り、恋人となってからはハグやキス以上の性的な触れ合いをしていなかったから、実質、恋人としては初めて抱き合う夜となるのに。翔としては、多少ロマンティックな演出をしてやるつもりだったし、颯真自身、そういうのに憧れる気持ちはあるとはっきり認めていた。
 けれど、久々に抱き合う場所はやっぱり慣れ親しんだ翔のベッドの中がいい、だとか、あのベッドに潜り込むのをどれだけ我慢してきたと思うの、なんてことを言われてしまったら、すぐにでもそのベッドの中へと連れ込みたい衝動を堪えるのが大変だった。
 頭の中では目まぐるしく颯真との記憶が巡っていたが、扉の向こうに居るのが彼だという確証はない。慌てて立ち上がり、隅に置かれた傘立てに刺さった傘を引き抜いたところで、目の前のドアが開かれる。
「ぅわっ!?」
 真っ先に驚きの声を上げたのはドアを開いた人物で、翔は脱力しつつ手にした傘を傘立てに戻した。色々と想定外ではあるが、合鍵を渡した人物が鍵を開けたのであれば、そう大きな問題はない。
「え、ちょ、何してんの?」
「何してるのはこっちのセリフだ。合鍵を使うのは構わないが、来るなら連絡くらいは入れてくれ」
「だってそれじゃ寝込み襲えないじゃん」
「んん?」
 想定外の言葉が聞こえてきて言葉が詰まる。てっきり、待ちきれなかったとか早く会いたかったとかの、可愛らしい理由を告げてくれるのかと思っていた。
「卒業したし、合鍵あるし、ならもう、寝てるとこにこっそり潜り込むしかないなって思って。まぁ、本当はもっと早く来るつもりだったの無理だったから、もう起きてるだろうなとは思ってたんだけどさ」
 さすがにドア開けた先に居るとは思ってなくて驚いたと言いながら、颯真の視線がゆっくりと、翔の姿をなぞるように上から下まで移動していく。
「もしかしなくても、走りに行くとこだった?」
「まぁ、休みの日くらいは、少し体を動かしておかないとな」
「そうなんだ。えっと、じゃあ、俺は留守番してていい? どれくらい走ってくる?」
 一緒に行きたいとこだけどさすがにこの格好で走るのはと躊躇う颯真は、昼からのデートを意識してか、普段好んで着ているカジュアル感の強いスポーツミックスコーデではなかった。前が開かれたコートからは、襟や前立てにデザインが入った白シャツや細めのコットンパンツという、スマートな装いが見えている。当然足元もカラフルなスニーカーではない。
 卒業祝いなのだからランチはコースを予約済みと言ったせいで、気を使わせてしまったのかも知れないが、見慣れない大人びた姿になんとなくソワソワしてしまう。
 大学生と思い込んで抱いてしまったが、本当は高校生と知って、せっかく恋人という関係に進んだものの行為は颯真が卒業するまでオアズケという状態に、実のところ、こちらも相当焦らされていた。颯真の手前、そんな気持ちは極力隠してきたけれど、やっと卒業したのだと思うと抑えが効かなくなりそうだ。
「翔さん?」
「うん」
 訝しげに名前を呼ばれたが、小さく頷くだけにとどめて、そっと目の前の体に腕を伸ばす。引き寄せ抱きしめた体からは、甘さのある爽やかな香りがした。
 正確には、毛先が元気よく跳ねた頭髪から漂う馴染みのあるこの香りが、香水の類ではなくシャンプーの香りだということを知っている。いつもより強い香りの中、ほのかな石鹸の香りが混じってもいた。
 先程、寝込みを襲いに来た、なんてことを言っていたから、場合によってはそのまま行為になだれ込む気だったんだろう。多分、その認識に間違いはないのだけれど、それならばと寝室へ連れ込むかは、大いに悩むところだ。

続きました→

 
 
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俺が眠らせてあげるから・その後の二人の初エッチ3(終)

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 あまりにも珍しい光景に感動を覚えてしまい、胸の内に愛しさが溢れた。けれど申し訳ないことに、それを伝えるよりも早く、小さな笑いがこぼれ落ちて行く。
「ちょっ、もーっ!」
「ごめん。あんまり可愛いから、つい」
「その顔見ればわかるんで、わざわざ言わなくていいですよ」
「そう? 恋人に可愛いって言われるのも、慣れたら意外と嬉しいもんだよ?」
「え、嬉しいんですか!?」
 嫌がられてはいないと思っていたけれど、嬉しそうには見えなかったと続いた言葉に、伝わっているようで伝わっていないことも多いのかも知れないと思う。
「さすがにあからさまに喜ぶのはね、まだ抵抗があるかな。でも、本気で言ってるんだろうなってのは伝わってくるから、気恥ずかしいけどなんだかんだやっぱり嬉しいよ。まぁ、可愛いって言って蕩けるみたいに笑うケイくんのが、よっぽど可愛いのにって思ってることも多いけど」
「ううっ、今そんな事言うの、ずるいっ」
「そうだね。好きだよ、ケイくん」
「ほんっと、ずるいっ」
 俺だって好きですと張り合うように告げられて、やっぱり愛しさが笑いとなってこぼれ落ちた。
「ね、汚いとも気持ち悪いとも、ちっとも思ってないから、続き、していい?」
「はい。でもだいぶ覚悟も決まってきたんで、ゆっくり慣らすとか不要です。というか、早く、修司さんが欲しいです」
「ん、俺も、早くケイくんが欲しくなってきた」
 多少は不安が解消されたのか、それこそ覚悟が決まったのか、ガチガチだった緊張が解けている。様子を見ながら、2本、3本と指の数を増やして行っても、そこまで辛そうな顔を見せはしなかった。
 それどころか、戸惑いと躊躇いをたっぷりと混ぜながらも、気持ちが良い場所を知らせるように時折小さく喘いでもくれて、それがまたたまらなく可愛らしい。慣れないながらも必死に応じようとしてくれる様が愛おしい。
 そんなのを見せられていたのだから、一瞬だって萎える隙はなかったし、それはケイの目にも明らかだったはずだ。
 だからだろうか。指を抜いて足を抱えた時には随分とホッとした様子だったし、無事に体を繋げきり、全部入ったよという申告には感極まったように泣かれてしまって驚いた。泣きそうな顔は見たことがあっても、本当に泣いている姿を見るのは初めてで、内心かなり焦ってもいた。
「え、ちょ、ケイくん!?」
「ご、ごめっなさっ、うれ、嬉しくてっ」
「そ、そっか」
「しゅぅじ、さん」
 伸ばされた手を取れば足りないとでも言うように強く引かれ、それと同時に、待てないとばかりに上体を起こそうとする。慌ててその背を支えるように空いた側の手を回し、少し迷ったものの、結局そのまま抱き起こしてしまった。
 対面座位で腿の上に乗っているので、当然ケイの顔のほうが上に位置する。軽く見上げた先にあるのは、涙を流してはいるものの、確かに満足げな笑顔だった。
 その笑顔が近づいて、何度かチュッチュと唇を啄んでいく。そっと舌を差し出せば、すぐに絡め取られて深いキスになる。
 乱暴ではないが、どことなく衝動で貪られているようなキスを黙って受け止める。やっと開放される頃には、その頬を濡らす雫はもうなかった。
「落ち着いた?」
「はい。というかなんか、すみません」
「ちょっとビックリしたけど、嬉しくて感極まっちゃったのは事実なんでしょ?」
「う、はい……」
「初めて体を繋げたってことを、こんなにも喜んでくれる恋人が居て、俺はなんて幸せ者なんだろう。って思ってた」
 気にすることはないというつもりで口に出したが、どうやら逆効果だったらしい。
「そう言われちゃうと、なんか申し訳ないような気もしてくるんですけど……」
 また少し困ったように顔を曇らせながら言われた言葉の意味は、正直よくわからなかった。
「申し訳ないって、どうして?」
「だって多分俺、修司さんが俺を好きって、きっとどこかでちょっと疑ってたんですよ。修司さん優しいから、俺の好きを受け入れてくれて恋人にしてくれたけど、でも安眠に必要で手放せないからって理由も少しくらいはあるんだろうなって思ってて」
「不安にさせてた?」
「不安、だったのかな? あまり不安だった自覚はなくて、でも、もっともっと必要とされたいって、頑張ってたとこはあります」
 ずっと色々と頑張ってくれてたのはもちろん伝わっているけれど、その根底に、もっと必要とされたい気持ちがあったからだなんて、こうして言われるまで考えもしなかったことを恥じる。
「俺が抱かれる側になろうと思ったのだって、元カノに対抗する気持ちが無かったとは言えないし、俺の体で気持ちよくイカせられたら自信が持てそうな気がしてたからで、でも今日、俺が上手く出来なくて、途中から修司さんが変わって俺を抱いてくれて、可愛いって言って貰って、繋がれる場所、汚いとか気持ち悪いとか思わないよって言ってくれて、いっぱい弄ってくれて、その間ずっと俺のこと愛しそうに見てたし、ちっとも萎えないの見てたら、俺、本当に、」
 またじわじわと涙が滲んできた目元をそっとぬぐってやりながら。
「俺がどれだけケイくんを愛してるか、実感できた?」
 はいと頷かれて、申し訳ないのはこっちの方だと思う。
「ごめんね。言葉も、態度も、足りなすぎたね。ケイくんが男の子で、しかも俺よりよっぽど男前でカッコイイから、俺が受け身で居たほうが扱いやすいのかと思ってた。でもそうじゃないってわかったから、これからは俺ももっと、ケイくんを甘やかすの頑張っていくね」
「でも俺、多分、甘えるの、下手なんで。見た目可愛い系なの自覚あるんですけど、だからこそ可愛いって思われるんじゃなくて、カッコイイとか、頼りになる男目指してたから、甘やかすの頑張られても、きっと上手に甘えられない、です」
 むしろ男前でカッコイイって言って貰えたのが嬉しかったとはにかまれたら、ますます頑張らねばと思ってしまうし、我儘な恋人に散々振り回されても全く苦にならないどころかそれが愛しいと思っていたような男が、恋人にどれだけの情を注ぐのか思い知ればいいとも思う。
 必要がなさそうだとか、むしろ嫌がられそうだと思っていただけで、相手の機嫌を探って尽くすことも、本来はそう苦手ではない。今日、修司が積極的になったことで、あんなにも可愛らしい姿が色々と見れたのだから、尽くし甲斐もあるだろう。
「あのね、ケイくん。ケイくんが下手くそに甘えてくれるの、絶対に嬉しい自信がある」
「ちょっ、それ、」
 ずるいとぼやかれたけれど、狙い通りの反応だ。
「それと、ケイくん自身、その身を持ってわかってると思うんだけど、こうやって喋ってても一切萎えてないくらいには、俺も、男としての欲がはっきりあるんだよね」
「う、あ、それは、はい」
「だからね、俺に愛されることにも、これから否応なく慣れてくはずだし、これから先、ケイくんがちょっとずつ俺に愛されることを覚えていってくれるんだって思うと、楽しみでたまらない」
「ううっ、お手柔らかに、お願いします」
 既に結構限界ですと、真っ赤になった顔を隠すように抱きつかれてしまった。

<終>

 
 
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