いつか、恩返し20

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 お前のそういうとこも好きだと、セックスするような関係になってからこれ聞くの何度目かなと思ってしまうような事を言われながら、互いに相手のアナルを弄り合う。
 既に一度そこを擦られながら達している自分と、抱かれる側の経験が自分より早くそこで快感を拾うことにすっかり慣れている相手と、どちらが不利かは難しいラインだ。というか、さすがにどちらも後ろだけの刺激でイケるような体にはなっていないので、互いに快感を煽り合うような楽しさはあるものの、この後どうする気なんだろうとも思う。
 抱いたり抱かれたりが出来るようになったのだから、どちらかの体に突っ込むことをつい考えてしまうけれど、もしかして、抜き合いに互いの穴を弄るのが追加されただけ、と考えたほうがいいんだろうか。どうしようもなくイキたくなったら、自分で自分のペニスを握ってしまうか、ペニスも扱いてくれと口に出すか、相手のペニスを握って扱いて、こちらにも早く触れて欲しいと誘ってやればいいのか。
 なんて思いがなら、その三択ならどれにするかを割と本気で考え出すくらいには切羽詰まりだした頃になって、相手がそろそろいいよと言って手を引いた。
「え、何が?」
「何が、って、俺の後ろ慣らすのがだけど。次はお前が抱くんだろ?」
 思わず聞いてしまえば、何を聞いてるんだと言わんばかりにそんな言葉が返ってきて、驚かずにいられない。
「このまま抜きあって終えるつもりかと思ってた」
「お尻弄られながらイキたい?」
「そうは言ってない」
 ここまでされたら、そういう気持ちがゼロってわけでもないけれど。だって、実のところ、アナルを弄られながらイッた経験がほぼない。というか、先程のあれが初めてと言ってもいい。
 前戯でアナルを弄られるようになってから先、その場所をじわじわと拡げられながら前立腺をじっくり刺激されて来たけれど、それらはいつか抱かれるための準備であって、その場所を刺激されながらペニスを弄られ果てるようなことまではされていなかった。体が興奮しだしたら彼は満足気に手を引いたし、その後は立場を変えてこちらが彼を抱いていたからだ。
 先に昂ぶってしまった体を若干持て余すみたいにして、性急に彼を求めてしまうことも多かったけれど、間違いなく、彼はそれを狙っていたし、それが嬉しいのだともわかっていた。もちろん、多少がっつく抱き方をしてしまっても、抱かれ慣れた体を傷つけるようなことだってなかった。
「言っていいのに」
「いやだって、言ったところでどうする気だ、っていうか」
「それはさ、」
 ちゃんと考えてあるよと言って相手が笑う。
「考えてるって、何を……」
「背面騎乗位で、俺がお前に乗っかるの」
「は?」
「腰降る元気ないとか言ってたし、ちょうどいいと思うよ」
「まじか」
 とりあえずやってみせるから指抜いて仰向けに寝て欲しいと言われて、おとなしく従えば、背中向きに腰をまたがれる。
 何度も抱いているので、騎乗位だって向き合ってにしろ今みたいに背中を向けられてにしろ、全く初めてではないのだけれど、相手の方からすすんで乗ってくれたことはない。促せば嫌がらなかったけれど、だからと言ってその体位を気に入っている様子でもなかった。彼は普通に正常位か、背面側位が好きそうだった。それを言葉で確かめたことはないけれど。

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いつか、恩返し19

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 その後はしばし黙って、余韻を堪能するみたいにただただ抱きしめ合う。だけで済むはずがなく、肚の中で一度は柔らかく萎んだペニスが、また質量を増してくるのを感じ取ってしまう。
 悪戯心で意識的にアナルをキュッキュと絞ってやれば、すぐに煽るなと注意されてしまった。
「ゴム変えて、もっかいする?」
 そこまで体にダメージがあるようには思えなかったし、もう一回と言われても全然付き合えそうだと思う。
「お前は? しなくていいのか?」
「ん? 抱く側をってこと?」
「そう」
「んー……したいかしたくないかで言えば、抱きたい気持ちはあるけど、」
「あるけど?」
「さすがに腰降る元気までは残ってないような気もするから、このまま抱かれる側で、もっかい気持ちよくなる方が現実的」
 それとも抱いて欲しいのかと聞けば、一瞬だけ躊躇うような様子を見せたから、もしかしなくても抱かれたいのかも知れない。
「よし、わかった。やっぱ抱く。交代しよう。てわけでこれ抜いて」
「待てよ。抱かれたいなんて言ってない」
「でも抱かれたそうな顔した。というか抱きたくなった」
 もう一度抜いてと言えば、さすがに渋られることもなく、覆いかぶさっていた熱が離れて、ゆっくりと体内から相手のペニスが抜け出ていく。
「ぁ……」
 ぬるりと内側を擦られる感触に、ぞわりと肌が粟立った。それにしっかりと気づいていたらしい相手が、抜き終えゴムを始末したかと思うと、また手を伸ばしてくるから焦る。立場を入れ替えて今度はこちらが抱く側だと言っているのに。
「ちょ、え、なんで」
 最初から今日は抱くと宣言されて始めたわけではないし、洗腸は相手も済ませているし、相手の体は抱かれることにももうかなり慣れている。とはいえ、さすがにすぐさま押し倒して突っ込めるというわけではないので、今度は相手のアナルを慣らして拡げるためにと、ローションを手にした格好だった。
 そんな状態だと言うのに、なぜか自分の緩んだアナルに相手の指を突き立てられてしまって、間抜けにも動揺しまくった声をこぼしてしまう。
「だって中、随分気持ちよくなってるみたいだから」
「それは、そうだけど、」
 いやでもこれからお前を抱くんだけど、という言葉は、じゃあいいだろの言葉に遮られて続けさせてもらえなかった。
「それより、ね、俺の方も弄って」
 肩幅に足を広げた膝立ちで誘われて、逆らう気にもならず、ローションを垂らした手の平を足の間に差し込んでいく。
「んっ……」
 アナルの縁を軽く撫でただけで、甘い吐息が漏れてくる。浅い所をくじって、くちゅくちゅと濡れた音を小さく立てれば、焦らすなよと不満混じりの甘い声が先を促した。
「いやだって、なんか、さ」
「なんか、何?」
「互いに互いの穴を弄り合うって、倒錯的と言うか、なんというかで」
「興奮しないか?」
「まぁ、それを否定はしないけど」
 素直に認めてしまえば、相手がおかしそうに笑った。

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いつか、恩返し18

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 抱かれている真っ最中で、しかも上り詰める寸前で、けれどどうしようもなく湧き出る愛しさにクスっと笑いが溢れてしまう。
「はは、かわいぃ」
 ついでのように、気持ちまでそのまま声になって溢れた。
「え、なに」
「かわ、いいっ、ぁ、ぁん、おまぇ、ぁっ、かぁいい」
 異常に気づいた相手が聞くのに可愛いと繰り返してやれば、わけがわからないと言った様子で眉間にシワを寄せるから、ますます笑ってしまいそうだ。
「なんだそれ」
「ぁ、ばか、とまんなって、も、いく。いきたいっ」
 腰を止めそうになった相手を煽るように自ら腰を揺すってねだりながら、見せつけるようにペニスを扱く。
「ああ、もうっ」
 感情に任せて吐き捨てたみたいな、どこか苛立った声すら、相手の余裕の無さを表しているようで楽しい。しかも、その後は容赦なく感じる場所をグイグイと抉られたから、笑うに笑えなくて我ながら酷い喘ぎ方をしてしまった。
「うひっ、ぁ、ぁんっ、ひゃぅ、ぁ、いいっ、ぁは、あっ、あんっ、いく、ぁっ、ぁあ、いくぅっ」
 ペニスからどぷっと吐き出される白濁を手の平で受け止めながら、ぎゅうぎゅうとアナルを締め付ければ、少し遅れて肚の中のペニスがドクドクと脈打った。ああ、イッてる、と思いながら見上げる相手は、多分に安堵を混ぜながらうっとりと快感を享受している。
 そんな彼を見ながら、やっぱり可愛いなと思ってしまう自分自身がおかしくて、またしてもくふくふと小さく笑ってしまえば、それに気づいた相手が嫌そうな顔になって腰を引こうとする。
「あ、待って」
「なんだよ」
「抱っこ」
「は?」
「もーちょいお前感じてたいから、抜かずにこのままぎゅってして」
 ちょっとだけでいいからと言えば、小さな溜め息を一つ吐き出した後で、相手の体が覆いかぶさってくる。その背をぎゅっと抱きしめてやれば、軽く背が浮いてもぞもぞっと相手の腕がその下に潜り込みギュッと抱き返された。
「なぁ、俺が童貞だったの、結局お前、どう思ってんの」
「どう、って?」
「知らないまま初めて受け取らされてドン引きなのかと思ったけど、途中からなんかやたら楽しそうだし、逆に初めてで余裕ないのを笑われてんのかと思ってた。けど、こうやって変な甘え方してくるし。このぎゅっとして、も、もしかして馬鹿にされてんのかとか、下手だったのを慰められてんのかな、とか、なんか、色々考えすぎてよくわからなくなってる」
 心許ない声音に、慌てて、違う違うと否定を返す。
「びっくりはしたけど、純粋にすげぇなと思ったよ。お前が未経験だったなんて、ちっとも思わなかったし。後、余裕なくて必死だったお前見て笑ってたのは、嬉しかったのと可愛かったからだってば。抱かれてる時のお前も可愛いけど、俺を抱いてるお前も、可愛いんだって。マジに」
「それ、喜んでいいのか微妙なんだけど。下手だったからと言うか、拙いながらも一生懸命で可愛いね、みたいなやつじゃなくて?」
 別に見下しでもいいけどさ、と続いたセリフに、やっぱり違うと否定を返した。
「俺もう、お前のこと、見下した優越感で可愛いなんて思うことないよ。ただただ素直にお前を可愛いって思えるようになってる。だからお前、俺を抱くことにしたんじゃないの?」
「それは、そうなんだけど」
 やっぱりなと思う。そうだろうと思っていた。こちらの気持ちが育つのを待っていた、というのは、きっとこういう部分のことも指している。
「後、初めて挿入するセックスで、相手イカせてほぼ同時に自分もイクとか、普通に凄いと思うけど」
 俺はそんなの無理だったよと言えば、やっと納得した様子で、ならいいとだけ返ってきた。

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いつか、恩返し17

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 いろいろな衝撃が去ってから、改めて、どういうことだと聞けば、言葉通りの意味だよと苦笑される。
「いやだって、お前、彼女いたろ。お前の歴代彼女、ほぼ言えるぞ」
「それ言ったら、大学入ってからは作ってないのも、お前はちゃんと知ってるだろ」
 お前だって大学入ってから童貞捨てたろと言われてしまえば、確かにその通りではあるのだけれど。
「お前と違って、大学での彼女が初彼女だっての」
「仮に、高校時代に彼女がいたとして、お前、自分が童貞捨てれたと思う?」
 あー……と言葉を濁せば、そういうことだよと返される。
「いやでもお前ならさぁ」
「俺の初めて、やっぱ重すぎた?」
 騙してゴメンねと謝られてしまうと、いや別にそういうことじゃなくて、と思ってしまう。ただただ驚いたというだけで、言い出しにくかったと言われれば、まぁわからなくもない話でもある。
「お前のそういうとこも、好き」
「は?」
 黙ってしまえば唐突にそんなことを言われた上に、ゆるっと腰を揺すりだす。
「あとでもっかいちゃんと謝るし、聞きたいこと教えるから、も、こっち集中させて」
 どことなく切羽詰った顔と甘さの滲む声に、確かにこの状況で話し続けるのも辛いだろうと思う。
 小さく頷いてやれば、ホッとした様子で小さく笑い返されて、その後、ゆっくり腰が引かれていった。
「ぁ……」
 ぬるると引き抜かれていく感覚にゾクリとした快感が走って、口から熱い息がこぼれ出ていく。そしてぎりぎりまで引き抜かれた後は、今度こそゆっくりと、またそれが押し入ってくる。
「はぁ……」
 今度はこちらも、熱のこもった息を吐くだけだった。
 初めてのくせに。難しいと言ったくせに。集中させての言葉通り、必死でゆっくりと腰を使う相手を見ていたら、無理すんなよとすら言えそうにない。
 初挿入だってのに、飽く迄も、相手はこちらを気持ちよくさせたいのだ。だったら、先にイッてもいいよ、なんて事を言うよりも、気持ちよくなる事にこちらも集中するべきだと思った。
 充分に時間をかけて慣らし拡げられた体は、ちゃんと快感を拾えるはずなのだから。
「んっ、そこっ」
 気持ちのいい場所を擦られた時に、そこがいいと伝えてやれば、わかったと頷かれてその場所をちゃんと擦ってくれるくらいには、相手は起用だし物覚えだっていい。というか、こういう方面においても、彼は常に優秀だった。なんせ、キスから抜き合いに発展して、彼を抱くようになってさえ、彼が童貞だなんて全く思わないくらい、こういった行為に手慣れた様子を見せていた。
 それらが全て、経験に基づいたものではなく、知識からのみだったなんて、本当に驚く。
「ぁ、ぁっ、ぁあ」
 気持ちのいい場所ばかりを重点的に刺激されて、さすがにこちらも追い詰められていく。たまらなくなって自身のペニスに手を伸ばした。
「イケそう?」
「ん、いい、いく、いける」
 頷いて、握ったペニスを自分で扱き出せば、相手の腰の動きも加速する。立場が代わっても、できれば一緒に果てたい、というこちらの気持ちに沿って、それを目指してくれるのは変わらないらしい。
 こちらに揺さぶられて甘い声をとろかせている時と違って、相手は随分と切羽詰った必死な様子なのだけれど、自分のためにと発揮されるその集中力がたまらなく嬉しくて、必死な様子がとてつもなく可愛いと思った。

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いつか、恩返し16

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 今だから言う、というのは、今日あたりいい加減抱かれることになるだろうという予測を、肯定されたようなものでもある。そう思った矢先に、短な宣言が伝えられる。
「抱くね」
「ああ」
 頷けばアナルから相手の指が引き抜かれていき、暫くして、今度はペニスの尖端が押し当てられるのがわかる。期待と興奮と混じりに見上げてしまう相手の顔は、自分と同じように期待と興奮とが混じっているみたいだった。さすがにもう、キラキラとした輝きはない。
 目があって、少しの間黙ったまま見つめ合う。先に口を開いたのは、相手の方だった。
「楽しみ?」
「そりゃあな。お前は?」
「もちろん楽しみでもあるけど、」
「あるけど?」
「嬉しいって気持ちがとにかく強いかな」
「ちょっと気が早くないか? まだ入ってないのに」
「確かにそうなんだけどさ」
 苦笑する相手の顔が、前屈みに寄ってくる。両手を伸ばして相手の肩を掴み、相手を引き寄せると同時に、自分自身も軽く身を起こして、相手へと顔を寄せた。
「ね、好きだよ」
 柔らかな笑いに変えた相手が、甘い声で囁いてくる。
「……俺も、」
 好きだ、とまでは言えなかったが、それは相手に唇を塞がれたからにすぎない。
 軽いキスを何度か繰り返している中、ぐっと足を抱え直されて、くる、と思う。その直後、ぐぷっと太く熱い塊が押し込まれたのを感じた。
「ぁうぅっ」
「痛い?」
「いた、くなっ」
 痛くはない。でも指とは違う質量が、相手のペニスが、自分の体を押し開いて貫いていく、というのを意識せずにいられない。多分、体にかかる圧のせいだ。こんな風にのしかかられるみたいな格好で、解されたことはなかったから。
「痛かったら、言ってよ」
「ん、ぁ、ぁああぁあ、ああ」
 こちらが頷くのも待たずに、そのまま体重をかけられて、ぬぷぷと体内に相手のペニスが沈んでいく。それを感じながら吐き出す息は、戸惑いの交じる情けない音を乗せている。
「おまっ、おまえっ」
 ほぼ一息にきっちり最後まで繋がってきた相手の動きが止まって、文句の一つも言ってやろうと口を開いたけれど、上手く舌が回らない。強い痛みは確かになかったが、それなりに動揺はしていた。
「ゆっくりするより、こっちのが楽かと思って。経験的に」
 経験的にだなんて言われてしまうと、こちらは返せる言葉がない。
 彼を初めて抱いた時、めちゃくちゃ気を遣ってゆっくりと挿入したけれど、確かにずっと、ふぅふぅ荒い息を繰り返しながら辛そうな顔を見せていた。大丈夫って言いながら無理やり笑顔を作る姿に、胸を締め付けられるような思いだってした。さっさと繋がってしまった方が楽だった、と言われても納得ではある。
 不満を残しながらも口を閉じてしまえば、相手は少し困ったように笑って、ゴメン嘘、と続けた。
「うそ、って?」
「ゆっくり挿れてあげたかったけど、無理だった。思ったより難しい」
「思ったより?」
「ごめん。これは意図的に隠してたんだけど、ほんの数分前まで、童貞だった」
 はぁあああと声を上げたら、どうやら腹筋にけっこうな力が入ったらしい。その結果、二人同時に呻く羽目になった。

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いつか、恩返し15

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 気持ちよさそうで幸せそうな相手を前に、可愛いと繰り返す自身の感情がゆるりと変化し、目の前の相手をただ素直に愛しんでもいい存在なのだと認識しだした頃。
「そろそろ、代わってみる?」
「えっ?」
「セックスする時の立場の話。って言っても、ちゃんと気持ちよくなれるのに俺もそこそこ時間掛かったし、暫くはお前の後ろ慣らしつつ最終的には俺が抱かれるってのでいいけど」
 抱かれて気持ちよくなるってことに興味あるだろ、と続いた言葉に頷きながらも、興味があるのはそれだけじゃないな、とも思っていた。
 自分が抱かれる側に回るというのは、相手からすれば、好きな子を抱くというセックスになる。彼が自分に向かって可愛いと言うのかはわからないが、言ったとしてもそこに優越感や見下しや憐憫なんか欠片もないのは最初からわかりきっているわけで、どんな風に抱くんだろう、彼に抱かれている自分相手にどんな感情を持つんだろう、という興味だ。好奇心、ではないと思う。
 そこから先、前戯で彼にアナルを弄られる、という過程が増えたけれど、彼のように自分で自分の体を慣らして拡げるというような事はしていない。どうしても自分で自分の体を開発したいなら止めないけど、できれば全部任せて欲しいと言われたせいだ。
 自分で自分の体を開発、という部分に興味だったり好奇心が発揮されていたら、とっくに弄っていただろう。それに、相手が自分に対して何か要望を口にするというのが珍しかったし、一から全部相手任せで自分の体を変えられていく、とういのもそれはそれで楽しそうかなと思ってしまった。こっちは好奇心だろうな、という自覚はある。
 いくら全部相手任せとは言え、さすがに中を洗うだのの準備は自分で済ませたけれど、それ以外は本当に相手に委ねていた。ゆっくりじっくり、こちらのアナルを弄り拡げて、その場所で快感が得られるようにと変えられていく。
 元々抱かれる側も経験してみたい気持ちはあったし、目の前で彼の体が変化していく過程をずっと見てきたわけだし、そんな場所を弄られるという違和感はあっても不快感はなく、自分の体が変えられていくのも、目の前の彼がいきいきと楽しそうにしているのも、面白かったし楽しかった。
 好きだ好きだと言いながらも、こちらの様子を窺って、こちらの好奇心やら興味やらを満たせるようにと寄り添い協力してくれている、みたいなイメージが強かったから、そんな彼がこちらの体を好き勝手弄って楽しんでいる、という事実が新鮮だ。そんな彼を面白がっている、という部分も見抜かれてはいるようだが、もちろんそれを咎めるような相手じゃない。
 ただ、こんなにも抱きたい意思があったなら、もっと早く言ってくれればよかったのに、と思う気持ちも強い。その気持のまま、口を開いた。
「こんなに俺を抱きたいと思ってたなら、もっと早く言えば良かったのに」
「俺はちゃんとタイミング考えて行動してるよ。お前の興味や好奇心をただ満たしてやるだけの、抱く側セックスがしたわけじゃないからね」
「ん? どういう意味?」
「お前が俺の策に嵌って、ゆっくりじっくり、俺への気持ちを育てるの待ってたよって話?」
「んん??」
「俺を恋愛的な意味で好きになって、とは言わないって言ったけど、そういう意味で好きになって貰う努力をしてなかったわけじゃない。このまま恋人ごっこができればいいって気持ちも嘘じゃなかったけど、ごっこが外れる恋人になれたらいいなと思う気持ちがないとは言ってない」
「それを、今、言うのかよ」
 もちろん今だからこそ言うんだよと笑う顔は、なんだかキラキラと輝いて見えた。

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