雷が怖いので プレイ24

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 何か気がかりなことがあるなら先に話を聞こうかと言われたけれど、この部屋で誰に何をしたのかなんて聞けるわけがない。聞いたって同じことが自分にできるわけじゃない。ただただ余計な嫉妬を煽って、更に自分を追い詰めるだけだとわかりきっている。
 それにきっと始まってしまえば、余計なことなんて考えられなくなるはずだ。そう思っていたのに、彼の手に触れられ体がはっきりと興奮し始めても、ふとした瞬間にチラリチラリと顔も知らない別の誰かの事が頭の隅を掠めていく。
 しかもそうなることを見越していたかのように、今日は仰向けに寝かされていて、こちらの顔色を伺い続けている彼の顔はいつもより渋くて冷たい感じがしている。気持ちが彼と彼のくれる行為に集中出来ていないのだから、面白くないのは当然だろう。
 左右の膝裏をそれぞれ抱えて、なるべく大きく足を開き、膝を胸に引き寄せるようにして腰を高く持ち上げる。そうやって晒したアナルを、彼の指が拡げるように出入りしているが、バイブやスティックの無機物ではなく彼の指で直接弄られているのに、快感はしっかり拾えても蕩けるみたいな幸せな感じがなくて切ない。
「そんなに集中できてないんじゃ、たいして気持ち良くもなれてないだろ」
 大きなため息を零されて身が震えた。頷くことも出来ないし、否定に首をふることも出来ない。それなりに気持ち良くはなれているけれど、余計なことに気を取られてなければ、もっともっと気持ち良くなれるのもわかっている。
「やっぱり今日はおしおきが必要そうだな」
「ごめん、なさい……」
「それは何の謝罪?」
「大丈夫じゃ、なかった、から」
 話を聞くといった彼に、大丈夫だからいつも通り始めてと返したのは自分だ。
「うん。それで、どうしたら集中できるかはわかってんの? 気がかり、俺に話してみる気になったか? 聞いて俺に何が出来るかは別にして、お前の気持ちをそこまで引きつけてるのが何か、興味がある」
 言えたらおしおきは軽いものにするけど、言わないなら少し痛いことも入れるから覚悟してと言われた後、こちらの回答を待つように口を閉ざす。痛いことも入れると明言されたおしおきなんて想像がつかなくて怖いのに、だからって話せるかと言えばやっぱり話せそうになかった。言いたくないし、聞きたくない。
「あと五、数える間に話すって言わなかったら、キツイおしおき決定な」
 スタートしたカウントダウンは随分とゆったりしたペースだったけれど、それがゼロを数えても、結局何も言えなかった。
「お前、今、自分がどれだけマズい選択したか、自覚ある?」
 呆れ顔が寄せられて、低い声が冷たい囁きを落とす。僅かだがはっきりと怒りを孕んだ視線に恐怖して、逃げるようにそっと顔を逸らし、ごめんなさいと謝った。
「で、今度は何の謝罪? とりあえず謝っとけってだけの謝罪なんて、無意味どころか下手したら逆効果だからな?」
 指摘されてそれ以上言えることなんてなにもない。怒らせたことへの恐怖で、ただただ口に出してしまった謝罪だった。
「なんで何も言わねぇの?」
「だ……って、何、言えばいいか、わかん、ない」
「いつもはあんないい子なのに、わかんないのは別のことに気を取られすぎだからだろ」
「ひぃんっっ」
 そんな言葉とともにバチンと大きな音が響き、右の尻タブに走った痛みに思わず情けない声を上げた。強い痛みは一瞬だったけれど、ジンジンとした熱い痺れは続いている。痛みでと言うよりは叩かれたショックで、じわりと目尻に涙が浮かんだ。
 すっかり動きの止まっていた指が、またユルユルと腸壁を擦りだす。辛うじて膝裏を抱えたままでいたものの、すっかり落ちていた腰を慌ててグッと持ち上げれば、幾分柔らかな声がいい子だと褒めてくれた。でも、それにホッと安堵するような余裕はくれない。
「ぁうっ!」
 また音が鳴って、今度は左の尻タブに痛みが走った。腰を上げた分、きっと叩きやすくなっている。でもこれで逃げるように腰を落としたり、身を捩ったりすれば、よりキツイおしおきをされることになるんだろう。痛いこともすると言われて始まったおしおきなのだから、このまま受け止めるのが正解だ。
「ほら、ちょっと痛くしただけで、これ以上酷くされないようにって、ちゃんといい子な判断が出来るのに。気を逸らしているから、あんな黙ってカウントダウン待つようなバカな真似をして。話せないなら話せないって言って、自分からおしおきして下さいって言うべきだったんだよ。いつものお前なら、多分出来てた」
 そのまま続けて左右の尻タブを交互に二回ずつ叩かれ、叩かれるたびにその衝撃で声を漏らした。

続きました→

 
 
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雷が怖いので プレイ23

※ ここからは相手への恋愛感情自覚済みです
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 部屋に一歩入った瞬間に気付いてしまった。ギュッと胸が締め付けられる気がして、グッと奥歯を噛み締める。
 わずかに漂う塩素の香りは、汚れてしまった部屋を片付けた後の残り香だと知っている。それは最近ここで、排泄を伴うようなプレイが行われたということを意味していた。
 自分以外にも、彼がお金を払うなりしてプレイする愛人が居る可能性があることはわかっている。それでも今までは、それがはっきりとわかるような何かを、彼が示すことはなかった。この部屋を別の誰かと使ったとわかるような気配が残されているのは初めてだ。
 どうせならずっと隠し続けて欲しかった。気付かせずに居て欲しかった。そうじゃないならせめて、自分の中で彼への想いが育つ前に、知っておきたかった。
 もっと初期に知っていたら、やっぱり他にも相手が居るんだなと、当たり前なこととして受け入れられたと思う。でもずっと自分以外の影がチラリとも見えなかったせいで、今、バカみたいに動揺している。知りもしない相手に、間違いなく嫉妬している。
 自分ではない相手に、彼がどんなプレイをするのか知りたくて、でも同じくらい知りたくないとも思う。
 だってきっと、自分が拒否してしまうようなプレイを、簡単に受け入れてしまうような相手だったり、自分と違って辱められて痛めつけられて、それに興奮するような相手だったりするんだろう。だってそういうプレイがこなせる相手が別に居るから、彼は自分に対してそこまできついプレイを要求してこないのだと考えるほうが自然だ。
 このバイトを始めてそこそこ経つけれど、一回だって、彼自身が気持ち良く達したことがない。それどころか、彼の性器に触れさせてもらったことすらない。自分ばかりが気持ちよくなって終わりになるのは、ちゃんと別の相手で性欲が発散できているからなんだろう。
 彼に対する想いが育つ前なら、ありがたいと思えたかもしれないけれど、彼を恋愛的に好きだと自覚してしまった今は、そんな彼らを羨ましく思ってしまう気持ちがある。間違いなく自分にも被虐性はありそうだけれど、この部屋の本格さから考えたら、ほとんど何も出来ていないと思うし、今後どこまで応じられるようになるかもわからない。
 彼に抱かれたくて一生懸命にはなっても、何をされても嬉しいと思えるようにはなれないと思うし、彼になら何をされてもいいなんて事は絶対に言えない。そう言えないくらいに、自分はこの部屋に設置された器具類の使用例をアレコレ検索して見つけてしまったし、SMのプレイについてもそれなりにハードな部類まで色々調べてしまった。
 この部屋の本格具合からして、どう考えても彼は、相当きついプレイだって出来てしまうんだろう。そしてこれだけ本格的な部屋を構えている以上、彼自身、それを望む相手さえいればそこまでしたいと考えているはずだ。彼が相手の嗜好に応じたいタイプのサディストで、自分が経験値の低い軽めのマゾヒストだから、大仰なプレイにならないだけだとわかっていた。
 はっきり認めてしまうのが嫌でなるべく考えずに居た現実を、とうとう目の前に突きつけられて、心臓が嫌な感じにバクバクと脈動している。彼と会話をしているはずなのに、何を言われて何を返しているのかわからない。頭の中までそれらの言葉が入ってこない。
 その割になんだかんだ体が動いているのは、いつも通りの慣れた手順で準備を進めているだけだからに過ぎない。彼に少しだけ手伝ってもらいながらお尻の中を綺麗にして、最後に軽くシャワーを浴びる。
 シャワーを浴びながら、少しでも気持ちを切り替えようと頑張った。けれど結局、シャワーブースを出た瞬間にまた感じ取ってしまった残り香に、あっさり意識が捕らわれていく。
「体調が悪いってわけじゃなく、いつまでも心ここにあらずな態度取ってると、おしおきすることになるけどいいのか?」
 それでも一応、先程よりは幾分マシになっているのか、ちゃんと彼の言葉を聞き取ることが出来た。

続きました→

 
 
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雷が怖いので プレイ22

※ 洗腸行為がありますが描写は控えめ
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 胸を開発するよりもお尻を開発するほうが、彼の中で難易度が高い理由はすぐにわかった。行為の前に腸内を洗うことが必須だからと言われて、軽くめまいがした。
 ただ、彼の目の前で排泄までを見られるプレイではなく、飽くまでも準備だと彼は言う。いずれ慣れたら、バイト前には自分で準備してくるくらいになって欲しいとも。そのくせ、おしおきとしてだったり、こちらがはっきり興奮するようになったら、プレイとしての洗腸もありだなんて言うから、まったくもって油断できないけれど。
「でもそれを受け入れてくれるなら、日常生活に支障をきたすほどの開発はしない。ずっとアナルに栓して拡げっぱなしにしておいて、ここに来たら即俺のペニスが入るようにしとけ、なんてことまで要求する気はないし、もし、お尻が疼いて授業に身が入らないなんてことになりそうなら早めに相談して。開発を止めるか緩めるか、お前が普通に生活できるように、ちゃんと対応はする」
 いくらこちらが出来る範囲で応じればいいだとか、そこまで飢えてない紳士だとか言ったって、抱くまでしたいって気持ちは間違いなくあるんだろう。
 こちらが本気で嫌がることをしないのだって、生活に支障が出るから胸の開発しないでってお願いを聞き入れてくれるのだって、こんなバイト辞めてやるって言い出さないようにって理由が大きそうだと思う。そうやってこちらが受け入れられることと、嫌だけどうんと甘やかして優しくされたら受け入れてしまうことと、絶対に受け入れられない嫌なこととを見極めている気がする。
 こちらが受け入れられる方法で、少しずつ、彼に侵食されていく。今だって、お尻の開発を受け入れることを、かなり本気で考えてしまっている。
 だっていつか彼に抱かれる日が来ることを、自分はきっと嫌がっていない。彼に抱かれるってことを、不安に思う気持ちもあまりない。無茶されて体も心もボロボロになるなんてことは絶対にないと信じられる。
 だからこそ、お尻の開発が必要なんだって事も、わかっていた。
 結局選んだのは了承で、彼の指示に従って体の中を綺麗にする。何度も繰り返した排泄はその都度一人で、ちゃんとトイレの中でさせて貰ったけれど、薬液やぬるま湯の注入は彼の手でされたし、人生初の浣腸はやっぱりそれなりに苦しくて、最後に軽く体を洗っておいでと言われてシャワーを浴びて出てきたときには、これが準備でこのあと開発本番だなんて嘘だろってくらいに疲れ果てていた。
「お疲れ様」
 柔らかで大きなバスタオルに包まれて、そのまま抱いて連れて行かれたのは、最初に彼が腰掛けていた簡易ベッドだった。しかも直接降ろされるのではなく、自分を抱いたまま彼がベッドに腰掛ける。
「よく頑張ったね。疲れただろうから、少し休憩な」
「このまま?」
 機嫌の良い声が甘やかに響いて、そう聞き返しながらも、瞼は重く既に半分以上閉じていた。
「そ、このまま。眠れそうなら眠っときな」
 優しく髪を梳かれているうちに、意識はあっさりと眠りに落ちる。まさか寝ている間に休憩が終わって、お尻の開発が開始されるなんてことは思っても見なかった。
 下半身の違和感に、ぼんやりしながらもゆっくりと目を開ける。身じろげばすぐに気づいたらしく、彼が俯いて顔を覗き込んでくるから、やっと彼の腕の中で寝ていたのだと思い出す。寝起きのぼんやりはまだ残っていたが、それでも、随分と楽しげな顔をしていると思った。
「おはよ。目ぇ覚めた?」
「おはよ、ございます。あの……」
「これ?」
「ふっ、……ぅぅっ……」
 下半身の違和感が一瞬強くなって、思わず息を詰めて体に力を入れてしまう。そうするとより一層、違和感が強くなるようだった。
「ああ、ほら、力抜いて。怖いことしてないから。痛くなんかないだろ?」
 大丈夫だから深呼吸してと促されて、ゆっくり大きめの呼吸を繰り返す。そうしてすこし落ち着いてから、やっと何をしているのかと訪ねた。聞かなくても、だいたいはもうわかってしまっていたけれど。
「寝てる間のが緊張もなくていいかと思って、少し指で弄ってだけ。今入ってるのは中指が一本。でももう抜くから、もう少しだけそのまま力抜いて我慢な」
「ぁ、ぁぁ……ぁ……」
「はい、終わり。眠って少しは回復できたか? 自分で立って歩けそう?」
 まるで何事もなかったように体調を聞かれ、頷けば彼の腕の中から降ろされる。バスタオルを纏ったままベッド横に立って、数歩足踏みさせられた後で違和感の有無を聞かれた。
「特にない、です」
「よし。じゃあ今日はここまでにしようか」
「えっ?」
「寝てる間に色々されちゃってお前に自覚がないだけで、もう今日は十分働いてもらったから。それとも、物足りないからもっと何か気持ちぃことしてって思ってる?」
 頷きかけたけれど、でもやっぱり疲れているような気もして躊躇ってしまう。シャワーを出た直後のような酷い疲労感がないってだけだ。
「いえ、今日はもう終わりに、します」
「うん。俺もその方がいいと思う。けど、やっぱキスくらいはしようか。今日、気持ちぃこと全然なかったもんな」
 とろけるみたいに気持ちが良いのに、性的にはあまり興奮してこないキスを知っている。きっとそれだと思いながら、再度彼の膝の上に乗るよう促されて従った。
 疲れてるだろうから今日は射精はなしねと言われながら、思っていたとおりのキスをちょっと長めにして貰っていると、今日もバイト頑張って良かったって気になってしまうから不思議だった。

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雷が怖いので プレイ21

※ ここからは誕生日より少し前の時期になります
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 整骨院やらマッサージ店とかに置かれているものに似た、けれど少し大きめサイズの簡易なベッドに腰掛けた彼と、数歩の距離を開けて見つめ合う。
「始める前に、お願いが、あって」
 緊張しつつもどうにか告げた。だってこれは自分にとってはかなり重大な、今後の大学生活を大きく左右するような問題で、もし彼が首を横に振るなら、バイトを辞めることも考えなければならないと思っている。
「どんなこと?」
 早くおいでと言わんばかりだった相手が、訝しげな思案顔で問うてくる。
「胸、あまり弄らないで下さい」
「前回の、そんなに嫌だった?」
 そんなことないだろと言いたい気持ちはわかる。今までも時々胸を弄られることはあったけれど、前回は随分と執拗に弄られながら喘ぎ泣いて、最後には彼の手の中に気持ち良く果てた。最中は頭の中が沸騰するみたいになって、イヤダもヤメテも恥ずかしいも口走ったけれど、そんなのは今までも散々口にしているし、こんな風にそのプレイはしないでとはっきり告げるような真似はしたことがない。強制的な室内お漏らしですらそうだったのに、胸を弄るだなんて随分と初歩的な行為を拒否されるだなんて、きっと思ってなかっただろう。
 実際、終えてしまえば、行為そのものはそこまで嫌だったわけじゃない。無い胸を揉まれたり、乳首を捏ねられたり、引っ張られたり、舐められたり、噛まれたり。それらの行為を直接キモチイイと感じていたわけではないけれど、快感になる前のゾワゾワは確かに始終感じていたし、自分の胸に吸い付く彼の姿が酷くいやらしかったのと、胸を弄られながら彼の手で巧みに勃起ペニスを扱かれる気持ち良さは格別だった。
 ただ、終えた後に胸の先が少しヒリヒリと痛むくらいに先週の行為は執拗で、そのヒリヒリするような感覚は日曜にはムズムズした感じになって、しかもそれを火曜日くらいまで引きずってしまった。さすがにこのまま相手に好き勝手弄られ続けるのはマズいと思った原因はこれだ。
「嫌だったとかじゃなくて、困るんです」
「困る? って何が?」
「この前、胸、弄られすぎて、月曜になっても感覚が少しおかしいままで、授業に集中できなかった、から」
「ああ、乳首が服に擦れて感じちゃったって話?」
 頷いて、さすがに今後そういう状態になるのは困ると言えば、彼も困ったようにうーんと唸る。
「ものすごく正直に言えば、お前のその反応は、俺の狙い通りなんだけど」
「えっ?」
「乳首開発しまくって、ペニス弄らなくても、俺に胸吸われるだけで射精出来るくらいまで躾けたいのが本音?」
「ちょ、ぜっっったい、嫌なんですけど!」
 予想外のとんでもない計画に、さすがに全力で拒否を示した。
「なにそれ初耳。というか、俺の体、勝手に変な開発するのやめてください」
「んなこと言っても、お前の体なんて、とっくに俺に開発されまくってるだろ。今更何言ってんだ」
「あなた相手に簡単に反応する体になることと、あなたが居ない所でも、バイトと無関係の時にも、勝手に反応する体になることは違うでしょ。ただただ普通に生活してるだけなのに、簡単に感じてすぐ勃起するような体になったら、恥ずかしすぎて学校に行けなくなる。いや、学校どころか、人目があるとこに行けなくなる。そんなのホント、困ります」
「服に擦れないように絆創膏でも貼っておくとかどうよ」
「俺に一生、そういう生活させる気ですか? というか、何が何でも胸の開発続けるってなら、俺、普通の生活が出来る内に別のバイト探すことも考えますけど」
「とか言って、もう俺なしでいられない体に」
「なってません」
 まだ、と脳内で続いてしまった自分の声に、まだってなんだと自分でツッコミを入れてしまう。でも最近は一人でする時も、バイトのアレコレを思い出しながらのオナニーが増えているし、オナニーよりもここでイクほうが、彼によって多少むりやりイかされる時のが、断然キモチイイのも事実だった。
 このバイトを辞めてしまったら、彼に触れて欲しくて身悶える日もありそうだって思ってしまう程度には、既に彼無しでいられない体になっているのかもしれない。
「知ってる。というか愛人ったってバイトだしなぁ。そんな子相手に、俺なしじゃいられない体になられても困るというか責任取りきれないのはわかってんよ」
 なんてことを言ったその直後。
「一応聞くけど、幾らか払ったら、一生乳首に絆創膏生活受け入れる、とかってある?」
 さすが愛人バイトなんて持ちかけてくるだけあって、基本はお金で解決な方針らしい。でも嫌なものは嫌だ。いくら積まれたって、ちょっと布に擦れただけで感じる敏感な乳首になるのなんて嫌だ。
 もし彼に触れられた時だけ感じまくるような開発なら受け入れても良いなと思うし、彼に胸を吸われるだけで射精するほどの快感が得られると言うなら、それに対する興味もないわけじゃないのだけれど。でも既に日常生活というか、今一番大事にしなければならない学業の方に多少なりとも影響が出てしまった以上、なおのこと開発なんてされるわけにいかない。
「もし俺が一億。とか言ったら、出すんですか?」
 なんでもお金で解決できると思うなよと、少々ムッとしつつ言えば、その気はないってのはわかったよと苦笑される。
「残念だな。ゼロ一つ少なかったらちょっとくらいは本気で考えるのに」
 ゼロ一つ減らしたって結構な金額だ。どんだけ金持ちなんだと驚く気持ちはないわけじゃない。ただ、あまりに馴染みがない金額で現実感がないのは、ある意味ありがたいのかもしれなかった。
「考えないで下さい。というか、日常生活を脅かすような開発されるの、いくら積まれたって今後もお断りですからね」
「じゃあどんな開発なら許す? 胸の開発諦める代わりにお尻弄らせてって言ったら、お前、オッケーする?」
 ビックリして、まじまじと相手の顔を見つめてしまう。だって、そんなことを聞かれると思わなかった。
 彼の前で下着を脱がされることは増えたし、ペニスはもちろん陰嚢もいじられ揉まれたりするけれど、それ以上奥にまで指を伸ばされたことはない。でもいつかはそこも弄られてしまう日が来るんだろうと、勝手に思い込んでいた。

続きました→

 
 
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雷が怖いので プレイ20

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 リビングの扉をそっと開く。彼の姿はドアの隙間からでも見えるソファにはなかった。
「まだ一時間も経ってないぞ?」
 笑いをこらえるような声が、どう考えても自分に向かって話しかけてくるので、仕方なく大きくドアを開いてリビングの中へ踏み込んだ。少し進めば、テーブルセットの椅子に座り、テーブルに乗せたノートパソコンで何やら作業中の彼と目が合う。彼はやっぱり随分と楽しげな顔をしながら、ノートパソコンの蓋をあっさり閉めた。
「あの……」
「カメラは?」
 こちらが手ぶらなのはすぐに気付いたようだ。でも顔は楽しげなままだから、疑問符をつけて聞いてはいるが、こちらの答えはもうわかっているのかもしれない。
「置いて、来ま、した」
 喉が詰まって言葉が途切れるのは、緊張しているせいだろう。
「どうして?」
「バイト、終わりにしたい、わけじゃない、から、です」
 黙ったまま見つめられて、ますます緊張する。彼の視線はゆっくりと動いて、上から下まで舐めるようにこちらを観察していた。
 やっぱりカメラのレンズとは全然違う。緊張のドキドキと興奮のドキドキが混ざって、少しずつ胸が苦しくなる。息が上がって、顔が熱くなっていく。
「じゃあ、何しに来たか、自分の口で言ってみて?」
 多分もうこちらの意図はわかっているはずだ。だからこれは、指摘して辱めるのではなく、こちらの口からねだらせるというプレイなんだろう。
「あなたを、迎えに、来ました。カメラ、の前に放置、されるプレイ、じゃ、なくて。いつもみたいに、恥ずかしくてキモチイイ、こと、して下さい」
 喋っている間に、少しずつ喉の緊張がほぐれていく。特に、自分から気持ちいいことして下さいと言ってしまった後は、だいぶ楽に言葉が吐き出せた。
「ただ立ってるだけのバイトがしたいとはもう言いません。おしおきも受けます。でも、放置プレイ頑張らずに、あなたを迎えに来たご褒美も、下さい」
 ぶふっと音がして、彼がおかしそうに吹き出したから、ビックリして口を閉じる。
「ごめ、ちょっと待って」
 何がツボだったのか、それから暫く笑われた。
「あー、急に笑って悪かった。つか放置プレイ頑張らなかったご褒美くれって言われるのは、少し、予想外だった」
「だって出ていく時、楽しみに待ってるから頑張るなって」
「うん、言った。言ったけど」
 こっちにおいでと手招かれて、テーブル横まで歩いて近づく。椅子を引いて横向きに座った彼の正面へ立てば、いくら身長差が結構あっても相手を少し見下ろす形になって、つい、前回ズボンをじっくり下ろされた時のことを思い出してしまった。彼に見つめられて少し反応している股間が、更に熱を帯びていく気配がする。
「あそこに立ってるだけで、興奮しちゃった?」
 ちょっと勃ってると言いながら伸ばされた手が、するりと股間を撫でていった。
「こ、れは、今っ」
 慌てて否定の声を上げながら、思わず腰を引きかける。けれどあっさり相手に掴まれて、ぐっと引き寄せる力に従い、さらに一歩分相手との距離を詰める結果になった。
「本当に? 興奮したから、気持ちぃ事して欲しくなって、迎えに来たんじゃないわけ?」
 違うとは否定出来ないけれど、思わず口にした言葉だって嘘じゃない。
 さすがに勃起させたまま迎えに来るのはあまりにも恥ずかしすぎて、しばらく熱を冷ましてから移動した。カメラを置いてきたのは、どっちにしろ五分以上カメラの前から遠ざかっていて、禁止事項は既に破った後だったというのもある。
「それは、でも、収まるの待ってから、来た、し」
 ニヤリと笑われて、うっかり余計なことをバラしたと思ったが、もちろんもう遅すぎる。
「つまり、あそこ立ってるだけでも興奮するし、俺に見つめられるだけでも興奮する、と」
 こうしてるだけでもどんどん興奮していくもんなと断定的に言われて、その言葉通り、股間に熱が集まっていくのを自覚していたから恥ずかしい。
「自分でズボンとパンツ下ろして、勃起ペニス俺に見せつけながら、このはしたない勃起おちんちんにおしおきとご褒美して下さいって、言える?」
「ご褒美、も?」
「そりゃあ、ああ言われてご褒美あげないとかないだろ」
 上手に言えたらおしおきも酷いことはしないよとの言葉が続いて、随分とホッとした。けれど頷いてベルトに手をかけたら、その手をやんわりと掴まれる。
「待って。先に移動しよう。お前の身体すごく素直だから、そのうち、あの部屋に入るだけで勃起するようになるかもだし」
 その言葉に、やっぱりと思いながら聞いてみた。
「もしかしなくても、毎回あの場所に立たせてたのは、それ狙ってました?」
「お前が言い出さなくても、もうちょいしたら一度、放置プレイはしてみるつもりだった。さすがに三回程度じゃ早いかと思ってたけど、一時間も掛からずギブアップだったのは、正直かなり嬉しい誤算かな」
 イヤラシイことが大好きな素直で可愛い体だというその評価は、多分、褒められているようだったけれど、それを喜んで良いのかは微妙だった。というか喜んじゃいけないやつだってわかっているのに、嬉しそうに柔らかな目で見つめられると、胸の中が少し暖かくなって、どこかふわふわした気持ちになる。
「抱いてってやろうか」
「え?」
 じゃあ行くかと立ち上がった彼が、ふと思い立ったようにそんなことを言い出したけれど、ふわつく思考は最初何を言われているかよくわからなかった。
「勃起して歩きにくくない?」
「えっ? と……」
「歩きにくい以前に、おしおきとご褒美に期待しすぎて、それでぼーっとしてる感じか?」
「や、そんな……」
 否定しかけて、いやでもそれもないわけじゃないかもと思ったら、途中で言葉が止まってしまう。
「抱いて連れてって」
 繰り返してという言葉に従い、ほぼ反射的に同じ言葉を繰り返せば、ふわりと体が持ち上がった。

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雷が怖いので プレイ19

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 静かな部屋の中に自分の零すため息が落ちる。
 ここに立ち続けているだけで時給千五百円もの給料が発生しているのに、まったくもって欠片の嬉しさもない。それどころか、こうして一人部屋に取り残されてはいるが、閉じ込められているわけでも繋がれているわけでもなく、いつでも自分の意志でこの部屋を出ることもバイトを終了することも出来るのに、その事実が逆に心もとなくてなんだか寂しい。
 だからといって、首輪やら壁の手錠やらに繋がれていたって、きっと別の意味で不安になるんだろう。さすがに一度繋がれたらそのままここに閉じ込められて逃げ出せないままエロ調教される、なんてことまでは思わないけれど、時間の経過もわからない中、外との連絡手段どころか彼に戻ってきてと伝える手段さえなく、いつ迎えに来てもらえるかわからないままひたすら彼を待ち続けるなんて、少し考えただけでも怖すぎる。
 それをはっきり回避したのだから、そこまで迂闊で危機感の足らない判断をしたとは思わないけれど、間違いなく先週の自分は、随分と思慮の浅い提案をしていた。彼にエッチなことなしのバイトを了承されて、この一週間、今日をちょっと楽しみにしていた自分がバカみたいだ。
 あのお試しの時のように、彼とあれこれ話が出来るんじゃないかと、そう期待していたんだってことは、プレ放置プレイと言われてショックを受けるまで自覚がなかった。カメラの前に一人立たされるこの状況を、まったく予想ができなかった。
 なんとなく視線を逸らしていたカメラを見つめてみる。彼の目の代わりだと、言っていた。けれど無機質なそれは、彼の目なんかとはまるで別物だ。
 彼になら、見つめられるだけでも、ドキドキする。そんな彼の目を思い出すだけでも、なんだかドキドキしてきてしまう。
 ああ、これは、ヤバイ。
 最初のお試しも含めてずっと、バイトのたびにここに立って、彼に見つめられてきた。イヤラシイ視線と柔らかで優しい視線を使い分ける彼に、どんどん丸裸にされた上、たくさんのキモチイイを引き出されてしまった。
 もちろん目だけじゃない。甘い声で辱められたり逆にあやされたりしながら、器用な指や舌や唇に、時に泣くほどの、未知の快楽を叩き込まれるまでした。
 全部全部、この場所で。
 思い出してしまうアレコレに、カーッと体の熱が上昇する気がする。無機質に見つめてくるカメラのレンズから、逃れるように顔を背けた。動画は後で彼に確認される。この動揺はどこまで彼に伝わってしまうだろう。
 彼の目とはまるで別物のはずのカメラレンズだけれど、今の自分を撮られていることが恥ずかしい。恥ずかしいのに、カメラを意識すればするほど、ここに居ない彼の目まで意識する羽目になる。
 カメラで撮られてるだけで勃起するの? とからかう彼の声が聞える気がして、ますます体が熱くなる。なんだか泣いてしまいそうだ。
 気持ちを落ち着けたくて、逃げるようにカメラに映らない位置へ移動してしまった。彼の告げたルール上は、五分までなら許される。
 でも五分で平常心が取り戻せるかは難しい。カメラの前ですました顔のまま立ち続けるのは無理そうだし、ルール上許可されているからと、五分ごとにチラッとカメラに映るだなんてことを繰り返したら絶対何かしら言われるだろうし、カメラ相手に彼の目を意識して感じてしまった事実を隠せる気はしなかった。
 はやくカメラの前に戻らないと後でおしおきだよと、頭のなかで彼が笑う。フルリと体が震えてしまったが、おしおきされる恐怖よりも、彼に何かして貰えるという期待の方が強そうだった。
 確かにもう、最初のお試しのときとは全然違う。たった三回だけど、彼に与えられるキモチイイを、自分の心も体も知ってしまった。
 彼に触れて欲しい。キスして欲しい。そんな風に思ってしまう気持ちを、もう、無視できない。

続きました→

 
 
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