スライム+聖水=ローション

 お使いの帰り道、上方から名前を呼ばれて振り仰げば、年上の幼馴染が柔らかな笑顔を振りまきながら、お土産あるから上がっておいでと誘う。帰ってたんだと嬉しく思いながら、すぐ行くと返して小走りに玄関へと向かった。
 小さな町で子供も少ないから、幼い頃は本当に良く一緒に遊んで貰っていた。年の差がそこそこあるので、さすがに最近は一緒に遊ぶ事も殆どないし、そもそも相手はもうこの町を出ている。今は少し離れたところにある街で、薬師の見習いだかなんだかをやっているらしい。
 町民全員顔見知りなこの町で、在宅している日中に鍵を掛けている家は少ない。一応ドアを開けた最初にお邪魔しますと声を掛けたが、あとは勝手知ったるとばかりに、ずんずんと家の奥へと進んで階段を上がった。階段を上がって一番手前のドアが、先程彼が顔を出していた部屋のもので、ドアも叩かず勢いよく部屋の中に飛び込んだ。
「久しぶり!」
「うん、久しぶり。大きくなったね」
「なんで居るの? 仕事は?」
 さすがに辞めたのか聞くのは憚られて、でも、聞かずにはいられなかった。
「全然こっち帰れなかったくらい忙しかったのが少し落ち着いたから、店主が長めにお休みくれたの。一週間はこっち居る予定」
「本当に? また遊びに来ていい?」
「うん。どうせ家に居てもヒマしてると思うし、こっちいる間はいつでも遊びにおいで」
 やったと両手をあげて喜べば、相手も嬉しそうにニコニコしたまま、懐から何かが詰まった小瓶を取り出してみせる。
「何ソレ?」
「さっき言ってたお土産」
「何入ってるの? 食べ物? というか飲み物?」
 青みがかった液体のようにも見えるけれど、でも液体にしては揺れがないようにも見えた。
「食べても毒はないけど、食べたり飲んだりするものではないかなぁ」
 そう言った彼は、スライムのカケラだよと言葉を続ける。
「は? え? スライム?」
「そう。お前もそろそろ町の外出るの解禁になるだろ?」
 一番最初に出会うモンスターが多分コレと言いながら、彼は瓶の蓋を開けてそれを手の平に向けて傾けている。ドロリというかボトッといった感じで瓶の中から落ちてきたそれは、彼の手の平の上に乗ってプルンプルンと揺れている。
「どうしたの、これ」
「ここ帰る途中で見つけたのを、一部持ち帰ってきただけ」
「おみやげとして?」
「そうそう。怖くないから手を出して。両手でお椀作る感じに」
 言われるまま突き出した両手の中に、やっぱりボトリとスライムが移される。それは見た目通り、少しひんやりしていて弾力があった。
「うひっ」
「初めて触る?」
「うん。てかカケラだからって、町中入れていいの、コレ」
 町の中にモンスターを持ち込まないルールは徹底されている。いくら最弱モンスターと言ったって、スライムも例外ではないはずだ。
「あまり良くないかもね。だから内緒だよ。これからすることも全部」
「すること? これを俺にくれるって話じゃないの?」
「違う違う。こんなの持ってるのバレたら、お前が怒られちゃうだろ」
「じゃあ、どうすんのさ」
「それを今から見せてあげるんだって」
 これなーんだ、と言って、さっきの瓶よりもさらに小さく細長い瓶を取り出して掲げて見せる。今度の中身は間違いなく、無色透明の液体だった。
「水?」
「ただの水じゃないよ。聖水」
「って教会の?」
「そう。それ。これをスライムに垂らすの。スライムそれしかないから落とさないでよ」
 傾けられた瓶の口から聖水が数滴、スライムの上にこぼれ落ちる。その瞬間、プルンプルンだったスライムがドロっと溶け出し驚いた。なにこれ気持ち悪い。
「うわっっ」
「大丈夫だから落とさないで」
 再度強めに落とすなと言われ、気持ち悪いと思いながらも、手の平から溢れてしまわにように力を入れる。
「え、でもどうすんの。溶けてるよ、これ。なんかヌルヌルして気持ち悪い」
「手をこすり合わせるみたいにして、手も指もヌルヌルまみれにしておいて。お前の手の熱が移って、だんだん暖かくなるから」
「ええええ。やだー」
「俺は他の準備があるの。どうしても無理ならそのまま持ってるだけでいいよ」
 そう言った彼はその場にしゃがみ込むと、こちらのズボンのベルトに手を伸ばしてくる。
「ちょ、ちょ、準備って何。何しようとしてんの」
「お前のズボン脱がそうとしてる」
「だからなんで!」
「わかるだろ。お前にチンコ弄るとキモチイイって教えてやったの、誰だよ」
 性的なことの多くを彼から学んだのは確かだ。体が大人に近づくとちんちんから白い液が出るようになるとか、定期的にその白いのを自分の手で出さないとダメだとか、そのやり方とか。その白い液がなんなのかとか、子供の作り方とか。
「そ、だけど、今更恥ずかしいってば」
「それこそ今更隠すような仲じゃないだろ。お前の可愛い子供おちんちん、どーなったか見せてよ」
 そろそろムケた? なんてデリカシーの欠片もない発言に体の熱が上昇する。優しげな相貌と甘い声音に騙されがちだけれど、いたずら好きの愉快犯ってことも、言いだしたら聞かない頑固者だってことも、身を持って知っている。
「ねぇ、まさかと思うけど、このスライムをチンコに塗って扱くとキモチイイとかって話なの?」
「その通りだけど、なんでまさかなの。ヌルヌルめちゃくちゃキモチイイから、楽しみにしてな?」
 そう言った本人の顔が既にめちゃくちゃ楽しそうだった。

この年上の幼馴染とスライムローション使った兜合わせがやりたかったはずだったのに辿り着くまえに力尽きた。そのうち気が向いたら続くかも。
続きました→

 
 
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雷が怖いので プレイ25

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 姿勢はそのままで、彼の指が抜け出た代わりに振動の強力な小型のローターが、お尻の中に埋められる。もちろんそれは、ちょうど前立腺を刺激するような位置に置かれていて、その刺激だけで吐精しなさいと言い渡された。上手にイケたらおしおきは終わりにするから頑張れとも、口調だけは優しい意地悪で少し冷たい響きの声が告げた。
 確かにお尻だけでイケるようにというか、トコロテンはするようになった。でも未だに無機物の玩具でその状態になったことはない。ローターでもスティックでもバイブでもディルドでも、そこそこの太さがあるもので擦られてさえ、お尻がキモチイイって感じるようにはなったけれど、どうにも玩具にイかされるということに抵抗感があるらしい。
 キモチイイのにイケなくて、ドロドロに蕩けてもうイキたいと啜り泣く体を抱きしめて貰って、彼に縋りながら、もしくは彼の胸や腕や肩に顔を押し付けながら、彼の指で前立腺を弄ってもらう。大丈夫だからこのまま出せと、甘やかに射精を促されて、ようやくナカの刺激だけで吐精する。
 彼の腕の中だから、そして彼の指だから、そこまで感じることが出来るし、お尻だけでイッちゃう姿も晒せる。
 それは間違いなく、彼への恋情を自覚してしまったせいだけれど、そんな事情はもちろん彼の知るところではないし、早く玩具相手でもトコロテンする体に躾けたいんだろうこともわかっている。トコロテンの先があることも、いずれは吐精の伴わないドライオーガズムも教え込まれるんだろうってことも、知ってる。
 それにこれはおしおきだから、無理だとか出来ないとかの泣き言は言わないつもりだった。もしかしたら彼が言うように、ちゃんと集中すればローターの刺激だけでトコロテンが出来るかもしれない。玩具じゃ嫌だってのは自分の精神面の問題で、体はもう間違いなく、そこへの刺激で吐精出来るようになっている。
 でもいつもとは明らかに違う雰囲気と、時折与えられる痛みに、あっさり心が悲鳴をあげた。だって彼が全く楽しそうじゃない。途中からは黙ってしまって、冷たい瞳だけが自分に向かって注がれている。
 別のことを考えて、行為中に彼を蔑ろにしたことを怒っているのかは、正直もうよくわからなかった。
 パァンと乾いた大きな音が鳴って体が跳ねる。またお尻がじんわり熱くなる。その熱が引いて、叩かれたショックをどうにか飲み込んだ辺りで、思い出したようにまた叩かれるのを繰り返していた。
 痛みだけなら最初の数発のが痛かったと思う。今のは音の割に痛みは少なくて、ローターのもたらす強い快楽と混ざってしまうからか、その軽い痛みを辛いと思うことはなかった。でもその大きな音に驚くのと、やっぱり彼に叩かれるという行為そのものが苦しい。それを楽しんでいる様子が欠片もないから尚更、そんな真似を彼にさせている自分に、腹が立つしガッカリだし悲しくなる。
 ごめんなさいと零しても、もう、何の謝罪かと聞いてもくれない。逆効果で怒りを煽ったのかもわからないくらい、彼の様子に変化はなかったから、そのままごめんなさいを繰り返した。
 一度苦しさを吐き出してしまうと、もう止まらない。
 怒らせてごめんなさい。叩かせてごめんなさい。玩具で上手にイケなくてごめんなさい。許して。怒らないで。優しくして。こんなに苦しいのは、全部おしおきだからなの? このおしおきじゃなきゃダメなの? 他のおしおきがいい。お願い。他のにして。これもうヤダ。いつもと違う。本当にごめんなさい。もう許して。あなたの指じゃなきゃイケない。イキたくない。ごめんなさい。痛いおしおきでもいいから、せめてもっと優しい顔を見せて。お願いだからいつもみたいに笑ってて。
 グスグスと泣きながら思いつくまま口走り懇願すれば、彼は嫌そうに眉を寄せてみせた後、ずぷっとアナルに二本の指を突き立ててくる。
「ぁあああ゛あ゛あ゛」
 激しく震えるローターを捉えた指が、前立腺にそれをグイと押しつけてくるから、目の裏がチカチカと明滅した。

続きました→

 
 
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雷が怖いので プレイ24

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 何か気がかりなことがあるなら先に話を聞こうかと言われたけれど、この部屋で誰に何をしたのかなんて聞けるわけがない。聞いたって同じことが自分にできるわけじゃない。ただただ余計な嫉妬を煽って、更に自分を追い詰めるだけだとわかりきっている。
 それにきっと始まってしまえば、余計なことなんて考えられなくなるはずだ。そう思っていたのに、彼の手に触れられ体がはっきりと興奮し始めても、ふとした瞬間にチラリチラリと顔も知らない別の誰かの事が頭の隅を掠めていく。
 しかもそうなることを見越していたかのように、今日は仰向けに寝かされていて、こちらの顔色を伺い続けている彼の顔はいつもより渋くて冷たい感じがしている。気持ちが彼と彼のくれる行為に集中出来ていないのだから、面白くないのは当然だろう。
 左右の膝裏をそれぞれ抱えて、なるべく大きく足を開き、膝を胸に引き寄せるようにして腰を高く持ち上げる。そうやって晒したアナルを、彼の指が拡げるように出入りしているが、バイブやスティックの無機物ではなく彼の指で直接弄られているのに、快感はしっかり拾えても蕩けるみたいな幸せな感じがなくて切ない。
「そんなに集中できてないんじゃ、たいして気持ち良くもなれてないだろ」
 大きなため息を零されて身が震えた。頷くことも出来ないし、否定に首をふることも出来ない。それなりに気持ち良くはなれているけれど、余計なことに気を取られてなければ、もっともっと気持ち良くなれるのもわかっている。
「やっぱり今日はおしおきが必要そうだな」
「ごめん、なさい……」
「それは何の謝罪?」
「大丈夫じゃ、なかった、から」
 話を聞くといった彼に、大丈夫だからいつも通り始めてと返したのは自分だ。
「うん。それで、どうしたら集中できるかはわかってんの? 気がかり、俺に話してみる気になったか? 聞いて俺に何が出来るかは別にして、お前の気持ちをそこまで引きつけてるのが何か、興味がある」
 言えたらおしおきは軽いものにするけど、言わないなら少し痛いことも入れるから覚悟してと言われた後、こちらの回答を待つように口を閉ざす。痛いことも入れると明言されたおしおきなんて想像がつかなくて怖いのに、だからって話せるかと言えばやっぱり話せそうになかった。言いたくないし、聞きたくない。
「あと五、数える間に話すって言わなかったら、キツイおしおき決定な」
 スタートしたカウントダウンは随分とゆったりしたペースだったけれど、それがゼロを数えても、結局何も言えなかった。
「お前、今、自分がどれだけマズい選択したか、自覚ある?」
 呆れ顔が寄せられて、低い声が冷たい囁きを落とす。僅かだがはっきりと怒りを孕んだ視線に恐怖して、逃げるようにそっと顔を逸らし、ごめんなさいと謝った。
「で、今度は何の謝罪? とりあえず謝っとけってだけの謝罪なんて、無意味どころか下手したら逆効果だからな?」
 指摘されてそれ以上言えることなんてなにもない。怒らせたことへの恐怖で、ただただ口に出してしまった謝罪だった。
「なんで何も言わねぇの?」
「だ……って、何、言えばいいか、わかん、ない」
「いつもはあんないい子なのに、わかんないのは別のことに気を取られすぎだからだろ」
「ひぃんっっ」
 そんな言葉とともにバチンと大きな音が響き、右の尻タブに走った痛みに思わず情けない声を上げた。強い痛みは一瞬だったけれど、ジンジンとした熱い痺れは続いている。痛みでと言うよりは叩かれたショックで、じわりと目尻に涙が浮かんだ。
 すっかり動きの止まっていた指が、またユルユルと腸壁を擦りだす。辛うじて膝裏を抱えたままでいたものの、すっかり落ちていた腰を慌ててグッと持ち上げれば、幾分柔らかな声がいい子だと褒めてくれた。でも、それにホッと安堵するような余裕はくれない。
「ぁうっ!」
 また音が鳴って、今度は左の尻タブに痛みが走った。腰を上げた分、きっと叩きやすくなっている。でもこれで逃げるように腰を落としたり、身を捩ったりすれば、よりキツイおしおきをされることになるんだろう。痛いこともすると言われて始まったおしおきなのだから、このまま受け止めるのが正解だ。
「ほら、ちょっと痛くしただけで、これ以上酷くされないようにって、ちゃんといい子な判断が出来るのに。気を逸らしているから、あんな黙ってカウントダウン待つようなバカな真似をして。話せないなら話せないって言って、自分からおしおきして下さいって言うべきだったんだよ。いつものお前なら、多分出来てた」
 そのまま続けて左右の尻タブを交互に二回ずつ叩かれ、叩かれるたびにその衝撃で声を漏らした。

続きました→

 
 
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雷が怖いので プレイ23

※ ここからは相手への恋愛感情自覚済みです
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 部屋に一歩入った瞬間に気付いてしまった。ギュッと胸が締め付けられる気がして、グッと奥歯を噛み締める。
 わずかに漂う塩素の香りは、汚れてしまった部屋を片付けた後の残り香だと知っている。それは最近ここで、排泄を伴うようなプレイが行われたということを意味していた。
 自分以外にも、彼がお金を払うなりしてプレイする愛人が居る可能性があることはわかっている。それでも今までは、それがはっきりとわかるような何かを、彼が示すことはなかった。この部屋を別の誰かと使ったとわかるような気配が残されているのは初めてだ。
 どうせならずっと隠し続けて欲しかった。気付かせずに居て欲しかった。そうじゃないならせめて、自分の中で彼への想いが育つ前に、知っておきたかった。
 もっと初期に知っていたら、やっぱり他にも相手が居るんだなと、当たり前なこととして受け入れられたと思う。でもずっと自分以外の影がチラリとも見えなかったせいで、今、バカみたいに動揺している。知りもしない相手に、間違いなく嫉妬している。
 自分ではない相手に、彼がどんなプレイをするのか知りたくて、でも同じくらい知りたくないとも思う。
 だってきっと、自分が拒否してしまうようなプレイを、簡単に受け入れてしまうような相手だったり、自分と違って辱められて痛めつけられて、それに興奮するような相手だったりするんだろう。だってそういうプレイがこなせる相手が別に居るから、彼は自分に対してそこまできついプレイを要求してこないのだと考えるほうが自然だ。
 このバイトを始めてそこそこ経つけれど、一回だって、彼自身が気持ち良く達したことがない。それどころか、彼の性器に触れさせてもらったことすらない。自分ばかりが気持ちよくなって終わりになるのは、ちゃんと別の相手で性欲が発散できているからなんだろう。
 彼に対する想いが育つ前なら、ありがたいと思えたかもしれないけれど、彼を恋愛的に好きだと自覚してしまった今は、そんな彼らを羨ましく思ってしまう気持ちがある。間違いなく自分にも被虐性はありそうだけれど、この部屋の本格さから考えたら、ほとんど何も出来ていないと思うし、今後どこまで応じられるようになるかもわからない。
 彼に抱かれたくて一生懸命にはなっても、何をされても嬉しいと思えるようにはなれないと思うし、彼になら何をされてもいいなんて事は絶対に言えない。そう言えないくらいに、自分はこの部屋に設置された器具類の使用例をアレコレ検索して見つけてしまったし、SMのプレイについてもそれなりにハードな部類まで色々調べてしまった。
 この部屋の本格具合からして、どう考えても彼は、相当きついプレイだって出来てしまうんだろう。そしてこれだけ本格的な部屋を構えている以上、彼自身、それを望む相手さえいればそこまでしたいと考えているはずだ。彼が相手の嗜好に応じたいタイプのサディストで、自分が経験値の低い軽めのマゾヒストだから、大仰なプレイにならないだけだとわかっていた。
 はっきり認めてしまうのが嫌でなるべく考えずに居た現実を、とうとう目の前に突きつけられて、心臓が嫌な感じにバクバクと脈動している。彼と会話をしているはずなのに、何を言われて何を返しているのかわからない。頭の中までそれらの言葉が入ってこない。
 その割になんだかんだ体が動いているのは、いつも通りの慣れた手順で準備を進めているだけだからに過ぎない。彼に少しだけ手伝ってもらいながらお尻の中を綺麗にして、最後に軽くシャワーを浴びる。
 シャワーを浴びながら、少しでも気持ちを切り替えようと頑張った。けれど結局、シャワーブースを出た瞬間にまた感じ取ってしまった残り香に、あっさり意識が捕らわれていく。
「体調が悪いってわけじゃなく、いつまでも心ここにあらずな態度取ってると、おしおきすることになるけどいいのか?」
 それでも一応、先程よりは幾分マシになっているのか、ちゃんと彼の言葉を聞き取ることが出来た。

続きました→

 
 
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雷が怖いので プレイ22

※ 洗腸行為がありますが描写は控えめ
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 胸を開発するよりもお尻を開発するほうが、彼の中で難易度が高い理由はすぐにわかった。行為の前に腸内を洗うことが必須だからと言われて、軽くめまいがした。
 ただ、彼の目の前で排泄までを見られるプレイではなく、飽くまでも準備だと彼は言う。いずれ慣れたら、バイト前には自分で準備してくるくらいになって欲しいとも。そのくせ、おしおきとしてだったり、こちらがはっきり興奮するようになったら、プレイとしての洗腸もありだなんて言うから、まったくもって油断できないけれど。
「でもそれを受け入れてくれるなら、日常生活に支障をきたすほどの開発はしない。ずっとアナルに栓して拡げっぱなしにしておいて、ここに来たら即俺のペニスが入るようにしとけ、なんてことまで要求する気はないし、もし、お尻が疼いて授業に身が入らないなんてことになりそうなら早めに相談して。開発を止めるか緩めるか、お前が普通に生活できるように、ちゃんと対応はする」
 いくらこちらが出来る範囲で応じればいいだとか、そこまで飢えてない紳士だとか言ったって、抱くまでしたいって気持ちは間違いなくあるんだろう。
 こちらが本気で嫌がることをしないのだって、生活に支障が出るから胸の開発しないでってお願いを聞き入れてくれるのだって、こんなバイト辞めてやるって言い出さないようにって理由が大きそうだと思う。そうやってこちらが受け入れられることと、嫌だけどうんと甘やかして優しくされたら受け入れてしまうことと、絶対に受け入れられない嫌なこととを見極めている気がする。
 こちらが受け入れられる方法で、少しずつ、彼に侵食されていく。今だって、お尻の開発を受け入れることを、かなり本気で考えてしまっている。
 だっていつか彼に抱かれる日が来ることを、自分はきっと嫌がっていない。彼に抱かれるってことを、不安に思う気持ちもあまりない。無茶されて体も心もボロボロになるなんてことは絶対にないと信じられる。
 だからこそ、お尻の開発が必要なんだって事も、わかっていた。
 結局選んだのは了承で、彼の指示に従って体の中を綺麗にする。何度も繰り返した排泄はその都度一人で、ちゃんとトイレの中でさせて貰ったけれど、薬液やぬるま湯の注入は彼の手でされたし、人生初の浣腸はやっぱりそれなりに苦しくて、最後に軽く体を洗っておいでと言われてシャワーを浴びて出てきたときには、これが準備でこのあと開発本番だなんて嘘だろってくらいに疲れ果てていた。
「お疲れ様」
 柔らかで大きなバスタオルに包まれて、そのまま抱いて連れて行かれたのは、最初に彼が腰掛けていた簡易ベッドだった。しかも直接降ろされるのではなく、自分を抱いたまま彼がベッドに腰掛ける。
「よく頑張ったね。疲れただろうから、少し休憩な」
「このまま?」
 機嫌の良い声が甘やかに響いて、そう聞き返しながらも、瞼は重く既に半分以上閉じていた。
「そ、このまま。眠れそうなら眠っときな」
 優しく髪を梳かれているうちに、意識はあっさりと眠りに落ちる。まさか寝ている間に休憩が終わって、お尻の開発が開始されるなんてことは思っても見なかった。
 下半身の違和感に、ぼんやりしながらもゆっくりと目を開ける。身じろげばすぐに気づいたらしく、彼が俯いて顔を覗き込んでくるから、やっと彼の腕の中で寝ていたのだと思い出す。寝起きのぼんやりはまだ残っていたが、それでも、随分と楽しげな顔をしていると思った。
「おはよ。目ぇ覚めた?」
「おはよ、ございます。あの……」
「これ?」
「ふっ、……ぅぅっ……」
 下半身の違和感が一瞬強くなって、思わず息を詰めて体に力を入れてしまう。そうするとより一層、違和感が強くなるようだった。
「ああ、ほら、力抜いて。怖いことしてないから。痛くなんかないだろ?」
 大丈夫だから深呼吸してと促されて、ゆっくり大きめの呼吸を繰り返す。そうしてすこし落ち着いてから、やっと何をしているのかと訪ねた。聞かなくても、だいたいはもうわかってしまっていたけれど。
「寝てる間のが緊張もなくていいかと思って、少し指で弄ってだけ。今入ってるのは中指が一本。でももう抜くから、もう少しだけそのまま力抜いて我慢な」
「ぁ、ぁぁ……ぁ……」
「はい、終わり。眠って少しは回復できたか? 自分で立って歩けそう?」
 まるで何事もなかったように体調を聞かれ、頷けば彼の腕の中から降ろされる。バスタオルを纏ったままベッド横に立って、数歩足踏みさせられた後で違和感の有無を聞かれた。
「特にない、です」
「よし。じゃあ今日はここまでにしようか」
「えっ?」
「寝てる間に色々されちゃってお前に自覚がないだけで、もう今日は十分働いてもらったから。それとも、物足りないからもっと何か気持ちぃことしてって思ってる?」
 頷きかけたけれど、でもやっぱり疲れているような気もして躊躇ってしまう。シャワーを出た直後のような酷い疲労感がないってだけだ。
「いえ、今日はもう終わりに、します」
「うん。俺もその方がいいと思う。けど、やっぱキスくらいはしようか。今日、気持ちぃこと全然なかったもんな」
 とろけるみたいに気持ちが良いのに、性的にはあまり興奮してこないキスを知っている。きっとそれだと思いながら、再度彼の膝の上に乗るよう促されて従った。
 疲れてるだろうから今日は射精はなしねと言われながら、思っていたとおりのキスをちょっと長めにして貰っていると、今日もバイト頑張って良かったって気になってしまうから不思議だった。

プレイ23話へ→   本編12話へ→

 
 
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雷が怖いので プレイ21

※ ここからは誕生日より少し前の時期になります
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 整骨院やらマッサージ店とかに置かれているものに似た、けれど少し大きめサイズの簡易なベッドに腰掛けた彼と、数歩の距離を開けて見つめ合う。
「始める前に、お願いが、あって」
 緊張しつつもどうにか告げた。だってこれは自分にとってはかなり重大な、今後の大学生活を大きく左右するような問題で、もし彼が首を横に振るなら、バイトを辞めることも考えなければならないと思っている。
「どんなこと?」
 早くおいでと言わんばかりだった相手が、訝しげな思案顔で問うてくる。
「胸、あまり弄らないで下さい」
「前回の、そんなに嫌だった?」
 そんなことないだろと言いたい気持ちはわかる。今までも時々胸を弄られることはあったけれど、前回は随分と執拗に弄られながら喘ぎ泣いて、最後には彼の手の中に気持ち良く果てた。最中は頭の中が沸騰するみたいになって、イヤダもヤメテも恥ずかしいも口走ったけれど、そんなのは今までも散々口にしているし、こんな風にそのプレイはしないでとはっきり告げるような真似はしたことがない。強制的な室内お漏らしですらそうだったのに、胸を弄るだなんて随分と初歩的な行為を拒否されるだなんて、きっと思ってなかっただろう。
 実際、終えてしまえば、行為そのものはそこまで嫌だったわけじゃない。無い胸を揉まれたり、乳首を捏ねられたり、引っ張られたり、舐められたり、噛まれたり。それらの行為を直接キモチイイと感じていたわけではないけれど、快感になる前のゾワゾワは確かに始終感じていたし、自分の胸に吸い付く彼の姿が酷くいやらしかったのと、胸を弄られながら彼の手で巧みに勃起ペニスを扱かれる気持ち良さは格別だった。
 ただ、終えた後に胸の先が少しヒリヒリと痛むくらいに先週の行為は執拗で、そのヒリヒリするような感覚は日曜にはムズムズした感じになって、しかもそれを火曜日くらいまで引きずってしまった。さすがにこのまま相手に好き勝手弄られ続けるのはマズいと思った原因はこれだ。
「嫌だったとかじゃなくて、困るんです」
「困る? って何が?」
「この前、胸、弄られすぎて、月曜になっても感覚が少しおかしいままで、授業に集中できなかった、から」
「ああ、乳首が服に擦れて感じちゃったって話?」
 頷いて、さすがに今後そういう状態になるのは困ると言えば、彼も困ったようにうーんと唸る。
「ものすごく正直に言えば、お前のその反応は、俺の狙い通りなんだけど」
「えっ?」
「乳首開発しまくって、ペニス弄らなくても、俺に胸吸われるだけで射精出来るくらいまで躾けたいのが本音?」
「ちょ、ぜっっったい、嫌なんですけど!」
 予想外のとんでもない計画に、さすがに全力で拒否を示した。
「なにそれ初耳。というか、俺の体、勝手に変な開発するのやめてください」
「んなこと言っても、お前の体なんて、とっくに俺に開発されまくってるだろ。今更何言ってんだ」
「あなた相手に簡単に反応する体になることと、あなたが居ない所でも、バイトと無関係の時にも、勝手に反応する体になることは違うでしょ。ただただ普通に生活してるだけなのに、簡単に感じてすぐ勃起するような体になったら、恥ずかしすぎて学校に行けなくなる。いや、学校どころか、人目があるとこに行けなくなる。そんなのホント、困ります」
「服に擦れないように絆創膏でも貼っておくとかどうよ」
「俺に一生、そういう生活させる気ですか? というか、何が何でも胸の開発続けるってなら、俺、普通の生活が出来る内に別のバイト探すことも考えますけど」
「とか言って、もう俺なしでいられない体に」
「なってません」
 まだ、と脳内で続いてしまった自分の声に、まだってなんだと自分でツッコミを入れてしまう。でも最近は一人でする時も、バイトのアレコレを思い出しながらのオナニーが増えているし、オナニーよりもここでイクほうが、彼によって多少むりやりイかされる時のが、断然キモチイイのも事実だった。
 このバイトを辞めてしまったら、彼に触れて欲しくて身悶える日もありそうだって思ってしまう程度には、既に彼無しでいられない体になっているのかもしれない。
「知ってる。というか愛人ったってバイトだしなぁ。そんな子相手に、俺なしじゃいられない体になられても困るというか責任取りきれないのはわかってんよ」
 なんてことを言ったその直後。
「一応聞くけど、幾らか払ったら、一生乳首に絆創膏生活受け入れる、とかってある?」
 さすが愛人バイトなんて持ちかけてくるだけあって、基本はお金で解決な方針らしい。でも嫌なものは嫌だ。いくら積まれたって、ちょっと布に擦れただけで感じる敏感な乳首になるのなんて嫌だ。
 もし彼に触れられた時だけ感じまくるような開発なら受け入れても良いなと思うし、彼に胸を吸われるだけで射精するほどの快感が得られると言うなら、それに対する興味もないわけじゃないのだけれど。でも既に日常生活というか、今一番大事にしなければならない学業の方に多少なりとも影響が出てしまった以上、なおのこと開発なんてされるわけにいかない。
「もし俺が一億。とか言ったら、出すんですか?」
 なんでもお金で解決できると思うなよと、少々ムッとしつつ言えば、その気はないってのはわかったよと苦笑される。
「残念だな。ゼロ一つ少なかったらちょっとくらいは本気で考えるのに」
 ゼロ一つ減らしたって結構な金額だ。どんだけ金持ちなんだと驚く気持ちはないわけじゃない。ただ、あまりに馴染みがない金額で現実感がないのは、ある意味ありがたいのかもしれなかった。
「考えないで下さい。というか、日常生活を脅かすような開発されるの、いくら積まれたって今後もお断りですからね」
「じゃあどんな開発なら許す? 胸の開発諦める代わりにお尻弄らせてって言ったら、お前、オッケーする?」
 ビックリして、まじまじと相手の顔を見つめてしまう。だって、そんなことを聞かれると思わなかった。
 彼の前で下着を脱がされることは増えたし、ペニスはもちろん陰嚢もいじられ揉まれたりするけれど、それ以上奥にまで指を伸ばされたことはない。でもいつかはそこも弄られてしまう日が来るんだろうと、勝手に思い込んでいた。

続きました→

 
 
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