二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになった8

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※ 洗腸描写あり

 充分に反応を示したペニスを握る手の圧が上がってきたところで、それ以上されたらイキたくなるからと止めさせ、相手の準備を開始する。
「とりあえずそこに手突いて、尻こっち突き出して。あ、足は少し開いてね」
「はい」
「穴、触るよ」
「は、んっ」
 恥ずかしそうな様子はあるが、指示した姿勢にも文句なく素直に従い、位置を確かめるようにアナルに触れた指も、わずかに身を竦めた程度で受け入れている。
 なんだか健気だなと思う頭の中では、過去に準備を手伝ってやった時の、当時彼女だった相手の反応を思い返していた。既に何度か抱いた相手で、年だって近かったから互いに遠慮なんてものはなく、どちらかが手慣れているというわけでもなかったせいで、ぎゃあぎゃあ騒ぎながら準備をした。
 あれはあれで楽しかった気もする、なんて思いを馳せている場合ではないのだけれど。なんせ経験がないわけではないが、今だってさして手慣れているわけでもないのだから。しかも今回の場合、相手に洗腸知識がまるでない上にこの従順さとなると、相当注意していないと絶対に無理をさせるなと思った。
「なぁ、最後にうんこしたのっていつ?」
「今朝、です」
「快便だった? 最近便秘気味とか、逆に下痢気味とか、ある?」
「いえ。とくには」
「了解。ならぬるめのお湯入れてくけど、もし熱いと思ったらすぐ言って。我慢すんなよ」
「はい」
 ずっとチョロチョロと湯を流しっぱなしになっているホースの先を、アナルにぐっと押し付けてやる。
「んっ……」
「お湯、入ってるのわかる?」
「ぁ、は……い……」
「熱くない?」
「だい、じょぶ、……です」
「じゃあ苦しくなったら教えて。無理はしなくていいからな」
「は……い」
 顔は見えないが声は震えてしまっているし、体だってあちこちガチガチで、時折やはり力が入りすぎているのかプルプルと震えている。
 年の差がありすぎるせいか、やはり健気だと思ってしまうし、どうにかして少しでも宥めてやりたくなる。しかしそれをグッとこらえて、黙って様子を見守った。余計なことをして、意識が腹の中に注がれる湯から逸れる困るからだ。
「……ぁ、」
 苦しいの言葉を待たずにさっさとホースの先を退けて、代わりに指の腹でグッとアナルを押さえつける。
「トイレ移動してほしいんだけど、今指離したら漏れそうな感じ?」
「いえ、多分、大丈夫、です」
「わかった。じゃ、トイレ移動して、お腹の中のお湯出していいよ」
 指を離して促せば、多少ヨロヨロとした足取りではあるものの、すぐにトイレにたどり着く。
「朝うんこ出てんなら、お腹の中にうんこ溜まってるってこともないだろうし、なるべくさっさとお湯出しちゃって。音が気になるなら、そこのスイッチ押すといいよ」
 たまたま目についた擬音装置を指して言えば、軽く頷いてスイッチが押される。まぁ排泄音が聞こえなくなるわけではないけれど、気休めにはなるだろう。
「出たらもっかい洗うから戻ってきて」
 多少顔色は悪くなっているが、こちらの指示通り動けているし、酷くショックを受けているという様子もないので、さっさと終わらせてしまおうと思った。
 同じように二度目を終えたあと、戻ってこいと言う前に、排泄物を確認させる。
「どう? 水、汚れてる?」
「そんなには……でも、全く汚れてないわけでは」
「じゃ流さないでこっち戻って」
 曖昧な返答に、仕方がないので自分の目で確認に向かった。覗き込んだ便器の中は、まぁいいかと思う程度には綺麗だったので、そのまま水を流してバスタブの中の相手を振り向いた。
「頑張ったご褒美に体洗ってやろうか?」
「え?」
「それとも気持ち落ち着けるのに一人になりたい?」
「お尻の中、洗うのは?」
「うん、もういい。体洗って、あとはベッドの上でしよう」
 再度、体を洗うのを手伝ってもいいし、一人で出来るなら先に出ていると告げれば、一人でできますと返ってきた。
 やはりと思いながらも少し残念な気持ちになったのは、明らかに疲れた顔をした相手を慰め宥め、よく頑張ったと褒めて甘やかしてやりたい気持ちが湧いているからなんだろう。

続きました→

 
 
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兄は疲れ切っている38

※ 軽めの排泄描写あり

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 嫌そうな呻き声と共に、中からとろりとした半透明の液が少量こぼれ出てくる。そしてその声を聞いたせいで、さっきから時折呻いていたのは、中からこぼれ出る感触が気持ち悪くてということらしいと気づいた。
 なるほど、これは口に出して説明しにくいのも頷ける。体のどこかが痛くて呻いているわけではないというのも、納得だし安心もする。
「中から溢れてくるのって、ちゃんとわかるんだな。シーツも部屋着も汚したって言ってたから、全部出ちゃったのかと思ってた」
 残ってるなら先に指で掻き出そうかと言ってみたら、もう殆ど残ってないはずだから必要ないと、割とガチトーンで返された。確かにこぼれ出てきたのは少量だったし、指を突っ込み掻き出してみたいのは単にこちらの好奇心と下種な欲望だという自覚もあった。それにこれから幾らでもチャンスはありそうだし、とも思う。
 それならばと予定通り、ちょろちょろとぬるま湯を吐き出し続けるホースの尖端を押し付けた。
「んっっ」
「いつもどれくらい入れてるの」
 頭の中で数を数えながら、ストップ掛けてねと言っておく。
 後始末としての洗腸というだけで、無理をさせる気も苦しませる気も欠片だってないけれど、当然初めてなのだから、加減なんてわからない。だったら兄本人に教えて貰えばいい。
 脳内のカウントと、兄の様子と、お湯で膨らむ腹具合はきっちり覚えて、次回に活かそうという心づもりでもあった。
「っ、もっ、それくらい」
 兄の訴えに、素直にホースの先を離せば、ホッとした様子で壁から手を離しこちらに向き直る。排泄するところなんて見せないぞって意味かと思ったら、そのままヨロヨロと歩き出す。
「え、どこ行く気?」
 前準備でトイレと風呂場とを何度も行き来しているなんてことはないはずだけれど、自分がいるせいでトイレまで行く気なのかと思って聞いた。けれどさすがに風呂場を出る気まではなかったらしい。
「どこって、そこ」
 兄の視線の先を追えば、そこにあるのは排水口だった。
 なるほど、と思う。兄が普段しているのは前準備なのだから、汚物も一緒に排泄されてしまう可能性を考えたら、なるべく排水口の近くでというのも納得だった。
 蓋を開けてそこに向かってしゃがみこんだ兄の顔は赤い。追いかけるように近づいて、兄の正面に自分も腰を落とす。
「えっ……」
 ギョッとする兄の頬を軽く撫でながら、約束、と口にした。
「やく、そく?」
「可愛いねってキスしてあげるよ、って言ったろ」
 言いながら顔を近づける。可愛いって囁きながら、ちゅっと唇を吸ってやる。
「どう洗ってるか知らなかったから、お湯が吹き出てくるとこじっくり見てあげようかと思ってたけど、代わりに恥ずかしそうな顔、ずっと見ててあげる」
 少し意地悪かなと思いながらも、この距離ならお湯が吐き出されてくる音も聞こえそうだし、とにっこり笑ってみた。
「は、ちょっ」
 兄はますます顔を赤くしていく。
「我慢してる間も、お湯吐き出してる間も、いっぱいキスしてあげるよ」
 今度は極力優しく笑いかければ、真っ赤な顔がふにゃっと歪む。唇がわなわなと震えているから、可愛いって言いながらちゅっちゅと唇を吸った。
 可愛いねと口づけるのを繰り返せば、やがて兄の体がふるふると小さく震えだす。既に真っ赤でふにゃふにゃな顔が、今にも泣きそうになっている。
「いいよ」
 大丈夫、と囁やけば、兄の口から小さな吐息が漏れて、ほぼ同時に、ぷしゃっとお湯の跳ねる音が聞こえてくる。
「ぁ……ぁぁ……」
 絶望混じりにこぼれ出てくる息を、大丈夫、可愛い、と繰り返しながら吸って、合間にぽろっと流れ落ちた涙へも唇を寄せた。

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雷が怖いので プレイ16

* お漏らし描写有り
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 いくら見せてと言われたって、できるだけ給料に見合うだけの仕事をしたいと思っていたって、これは流されて晒していい行為じゃない。はずだ。
 排泄を晒させるプレイがあることは知ってる。こんなバイトを始めたせいで、自分に降りかかる可能性を考えて前よりもSMに関する知識と興味は増えたと言えるが、痛そうなのや汚そうなのはやっぱり無理って気しかしないし、SMというカテゴリを漁っても極力目に入るのを避けてしまう。
 だからだろうか。強制的に排泄させるのなんて、相手を辱めるのが目的というイメージが強いし、上手にお漏らしできました、なんて聞いたことも見たことも読んだこともない。褒めて貰える行為には到底思えないのに、でも彼の甘やかな声を聞いていると、そう言って褒めてくれそうな気がしてしまう。
「なぁ、わかってる? 我慢しなさいって言ってるのに、我慢できなくて漏らしたら、大学生にもなってみっともないねって話になるだろうけど、今、そういう状況じゃないからね?」
 俺が見せてって頼んでるんだよと、思考を乱す甘い声は止まらず続いていく。
「もちろん、みっともなくて惨めな姿を見たいって言ってるわけじゃない。さっき、オナニー見られて、一人でする時よりずっと気持ちよかったの思い出して。思い出しながら、我慢できずに部屋の中で漏らすとこ、俺に見せてごらん。うんと恥ずかしくてキモチイイおしっこ、経験させてあげるよ?」
「きもちぃ、おしっこ……」
「そう。ご褒美。泣くほど気持ちよくしてやりたいって言ったろ」
 気持ち良くなる前から泣きっぱなしだけどなと苦笑顔が寄せられて、まだ流れ続けている涙をチュッと吸い取っていった。
「だから、ね、見せてくれるよな?」
 促されるまま頷いてしまいそうだったのを、ギリギリのところでとどまる。ご褒美の一つなんて言われてしまったせいで、見られることそのものはもう受け入れていたのだけれど、やはりこの場所でそのまま漏らして見せるには羞恥も躊躇いも抵抗感も罪悪感も大きい。
「トイレで、なら……」
「トイレ連れてったら、するとこは見せてくれるの?」
 今度は迷うことなく首を縦に振った。嬉しそうなありがとうの声に、こちらも良かったなどと思ってしまい、ホッとしたのもつかの間。動きを止めていた手が動き出して体を小さく跳ねた。
「えっ? えっ……?」
「俺に見られる覚悟はできたんだろ?」
「でも、トイレで、って」
 うん、と頷かれながらも、ペニスの先端を爪の先が擽るように掻いてくる。その刺激につられて尿道口が開いてしまいそうで焦った。ゾワゾワして、今にも尿がせり上がってきて溢れだしそうで怖い。
 というか実際いやらしく開閉していて、先走りを零しているような気配があった。時折爪先ではなく指の腹が先端を撫でてくるのが、零した先走りを掬い取っているように思えてならない。
「やだぁ、やだぁああ」
 トイレに連れて行ってくれる気はないと悟って、必死に身を捩ろうとするが無駄だった。当たり前だ。もともと体格差があるし、こちらは三度もイカされ済みで抱き支えられて立っているような状態なのに、その腕の中から逃げ出せるわけがない。
「うそつき。うそ、つきっっ」
 我慢できずに相手を詰った。だってさっき、本心から本気で嫌がったらさせないって言ったのに。こんなに本気で嫌がっても、止めてくれる気配が欠片もない。
「トイレ連れてってやるとは言ってない」
「ち、がうっ。本当、ヤなこと、させないって、言った」
「ああ……本当の本気で、ここじゃお漏らししたくないって、言いたいの?」
 思いっきり頭を縦に何度も振った。
「おしっこするとこ見られる覚悟が出来てて、なのにここでは出来ない意味がわからないんだけど」
 不思議そうに聞かれることが不思議で仕方がない。
「ここは俺の家の俺の部屋で、俺がいいって言ってるどころか、この場所でしてってお願いまでしてるのに、何がそこまで本気で嫌なの?」
「だって、だって、トイレじゃ、ない、しっ」
「でもここ、プレイルームだぞ? そういうのも想定して作られてる特別な部屋だし、さっきも言ったけど、お前を惨めにさせるためにここで漏らさせようとしてるわけじゃない。漏らしたものをお前に見せつけて辱めるつもりもないし、後始末だってお前にさせたりしないよ。それに」
 ここで漏らせたらうんと褒めて可愛がってあげるという言葉が、脳の奥を痺れるみたいに蕩かせた。同時に、先端の割れ目にグリッと爪先が入り込む。体を支えるように胸の前に回されていたはずの手がいつの間にか下がっていて、腹部をグッと押し込んでくる。
「大丈夫だから、イッちゃいな」
 まるで射精を促すみたいな言葉で、けれど我慢しきれずに弾けさせたのは当然白濁液ではなく黄色い小水に他ならない。プシっと勢い良く漏れ出たそれは、彼の指先を汚しながら一部あちこち飛び散り、大半は床へと流れ落ちているようだった。
「ゃぁああああ゛あ゛っっ」
 漏れ出る尿の音を聞きたくなくて声を張り上げる。もうどうにもならない。出始めてしまった尿を途中で止めることなんて出来ない。
 ずっと叫び続けるわけにもいかず、声を途切れさせれば下方で水滴が跳ねるような音がして遣る瀬無かった。耳を塞ぎたくても壁につけた両手を剥がせず、逃げるように目をぎゅっと閉ざす。
 先端を抉って誘発した爪先は、慰撫するように尿道口の周りを撫で続けている。ゾワゾワとした気配が尿意を誘い続けると同時に、ペニスの先端から甘い痺れを送り込んでくるみたいだった。
「ん、上手。かなり我慢してたね。なかなか終わらない」
 終わらないのは彼の指のせいも大きいと思う。もちろん、そんなことを言える余裕はなかったけれど。

続きました→

 
 
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BAD END回避(スライム姦)

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 自分が魔界の見世物小屋と思しき場所へ連れてこられ、スライムたちに陵辱される日々を送るようになってからどれほどの時間が流れたのかは定かではないが、その生活はある日唐突に終わりを告げた。
 それは体を宙に持ち上げられ、大きく開かされた足の間から腹に詰まったスライムたちが、自重によって落ちていくショーの真っ最中で、ずるりぬるりと腸壁を滑っていくスライムたちのおぞましい感触に呻き喘いでいた時だった。
 気持ちが悪いと思うのに、ゾクゾクと背筋を走る快感は、ここでの日々の中で覚えこまされたものだ。
 何を言っても叫んでも懇願しても無駄だった。何もかもとうに諦めきっていて、口から漏れる言葉は失くし、ただ苦しさに呻き快楽に喘ぐ。何も考えず体の示すままに声を漏らすのが楽だった。
 初めは何が起きたのかさっぱりわからなかった。
「あっ…んんっ、ぁ…ひゃっ?……んぁぁぃゃあああっっ」
 体の中からゆるりと落ちていたスライムたちが、急速に動いて次々と体外に排出して行くから驚いて、その感触に久々に大きな悲鳴を上げてしまった。
 宙に吊るされていた体も無造作に床へ下ろされて、体に纏わり付いていたスライムたちがそそくさとどこかへ消えていく。一切の拘束が解かれるのは、この場所へ連れてこられてから初めての事だった。
 ふと気づけば、先程まで目の前に並び、下卑た様子でこちらを見ていたモンスターたちの姿もない。ぼんやりと見回す室内では、客と思しきモンスターたちが慌てた様子で逃げ惑っている。
 自分も逃げるなどという思考も体力もなく、そのまま呆然と逃げ惑うモンスターたちを眺めていたら、肌をウロコで覆われた大柄な二足歩行のモンスターが近づいてきた。見た目の特徴的に雄の竜人とわかってはいるが、ここまで大柄な竜人と対峙するのは初めてだ。
 かつて戦ったことがある竜人は、せいぜい自分の背丈と同じくらいだったし、もちろんこちらは何人もの仲間が居た。それでもさすが竜人と思わされる強さだったし、戦闘態勢を整えた状態で出会うならまだしも、こんな状態で出会った所で何が出来るわけでもない。
 むしろこれはチャンスかもしれないと、わかりやすく怒気を孕んだその姿に、一筋の希望を見た気がした。
 近づいてくるのを黙って見上げていたら、その竜人は目の前にしゃがんで顔を寄せてくる。まるで瞳の奥の何かを探ってでも居るようだ。
 見るからに屈強そうな体躯をしていたし、こちらを射抜くように見つめる眼光も鋭いのに、何故か欠片も怖いとは思わなかった。卑猥な目的で近づいてきたのではないことがはっきりとわかる、彼の澄んだ瞳のせいかもしれない。
「意識ははっきりしているか?」
 久々に聞く人の言葉だった。体の大きさからも、周りを圧倒する力強い気配からも、相当高度な種族だろうことは感じていたが、目の前の竜人はどうやら人語を操るらしい。
 随分と流暢に人語を話すのだなと、場面に似合わずのんきにそんな事を思った。
「ダメか……」
 がっかりした様子のため息と共に立ち上がりかける竜人に慌てて手を伸ばす。とは言っても、久しく拘束される事に慣れきった体の動きは緩慢だ。
「待って」
 諦めきって喘ぐ以外に言葉を発しなくなっていたせいか、それだけの短い単語ですら、舌がうまく回らない。
「話せるのか!?」
「殺して、くれ」
 驚きの声からも僅かに動いた表情からも明らかだった喜色は、こちらの発した言葉ですぐさま霧散してしまった。
 すっと顔を逸らした彼は立ち上がり、遠くへ向かって何事か吠える。それは人の言葉ではなかったから、彼が何を言ったのかはわからない。
 やがて駆け足で近づいてきたのは、打って変わって随分と小柄な竜人だった。まだ子供というよりは、きっとそういう種族なのだろう。その小柄な竜人へ何事か託すと、それきり彼は居なくなってしまった。
 一旦姿を消した小さな竜人は、やがて清潔そうな布を抱えて戻ってきた。その布で裸の体を包まれた後は、軽々と言った様子で抱き上げられる。
 並んで立ったら自分の背丈の半分程度しかない体躯のくせに、やはり竜人だからなのか凄い力だ。
「お前、あばれる、しない。わかった」
 先ほどの彼ほど流暢ではないが、こちらの彼も多少人の言葉を話せるらしい。片言でも暴れるなという警告は理解して、わかったと返して頷いてみせた。
「お前、運いい。たすかる」
 こちらを気遣ってかゆっくりと歩き出しながらそんな言葉をかけられて、やはりこれはここに囚われている人間たちを救い出すための動きらしいと認識した。
 人を助けるのかと思うと不思議だったが、人間界にも囚われ無体な仕打ちを受けているモンスターたちを保護する活動がないわけではないから、きっと似たようなものなのだろう。
 助かりたかったわけではないのだが、どうやらこのまま殺して貰えそうにはない。それでもスライムたちに嫐られるためだけに、ただただ生かされているような日々から抜け出せることは、確かに幸運なのかもしれないと思った。

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サーカス6話 クスリの排泄

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 コンコンと部屋の扉が叩かれる。
「入ってこい」
 机の上の写真を握りつぶしたビリーは、それをゴミ箱に放りこんでから入室の許可を与えた。
 ゆっくりと扉を押し開いたのは、セージではなくガイ自身だった。
 前と変わらない、何か強い意思を秘める瞳。だから同じように、ビリーもガイを前と変わらぬ冷たい視線で射抜く。
「ここに帰って来るということが、どういうことか。分かってるんだろうな?」
 その視線をしっかりと受け止めながら、ガイは黙って頷いた。
「服をすべて脱いで、こっちへ来い」
 一瞬のためらいさえ許さない口調に、ガイはおとなしく服に手をかけていくが、その様子を見ていたセージは驚きに目を見張った。
「ビリー……?」
「セージ、席を外してくれ」
「でもビリー、ガイは戻ってきたばかりでまだ身体に傷が残ってる状態なんだよ。もし、これ以上ガイを傷つけるようなことをするつもりなら、僕はガイを自分の部屋へ連れていく」
「今のお前に、そんなことをする権利はないだろう?」
「なくても、放っておけない」
 セージは服を脱いでいくガイの腕をとってその行為をやめさせる。けれどガイは、セージを見上げながらゆっくりと首を横に振る。
「ええねん。こうなることはわかっとったし。それでも、ここに、帰って来たんやから」
 だから平気やと、ガイはほんの少しだけ微笑んでみせた。それを見たビリーは、わずかに眉を寄せる。ガイの笑顔など、初めてだったからだ。
「セージ……おおきに。また、会えるとええな」
「会えるよ。会いに、来るから」
 目尻に涙をためたセージは優しく微笑んで、ガイの額に小さなキスを一つ落とした。擽ったそうに身を竦ませたガイは、それでも一瞬、瞳の中に嬉しさを滲ませる。
 ビリーはその一瞬を見逃したりはしなかった。
「セージ」
 呼んだ名前は、やはり咎めるような響きだった。
「出ていくよ。でも、本当に……」
 何かを言いかけて、けれど。
「君を、信じてるよ。ビリー」
 ビリーにも同じように優しい笑みを向けて、セージは部屋を出て行った。
「チッ」
 扉の閉まる音にまぎれてビリーがもらした舌打ちは、ガイの耳には届かなかった。
 
 
 口内に放たれたものをむせることなく飲み下したガイは、ホッとして肩の力を抜いた。
「イイコだ、ガイ」
 その言葉に驚いて、ガイは顔をあげる。ビリーがそんな風に言葉の上だけでもガイを褒めたのは初めてだった。
 一瞬見せた期待に応えてやったほうが良いのか、ビリーも瞬時に考える。けれど結局、そんなのは自分に似合わないだろうと結論付けた。
 セージのように優しく微笑んでなんてやれない。
「ずいぶん上手くなったもんだ」
 作りやすいのは、蔑むような表情。ガイの瞳の中、明らかに落胆の色が見て取れる。
「他にも色々教わってきたんだろう?」
 先ほどセージに見せた微笑が脳裏に過ぎったが、意識的に掻き消した。
「ココで、相手を喜ばす術も、仕込まれて来たのか?」
 ビリーはガイを引き寄せると、言いながらその場所へと指を這わす。
 ガイの身体がピクリと震えた。仕込むという言葉が当てはまるほど、丁寧に扱われてはいなかっただろう。ビリーが確かめたいのは、むしろ傷の具合だった。
「言え」
 震える唇から言葉は生めず、ガイは辛うじて首を縦に振る。
「なら、次はココで楽しませて貰おうか?」
「ぅっ……」
 指先を潜り込ませれば、息を詰めて身体を強張らせる。
「力は抜いておけ」
 一応そう声を掛けながらも、緊張したままのガイに構わず、ゆっくりと奥を探っていく。指に触れる違和感に、すぐにビリーは眉を寄せた。
「……んっ、ふぅ……」
 小刻みに震えるガイの体と、こぼれ出す熱い吐息に、確信を持つ。
 ビリーはガイの体の中を探っていた指を引き抜くと、ガイの腕を掴んで立ちあがった。うるんだ瞳から、今にも溢れてしまいそうな涙は見なかったことにして、顔を背けたビリーはそのまま引きずるようにガイを部屋の隅に造られたシャワールームへと引っ張って行く。
「この、バカが……」
 焦りが滲み出た強い口調に、ガイの身体が怯えて竦む。
 バカなのは俺か……
 そんな自嘲めいた思いを抱えながら、ビリーは狭いシャワールームにガイを押し込んだ。戸惑うガイを放置したまま、フックに掛かったシャワーを手に取ると、ヘッドを外してからお湯の温度と流出量を調節する。
「壁に手をつけて、ケツをこっちに向けるんだ」
「何、する気やの……」
 震える声にようやくガイの顔をまっすぐに見つめれば、そこにあったのはいつも見せる強気の瞳ではなかった。本気で、怯えていた。
「入れられた薬を洗い流すに決まってんだろ」
「い、嫌や!」
「そのままにしてたら、気が狂うぞ?」
 子供相手に使うような物ではない媚薬。それがたっぷりとガイの腸内に注がれていた。
 館ではこんなことまでが日常なのだろうかと一瞬考え、さすがにそれは否定する。ただ、この酷く扱いにくい子供を今後も調教していかなければならないビリーに対する心遣いだというのなら、余計なお世話もいい所だ。
「それでも、ええ」
「お前が良くても、俺が困るんだ」
「お願いや……中、洗うんは、堪忍して……」
 すっと視線を逸らせたガイから、細く吐き出されてくる声は、やはり震えている。『お願い』などという言葉をガイの口から聞く日がくるとは思わなかった。
 目の前で震える小さな身体を、優しく抱きしめてやりたい衝動がビリーを襲う。そう出来ない代わりに、ビリーは努めて柔らかな口調で尋ねた。
「残念だが、わかった……と言ってやれる状況じゃない。しかし、何がそんなに嫌なんだ?」
 館に居る間、経験した相手の数だけ、身体の中を洗うという行為も繰り返されていたはずだ。毎回この調子で嫌がっていたとは思えないし、そんなことは許されないだろう。
 ガイはキュッと唇を噛んで、答える事を拒んでいる。
「言えないならそれでもいいが、とにかく薬を洗い流すから背中を向けろ」
 フルフルと首を横に振るガイに、ビリーは溜め息を一つ吐き出した。
 やはり、力尽くでやるしかないのか。諦めて伸ばした手を、ガイの手が力なく払う。当然、そんなものはたいした障害にはならなかった。
 入り口にビリーが立ち塞がっている状況のシャワールームに逃げ場などない。ビリーは無言のままガイの身体を捕らえると、後ろを向かせて腰を抱えあげる。
 チョロチョロと流しっぱなしになっていたシャワーホースを掴んで、その先を入り口へと押し当てた。
「やっ! 嫌や!!」
 逃れようと暴れる身体を、ビリーは強い力で押さえつける。ガイの嫌がる声だけが大きく響く中、ビリーは頃合いを見計らって、一度目の排泄を促した。ビリーの服の裾を強く握り締めて、ガイは必死で頭を振る。
「何我慢してるんだ。いいから出せ」
「やぁ……ぁぁ……」
 トロリとした薄紅色の薬と湯が混ざり合って流れ出し、排水溝へと吸い込まれていく。ぐったりと力の抜けた身体がズルズルと崩れて行くのを、ビリーは慌てて支えてやった。
「しっかりしろ。まだ終わっちゃいないんだぞ」
「も、堪忍や……」
 こぼれる涙を隠すように、ガイは腕を上げて目元を隠す。
 ビリーは腕の中の身体を抱えなおすと、確認するようにガイの中へと指を埋めた。先ほどの排泄で緩んだ入り口は、こぼれ出た薬の滑りもあって、やすやすとビリーの指を受け入れる。
「あっ、あっ、なにを……?」
 ガイの身体が大きく弾む。
「湯で洗われるのが嫌なら、指で掻き出してやる」
「そんなん、あっ、ああん」
 溢れてしまう嬌声に、ガイの顔が羞恥で赤く染まった。
「感じるのは薬のせいで、おかしな事じゃない。イきたければイってもいい」
 幼い身体でありながらも、明らかに快楽を示し始めたガイに、ビリーはそう声を掛ける。しかしやはり、ガイは困ったように首をふるだけだった。
 それでもだんだんと、先ほどのように、ただ嫌がってもがくのとは少し違った反応に変わって行く。
「どうした?」
 あふれ出る嬌声すら枯れて、苦しそうに短く息を吐き出し始めたガイの顔を覗きこんだビリーは、その泣き顔に思わず息を飲んだ。顔中を涙で濡らしたガイは、どうやら自分の中に湧きあがる快楽の波を持て余しているらしい。
 他人のモノを口に含んでイかせることも覚えたくせに、自分の精を吐き出す術をまだ知らないのだ。気付いて苦笑を洩らしたビリーは、ガイの幼い性器へもう片方の空いた指先を伸ばした。
「……ぃ」
 力の入らない身体を捻って、それでも逃げようとするガイの零した呟きは『怖い』。
「大丈夫だ。心配するな」
 言いながら、涙の滲む目元へ、頬へ、優しく唇を押し当てる。そうしながら、手の中のモノをイかせる目的でゆっくりと扱いていく。
「あっ、ああっ……」
 ビクビクと身体を震わせてガイは意識を手放してしまったが、その手を汚すモノはない。
 そこまで子供だったのだと思い知らされるようで、胸の中に広がる罪悪感。それを振り払うように、ガイの身体を軽く洗ってやったビリーは、柔らかなタオルにその身体を包んで抱き上げた。

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