可愛いが好きで何が悪い37

1話戻る→   目次へ→

 ジッと見られると照れるだとか緊張するだとか言いながらも、ローションの扱いには躊躇いも戸惑いもなく、手早く準備を終えたらしきローションまみれの手が股の間に伸びてくる。
「まずは触るだけね」
 いきなり突っ込んだりはしないから大丈夫と言われても、さすがに身構えずにはいられない。
「うっ」
 ぬるぬるの指先が肌に触れた瞬間に小さく呻いた。ゾワッと腕のあたりが粟立つのがわかる。
「冷たかった?」
「つめたくは、な、ぁっ」
 指の腹がキュッと尻穴に押し当てられて、多分反射で身が竦む。
「どう?」
「どう、って」
「くすぐったいとか、気持ち悪いとか。怖い、とか」
 言いながら、ぬるぬると滑る指先が尻穴を何度も行き来して、その周辺をベッタリとローションで濡らしていく。
 確かにくすぐったさも、慣れない気持ち悪さもある。人の手でそんな場所をまさぐられるのが初めてなのだから、未知の体験に恐れる気持ちもある。でも。
「ぞわぞわ、する」
「うん。鳥肌すごいたってる」
 気持ちぃの? と尋ねる相手の興奮がわかるから、多分、と曖昧ながらも肯定しておく。
「怖くないなら、少しずつ挿れていくけど、いい?」
 ここに、と言いたげな指先が、尻穴をトントンと突いている。
「ああ」
 頷いて身構えたのに、指先は尻穴を突くばかりでなかなか入っては来なかった。周りに塗りつけたローションを集めて穴の中へと押し込めるような動きを何度もされている。
 少しずつ押し込む時に触れる圧が高くなって、再度離れて動き出すまでの時間が長くなってはいるものの、入り込もうという強い意志は感じない。
「挿れないのか?」
 だんだんと慣れていくのに合わせて、身構えるのにも疲れてしまって、頭の中の疑問を相手に向かって投げてみた。
「挿れてるよ。かなりちょっとずつだけど」
 ほら、さっきより少し深く入ってる、と言いながら、指先がぐっと尻穴を押してくる。しかし、押されてるとは思うが、指が入っているという感覚はない。と思った瞬間。
「あっ……」
 つぷっと指先が肉の輪を抜ける感覚がして声を上げた。
「入った感じした?」
「してる」
「痛くない?」
「ない」
「ん、良かった」
 痛くないならもうちょっと挿れさせてねと、そのままぬるっと指が入り込んでくるのがわかる。入っている、というのはわかるが、思ったよりも異物感は少ない。
「なんだこんなもんか、みたいな顔してる」
 ふふっと笑いながら指摘されたけれど、そう思っているのも事実ではある。
「思ったよりイケそう、かも。てかもちょっとペース早めても、多分、イケる」
「そうだね。もうちょっと慣れたらね」
 初めてなんだからじれったいくらいがちょうどいいよと言い切って、埋めていた指をゆるゆると時間を掛けて引き抜いていく。挿れられるときよりも、ゾワゾワと肌が粟立つ感じがした。
「んんっ」
「気持ちぃ?」
「たぶん」
 やっぱり曖昧に肯定を返したけれど、相手は満足そうに頷いている。
 そうして何度もゆるゆると指を抜き差しされて、じわじわと体の熱が上がっていく。こんなもんかという余裕が無くなり、実感として「じれったい」を感じるようになって、もどかしさに腰が揺れた。
「ちゃんとお尻で感じられてるね」
 良かったと嬉しそうに笑われると、恥じらいやらが安堵で塗りつぶされる気がする。
 初めてで感じるようなものじゃないだろ、とか、お前は気持ちよくなれなかったって言ってたよな、とか。しっかり感じているらしい自身の体に対する疑問がないわけではないのに、頭の片隅に浮かぶその疑問は、相手の嬉しげな笑顔に押しやられて言葉になって漏れることはなかった。
 気持ちいいに集中できるかどうかは気持ちの問題とは言っていたが、恋人の嬉しそうな笑顔、というのは自分にとってはかなり大きな要因だと思う。もちろん、経験を生かした相手のテクによって引き出されている部分も、間違いなく大きいのだろうけれど。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

童貞が二人 3

1話戻る→   最初から読む→

 左手をそれぞれ相手の肩に置いて支えあい、ローションまみれの右手で相手のアナルを弄る。取り敢えずでゆっくりと、少しずつ押しこむように埋められた中指に痛みはない。同じように中指を埋めた相手も、特に痛みは感じていないようだ。
 まぁ普段出てくるものの太さを考えたら、指一本くらいなら、そんなものなのかもしれない。
 始めは相手の出方を探るように、弄られているという感覚と、相手を弄っているという感覚に差があったのだが、その差はだんだんと縮まっている気がする。相手のその場所がキュッと閉まるのとほぼ同時に、自分も相手の指を締め付けてしまうから、まるで自分で自分のアナルを弄っているような気分になってくる。
 なんだか混乱してきた。更にはクチュクチュと湿った音と、互いに吐き出す熱い息の音とが頭の中に響いて、混乱がますます加速していく。
 今のところ、弄られている場所に気持ち良さはない。むしろキュウキュウと吸い付くように締め付けられる指のほうが、断然気持ち良いと思う。
 ここに突っ込んだら絶対キモチイイ。
 そう思ってしまったら、ペニスが反応して固くなっていくのがわかる。ふと視線を落とせば、相手のペニスも当たり前のように上を向いていた。
「どう? きもちくなって来た?」
 視線を落とした事に気付いた相手から言葉が掛かる。
「気持ちぃのはどっちかって言ったら指」
 正直に言えば、わかるーと言って笑われた。
「穴はやっぱ微妙だな」
 言えばやっぱり、だなぁと肯定が返ってきた。これ、決着つくのか?
「でも思ったより痛くはない、かな。ちょい拡げる方向に行ってみていい?」
「あ? ん、うん」
 混乱しながらの会話に、ぼんやりと決着つかなそうとか思っていたせいで、思わず頷いてしまった事を後悔したのはその直後だった。
「ちょっ、待って待って待って」
「痛い?」
 痛くない。というかまだ、二本目は入って来たといえるほどの侵入を果たしていない。
 でも痛くないけどなんか変だ。いや元々その場所を弄られるのは変で妙って感じだったけど、埋まっていない他の指先でクッと拡げるようにシワをのばされて、既に埋まっている指に沿って侵入して来ようとするもう一本が肌に触れた瞬間、ゾワリと鳥肌が立って力が抜けそうになった。
 どう表現していいかわからず、痛くはないという意味もあって取り敢えず首を振ってみる。相手はやはり意味がわからないと言いたげな顔をして、あろうことか入れようとしていた二本目で、入口を優しく撫でてきた。
「んぁぁぁああっ」
「えええっっ!?」
 相手が驚きで声を上げたが、自分自身驚きまくりだし、何が起きたのかもわからない。
「んあぁっ、ちょっ」
 確かめるように再度添えられた指を動かされ、相手の肩を掴む左手にギュウと力を込めてしまった。
「あ、ちょっとわかった、かも」
 これだろ? と言った相手は、こちらの肩へ置いていた左手を外して股間に差し込んでくると、既に埋まった中指の周りをクルリと撫でたようだった。
「んんんんんっっ」
 咄嗟に口を閉じたけれど、盛大に感じてしまったことは隠しようがない。肌は粟立ちっぱなしだし、体の力はかなり抜けかけているし、目に涙が浮かび始めたことも自覚できている。
「あーごめんごめん。予想以上だった」
 差し込まれていた左手が去っていき、宥めるように目尻に相手の唇が落ちた。
「お前もしてみる?」
 同じ風になるかわかんないけど、と続いた言葉に首を横に振る。やってみたくないわけじゃない。ただ、今の状態ではそれどころじゃないというだけだ。
「むり……」
「それは感じちゃったからギブアップ、て事でいい?」
「やだ」
「おおおおい。なんでだよ」
 感じたよね? と言う問いかけは取り敢えず無視だ。
「だって中、良くなったわけじゃない」
「それは屁理屈に近い気が……というか、そもそもお前、続けられそうにないよな?」
 その通り。と認めてしまうのが悔しくて睨みつければ、相手は少し困ったような顔をしつつも、隠し切れない笑いでじわじわと表情を変えていく。
「負けず嫌いかっわいい! けどさ、今日の所は諦めて俺に任せない? 指でされんの、痛くなかっただろ?」
「入れたの指一本だけだろ。てか怖いって」
 指一本とペニスじゃどれだけ質量に差があると思ってんだ。
「いやいやいや。いきなり突っ込むとかしないから。まだまだちゃんとじっくり慣らすって」
「……怖い」
「えー……じゃあ、俺がそろそろ入れられそうってくらいまで慣らした後も怖かったら、そこで止める。いつもみたいに抜きっこしよ。でも怖くなくなってたらそのまま合体」
 それでどうよと言う提案に渋々頷いた。言ったことを反故にして、むりやり突っ込んできたりはしないだろう、と思えるくらいの信頼はしている。
「じゃ、取り敢えず、俺の中の指はそろそろ抜いて欲しいかな」
 体勢的にもきつそうだし横になろうよという優しい誘惑に再度頷いて、相手の中に埋めていた指をゆっくりと引き抜いた。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

今更嫌いになれないこと知ってるくせに16

1話戻る→   目次へ→

 イかせてという要求を素直に飲むつもりはない。握ってはやったが、達せるほどの刺激は与えなかった。
 まだイけないという事に気づかれる前に、少し冷たいぞと声を掛けてから、直接尻肉の間にローションを垂らす。そうしてから、今度は先程までと逆の手をその場所へ押し当てて、萎えてしまわない程度に前を扱きつつ揃えた2本の指を押し込んでいく。
「ふぁっ、はっ、ぁあっ、んぁあ」
 最初だけ苦しげな息が漏れたが、前と後ろとを同じリズムで弄ってやれば、すぐにまた甘くとろけた声を発する。気持ちが良いかを尋ねれば、躊躇いなく気持ちが良いと帰ってきた。
「ん、イイ、きもちぃっ、あ、ああ、……」
 一段と声が高くなり腿に力が入ってきたところで、前の手を離しつつ後ろの手の動きを一切止めれば、昇りつめる事が出来なかった甥っ子の悲壮な戸惑いが強く伝わってくる。
「な、なんで……いじ、わる……?」
 泣きそうな掠れ声がまた意地悪なのかと問うので、極力優しく伝わるようにと思いながら否定を返した。
「違うよ。もっとこっちが気持ち良くなれてから」
 言いながら後ろだけ先に動きを再開させる。
「大丈夫。もうすぐもっとお尻で気持ちよくなるから、ちょっと我慢しながら、楽しみにしてな」
 それからまた、前後同時の刺激を達しそうになるまで続けては、最後の刺激を与えないという事を何度も繰り返した。
 我慢しきれずにイきたいイかせてと繰り返し始めたところで指を3本に増やせば、さすがにキツそうで、手の中のモノが少しばかり勢いを失くしてしまう。
「くっ、あっ、ぅぅっ」
「痛みはない?」
 問いかける言葉は届いているようで、何度も頷く頭が揺れた。苦しいかと問い直せば、やはり同じように頷いてみせる。
「指3本、初めての太さだもんな。でももう根本まで入ってる」
 これ以上太くはならないよと言いながら、埋めた指は動かさず前だけを弄ってやった。
「ん、ぁぁ…ぁあ……」
「うん。ちゃんと可愛い声も出せるな。また気持よくなれそうか?」
「ぁっ、んんっ、だい、じょぶ…た、ぶん、…ぁあ」
「次気持よくなれたら、今度こそイッていいからな」
 そうは言ったものの、さすがに今度は先ほどと同じレベルまで熱が戻るには、少しばかり時間がかかった。
 それでもゆっくりと何度も繰り返すうちに、甘えた声がもうイかせてと頼み始める。そうなってからは、前に回した手だけギリギリで離し、後ろに埋めた指は動きを止めずに中を突き続けるようにした。
 そんなことを数回繰り返したところで、こちらの意図はすっかり相手にも伝わったようだ。
「あ、ああ、ま、えっ、まえっ、やめな、いで…さわっ、てぇ」
「お尻だけでも、もう気持ちいいだろ?」
「やっ、やっ、こわ、い…まえ、もっ、…あ、あぁ…おねっ、がい…」
「んー、じゃあ、手ぇ離してる間はここ弄ってあげよう。ああ、ほら、乳首もピンピンに勃起してるな」
 一切触れていなかった胸の先を、爪先で掻いて捏ねるように押しつぶす。
「あああん、やぁああ」
「今、お尻凄くシマッたよ。キモチイイんだな」
 もう片側へも手を伸ばし、今度は親指と人差し指で摘んで軽く引っ張りながら、指の腹を擦りあわせて挟まれた乳首を転がした。
「やぁっ、だめっだめぇ」
「ダメじゃないだろ。大丈夫だからこのままイッてごらん?」
「ひぅっんんぁぁあやぁぁあ」
 前屈みになり相手の頭に顔を寄せて、凄く可愛いよと囁きながらダメ押しで耳を舐ってやれば、ガクガクと体を震わせて昇りつめたことがわかる。
「はい。良く出来ました」
 一回抜くぞと声をかけてから、埋めていた指をゆっくりと引き抜いた。
 用意していたタオルで自らの指を拭いた後、途中何度も継ぎ足して背中と尻肉に零れたローションを拭ってやって、それからそっと横臥する相手の肩を掴んで引き倒す。一瞬抵抗を感じたが、すぐに素直に従い仰向けになった相手は、羞恥と戸惑いと疲れとを混ぜた表情を見せながらも、どこかぼんやりとしている。
「どうする? 少し休憩しようか?」
 ドロドロになった相手の股間も軽く拭ってやりながら問いかければ、ようやく視線がはっきりと自分を捉えるのがわかった。

続きました→

あなたは『「今更嫌いになれないこと知ってるくせに」って泣き崩れる』誰かを幸せにしてあげてください。
http://shindanmaker.com/474708

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

今更嫌いになれないこと知ってるくせに15

1話戻る→   目次へ→

 指2本がキツイと言っていたから、なぜ苦しげな息を吐いたかはすぐにわかった。
「待って。ストップ」
 慌てて止めれば、羞恥に耐え切れなかったのか途中からずっと下ろしていた瞼を上げて、なぜと言いたげに潤んだ瞳を向けてくる。
「気持ちいい所まででいいから」
「でも……」
「気持ちよくなりすぎてイきたくなる?」
 尋ねれば、躊躇いがちにだけれど、肯定を示すように頷いた。やはり感じすぎてしまわないように、指を増やして自ら広げていく方向へ移行したようだ。
「じゃあちょっと俺と交代ね」
 体勢はそのままでいいよと言って、横臥する甥っ子の背後へまわる。ローションを手のひらに多めに垂らしてから、それを送り込むようにしながら、少しだけ開いた後ろの口へ中指をゆっくりと埋めていく。
 緊張からか甥の体はかなり強張っていたし息も詰めているようだったが、さすがに直前まで本人の指が埋まっていたその場所は、指の1本くらいならローションの滑りを借りて難なく収まるようだった。
 取り敢えず根本まで埋めてから、少し待って甥の様子を探る。初めて他人に触れられたのだと思えば、仕方がないどころか可愛らしくもあるが、浅く短く繰り返す呼吸に、やはり緊張が酷いようだと思った。
「深呼吸して。別に痛くも怖くもないだろ?」
 もう片手で肩と背中を撫でてやりなが促せば、少しづつ呼吸が変わっていく。
「そのまま呼吸続けて。俺の指でも、キモチクなろうな」
 言いながら、ゆっくりと指を引き抜いた。抜けてしまわない程度に引きぬいた後は、またゆっくりと中へ埋めていく。
 見ていたと言っても、その場所を弄る指を注視していたわけではない。というよりも、角度的にそんなものは見えていなかった。ただし手や腕の動きから、気持ちが良いだろう速度をある程度は推測できる。
 様子を見つつ、その気持ちが良いであろう速度を保って抜き差しを繰り返せば、一度熱の上がった体はすぐにも快感を思い出したようだった。
「……ぁッ」
「いいよ。また気持ちよくなってきたね」
 可愛いよと声をかければ、背後からでも少し嫌そうに首を横に振るのが分かった。
「本当に可愛いのに」
 相手には確実に見えていないが、少しだけ口を尖らせて拗ねた口調で告げた後、前屈みになって先ほど撫でてやった肩にガブリと齧りついた。
「んああっ!?」
「ちなみに今のは俺からすると意地悪の部類な」
 驚きで大きく上がった声に満足しながら少しだけ笑ってしまったら、ヤダよと今にも泣きそうに弱々しい声が返される。
「意地悪されたくないなら、もっと可愛く啼いてごらん?」
「わ、っかんな…い、ぁ、んっ、ムリっ」
「簡単だよ。素直に気持ちいいって言えばいい」
「ぁあ、…ああんっ、んっ」
「気持ちいいだろう?」
 そういう声を出してるよと指摘しつつ、何度か問い直せば、やがてその口から気持ちが良いとこぼれ始める。
「あ、ぃいっ、…ん、キモチ、いっ」
「いい子だ」
 頭を撫でてやったら、声のトーンが少しばかり上がった気がした。
「あっ、あっ、にー…ちゃ、きもちっ、きもちぃよぉ」
 いい子だ可愛いと繰り返しながら、空いた手で主に上半身の触りやすい場所を優しく撫で擦りながらゆるく刺激してやれば、声音はどんどん甘えを含んでいく。
「ぁあ、も、イきたい…前、さわ、って…イかせてぇ」
 甘ったれたすすり泣きの懇願に、一度指を引きぬきその手を前に回して、ガチガチに張り詰め先走りをトロトロと零して濡れるペニスを握ってやった。

続きました→

あなたは『「今更嫌いになれないこと知ってるくせに」って泣き崩れる』誰かを幸せにしてあげてください。
http://shindanmaker.com/474708

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

脅されて高校生に買われています

キスのご褒美で中学生の成績を上げていますから続いていますが、単体でも読めると思います。

 アパートの壁が薄いから、声をなるべく発してしまわないように、両手で口を押さえて必死で耐えている。
 くちゅり、くちゃり、と時折小さく音を立てているのは自身の肛門からで、今日は束ねてゴムを被せたペンが出入りしているはずだ。
 結局何本入れられているのか、増やすたびに実況する声だけは耳に届いていたが、とてもじゃないが覚えていられない。その場所がどんな風に拡がり緩んでいくかもつぶさに語ってくるので、そんなものは知りたくないし聞きたくなかった。だから、相手の声は音として耳に入っても、なるべく聞き取らないようにしていた。
 彼にとって自分のこの体は、単なるオモチャでしかない。
 彼には、こちらの性対象が男であることも、抱かれる側になる方が圧倒的に多いことも、知られている。知られたその時にさっさと逃げて、彼との縁を切ってしまわなかったことが本当に悔やまれる。
 あの時彼はまだ中学生で、家庭教師先の教え子だった。待遇の良さなどもあって、彼という生徒を手放したくないと思ってしまったのが敗因だ。
 興味の対象が自分に向いているのをわかっていて、成績向上と引き換えにキスを許したりするべきじゃなかった。最初は相手からキスすることを許しただけだったはずのそれは、少しずつエスカレートして、請われて手で慰めてやったのが決定打だった。まさか盗撮なんて真似をしているとは思っていなかった。
 それを証拠として出されたら、自分は簡単に犯罪者の烙印を押されていただろう。ゲイであることすら普段は極力隠して生活していたから、少年相手に淫行罪だなんて最悪の事態だ。
 こちらのそんな事情ももちろんしっかり把握されていて、証拠動画をたてに要求されるいろいろを断りきれなかった。そうして、彼の手には証拠動画が積み上がっていくという悪循環にはまってしまった。
 それでも、彼が中学を卒業するまでは、行為自体はここまで酷くなかった。中学生の教え子へ手を出す家庭教師、という証拠動画を撮影するため、どちらかと言うと彼への奉仕が主だったからだ。
 どう言いくるめたのか知らないが、彼の高校入学を機に彼の家へ通うのではなく、彼がこちらに通うようになった。目的はわかりきっていたが、当然こちらに拒否権などはない。
 すでに勉強なんてほぼ教えていなかったが、彼が通ってくるようになってから、一緒に教科書を開いたことは一度だってなかった。この部屋で開くのはいつだってこの体だけだ。
 持ち前の知性と駆使した情報とであっさりこの体を攻略した彼は、旺盛な好奇心で現在は更なる開発に取り組んでいる。
 体も心もこの異様な関係に慣らされきって、入れられているのはペンだとわかっているのに、無機質でゴリゴリとしたそれらの束を、揺すられ軽く前後に動かされるだけで、足の先から頭の上まで緩くしびれるような感覚が走ってたまらない。どれだけ声を飲み込んでも熱い息は抑えきれず、時折たまらず甘く鼻を鳴らして、より強い刺激を求めてしまう。
「腰揺れてきてるよ、センセイ。キモチイイんだね。こんなんでもちゃんとイけそうだ」
 嫌だと示すように首をゆるく横に振ってはみるが、やはり止めてはもらえない。
「今日はどこまでなら拡げても感じられるか確かめたいって言ったよね。センセイがイくたび、ペンの数増やしてくつもりだからさ。おしりでなら何度イッてもいいからね」
 耳に届く声は甘やかで楽しげだ。
「だいぶ慣れてきたみたいだし、ちょっと一度これでイッてみようか。センセイのイイトコ、いっぱい突いてあげる」
「ふぁっ、ぁあっ、んあぁぁっ」
 動きが大きくなり、中の弱い部分に押し付けるように擦られると、両手で口を覆っていてさえ歓喜の声があふれてしまう。
「声漏れちゃってるよセンセイ。俺はいいけど、声、隣に聞こえちゃったらマズイんでしょ?」
 ほら頑張ってこらえてと囁く声も、やはり楽しくてたまらない様子だった。
「ぐうっ、……ううっ、ん……ん、んっ!」
 必死で声を飲み込むのに合わせるようにグイグイと刺激されて、体は昂ぶりきって、そのままドライでオーガズムを迎えてしまう。ギュウときつく閉じた瞳からでもボロリボロリと涙がこぼれ落ちていった。
「泣くほど気持ちよかった? もう少ししたら、少し本数増やそうね」
 ふふっと笑う気配は残酷だ。ゆるやかな刺激は続いている。
 心のなかは絶望で満ちているのに、より強い快楽を約束された体は期待に昂ったままで、それがますます心に暗い影を落としていく。
 泣き顔を晒したって相手は喜ぶばかりだとわかっているのに、涙は止まりそうになかった。

 

 唯一の救いは、およそのプレイ時間に決まりがあることだろうか。勉強など一切教えては居ないが、一応これは家庭教師の延長上にあって、彼がここに滞在するのは決まった曜日の決まった時間だけだった。
 しかしそれと同時に、救いようのない状態に追い込まれてもいる。売りはしていないと言っているのに、学校では教わらないことを教わってるからと言って、彼が月謝という名のお金を置いていくからだ。
 力関係がはっきりしきっている現在、それを突っ返すだけの勇気はなく、結果仕方なく受け取り続けている。
 いくつも年下の高校生に脅された上、金で体を自由にされていると思うと、どうしようもなく情けなくて、彼の去った部屋に深いため息が満ちた。

続きました→

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁