童貞が二人 3

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 左手をそれぞれ相手の肩に置いて支えあい、ローションまみれの右手で相手のアナルを弄る。取り敢えずでゆっくりと、少しずつ押しこむように埋められた中指に痛みはない。同じように中指を埋めた相手も、特に痛みは感じていないようだ。
 まぁ普段出てくるものの太さを考えたら、指一本くらいなら、そんなものなのかもしれない。
 始めは相手の出方を探るように、弄られているという感覚と、相手を弄っているという感覚に差があったのだが、その差はだんだんと縮まっている気がする。相手のその場所がキュッと閉まるのとほぼ同時に、自分も相手の指を締め付けてしまうから、まるで自分で自分のアナルを弄っているような気分になってくる。
 なんだか混乱してきた。更にはクチュクチュと湿った音と、互いに吐き出す熱い息の音とが頭の中に響いて、混乱がますます加速していく。
 今のところ、弄られている場所に気持ち良さはない。むしろキュウキュウと吸い付くように締め付けられる指のほうが、断然気持ち良いと思う。
 ここに突っ込んだら絶対キモチイイ。
 そう思ってしまったら、ペニスが反応して固くなっていくのがわかる。ふと視線を落とせば、相手のペニスも当たり前のように上を向いていた。
「どう? きもちくなって来た?」
 視線を落とした事に気付いた相手から言葉が掛かる。
「気持ちぃのはどっちかって言ったら指」
 正直に言えば、わかるーと言って笑われた。
「穴はやっぱ微妙だな」
 言えばやっぱり、だなぁと肯定が返ってきた。これ、決着つくのか?
「でも思ったより痛くはない、かな。ちょい拡げる方向に行ってみていい?」
「あ? ん、うん」
 混乱しながらの会話に、ぼんやりと決着つかなそうとか思っていたせいで、思わず頷いてしまった事を後悔したのはその直後だった。
「ちょっ、待って待って待って」
「痛い?」
 痛くない。というかまだ、二本目は入って来たといえるほどの侵入を果たしていない。
 でも痛くないけどなんか変だ。いや元々その場所を弄られるのは変で妙って感じだったけど、埋まっていない他の指先でクッと拡げるようにシワをのばされて、既に埋まっている指に沿って侵入して来ようとするもう一本が肌に触れた瞬間、ゾワリと鳥肌が立って力が抜けそうになった。
 どう表現していいかわからず、痛くはないという意味もあって取り敢えず首を振ってみる。相手はやはり意味がわからないと言いたげな顔をして、あろうことか入れようとしていた二本目で、入口を優しく撫でてきた。
「んぁぁぁああっ」
「えええっっ!?」
 相手が驚きで声を上げたが、自分自身驚きまくりだし、何が起きたのかもわからない。
「んあぁっ、ちょっ」
 確かめるように再度添えられた指を動かされ、相手の肩を掴む左手にギュウと力を込めてしまった。
「あ、ちょっとわかった、かも」
 これだろ? と言った相手は、こちらの肩へ置いていた左手を外して股間に差し込んでくると、既に埋まった中指の周りをクルリと撫でたようだった。
「んんんんんっっ」
 咄嗟に口を閉じたけれど、盛大に感じてしまったことは隠しようがない。肌は粟立ちっぱなしだし、体の力はかなり抜けかけているし、目に涙が浮かび始めたことも自覚できている。
「あーごめんごめん。予想以上だった」
 差し込まれていた左手が去っていき、宥めるように目尻に相手の唇が落ちた。
「お前もしてみる?」
 同じ風になるかわかんないけど、と続いた言葉に首を横に振る。やってみたくないわけじゃない。ただ、今の状態ではそれどころじゃないというだけだ。
「むり……」
「それは感じちゃったからギブアップ、て事でいい?」
「やだ」
「おおおおい。なんでだよ」
 感じたよね? と言う問いかけは取り敢えず無視だ。
「だって中、良くなったわけじゃない」
「それは屁理屈に近い気が……というか、そもそもお前、続けられそうにないよな?」
 その通り。と認めてしまうのが悔しくて睨みつければ、相手は少し困ったような顔をしつつも、隠し切れない笑いでじわじわと表情を変えていく。
「負けず嫌いかっわいい! けどさ、今日の所は諦めて俺に任せない? 指でされんの、痛くなかっただろ?」
「入れたの指一本だけだろ。てか怖いって」
 指一本とペニスじゃどれだけ質量に差があると思ってんだ。
「いやいやいや。いきなり突っ込むとかしないから。まだまだちゃんとじっくり慣らすって」
「……怖い」
「えー……じゃあ、俺がそろそろ入れられそうってくらいまで慣らした後も怖かったら、そこで止める。いつもみたいに抜きっこしよ。でも怖くなくなってたらそのまま合体」
 それでどうよと言う提案に渋々頷いた。言ったことを反故にして、むりやり突っ込んできたりはしないだろう、と思えるくらいの信頼はしている。
「じゃ、取り敢えず、俺の中の指はそろそろ抜いて欲しいかな」
 体勢的にもきつそうだし横になろうよという優しい誘惑に再度頷いて、相手の中に埋めていた指をゆっくりと引き抜いた。

続きました→

 
 
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童貞が二人 2

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 ジャンケンで負けた方から順に、腸内を綺麗にするミッションをこなし、もしもを考えて数枚のバスタオルを敷き詰めたベッドに、裸で上がって向かい合う。
 互いのをこすり合うなら、向かい合って座った状態でもっと体を近づけるか、ピタリと寄り添うように横になるかのどちらかが多い。しかし同時に相手のアナル弄るってどうすんだこれ。
「シックスナイン、とかそういう感じでやるのか?」
「まぁそれもありだよな。というかそっちのが楽そうではあるんだけど」
 ということは、別の方法でって事だよな。と思いつつ、語尾を拾って続きを促す。
「けど、何?」
「顔、見れなくなるの、寂しくない?」
 気持ち盛り上がったらキスしたいしと続ける相手は、はっきり言ってキス魔だ。
「お前、本当、キス好きだもんな」
 相手は肯定も否定もなく、ふふっと柔らかで楽しげな微笑みを漏らしただけだった。優しい顔なのに、イヤラシイ気配がはっきりと混ざりこんでいるから、ああこれもうスイッチ入った後かと思った。
 もう興奮できてるってのは、正直羨ましくもある。未知な世界へのチャレンジに、興味はありつつもやはり腰が引けているのは否めない。いやだって、中洗うってだけでも、自分で自分に浣腸するとか、精神的にけっこう色々削られた気がするし。
「で、お前的にはどうしたいの?」
「んーとさ、やっぱり向かい合ってしたいから、というのを考えると、こう?」
 言いながら両足の間を軽く開いた膝立ちになる。その体勢のまま、お前もやってと言われたので、相手の正面近くで同じ姿をとった。
「で、ローションを互いの手に垂らす」
 近くに転がるローションを取り上げて、それを開いた右手にたっぷり垂らした後、やっぱりお前もと言われて、倣うように右手を差し出す。そして手の平にたっぷりのローションを受け取った。多すぎて今にも手の平からこぼれてしまいそうだ。
「ちょっ、多すぎ多すぎ」
「少ないより良いだろ。下落ちてもバスタオルあるし気にすんなって」
 ほらやってみよと促されて、相手の足の間にローションの乗った右手を差し入れた。同時に相手の右手が伸びてこないとこを見ると、どうやら先に犠牲になってくれる気で居るらしい。
「んぎゃっ! 冷たっ」
 目的の場所に触れる前から、相手は思いっきり肩を竦めてしまった。更に気持ちワリィ~と情けない声が続いて、相手の眉尻が少し下がる。
「ええええマジか。どうすればいい?」
「や、いいよ。続けて」
「いや、でも」
「大丈夫大丈夫。ビックリしただけだから」
 若干無理の滲んだ声ながらも、再度続けてと言われていしまえば従うしかない。おずおずと指を伸ばして、まずは人差し指の腹をその場所へピタリと押し当てた。
「んぅっ」
 小さく呻いて、やはり肩を竦ませる。さすがにその指を動かしてしまうのはフェアじゃないので、相手が落ち着くのを待つしかない。
 やがて一つ息を吐いて、やや俯きがちだった顔を上げる。その顔は悪戯っぽく笑っていたから、ああこれは相当の覚悟が必要なんじゃないかと不安になった。
「次、お前の番な」
「今、ど、どんな感じ……?」
「そんなの、すぐにお前も体験できるって」
「それが怖いから聞いてるんだろ!」
「だいじょぶダイジョブ。ちょーっとゾワゾワゾワ~ってなるだけ」
「お前思いっきり気持ちワリィって言ってたけど」
「慣れたら気持ちよくなるって」
 それあれだろ。どっかのサイトの受け売りだろ。だって読んだ記憶あるし。後、多分使いどころおかしいから。
 なんてことが頭の中をグルグルしている間に、相手の手が足の隙間に伸びてくる。触れられる前から、既に肌がゾワゾワとしている気がする。
 正直、相手の足の間に入れてる手を引き抜いて、すぐにも逃げ出したいくらい、ヤバイ気配しかない。
「ばーか。緊張しすぎ。そんなびびんなくても、大丈夫だってば」
 怖くなってギュウと目を閉じたら、顔の前に相手の気配を感じて軽く唇を塞がれる。それが何度か繰り返される間に、とうとう相手の濡れた手が股間の肌に触れた。
 思ったほど冷たさは感じなかったが、ローションのぬめりははっきりと感じ取れて、一瞬で鳥肌が立ってしまう。うわっと思う間に、つるりと滑った指先が、すぐにその場所へと到達した。
「うぅっっ」
 多分自分がしているのと同じように、指の腹で出口……ではなく入口となるべき部分を塞がれると、これはもう呻いて肩を竦めるしかない。
 しかし一度触れられてしまえば、確かに慣れるのも早かった。まだ全然、欠片も気持ちよくはないけど。
 一つ息を吐きだして、閉じていた目をそろりと開ければ、期待と興奮とが滲みまくりの顔が目の前にあった。
「お待たせ」
 思わずそんな言葉が出てしまったのは、相手の逸る気持ちに感化されたからかもしれない。
「ん、待ってた」
 小さく笑った後の、ちょっとずつ指を動かしてみてという相手の囁きが、スタートの合図になった。

続きました→

 
 
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一卵性双子で相互オナニー

 目の前の勃起ちんぽは自分の股間にぶら下がるものと形も大きさもほぼ変わらない。持ち主はお前のより数mmデカイと主張しているが、そんなのその日の体調や興奮具合や測り方で変わってしまう誤差の範囲だろう。
 そっと舌を伸ばして握ったソレの頭ににじむ僅かな雫をなめ取れば、んっと気持ちよさ気な吐息の後、己の股間にも同様の刺激が走った。同じように吐息を漏らしてから、もう一度舌を伸ばす。今度はもっとゆっくりと、張り出すカリの周りを舌先でくるりとなぞってやった。もちろんそれも、数テンポ遅れで同じように舌先を這わされる。
 ベッドに転がり互いに相手の股間に顔を埋めるようなこの状況では相手の顔は見えないが、にやにや笑う相手の顔が浮かんでしまってまったく意地が悪いと思う。
 今までは自分のほうが、相手を追うようになるべく同じことをやり返していたのだが、相手はどうやらその事実に最近気付いたようだった。
 所詮これはオナニーで、自分がされたいことを相手にしている。という前提から、相手がそうされたいのだと思ってそうしていた。
 理由を聞かれてそう答えたら、相手は少し嫌そうな顔で不公平だと言った。なんでもっと早く言わないんだと怒られて、今日は始める前に、相手が後を追うから自分がされたいことをしろと告げられてからスタートした。
 正直面倒くさい。
 嫌そうな顔も、怒ったのも、別にこちらを想っての言葉ではないのだ。今回の提案はこちらももっと積極的になれというワガママに近い。
 確かにきっかけを作ったのも行為に積極的なのも彼の方だ。一卵性の双子なのだから、互いのを扱きあうのもオナニーと一緒だと言うのが彼の主張で、それを熱弁しつつ取り敢えず試してみないかと誘われたのが最初だった。
 好奇心盛大で色々と試してみたい気持ちが強い相手に、物事へのこだわりや執着が薄めな自分が付き合い、共にそれなりの楽しみを見出す。なんてのはコレに限らずよくある事だ。
 相手に付き合うパターンが多くとも、自分たちの間に主従関係があるわけじゃない。気が向かないことにはちゃんとノーを突きつけるし、これだって嫌ならとっくに止めている。互いのを扱きあうどころか互いに舐め合うまでに発展しているが、これがただのオナニーだということに納得もしている。
 けれどそんなことは相手だってちゃんとわかっているのだ。
 不公平だ何だと言ってこちらを動かそうとするのは彼の手法の一つでしかなく、にやにや笑っているだろう顔が浮かんでしまうのは彼の好奇心が自分に向いている事がわかっているからで、意地が悪いと思うのは面倒くさいと思いつつも自分が彼の望むよう振る舞う事までわかられているからだ。
 口を開けて亀頭部分を咥え、軽く吸いながら舐めまわしつつ、竿部分を握った手を上下させる。
「んふっ……」
 楽しげな鼻息を漏らしつつ、すぐさま同じように追いかけてくる相手の機嫌は良さそうだが、内心ばーかと罵ってやった。
 相手に言われるまま、自分がされたいことを素直に実行するわけがない。本能のままに自分が本当にしたいことやされたいことをしてしまったら、相手がドン引くのはわかりきっている。
 慣れた手順で、相手がされたいだろうことを予測してしているに過ぎないのだが、自分が彼の後追いをしていたことすら最近やっと気づいた相手が、それに気づくのはきっともっとずっと先のはずだ。
 何もかも分かり合っているようでも、そこはやはり自分と相手とは別の人格があり、言わば騙し合いをしている部分もある。これは自分のほうが多少有利な気がしているが、確たる自信があるわけではないから、知られたくないことは細心の注意を払って隠し通す。
 これはただのオナニーということを忘れてはいけない。
 それを肝に銘じつつ、喉の奥まで迎え入れて相手の性感を追い立てていく。

 
 
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腹違いの兄に欲情しています

 父に家庭があることを知らずに自分を身籠り産んだ母が亡くなったのは小学4年生の時で、父に引き取られた後の数年は地獄のような日々だった。自分で世話をする気が一切ないなら、施設にでも入れてくれたほうがきっとまだマシだっただろう。
 突然不義の子を押し付けられた継母と4歳上の腹違いの兄の冷たい態度に、小学生でも自分がその家庭での異分子である認識は出来る。父は基本、男は金さえ稼げばいいという考えだったようで、継母に丸投げな代わりに自分を庇うことも一切なかったので、継母と兄の仕打ちはあっという間にエスカレートした。
 兄の体は大きく、始めは殴る蹴るの暴力で、それが学校の先生に発覚して家庭に注意が行ってからはより陰湿なものへと変わった。簡単にいえば、性的な暴行が増えた。
 兄に好き勝手抱かれるのは、純粋に殴られ蹴られるより苦痛に感じることも多かったが、逆らうことも誰かに相談することも出来なかった。さらなる報復が怖くて、ただひたすら耐える以外の道がなかったのだ。
 父が突然の交通事故で亡くなったのは、中学2年が終わる春休み中で、もう一人の腹違いの兄に初めて会ったのは父の葬儀だった。父の最初の奥さんとの子供で、自分とはちょうど一回り違う。
 高校卒業年齢の腹違いの弟がいることは知っていたようだが、その下にもう一人いることは聞いてなかったらしい。大学受験に失敗した兄は引きこもって葬儀にもほとんど参列していなかったので、腹違いの弟として顔を合わせたのは自分が先だった。訝しげに上から下まで眺め見られた後、年齢を聞かれて答えた時の随分と驚いた様子を今もまだ覚えている。
 二度目に会った時、上の兄は弁護士同伴だった。呼ばれてリビングへ行けば、重々しい空気の中で、この家から出て俺と一緒に来ないかと言われた。
 一も二もなく頷いて連れて行ってと答えたら、継母は恩知らずだ何だと言っていたような気もするがあまり覚えていない。
 父の家庭になど興味はなかったらしいが、葬儀で最初に会った時の違和感から、大急ぎで現状を調べあげたと言った上の兄は、兄自身のだけでなく自分の分の遺産もがっちりもぎ取ってくれていた。父は稼ぎだけは良かった上に交通事故での賠償金などもあったようで、見たこともない金額の入った通帳を見せられながら、社会にでるまで預かっておくということと、生活に掛かる金はここから貰うから気兼ねなく過ごせと言われた時はみっともなく大泣きしてしまった。
 あの日、上の兄と会っていなかったら、今頃自分がどうなっていたのかわからない。上の兄は自分を救ってくれたヒーローで勇者で、母が亡くなってから初めて頼ることができる大人で、好きになる事は止めようがなかった。
 上の兄と暮らすようになって5年。兄の勧めで結局大学に進学してしまったので、社会に出るまでもう数年残されているが、最近少し辛くなっている。
 大学進学を勧められた時に久々に見た通帳の金額は、ほとんど減っていなかった。積極的に家事をしてくれてるからその分の生活費は免除してると言われて、またしても少し涙がこぼれてしまった。
 兄を好きだという気持ちが、はっきり恋愛的な意味も含むのだと認識したのは、その後少ししてからだ。この人は信頼を裏切らないという、最後の一押が通帳だったのだと思う。
 洗濯カゴから洗濯するものを選り分けながら、兄の下着を取り上げ鼻を押し付けた。大きく息を吸うと、兄の体臭と混ざった恥ずかしい臭いが鼻孔に広がり、すぐに股間ががカチカチになる。洗濯機の前で、兄の使用済み下着を使ってオナニーするという、とんだ変態行為がやめられない。
 兄の勃起ちんぽを舐めしゃぶる妄想は、やがてアナルにハメる妄想となって、最近は自分で自分の後ろの穴を弄る事も増えた。
 フェラも尻穴を使ったセックスも、下の兄に強要されていた時はあんなにも苦痛だったのに、上の兄にならされたいと思う。どんな酷いことをしてもいいから抱いて欲しいと思う気持ちと同じくらい、上の兄が自分に性的な暴力など一切行わないとわかっている。
 引き取られた初期に下の兄に暴力を振るわれていたことは、学校からの注意も入ったくらいなので、調べたといった上の兄も当然知っているが、性的虐待を受けていた事は誰にも話していないので知らないだろう。
 痛くて苦しくて辛い行為も繰り返されれば慣れるし、嫌がりながらも感じてしまうことを嘲笑うのも下の兄のお気に入りだったから、この体はその行為での快楽も知ってしまっている。
 こんな汚れた自分を知られたくなくて、けれど兄への気持ちは募るばかりで、隠れてする変態行為はエスカレート気味だ。
 どうか気づかれませんように。
 そう思いながら、兄の使用済み下着の中にたっぷりと精液を吐き出した。

 
 
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リバップル/処女を奪った友人が童貞も貰ってくれるらしい2(終)

1話を読む→

 仰向けに寝転がり頭だけ持ち上げ見つめる視線の先、自身のペニスが狭い秘所へと飲み込まれていく。澄ました耳に、ぬちゃりと湿ったいやらしい音と、相手の漏らす小さな呻き声と、キツい締め付けにこぼした自身のいやらしい吐息が混ざって届いた。
 手を伸ばして上にまたがる相手の尻肉を掴み広げれば、止めろと相手の焦った声が響く。
「入るとこ見えた方が良いだろって言ったの誰だよ」
「だからって広げるヤツがあるか!」
「せっかくなら入ってくとこしっかり見たい」
「ざけんな。手、放せって」
「じゃ、入るの見れなくていいからこっち向いて」
 代わりに顔見せてと言ったら即答で嫌だと返ってきた。
「なんで?」
「なんでも!」
「お前が初めて俺抱いた時、正常位だったろ。でもって苦しいのときもちぃのとでわけわかんなくなってる俺に、散々可愛いとか言いまくったよな?」
「お前は可愛いからそれでいーの」
「なんでだよ。俺だってお前に可愛いとか言いたいだろ」
 そもそも背面騎乗位というらしい、今のこの体位で繋がる事にイマイチ納得が出来ていない。
 初めて彼とセックスをした時、一度は抱かれる覚悟を決めた相手に上手く挿入出来ず、結果タチネコ交代した経緯があるので、百歩譲って相手が自分の意思で挿入される騎乗位なのは仕方がない。けれど、脱童貞するならちゃんと入ってくとこ見たいだろ、などという理由で背中を向けられたのはいただけない。
 勢いに押されるまま、背中を向けた相手に跨がられてしまったが、入っていく所を見たいなんて欲求は特にないからだ。しかも見ろと言うならじっくり見てやろうと広げてみれば、こうして文句が飛んでくる。
「言わなくていい。てか可愛いとかないからっ」
「お前が可愛いかどうか決めるのは俺だ。てかお前、その体勢キツくないの?」
 相手は先だけ入った状態の中腰で、若干前屈みになりながら身を固めている。もちろん、尻肉を開くこちらの手もそのままだった。
「キツイにきまってんだろ。だからさっさとその手放せよっ」
「やだ。つかさ、」
 言いながら少し腰を突き出すように浮かせてみる。
「うわっ、バカっ」
 そのまま入っていくところが見れるのかと思ったら、相手の尻も突いた分だけ浮いただけだった。
「無理にしようとすんなって。おとなしくその手放せば、俺がちゃんとお前の童貞貰ってやるってば」
「なんで入んねーんだ。俺はお前のあっさり入れられたのに」
「あったり前だっつーの! バリタチなめんな」
「バリタチ?」
「抱く側専門のこと」
「は? 何お前、抱く側のプロなの?」
「そーだよっ。俺に男抱いた経験あるのはお前もわかってんだろ」
「そりゃまぁ慣れてるとは思ったけど。でも抱く専門なんて聞いてない。てかなんで抱く専門のお前が俺に抱かれようとしてんの?」
「お前が抱く側ならだの童貞のまま抱かれるの嫌だのって言うから仕方なくだっつーの。だいたいさ、ちゃんとキモチくなれてんのに、なんでお前、抱かれるだけで満足しねーの? なんで俺、こんなことしてんの?」
「いやお前、自分で答え言ってるから。俺の童貞貰うって言い出したのお前の方だから」
「だってお前と恋人になりたいんだからしょーがないだろー」
 童貞貰ったら恋人になるって約束したろ? したよな? と確かめるように問う声は僅かに鼻声だった。もしかして泣いてるのかと思ったら、どうにもその顔を見たくてたまらなくなった。けれど振り向いてとお願いした所で、絶対に叶えてはくれないだろうこともわかっている。
「あ、あのさ」
「なんだよっ」
「やっぱ一回抜いていい?」
「なんで!?」
「入るとこよりお前の顔みたいし」
「嫌だっ」
 拒否の声を無視して相手の尻をぐいと持ち上げつつ腰を引けば、深くまで入っていなかったそれはあっさり相手との結合を解いた。そのまま相手の下から抜けだし起き上がり、背中を向ける相手の肩を掴んで勢い任せに引き倒す。
「ちょっ!!」
「泣いてんの?」
「泣いてねー」
 そう言いながらも、上から覗き込んだ相手の目元は、泣くのを耐えてか赤く染まっている。胸がキュウとして鼓動が跳ねた。
「教えて」
「何を?」
「男の抱き方。上に乗られるんじゃなくて、自分で、お前に入れたい」
「だーかーらー! バリタチなんだっつったじゃん。入ったら童貞卒業に変わりないんだから、せめて俺に乗らせてよ」
 ますます目元を赤くする相手に、愛しいようなもっとしっかり泣いた顔が見たいような、なんとも言えない気持ちが湧いて、黙れという気持ちも込めつつその口をキスで塞いだ。もちろん彼に抱かれる時だってキスはするけれど、自分から積極的に相手の唇を奪うことは今までしたことがなかった。初めてだということは、多分相手もわかっている。
「童貞捨てたいだけじゃなくて。お前を自分の手で、抱きたいって思ってる。今、かなり」
 真剣に告げたら小さな溜息の後、引き倒した時に肩を押さえた手を放せという様子でピタピタ叩かれた。素直に従えば、クルリと位置を変えて、仰向けのままこちらに向かって足を開く体勢になる。
「ほら、こいよ」
「え?」
「今日は自分でしっかり慣らしてあるから、先っぽ押しあてて体重かけりゃそのまま入るよ。多分」
 言われるままにその場所へ先端を押し当て体重をかけていけば、失敗したあの時とは違って、狭い場所を押し開きぬぷぬぷと沈んでいく。熱に包まれメチャクチャ気持ちが良い。
 すぐに腰を振り始めた自分に、相手は苦しげに呻いたけれど、制止の声はかからなかった。
「ゴメン。俺ばっか、きもちぃ」
 動くたびにあっアッと苦しそうな声が漏れて申し訳ないとは思うものの、動きを止めることが出来ない。
「んなのいーから」
 むしろさっさとイッてと急かす声は本気だ。それに甘えてガツガツと腰を振れば、相手の目元からボロリ涙がこぼれていく。
 胸が締め付けられて、ぎゅうと抱きしめてやりたい気持ちが押し寄せる。多分きっと、愛しいのだ。相手のことも気持よくさせたいという気持ちはあるのに、まったく上手くいかない。
「ゴメン、ごめんっ」
 ゴメンを繰り返しながらあっさり果てて、それからようやく相手のことを抱きしめた。
「童貞卒業、おめでと」
 疲れきった声が、それでもそんな言葉を掛けてくる。
「うん。ありがと。てか本当ゴメン」
「いーよ」
 緩く抱きしめ返してくれながら、相手は続ける。
「でも、約束は守れよ」
「うん。好きだよ」
「えっ?」
「抱いたら、わかった。……と、思う。お前のこと、俺も、友人ってだけじゃなく好きなんだって」
 だからまた抱かせてと言ったら、童貞じゃなくなったんだからもう良いだろと言われたけれど。
「だってお前が俺に気持ちよく抱かれるとこ見たい」
 そんな姿を見たら、きっと今日とは比べ物にならないくらい、メチャクチャ愛しい気持ちが湧くだろう。
 それを正直に言ったら、相手は暫く言葉に詰まった後で、善処はすると困惑の混ざる声で告げた。

 
 
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恋人になった元教え子にまた抱かれる日々の幸せ

取引先に元教え子が就職してましたの続きです。最初から読む場合はこちら→

 普通の抱かれ方じゃどうせ満足できっこないから、昔みたいにして欲しい。苗字なんてもってのほかで、けれど名前でもなく、出来ればやはりセンセイと呼んで欲しい。
 晴れて恋人となった元教え子に、正直にこちらの欲望を突きつけたら、彼は少し困った様子で、けれど楽しそうに、センセイがそれでいいならと言った。願ったりかなったりだとも付け加えて。
 結局あんな関係が長いこと続いていたのは、当時はまだ無自覚だったり未開発だったにしろ、互いの性癖がうまいこと合致していた結果だったんだろう。
 そうして再開した関係は順調だった。
 今日もまた彼の目の前で、獣のように四つ這いになって腰を高くあげ、添えた左手の人差指と中指で左右にぐいと伸ばしひろげて見せながら、先細りの円錐形アナルバイブを自ら突き刺し前後させている。振動はさせていないが、それでも慣れた体はすでに充分昂ぶっている。
「あ、あアっ、イイっ、ぁあん、んっ」
 声を噛まずにこぼれさせるよう言われているので、開かれた口からはひっきりなしに音がもれていた。安アパートで行為を重ねた昔と違って、音が漏れる心配があまりないためだ。昔みたいにとは言っても、そんな風に変化したことも多々あった。
「イイ、イッちゃう、おしりだけでイッちゃうっ」
「トロトロだねセンセイ。でもまだイッたらダメだよ。イくのは我慢しないとね」
 これも変化したことの一つだろう。昔はイくのを耐えろと言われることはほぼなく、ひたすら何度もイかされ続けることが多かった。
 昔は言われるまでもなく耐えていた、というのもあるかもしれない。恋人となった甘えから、彼の前に快楽を晒す抵抗が薄くなったのを、的確に見ぬかれた結果かもしれない。
 背後からかかる声に荒い息を吐きながらどうにかイッてしまうのを耐える。なのに、続く声は容赦がない。
「だからって手を止めていいとも言ってないよ?」
「あああぁっんんっ」
 ほらちゃんと動かして。という言葉に、恐る恐る埋まっているバイブを引き出すが、背筋を抜ける快感にやはり途中で動きを止めてしまった。動かし続けたらすぐさまイッてしまいそうだった。
「むりっイッちゃう、イッちゃうから」
「じゃあ少し休憩しようか」
 その言葉にホッと出来たのは一瞬で、休憩中はバイブスイッチを入れるよう命じられる。
「弱でいいよ。それで5分我慢できたら、後はいっぱいイかせてあげる」
 いっぱいイカせてあげるという言葉だけで、期待に腸壁が蠢き中のバイブを締め付ける。しかしこの状態で振動なんてさせたら、動かさなくたって充分にキツイ。5分も耐えられる自信はなかった。
「自分で入れられない?」
 躊躇えば、俺がスイッチ入れようかと優しい声が響く。けれどその場合、ただスイッチだけが入れられるのみ、なんてことは絶対にないのがわかりきっている。
「でき、る。やる、から」
 覚悟を決めてスイッチへ指先を当てた。
「ふぁぁあんあ゛あ゛ぁぁ」
 始まる振動に、背を大きく逸らして吠える。弱とはいえ機械の振動に容赦なく追い詰められていく。
 結局半泣きで耐えられたのは何分だったのだろうか。
「だめっダメッ、あ、イッちゃぅんんっっっ痛っっ!!」
 上り詰めてしまった瞬間、尻に熱い痛みが走った。
「い、った、あっ、あっ、ごめん、痛っあぁんっ」
 無言のまま10回ほど尻を叩かれたが、これは始めから言われていたことだ。我慢できずに勝手にイッたら、そのたびにお尻を10回叩くお仕置きをするよと。
「センセイはお尻を叩かれても感じちゃうの?」
 叩かれ熱を持つ尻を優しく撫でながらふふっと笑われ、カッと顔も熱くなる。その言葉を否定しきれない自覚があるくせに、口は否定を音にする。
「ち、違っ」
「本当に?」
 先程よりもずっと軽く尻を叩かれ、こぼれ落ちた声は自分でもわかる程に甘い響きをしていた。
「はぁあん」
「次はおしり叩かれながらイッてみる?」
 言葉に詰まってしまったら、やはり小さく笑われた後、バイブを握られるのがわかった。バイブはもちろん、未だ小さな振動を続けている。
「はあぁぁ、あああ…んんっっ、んっ、ああっ」
「ほら、やっぱり気持ちいいんだ」
「いいっ、ああぁイイっ」
  バイブを抜き差しされながら軽く尻を叩かれ続け、未知の快感に体も心も喜び震えた。
 これだ、という満ち足りた思い。優しく追い詰められながら、自分一人ではたどり着けない、快楽の新しい扉を開いて行くような感覚。与えてくれたのは彼だけだった。
 しかもそこには今、紛れもなく愛があるのだ。この体を使ってただ遊ばれているわけじゃない。
 このままイッてごらんと囁く甘やかな言葉に導かれて、幸せを噛み締めながら上り詰めた。

 
 
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